「砂漠化」の版間の差分

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(砂漠化の主な種類)
 
 
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[[Image:Red sand dune in Namibia.jpg|thumb|300px|[[ナミビア]]の[[ナミブ砂漠]]]]
 
[[Image:Red sand dune in Namibia.jpg|thumb|300px|[[ナミビア]]の[[ナミブ砂漠]]]]
'''砂漠化'''(さばくか)とは、もともと[[植生]]に覆われた[[土地]]が[[不毛]]地になっていく現象をいう。
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'''砂漠化'''(さばくか)
また、ここでいう[[砂漠]]は「[[植物]]の生育や[[農業]]に適さない土地」といった意味が強く、かならずしも[[乾燥]]した地域を意味する[[砂漠気候]]の「砂漠」を意味しない。
 
 
 
雨が極端に多いために表面土壌が流されて植物が育たなくなったり、適度な雨や灌水、[[移流霧]]などの水分の供給があっても[[流砂]]や[[低温]]、[[塩化]]により砂漠化してしまうことがある。
 
 
 
乾燥帯の移動など[[気候]]の変化による[[自然現象]]としての砂漠化もあるが、今日問題となっている砂漠化の多くは人類活動によって引き起こされたものである。人為的な大規模な農耕の末にひとたび砂漠化した地域は、気候の変化、[[土壌流出]]など地表の構造が崩れることから、植生の復活が困難になる例が多い。
 
 
 
砂漠化した土地に緑の植生を取り戻す活動を[[緑化]]という。またもともと砂漠であった土地の緑化は[[砂漠緑化]]という。砂漠緑化の失敗を指して砂漠化は通常は使われない。
 
 
 
== 砂漠化の主な種類 ==
 
[[ファイル:ShrinkingLakeChad-1973-1997-EO.jpg|thumb|縮小する[[チャド湖]]。[[1960年代]]から[[2000年]]にかけて、湖の面積の94%が失われた。]]
 
砂漠化の過程は砂漠化が進行している地域によってそれぞれ異なるが、主なものとして'''土壌流出'''、'''塩性化'''、'''飛砂'''がある。
 
 
 
;土壌流出
 
:有機物などの養分を含み農作物が育つことのできる土壌が雨や洪水などにより流出すること。風化が進んでいない基盤が露出し保水性も失われる。[[インド]]や[[中東]]、[[黄土高原]]などで見られる。また、雨量が多い地域での[[焼畑農業]]なども、保水植生が失われるために同様の過程を経る。
 
 
 
;塩性化
 
:土壌中における[[塩]]類濃度が上昇し、植物が育成できなくなること。
 
:塩類を含む水が土壌から外部へ流出する量よりも蒸散量のほうが多い場合に塩類の地表への上昇によって発生する。塩類に富む客水で灌漑でもたらされる場合と、もともとの塩類土壌が表面から水だけが蒸散することにより深部から上ってくる場合とがあるが、いずれも土壌表層に塩類が滞留([[塩類集積]])してしまう。
 
:塩類集積が進行した地面はコンクリートに近い性質を持つため農作業にも困難をきたす。そのためしばしば耕作や放牧、土地利用そのものが放棄されることがある。[[アラル海]]周辺など中央アジアのステップ開発地帯のいくつかで見られる。
 
 
 
;流砂、飛砂
 
:周辺にあった砂丘から砂漠ではない地域に砂が流れ込み、表土を覆ってしまって砂漠の一部としてしまうこと。この場合は表層の砂を除去することで再生は比較的容易であるので、防砂が主な対策となる。[[オーストラリア]]で顕著だが研究も進んでいる。
 
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;地球温暖化
 
[[地球温暖化]]が原因とする説{{要出典}}もある。 !-->
 
 
 
== 砂漠化した地域とその原因 ==
 
[[ファイル:Desertification map.png|thumb|300px|世界の砂漠化危険度マップ]]
 
 
 
[[中東]]、特に[[メソポタミア]](現在の[[イラク]])は、[[農業]]が始められた最初の[[文明]]が起きた地域と言われている。ここは緑に豊かで土壌が肥えていたが、過度な農業活動により[[土壌]]が渇いていったことと、河の上流にあった[[森林]]の[[伐採]]によって上流に降った雨が一気に河に流れ込むことにより[[洪水]]が発生し、下流の表土を流し去った。また、[[灌漑]]によって表土の塩性化を招いた。さらには上流から[[アルカリ性]]の土砂が流れ込むことにより植物の成育には向かなくなった。
 
 
 
同様のプロセスは[[エジプト]]や[[インダス川|インダス河]]流域でも起きている。インダス河流域に発達した[[インダス文明]]は、メソポタミア文明([[シュメール]])との交流が強く、同様の農業活動を行なったと思われる。森林は焼き[[煉瓦]]を作るために伐採された。
 
 
 
