「筑波山」の版間の差分

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ja>小石川人晃
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{{出典の明記|date=2015年8月}}
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{{Infobox 山
 
{{Infobox 山
 
|名称= 筑波山
 
|名称= 筑波山
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[[File:Mount Tsukuba Relief Map, SRTM.jpg|thumb|筑波山の地形図]]
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'''筑波山'''(つくばさん)
'''筑波山'''(つくばさん)は[[日本]]の[[関東地方]]東部、[[茨城県]][[つくば市]]北端にある[[標高]]877mの[[山]]。筑波山神社の境内地で西側の'''男体山'''(標高871m)と東側の'''女体山'''(標高877m)からなる。雅称は'''紫峰'''(しほう)。'''筑波嶺'''(つくばね)とも言い、茨城県のシンボルの一つとされている<ref>『[https://www.pref.ibaraki.jp/doboku/toshikei/kikaku/keikan/documents/houkokusho1.pdf いばらき広域景観づくり事業 検討結果報告書]』茨城県土木部都市局、2008年3月、p. 4</ref>。
 
 
 
== 概要 ==
 
[[富士山]]と対比して「西に富士、東に筑波」と称される<ref name="isaka">{{Cite book ja-jp
 
|author = 井坂 敦実
 
|year = 2015
 
|chapter = 筑波の歴史と文化
 
|editor2 = 前川 啓治
 
|title = 筑波山から学ぶ 「とき」を想像・創造する
 
|publisher = 筑波大学出版会
 
|pages = 4-25
 
}}</ref>。[[茨城県西地域|茨城県の県西地方]]からの眺めが美しいとされる<ref>『世界大百科事典』([[平凡社]] 2007年)の「茨城県」の項より</ref>。全域が[[水郷筑波国定公園]]に指定された保護エリアであり、中腹から山頂付近は特別保護地区([[自然公園法]])に指定され筑波山神社境内地であり、古くから樹木および木竹以外の植物の損傷・植栽、動植物の捕獲・採取等が禁止され神域として保全されており火器の無許可使用、リード無しのペット散歩等の行為も禁止されている(その他は御神橋の横にある定書参照)。[[万葉集]]にも詠まれ<ref name="isaka" />、[[日本百名山]]、[[日本百景]]の一つとされる。百名山では最も標高が低く、[[開聞岳]](標高924m)とともに1000m未満の山。[[独立峰]]にみえるが、実際には[[八溝山地]]最南端の[[筑波山地|筑波山塊]]に位置する{{Refnest|group="注釈"|かつては[[阿武隈高地]]にも含められていたが、現在では別の山系とされる<ref>『日本の地形4 関東・伊豆小笠原』貝塚爽平ほか編、[[東京大学出版会]]、2000年、4頁。</ref>。}}。[[火山]]と誤解されることもあるが<ref>川辺禎久"[http://www.kazan.or.jp/J/QA/topic/topic181.html 筑波山 - 火山学者に聞いてみよう -トピック編-]"日本火山学会(2011年8月5日閲覧)</ref>、実際には[[火山]]ではなく、隆起した[[深成岩]]([[花崗岩]])が風雨で削られて形成されたとされる。なお、山頂部分は[[斑れい岩]]からなる。
 
 
 
高さは長らく[[三角点]]の標高である876 mとされていたが、1999年に最高点の877 mに変更された<ref>"[http://yama-heiwa.moo.jp/sub%201%20mt-1-44-%20%20tukuba.html 百名山・二百名山登山記録写真]"(2015年1月9日閲覧)</ref>。
 
 
 
筑波山は[[石岡市]]および[[桜川市]]にもまたがる。男体山・女体山山頂には[[筑波山神社]]の[[本殿]]があり、山腹には[[拝殿]]がある。『[[常陸国風土記]]』には筑波山の神が登場する。[[筑波山神社]][[拝殿]]には[[坂東三十三箇所]]25番札所の[[筑波山大御堂]](中禅寺)が隣接する。筑波山は、[[ニホンヒキガエル|ガマ]]の油売りの口上などでも知られる。山中には巨石、奇石、名石が数多く散在し、それぞれに名前がつけられ、多くの伝説を生み、それらに対する信仰が今日でも受け継がれ、山そのものが「神域」として崇められている(県指定遺跡)。開山以来、「結界」が張られており、荒れた時代もあったが、現在でも「霊山」であり山の万物が「神体」とされている。「夜間は男体・女体の神々が御幸ヶ原に出現する」ため「二人の遊楽を妨げてはならず入山しない」とする文化がある。
 
