座礁
座礁(ざしょう)とは、船舶が暗礁や浅瀬に乗り上げ、動けなくなることを指す。元々の用字は坐礁である。
座礁した船舶は、海底の地形などによっては座礁後に横転・転覆してしまうこともあり、岩など固い障害物の上に座礁した場合、座礁したと同時に船体に穴があいたり、あるいは波によって繰り返しゆさぶられる間に穴が開き、海水が流入し沈没してしまう場合もある。船の操縦者が通常行っている操船が一切できなくなり、自力で打てる対応策がほとんど残されていない危機的な状態であり、一般的に船乗りからは非常に恐れられている。
基本的には海難事故として発生している。ただし例外的に、沈没を免れるために意図的に座礁させる場合や、軍事的な港湾封鎖(閉塞作戦)のために意図的に船舶を座礁させる場合もある。
また、クジラやイルカなどの海洋生物が潮流で乗り上げてしまうことも座礁と呼ばれる。生きたまま座礁する場合はライブストランディングとも呼ぶ。(座礁鯨も参照の事)
処理
軽微な座礁は、大潮の満潮時を利用してタグボートにより離礁させることもあるが、重度の座礁は、波打ち際で解体するなどの措置が採られる。
日本では外国船を中心に放置されることが多く、地元自治体が多額の費用を払って撤去することを余儀なくされる例も見られたことから、2004年には船舶所有者への保険加入の義務付け、無保険船への入港禁止を盛り込む形で油濁損害賠償保障法が改正され、船舶油濁損害賠償保障法となった。
海洋生物
クジラやイルカの場合、生存時には人為的に海へ帰す為の作業が行われることになる。だが、場合によっては座礁した海洋生物のみならず作業に携わる人間にも相当の危険が伴うため、必ずしもうまくいくとは限らない。尚、生きたまま集団座礁するクジラ類(イルカも含む)はハクジラが多く、特にゴンドウクジラはリーダーの個体が座礁すると、他の仲間も座礁することが多い。
海洋生物が座礁した後に死亡した場合、その死体は主に行政によって解体・砂浜への埋設・沖へ曳航しての投棄など適宜処分される。
ギャラリー
- Chenal vieux port La Rochelle.JPG
干潮時に、水路での進路選択のミスによる座礁。
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2006年10月24日、レ島南岸のLe Bois-Plage-en-Réの森の前で座礁したRokia Delmas 号。
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座礁後に放棄された漁船。