農耕地帯ではしばしば土壌の維持や再生の理解を無視した大規模な農地開発が行われ、結果的に'砂漠化'を招いた例がある。
 
* [[インド]]における焼き煉瓦生成のための森林の大規模な伐採。多くの地域では当時の地層に含まれる有機物の量がほとんどゼロに近い。
 
* [[米国]]における[[ダストボウル]]。
 
* [[中国]]における[[大躍進政策]]の失敗 →[[中国の砂漠化問題]]。
 
* [[ソビエト連邦|ソ連]]における[[自然改造計画]]による[[アラル海]]環境悪化。
 
* [[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]の[[主体農法]]の失策。
 
* [[南アメリカ]]、[[オセアニア]]などの[[熱帯雨林]]における[[焼畑農業]]。
 
* [[サハラ砂漠]]における焚き木のための[[低木|潅木]]の大規模伐採。
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Wiktionary|砂漠化}}
 
* [[砂漠緑化]]
 
* [[環境問題]] - [[地球環境問題]]
 
* [[国連砂漠化対処条約|砂漠化対処条約]]
 
* [[砂漠化防止行動計画]]
 
* [[土壌流出]]、[[風食]]
 
* [[怒りの葡萄]]
 
* [[乾燥帯]]
 
* [[森林破壊]]
 
* [[砂漠化および干ばつと闘う世界デー]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
*中国の砂漠化
 
:[http://www.ne.jp/asahi/chen/jianyuan/des.htm 中国の沙漠化]
 
:[http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2001&d=0717&f=general_0717_004.shtml 中国情報局:世界で最も深刻な中国北部の砂漠化(2001)]
 
:[http://www.worldwatch-japan.org/NEWS/ecoeconomyupdate2003-6.html 前進する砂漠との戦いに敗れつつある中国]
 
*アフリカの砂漠化
 
:[http://www.worldwatch-japan.org/NEWS/ecoeconomyupdate2003-3.html 砂漠が前進し、文明は後退する]
 
* [http://www.unccd.int 国連砂漠化対処条約ホームページ]
 
  
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[[国連環境計画]] UNEPが 1990年2月に採択した定義によると,世界の乾燥地域,半乾燥地域および半湿潤地域における人間活動による悪影響に起因する土地の生産力の低下現象をいう。アフリカでは干魃,食糧生産力の増加を上回る人口増加を背景とした過耕作・過放牧・薪炭材の過剰伐採によって砂漠化が引き起こされ,農業生産力の低下,飢餓・栄養不足人口の増加,薪炭エネルギーの供給不足などの深刻な被害をもたらしている。砂漠化の原因としては,気候の乾燥化という自然的要因と,許容限度をこえた人間活動による人為的要因とが考えられるが,地域住民の貧困と人口増加も背景にあり,問題をより複雑にしている。このため砂漠化を防止するには,雨水の有効利用,家畜増頭の抑制や造林による生態系の維持・保全といった直接的な対策とあわせて,人口・食糧・エネルギーなどの問題を総合的に解決していくことが重要である。こうした地球規模の環境問題に対処するため,1992年6月の[[環境と開発に関する国連会議]]において,21世紀へ向けての行動計画[[アジェンダ21]]が採択された。このなかで早急に砂漠化対処条約の策定が求められ,政府間交渉委員会が設置された。1994年6月,第5回交渉委員会において,砂漠化対処条約(深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国〈特にアフリカの国〉において砂漠化に対処するための国際連合条約 UNCCD)が採択され,1996年12月に発効した。
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2018/9/30/ (日) 23:15時点における最新版

砂漠化(さばくか)

国連環境計画 UNEPが 1990年2月に採択した定義によると,世界の乾燥地域,半乾燥地域および半湿潤地域における人間活動による悪影響に起因する土地の生産力の低下現象をいう。アフリカでは干魃,食糧生産力の増加を上回る人口増加を背景とした過耕作・過放牧・薪炭材の過剰伐採によって砂漠化が引き起こされ,農業生産力の低下,飢餓・栄養不足人口の増加,薪炭エネルギーの供給不足などの深刻な被害をもたらしている。砂漠化の原因としては,気候の乾燥化という自然的要因と,許容限度をこえた人間活動による人為的要因とが考えられるが,地域住民の貧困と人口増加も背景にあり,問題をより複雑にしている。このため砂漠化を防止するには,雨水の有効利用,家畜増頭の抑制や造林による生態系の維持・保全といった直接的な対策とあわせて,人口・食糧・エネルギーなどの問題を総合的に解決していくことが重要である。こうした地球規模の環境問題に対処するため,1992年6月の環境と開発に関する国連会議において,21世紀へ向けての行動計画アジェンダ21が採択された。このなかで早急に砂漠化対処条約の策定が求められ,政府間交渉委員会が設置された。1994年6月,第5回交渉委員会において,砂漠化対処条約(深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国〈特にアフリカの国〉において砂漠化に対処するための国際連合条約 UNCCD)が採択され,1996年12月に発効した。



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