 
 
[[関東平野]]を一望するロケーションの良さからアマチュア無線用中継局・[[筑波山レピータ]]もある。関東平野の北東部にあることと、同平野では希有な独立峰的な山であることから、[[気象]][[観測]]や[[無線通信]]の上でも重要な拠点とされ、山頂付近には数多くの[[アンテナ]]が存在する。[[1893年]]に山頂付近で気象観測を開始した後に筑波山測候所が置かれ、[[2006年]]からは筑波大学による筑波山気象観測ステーション([[2016年]]に[[筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所]]へ改称)として男体山頂にて観測を行っている。
 
 
 
筑波山からは富士山の美しい景観を眺められるため、[[2005年]]に[[関東の富士見百景]]に選定された。[[2007年]]、[[日本の地質百選]]に選定。
 
 
 
[[旧日本軍]]では「[[真珠湾攻撃]]を実施せよ」を命じる[[隠語]]は「ニイタカヤマノボレ([[玉山 (台湾)|新高山]]登れ)」であったが、「直ちに帰投せよ」を表す隠語は「ツクバヤマハレ(筑波山晴れ)」であった。
 
 
 
== 古典にみる筑波山 ==
 
[[File:100 views edo 035.jpg|thumb|180px|[[歌川広重]]『[[名所江戸百景]]』より。広重は、江戸の街からの地平線を描く場合に、西方なら[[富士山]]、北や北東なら筑波山を描くことが多かった。]]
 
 
 
=== 歌垣と『万葉集』 ===
 
{{出典の明記|date=2018年3月|section=1}}
 
筑波山は古来より[[農閑期]]の行事として大規模な[[歌垣]](かがい)が行われ、近隣から多数の男女が集まって歌を交わし、舞い、踊り、性交を楽しむ習慣があった。これは今年の豊穣を喜び祝い、来る年の豊穣を祈る意味があった。
 
 
 
『[[常陸国風土記]]』には、筑波山における[[歌垣]]について、[[富士山]]との比較で次のような話を載せている。諸国をめぐり歩く神祖尊(みおやのみこと)が、[[新嘗祭|新嘗]]の日に富士山を訪ねた。ところが富士の神は新嘗祭で忙しいからと一夜の宿を断った。神祖尊は嘆き恨んで、「この山は生涯冬も夏も雪が降り積もって寒く、人が登れず、飲食を供える者もなくしよう」といい、今度は常陸の筑波山に行き宿を乞うた。筑波山は新嘗祭にもかかわらず、快く宿を供し、飲食を奉った。喜んだ神祖尊は、「・・・・・天地(あめつち)とひとしく 月日と共同(とも)に 人民(たみぐさ)集い賀(よろこ)び 飲食(みけみき)豊かに 代々(よよ)絶ゆることなく 日々に弥(いや)栄え 千秋万歳(ちあきよろずよ) たのしみ窮(きわま)らじ」と歌った。それから富士山はいつも雪に覆われて登る人もなく、筑波山は昼も夜も人が集い、歌い飲食をするようになったという。『常陸国風土記』の成立は[[養老]]年間(717年 - 724年)だが、このころすでに筑波山に男女が集う嬥歌(かがい・[[歌垣]](うたがき))の場であったことがわかる。
 
 
 
『万葉集』第9巻1759番収録の[[高橋虫麻呂]]作の歌には、
 
: 鷲の棲む 筑波の山の 裳羽服津(もはきつ)の その津の上に
 
: 率(あども)ひて 未通女(をとめ)壮士(をとこ)の 行き集ひ
 
: かがふかがひに
 
: 人妻に 吾(あ)も交はらむ わが妻に 人も言問へ
 
: この山を 領(うしは)く神の 昔より 禁(いさ)めぬわざぞ
 
: 今日のみは めぐしもな見そ 言(こと)も咎むな
 
: (現代語訳)
 
