ぼったくり
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ぼったくりとは、店側の客への不正行為で、商品やサービスを相場を大幅に上回る価格で提供し、客を欺くことを指す。
語源は米騒動の際の暴利取締令[1]にて「暴利」を活用させたものであり、しばしば短縮されて「ぼった」、動詞として「ぼったくる」「ぼられる(ぼる)」と表現される。
風俗業
- サービスの後で異常な上乗せ料金の請求。キャバクラで多発。
- 知らないうちに高額なボトルが入っていたり、延長確認を遅らせ強制延長など。
- 前金を受け取った後に十分なサービスをせずに客を追い出す。
- 風俗店で性的サービスを受けるためには、追加料金が必要として料金を請求(いわゆる「たけのこ剥ぎ」)。
- 払った金額の割りに、容姿の劣る女性を出されたときなどに揶揄する意味合いで使われることがある。
- パチンコやパチスロ、あるいはアミューズメント施設におけるプライズマシンなどでは、極端に還元率の低い(控除率の高い)営業をしている店舗に対して使われることが多い。例えば、全台最低設定で営業するパチスロ店や、市価800円の景品に対して3000円以上投資しなければ景品を取得できないようなアミューズメント施設もぼったくりと呼ばれることがある。
- 一部の風俗情報誌では明瞭会計でぼったくりのない店舗のみを優良店として掲載している。
- 一部の地方自治体では都道府県においてぼったくり防止条例を制定し、風俗業に対して「料金等の表示義務」「不当な勧誘等の禁止」「不当な取立ての禁止」している場合がある。条例のない自治体では泥酔させた客の金融機関の口座から現金を引き出す手口は窃盗容疑で、泥酔させた客本人に金融機関の口座から現金を引き出させる手口については準詐欺容疑で摘発例がある[2]。
飲食店
店外に料金表示を行わないか、または意図的に誤解を招くよう表示する場合が多く、会計時に法外な料金を請求されること。飲食費以外に法外なサービス料を請求する場合もある。寿司屋の「時価」など。
この手のぼったくり店舗はスナックやキャバクラなどに見られたが、最近では居酒屋やガールズバーにもぼったくりを行う店があり、実態とは違う情報を伝えたり、必要な情報を伝えなかったキャッチや、恫喝をした店長らが恐喝罪や詐欺罪で告訴されたり、客に暴力を加えて代金を奪い取ったりした店長らが強盗致傷罪で逮捕されるなどするケースもある。また、インターネットのグルメの口コミサイトや匿名掲示板等では「○○(ぼったくりの居酒屋の店名)」は絶対に行くな、と注意を促す書き込みが見られる(ただし、これらには同業者や私怨によるネガティブ・キャンペーンの可能性も含む)。その他にも、追加料金がぼったくりと言えるか言えないかぐらいの少額な「プチぼったくり」の飲食店もあり、渋谷センター街などで問題になっている。
日本国外
- 東南アジアでのぼったくりは、観光客(日本人・その他外国からの観光客両方)に対して、飲食店・風俗店・小売店・交通機関(タクシー、バイクタクシー、シクロ、リクシャー)などその他あらゆる場面で行われうる。東南アジアの市場・商店などでは商品に対して「値札」が表示されていないことが多く、商品購入時には口頭で価格交渉が行われる。その際に現地での市価相当額(相場)を知らない観光客に対して市価以上の金額を提示することで、ぼったくりを行うことが通常である。
- 日本人観光客などは、店員が最初に告げた価格が、日本における一般的な物価(日本円)と比較して安い場合、ぼったくりを気にせず購入することも多いが、その価格は市価の数倍から数十倍にもなることがある。こうした無知が、現地価格を吊り上げている場合が多い。
- 観光客だけがぼったくり価格で商品を購入することになるため、このような価格のことを日本人価格・外人価格などとも呼ぶ。逆に、市価相当の価格のことを現地人の価格ということで現地価格と呼ぶ。
- タクシーなどでは、東南アジア・南アジア・中東・東ヨーロッパ・南米などの国や地方では、タクシーメーターが無いもしくは価格交渉が一般的なため、相場を知らない外国人に、法外な価格を提示することがある。また、タクシーメーターがあっても(課金ボタンの連打や改造メーターなどの)不当な方法で課金したり、メーターを隠すことで、不当な価格を支払わせることがある。そのほか、ガソリン代を請求したり、わざと遠回りすることで、通常より長い距離を走って稼ぐなどなどの手法もある。
- 飲食店では、現地語で書かれた現地通貨のメニューと、英語で書かれた米ドル表記のメニューの二種類を用意し、英語メニューに現地語メニューより高い値段を記載したり、値段そのものを記載せず、会計で不当に割高な価格を支払わせることもある。
- クレジットカードでの支払いでは、クレジット会社への店側が支払うべき加盟店手数料(3 - 5%)を上乗せされた額が請求されることがある[3]他、カードリーダーに通して請求が発生したことを確認してから、「このカードは当社では使えない」などと言って現金での支払いを要求し、二重請求を行うなどの手法がある。
アジアのほか、ヨーロッパや中南米においても、特に日本人がぼったくりに遭うケースが少なくなく、日本国外旅行の情報サイトや日本国外個人旅行の書籍『地球の歩き方』や外務省の危険情報などに注意が喚起されている。