イヌブナ
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イヌブナ(学名:Fagus japonica Maxim.)は、ブナ科ブナ属の落葉高木である。雌雄同体である。和名は、ブナより材質が劣ることから名付けられた。樹皮の色からクロブナとも呼ばれている[1]。
特徴
イヌブナは、樹高約25mであり、幹の直径は70cmにもなる。日本の本州(岩手県花巻市以南)、四国、九州に分布する。葉序は互生で、葉の形は楕円形で、先端は尖り、縁は針のように尖ったギザギザである。花は5月ごろに咲き、花序は尾状花序である。樹皮は暗灰褐色であり、イボ状の皮目が目立つ。本年枝は、はじめ暗紫色で淡褐色の軟毛が密生するが、すぐに無毛となる。前年枝は、黒紫色である。果実の形状は、ブナに似るが、柱頭がブナより花皮から長く飛び出している。殻斗は、熟すると4裂し、2個の果実が露出する。日本の山野に自生し、中部地方より寒さの厳しい地域の日本海側では、ほとんどみられない。
利用
木材として、建築材、器具材、船舶材に利用される。
ブナとの見分け方
- 樹皮
- イヌブナの樹皮は、暗灰褐色でイボ状の皮目が目立つ。一方、ブナは、灰白色でイヌブナほどの凹凸はみられない。
- 葉
- イヌブナの葉は、側脈は9~14本で裏面は灰白色で白い毛が残る。一方、ブナは、側脈は7~11本で、葉柄には、はじめ白く長い毛があるが、やがてわずかに脈上のみとなる。
- 殻斗
- イヌブナの殻斗は、短い鱗片に被われるが、ブナは、線状の鱗片が密生する。
関連項目
脚注
- ↑ 筑波実験植物園. “イヌブナ”. . 2014閲覧.
- ↑ 葛巻町. “七滝・北限のイヌブナ”. . 2014閲覧.
参考文献
- 平野隆久 『よくわかる樹木大図鑑』 永岡書店。ISBN 978-4-522-42397-4。
- 菱山忠三郎 監修 『樹皮・葉でわかる樹木図鑑』。ISBN 978-4-415-31018-3。
- 伊藤ふくお 『どんぐりの図鑑』 北川尚史 監修、トンボ出版。ISBN 978-4-88716-144-3。
外部リンク
- “樹木図鑑(イヌブナ)”. . 2014閲覧.
- “ブナとイヌブナの見分け方”. . 2014閲覧.
- 岡山理科大学生物地球学部生物地球学科 植物生態研究室. “イヌブナ”. . 2014閲覧.
- 東京都農林総合研究センター. “ブナとイヌブナの種から大きな木になるまで (pdf)”. . 2014閲覧.