: 鷲の棲む筑波山の裳羽服津の津のほとりに、
 
: 男女が誘い合い集まって、舞い踊るこの歌垣(かがい)では、
 
: 人妻に、私も性交しよう。我が妻に、人も言い寄ってこい。
 
: この山の神が昔から許していることなのだ。
 
: 今日だけは目串(めぐし、不信の思いで他人を突き刺すように見ること)はよせよ、咎めるなよ。
 
と、歌垣への期待で興奮する気持ちが素直にのびのびと詠われる。
 
 
 
=== 『万葉集』の歌の対象 ===
 
万葉集のうち[[地名歌]]を[[令制国]]ごとに分類した場合、[[畿内]]に含まれないのにも関わらず[[常陸国]]の地名歌の数が上位10位以内に含まれる。[[溝尾良隆]]はこの理由を、筑波山が詠まれていたからだと言及している<ref>{{Cite book|和書|author=溝尾良隆|year=2011|title=観光学と景観|publisher=古今書院|isbn=978-4-7722-3137-4}}</ref>。
 
 
 
== 山名の由来 ==
 
由来については異説が多い。
 
 
 
最も古い説は『常陸国風土記』にある、筑箪命(つくはのみこと)という人物に由来するというもの。同書によれば、筑波周辺は紀国(きのくに)と呼ばれていたが、美麻貴天皇(みまきのすめらみこと。後の[[崇神天皇]])の治世に、[[国造]]に任命された[[采女氏|采女臣氏]]の友属(ともがら)の筑箪命が、「我が名を国につけて、後世に伝えたい」と筑波に改称したという。同書はまた、筑波が俗に「握飯筑波」とも呼ばれたと記している{{Sfn|武田祐吉|1937|page=49}}。
 
 
 
より学術的な考証は、以下のとおり。
 
* [[縄文海進]]により、[[縄文時代]]の筑波山周辺には波が打ち寄せていたと考えられ、「波が寄せる場」すなわち「着く波」(つくば)となった<ref name="ks2">{{Harvnb|鈴木健|1994|page=111}}</ref>。
 
* 縄文時代の筑波山周辺は海であり、筑波山は波を防ぐ[[堤防]]の役割を果たしたため「築坡」(つきば)と呼ばれ、のちに筑波となった<ref name="ks2"/>。
 
* 「つく」は「尽く」で「[[崖]]」を意味し、「ば」は「端」を意味する{{Sfn|鈴木健|1994|page=108}}。
 
* 新たに開発して築いた土地として、「つくば」は「[[築地 (曖昧さ回避)|築地]]」ないし「佃地」を意味する{{Sfn|鈴木健|1994|pages=108&ndash;109}}。
 
* 「つく」は「斎く」(いつく、神を崇め祀る)あるいは「突く」(つく、突き出す)であり、「ば」は「山」を意味する{{Sfn|鈴木健|1994|page=109}}。
 
* 「平野の中に独立してある峰」の意の「独坡」にちなむ<ref name="ks">{{Harvnb|鈴木健|1994|page=110}}</ref>。
 
* [[アイヌ語]]の''tuk-pa''(とがった頭)または''tukupa''(刻み目)にちなむ<ref name="ks"/>。
 
* 歌垣の習慣にちなみ、[[マオリ語]]の''tuku-pa''(交際を許される)に由来する<ref>相模原郷土の歴史研究会"[http://www.rekishi.sagami.in/chimei.html 縄文人がつけた古い地名〜相模原市]"(2012年4月14日閲覧)</ref>。
 
 
 
== 産業 ==
 
=== ミカン栽培 ===
 
標高140m付近では[[ミカン]]が栽培される<ref name="mc7">{{Harvnb|関口武|1983|page=167}}</ref>。[[ウンシュウミカン]]や[[ナツミカン]]も栽培されるが、[[在来種]]の「筑波みかん」または「福来みかん」(ふくれみかん)と呼ばれる、直径2 - 3[[センチメートル|cm]]の小型みかんが栽培されている<ref name="mc7"/><ref name="ts">{{Harvnb|学園都市の自然と親しむ会 編|1992|page=80}}</ref>。ふくれみかんは[[果皮]]が薄く、[[種子]]が大きい<ref name="ts"/>。
 
 
 
冬季の寒さが厳しい山腹でミカン栽培を可能にしたのは、山の中腹にあって[[山麓]]よりも[[気温]]が高い「斜面温暖帯(Thermal belt)」<ref name="cu">[[千葉大学]]環境リモートセンシング研究センター近藤研究室"[https://archive.is/20130430215648/http://dbx.cr.chiba-u.jp/trmlbelt.html 斜面温暖帯](2013年4月30日時点の[[archive.is|アーカイブ]])"2011年8月5日閲覧</ref>の存在である<ref name="ut">{{Cite web |url=http://air.geo.tsukuba.ac.jp/climate/mikan/index.html |title=筑波山のふもとでみかん狩り「酒寄観光みかん園」 |publisher=[[筑波大学]]大気科学分野植田宏昭研究室 |accessdate=2017-08-09 |archiveurl=https://archive.is/20121220015832/http://air.geo.tsukuba.ac.jp/climate/mikan/index.html |archivedate=2012-12-20}}</ref>。筑波山の標高170 - 270m付近には山麓より気温が3、4{{℃}}高い斜面温暖帯が分布し<ref name="ut"/>、これによりミカン栽培の条件がかろうじて満たされる<ref name="ut"/>。[[1980年代]]頃には[[観光]]ミカン園が出現した{{Sfn|関口武|1983|page=168}}。
 
 
 
日本で斜面温暖帯を農業に利用する事例としては、ほかに[[静岡県]]の[[茶]]栽培がある<ref name="cu"/>。
 
 
 
== 観光 ==
 
{{wide image|Mount Tsukuba panoramic view north.jpg|500px|筑波山からの眺め|220px|right}}
 
筑波山には山頂付近まで[[ケーブルカー]]および[[ロープウェイ]]がかかっており、これらを利用して登ることができるほか、いくつかのルートで登山道が整備されているので、麓から歩いて登頂することもできる。このほか、[[オリエンテーリング]]の[[パーマネントコース]]も整備されている。
 
[[File:TsukubaSan2.JPG|thumb|筑波山ケーブルカー]]
 
[[File:Mount Tsukuba Rope way cab 1.jpg|thumb|筑波山ロープウェイ]]
 
 
 
=== ケーブルカー ===
 
筑波山神社拝殿横の宮脇駅より山頂近くの御幸ヶ原まで[[筑波山鋼索鉄道線]](筑波山ケーブルカー)が運行される。宮脇駅は関東鉄道などの「筑波山神社入口」バス停下車、徒歩([[門前町]]を通り抜ける)。宮脇駅に近い「筑波山神社前」への一般路線バス乗り入れの廃止により、路線バスとケーブルカーの乗り換えは、歩く距離が廃止前より200mほど長い。乗り換えのための徒歩経路には坂道や[[石]]の[[階段]]があり、乗り換えに最低15 - 20分以上必要(途中には[[土産|土産物]]店、[[蕎麦#蕎麦屋|そば店]]などの店、神社拝殿があり、この経路も観光・[[参拝|参詣]]の一環である)。
 
 
 
=== ロープウェイ ===
 
つつじヶ丘レストハウスに併設されたつつじヶ丘駅より女体山山頂まで[[筑波山ロープウェイ]]が運行される。つつじヶ丘駅は関東鉄道などの「つつじヶ丘」バス停前である。
 
 
 
=== 筑波山梅林 ===
 
{{Main|筑波山梅林}}
 
[[ファイル:PlumGardenMtTsukuba.JPG|thumb|満開時]]
 
中腹(標高250m付近)につくば市営の梅林([[筑波山梅林]])がある。白梅、紅梅などの約30種、1,000本程の[[ウメ|梅]]が約4.5haの園内に植えられており、「木道」や「あずまや」が整備されている。早咲きのものは1月下旬から見頃となり、最盛期には[[筑波石]]の巨岩と満開の梅とが独特の風景をなす。また、好天時には富士山や[[東京都|東京]]の[[超高層ビル|高層ビル]]を臨める。
 
 
 
毎年2月中旬から3月中旬に開催の「[[筑波山梅まつり]]」では、ガマの油売り口上、[[甘酒]]・梅[[茶]]のサービス、茶会などが催される。
 
 
 
=== 登山 ===
 
登山道は通称で正確には歩道であり参拝のための参道である。許可された一般の参道(以下、指定登山道)は全部で7つあるが、標高が低い割に危険な箇所もある。自然研究路の東屋に集まる登山マニアや悪質なブロガーが無許可で切り開いた違法な「ルート」が130ほどありテープ巻き、ペイント、伐採等が行われ、「ここから先は登山道ではありません」「これより入山禁止」と警告する立て札などがあるが、盗難されたり岩陰に隠されたりする事件が多発している。身動きできなくなった登山客が携帯電話で救助を求める事故が頻発。2005年1名死亡、2013年8月には不法侵入常習登山客による違法ルートの誘導が原因で登山客が遭難し捜索に6時間以上かかった事故が発生。2015年8月18日川崎市多摩区の男性(73)が違法ルートに侵入して行方不明になり翌日の五時半頃に真壁町の住民に救助される事件が発生(軽傷)。指定登山道以外への立ち入りは市、県、地権者、警察署等の協議により禁止されている(刑法の器物損壊、軽犯罪法、森林法、自然公園法違反の疑いがある)。
 
 
 
[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)[[水戸線]][[岩瀬駅]]よりスタートし、[[御嶽山 (桜川市)|御嶽山]]、[[雨引山 (茨城県)|雨引山]]、[[燕山]]、[[加波山]]、[[丸山 (茨城県桜川市・石岡市)|丸山]]、[[足尾山]]、[[きのこ山]]、[[弁天山 (桜川市・石岡市)|弁天山]]、筑波山の順に筑波連山を縦走する登山者も多い。この縦走路は[[関東ふれあいの道]]の茨城県コースNo.7 - 11である<ref name="tsukubacom">[http://www.mt-tsukuba.com/?page_id=136 筑波山登山コース | 筑波山ケーブルカー&amp;ロープウェイ]</ref><ref name="tsukubapress">[http://www.tsukubapress.com/mtttozan.html 筑波山の登山コース つくば新聞]</ref>。
 
{| class="wikitable" style="margin:0 auto"
 
|+
 
筑波山の登山コース(指定登山道)
 
 
 
|+注意※指定登山道以外への立ち入りは
 
|+市、県、地権者、警察署等の協議により禁止されている。
 
境内地のため火気の無許可使用は禁止。
 
!!!コース!!経路!!所要時間<br/>上り/下り<ref>筑波山神社:[http://www.tsukubasanjinja.jp/guide/index.html 登山案内]。2013年11月22日閲覧。</ref>
 
|-
 
!rowspan="9"|表<br/>筑<br/>波
 
|御幸ケ原コース||筑波山神社拝殿〜御幸ケ原||約90分/約70分
 
|-
 
|白雲橋コース||筑波山神社拝殿〜女体山||約110分/約80分
 
|-
 
|rowspan="2"|おたつ石コース<br/>(白雲橋コース経由)||つつじヶ丘〜弁慶茶屋||rowspan="2"|約40分/約35分
 
|-
 
|弁慶茶屋〜女体山
 
|-
 
|rowspan="2"|迎場コース<br/>(白雲橋コース経由)||筑波山神社拝殿〜酒迎場分岐||約20分/約15分
 
|-
 
|酒迎場分岐〜つつじヶ丘||約40分/約35分
 
|-
 
|style="background-color:#faf0e6"|[[筑波山鋼索鉄道線|筑波山ケーブルカー]]||style="background-color:#faf0e6"|宮脇駅〜筑波山頂駅||style="background-color:#faf0e6"|約8分
 
|-
 
|style="background-color:#faf0e6" rowspan="2"|[[筑波山ロープウェイ]]||style="background-color:#faf0e6"|つつじヶ丘駅〜女体山駅||style="background-color:#faf0e6"|約6分
 
|-
 
|女体山駅〜女体山||約10分
 
|-
 
!rowspan="4"|裏<br/>筑<br/>波
 
|深峰遊歩道<br/>(旧ユースホステルコース)||ユースホステル跡地〜御幸ケ原||約40分/約35分
 
|-
 
|薬王院コース||薬王院〜男体山||rowspan="3"|&nbsp;
 
|-
 
|キャンプ場・女体山コース||筑波高原キャンプ場〜女体山
 
|-
 
|東筑波ハイキングコース||国民宿舎つくばね〜つつじヶ丘
 
|-
 
!rowspan="3"|山<br/>頂
 
|rowspan="2"|山頂連絡路||御幸ケ原〜男体山||rowspan="3"|約15分
 
|-
 
|御幸ケ原〜女体山
 
|-
 
|筑波山自然研究路||男体山山頂周回路
 
|}
 
 
 
主な指定登山道は以下の通り。
 
{{columns-list|2|
 
; 御幸ヶ原コース
 
: 筑波山神社の西側からケーブルカーの筑波山頂駅までほぼ直登するコース。高低差があり勾配はやや急。途中でケーブルカーのすれ違いが見られることがある。[[男女川]]の水源もある。
 
: 所要時間:登り90分/下り60分
 
: 距離:約2.5km
 
: 標高差:約610m
 
; 白雲橋コース
 
: 筑波山神社の東側から女体山側へ登るコース。登山道入り口前にある白雲橋からは、土木学会選奨土木遺産に認定された[[筑波山千寺川砂防堰堤群]]が見られる。山頂近くでは「弁慶の七戻り」「高天原」「胎内くぐり」「出船入船」などの奇岩、巨岩が見られる。急勾配や岩場もやや多い。
 
: 所要時間:登り110分/下り95分
 
: 距離:約2.8km
 
: 標高差:約610m
 
; 迎場コース
 
: つつじヶ丘から白雲橋コースの麓近く、酒迎場分岐まで行くコース。岩場が少なく、また標高差もそれほどない比較的楽なコース。
 
: 所要時間:登り40分/下り35分
 
: 距離:約1.6km
 
: 標高差:約190m
 
; おたつ石コース
 
: つつじヶ丘から尾根伝いに登り、白雲橋コースと弁慶茶屋で合流する短いコース。筑波山ロープウェイのルートに沿っており木々の間からゴンドラが見える。つつじヶ丘側は木が少なく見晴らしがよい。
 
: 所要時間:登り40分/下り35分
 
: 距離:約1.0km
 
: 標高差:約200m
 
; 深峰遊歩道
 
: 「ユースホステルコース」と呼ばれたが、中腹にあった筑波山ユースホステルは廃業して解体されたために森林管理署図版ではこの名称を用いる。「旧ユースホステルコース」とも記載される。[[関東ふれあいの道]]の茨城県コースのNo.10「筑波山頂めぐりの道」のコースの一部でもある。登山道は整備されていて幅も広く、登りやすい。
 
: 所要時間:登り40分/下り35分
 
: 距離:約1.2km
 
; 薬王院コース
 
: 西側の薬王院と男体山の自然研究路をつなぐ長いコース。途中、つづら折りの階段がある。
 
: 距離:約2.5km
 
; キャンプ場・女体山コース
 
: 北側の筑波高原キャンプ場から女体山へ登るコース。利用者が少なく、道が一部整備されていない箇所がある。
 
}}
 
  
=== 山頂付近 ===
+
[[茨城県]]中部,八溝山地の南端にある山。
==== 御幸ヶ原 ====
 
男体山と女体山の間の男体山寄りにある開けた場所で、ケーブルカーの筑波山頂駅がある。駅の横には2階と屋上が回転するコマ展望台(2階がいわゆる[[回転レストラン]])があり、売店・食堂も並ぶ。登山道の御幸ヶ原コースの終点でもある<ref name="tsukubacom" /><ref name="tsukubapress" />。
 
{{columns-list|2|
 
; 山頂連絡路
 
: 男体山頂から御幸ヶ原を経て女体山頂までの登山道。御幸ヶ原からは男体山側へ登るほうが距離が短いが、やや急になっている。御幸ヶ原から女体山方面へ向かうと、かたくりの里([[カタクリ]]群生地)、せきれい茶屋、ガマ石を経てロープウェイの女体山駅のすぐ上を通り、女体山頂へつながっている。
 
: 所要時間:御幸ヶ原から男体山頂・女体山頂までどちらも15分
 
: 距離:御幸ヶ原 - 男体山頂:300m、御幸ヶ原 - 女体山頂:550m
 
; 自然研究路
 
: 御幸ヶ原からスタートして男体山頂を見ながら一周するように設けられている。途中の展望台では関東平野が一望できる。多少の標高差がある。
 
: 所要時間:60分
 
: 距離:約1.5km
 
: 標高差:約70m
 
}}
 
  
== ギャラリー ==
+
山頂は男体 (870m) ,女体 (877m) の2峰に分れる。山体は古生層を貫く花崗岩や斑糲岩から成り,植物の種類も多く樹木のみで二百数十種に及ぶ。古くから西の富士山とともに関東の名山として信仰があつく,また歌垣の行われたところとして知られる。南中腹には筑波山神社とその門前町がある。男体・女体山頂にそれぞれ大神が祀られている。山頂付近までケーブルカーが通じ,男体に気象観測所,女体に無線中継所がある。 1965年に中腹のつつじヶ丘まで有料自動車道路が開通し,女体山頂とロープウェーで結ばれた。水郷筑波国定公園に属する
<gallery mode="packed" style="font-size:85%">
 
File:Mount Tsukuba 2.jpg|南西から
 
File:Mount Tsukuba in winter.JPG|南から
 
File:Mount Tsukuba Rope Way 2.jpg|ロープウェイで
 
ファイル:benkei7modori.jpg|弁慶七戻り
 
ファイル:hahanotainaikuguri.jpg|母の胎内くぐり
 
ファイル:gamaishi.jpg|ガマ石
 
File:Meteorological Observation Station at the summit of Mt. Tsukuba,Tsukuba-city,Japan.JPG|[[筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所]]
 
</gallery>
 
 
 
== アクセス ==
 
{{出典の明記|date=2015年9月|section=4}}
 
<!--最短の所要時間やバスの運行実態等は、言葉を濁さずに検証可能なソースを明記してください。(最短の所要時間なら最新のダイヤでどの列車・バスの乗り継ぎで実現可能か、他の項目に詳細があるならその項目の参照を促すリンクを張るなどしてください)-->
 
かつては[[筑波鉄道筑波線]]の[[筑波駅]]が筑波山へのアクセスを担っていたが、[[1987年]]の筑波線廃止以降、筑波山への公共交通機関によるアクセスは後退していた。その後、[[2005年]]に[[首都圏新都市鉄道]][[首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線|つくばエクスプレス]](TX)の開業と同時に[[つくば駅]]前からのシャトルバスの運行が開始され、公共交通機関によるアクセスの利便性は向上した。
 
 
 
=== つくば駅から ===
 
つくばエクスプレスつくば駅([[つくばセンター|つくばセンターバスターミナル]])から[[関東鉄道]]などの「筑波山シャトルバス」筑波山行きに乗車すると中腹まで乗り換えがない。約40分で門前町にある筑波山神社入口停留所、約50分でロープウェイ駅のあるつつじヶ丘停留所に着く。この方法では、[[秋葉原駅|東京・秋葉原]]から最短2時間11分で女体山頂に到達できる。山麓(南麓)を目指す場合は、[[つくバス]]北部シャトル[[関東鉄道つくば北営業所#筑波山口(バスターミナル)|筑波山口]]行きに乗車し、筑波山口停留所下車。首都圏新都市鉄道が発行する企画乗車券「筑波山きっぷ」はどちらか選択して乗車が可能。ただ、多くの徒歩登山者は、つくば駅から中腹までバスを利用することが多い。
 
 
 
=== その他 ===
 
[[土浦駅]]からのバスは南麓の筑波山口止まりである。この方法でも乗り換えで中腹へ出られるが、座れる保証がないこともあり、利用は減少傾向にある。[[下妻駅]]からは1回以上の乗り換えを要し、実質的な最寄駅ながら観光利用はほぼない。また、北麓に近い[[下館駅]]、[[岩瀬駅]]からは[[関鉄パープルバス]]による広域連携バスが筑波山口まで運行されている<ref>[http://www.city.chikusei.lg.jp/page/page003432.html 筑西市広域連携バス(下館駅⇔筑波山口)本格運行について] 筑西市</ref><ref>[http://www.city.sakuragawa.lg.jp/page/page005235.html (平成29年10月1日~)桜川市・つくば市間広域連携バスの運行について] 桜川市</ref>。
 
 
 
[[石岡駅]]から東麓へ向かうバスもあるが、徒歩登山に適した道がなく、専ら山麓の観光施設(果樹園など)を利用する場合に向く。
 
 
 
== 筑波山を舞台にした作品 ==
 
*[[筑波山麓合唱団]] - [[デューク・エイセス]]のご当地ソング。
 
*[[ヤマノススメ]] - 主人公のあおいとひなたが夜登山に挑戦した。(おたつ石コース~弁慶茶屋跡から白雲橋コース経由~女体山山頂~ロープウェー下山)
 
*[[ラーメン大好き小泉さん]] - 弁慶茶屋跡地での自炊ラーメンは棒ラーメン+モチ×2+コーン+乾燥ワケギ
 
*[[山と食欲と私]] - 41話 筑波山 山コン編(!?)気合の多幸うどん、筑波山麓牛乳。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
=== 注釈 ===
 
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=== 出典 ===
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* {{Cite book|和書|author=[[武田祐吉]]|title=風土記|publisher=[[岩波書店]]|date=1937|isbn=4-00-300031-5|ref=harv}}
 
* {{Cite book|和書|editor=学園都市の自然と親しむ会 編|title=筑波山 つくばの自然誌 I|publisher=STEP|date=1992-05-20|isbn=4-915834-12-3|ref=harv}}<!-- 150pp. -->
 
* {{Cite book|和書|author=鈴木健|title=恋瀬川物語 -川の名を源流に溯る|series=ふるさと文庫別冊3|publisher=[[筑波書林]]|date=1994-09|isbn=4-900725-09-9|ref=harv}}<!-- 122pp. -->
 
* {{Cite book|和書|author=関口武|title=気象と文化|publisher=[[東洋経済新報社]]|date=1983-11-04|ref=harv}}<!-- 290pp. -->
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Mount Tsukuba}}
 
* [[筑波 (曖昧さ回避)]]
 
* [[筑波山地域ジオパーク]]
 
* [[水郷筑波国定公園]]
 
* [[筑波颪]]
 
* [[茨城県道236号筑波公園永井線]]
 
* [[陽成天皇]] - 「筑波嶺の峰よりおつるみなの川恋ぞつもりて淵となりぬる」『[[小倉百人一首]]』
 
* [[筑波鉄道筑波線]](廃止)
 
* [[ホシザキユキノシタ]] - 当山で発見され、筑波山のみに生育する固有種
 
* [[ツクバハコネサンショウウオ]]
 
* [[北条米]] - 山麓で栽培される米。
 
* [[飯塚伊賀七]] - 筑波山から[[谷田部 (つくば市)|谷田部]]までの飛行を計画した江戸時代の人物。
 
* [[筑波 (コルベット)]] - [[帝国海軍]]のコルベット。1871年購入。
 
* [[筑波 (巡洋戦艦)]] - 帝国海軍の[[筑波型巡洋戦艦]]の一番艦。1907年就役。
 
* [[筑波山気象観測ステーション|筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所]]
 
* [[国際科学技術博覧会|国際科学技術博覧会(科学万博・つくば'85)]] - 筑波山をモチーフとした「いばらきパビリオン」が茨城県から出展された。
 
  
 
== 外部リンク ==
 
== 外部リンク ==
* [http://www.tsukubasanjinja.jp/ 筑波山神社] - 公式サイト
+
{{テンプレート:20180815sk}}
* [http://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/kansei/shizen/tsu-tsukubasan-shizen-hogo.html 筑波山ガイド] - 茨城県
 
* [http://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/kansei/shizen/corseguide.html 筑波山登山道コースマップ] - 茨城県
 
* [http://www.tsukubasanjinja.jp/guide/index.html 登山ガイド] - 筑波山神社
 
* [http://www.mt-tsukuba.com/index.html 筑波観光鉄道]
 
* [http://www.ttca.jp/?page_id=513 筑波山] - つくば観光コンベンション協会
 
* [http://tsukuba-geopark.jp/ 筑波山地域ジオパーク] - 筑波山地域ジオパーク推進協議会
 
 
 
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筑波山(つくばさん)

茨城県中部,八溝山地の南端にある山。

山頂は男体 (870m) ,女体 (877m) の2峰に分れる。山体は古生層を貫く花崗岩や斑糲岩から成り,植物の種類も多く樹木のみで二百数十種に及ぶ。古くから西の富士山とともに関東の名山として信仰があつく,また歌垣の行われたところとして知られる。南中腹には筑波山神社とその門前町がある。男体・女体山頂にそれぞれ大神が祀られている。山頂付近までケーブルカーが通じ,男体に気象観測所,女体に無線中継所がある。 1965年に中腹のつつじヶ丘まで有料自動車道路が開通し,女体山頂とロープウェーで結ばれた。水郷筑波国定公園に属する

外部リンク



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