境線
停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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境線(さかいせん)は、鳥取県米子市の米子駅から境港市の境港駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線(地方交通線)である。
米子駅を起点として弓ヶ浜半島のほぼ中心部を通り山陰地方きっての貿易港で漁業基地である境港市へ伸びる路線で、米子市の近郊線として駅の増設や列車の増発が図られている[1]。
2016年2月4日、米子支社によってラインカラー、路線記号の導入が発表され、同月中より順次導入される。ラインカラーは「日本海の海の色」をイメージする青色(■)、記号は C [2]。
路線データ
- 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間(営業キロ):米子駅 - 境港駅 17.9km
- 軌間:1067mm
- 駅数:16(起終点駅含む)
- 境線所属駅に限定した場合、山陰本線所属の米子駅が除外され[3]、15駅となる。
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:米子駅 - 後藤駅間電化(直流1500V)、後藤駅 - 境港駅間非電化
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(電子符号照査式/拠点無線式列車制御システム)[4]
- 最高速度:100km/h
全区間、米子支社の直轄である。
運行形態
平日朝に1本鳥取発境港行きの山陰本線からの直通列車があるほかは、米子駅 - 境港駅間の線内運転で、途中駅止まりの区間運転列車はない。定期列車は全列車が各駅に停車する。ダイヤは平日と土曜・休日に分かれており、運転本数は平日22往復、土曜・休日は17往復で、運転間隔は40分から1時間に1本程度(土曜・休日は終日おおむね1時間間隔)である。2003年10月1日の高速化完成により、一部は山陰本線鳥取方面と直通運転するようになった。
平日ダイヤの列車番号末尾はD、休日・土曜ダイヤはKとなっている。
快速「みなとライナー」
境線を走る多客期の臨時列車として、快速「みなとライナー」がある。同列車は2005年3月5日から2010年3月7日までの間は、臨時列車扱いでありながら、土曜・休日と学校休暇中に1往復が運転されていた[5]。しかし、2010年3月13日のダイヤ改正をもって毎週土曜・休日の運行が取りやめられ、お盆休みなどの多客期のみの運行に限定されることになった[6]。
途中、後藤駅・弓ケ浜駅・米子空港駅・中浜駅・余子駅・馬場崎町駅に停車する。運行開始当初の米子駅 - 境港駅間の所要時間は、普通で約45分であるが、快速は約30分で運転を行っていた。多客期運行になってからは境港行が27分なのに対し、米子行は35分と所要時間が大きく違っている。なお、時刻表には掲載されていないが下り快速と行き違う上り普通列車1640Kは中浜駅で行き違いを行った後発車するため、快速が定刻で行き違う場合同駅を3分遅れで発車する形となる。
歴史
境線は、山陰初の鉄道として1902年に山陰本線の米子駅 - 御来屋駅間とともに開業した。これは、境港から鉄道建設用の資材を搬入するためのもので、同様の例は中京地区の武豊線や北陸本線の敦賀港支線に見られる。開業時に関する詳細は「山陰線支線の着工」を参照。
- 1902年(明治35年)
- 1908年(明治41年)4月5日:米子駅 - 安来駅間開業に伴い、米子駅 - 境駅間が支線となる。
- 1909年(明治42年)10月12日:国有鉄道線路名称制定。境線となる。
- 1914年(大正3年)12月15日:境駅が移転、大篠津駅 - 境駅間が0.4M(≒0.64km)延長。
- 1915年(大正4年)6月1日:蒸気動車運転開始[7]。
- 1917年(大正6年)7月1日:弓ケ浜駅が開業。
- 1919年(大正8年)7月1日:境駅を境港駅に改称。
- 1930年(昭和5年)4月1日:営業距離の単位をマイルからメートルに変更(11.2M→17.9km)。
- 1932年(昭和7年)12月22日:余子駅が開業。
- 1933年(昭和8年)6月17日:気動車運転開始[8][9]。
- 1951年(昭和26年)11月1日:和田浜駅が開業。
- 1952年(昭和27年)7月1日:博労町駅・河崎口駅・中浜駅・上道駅が開業。
- 1982年(昭和57年)6月21日:米子駅 - 後藤駅間が電化。後藤車両所(現・後藤総合車両所)入出区列車のため。
- 1984年(昭和59年)8月2日:境港駅構内に、船着場仮乗降場を開設し隠岐航路接続用に夏季に限り営業。隠岐汽船接続のヘッドマーク付き「マリンスターリレー号」を運行。
- 1986年(昭和61年)
- 9月1日:船着場仮乗降場が廃止。
- 11月1日:全線の貨物営業が廃止。
- 1987年(昭和62年)
- 1993年(平成5年)
- 9月:「鬼太郎列車」運行開始。
- 11月1日:一部列車を除きワンマン運転開始[11]。
- 1997年(平成5年)10月7日:日本海新聞「鳥取発特報」に『境線を廃止したらどうか』という記事が掲載[12][13]。
- 2000年(平成12年)8月26日:二代目の「鬼太郎列車」運行開始。
- 2002年(平成14年)3月23日:休日の本数削減および保守工事運休導入。
- 2003年(平成15年)10月1日:高速化。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 2月11日:「目玉おやじ列車」の運行開始[19]。
- 2008年(平成20年)6月15日:御崎口駅が大篠津町駅に、大篠津駅が0.8km中浜寄りに移転し米子空港駅に改称[20]。また、美保飛行場(米子空港)の滑走路拡張に伴い大篠津町駅 - 中浜駅間の経路が変更[21]。これに伴う営業キロの変更はなし。
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
- 2015年(平成27年)10月4日:鉄道総合技術研究所(鉄道総研)が開発した新しい電子閉塞装置「拠点無線式列車制御システム」の使用を開始[4]。
- 2018年(平成30年)
- 2019年春:JR西日本初の車載型IC改札機(路面電車やバスと同様のもの)により、ICOCAが利用可能となる予定[27]。
米子空港拡張に伴う線路移設
美保飛行場(米子空港)の滑走路拡張に伴い、2008年6月15日に御崎口駅(現・大篠津町駅) - 中浜駅間(2.1km)の経路が県道と共に滑走路を大きく迂回するよう変更され、大篠津駅が米子空港ターミナル近くに移転し米子空港駅と改称された。なお、空港拡張は、線路と滑走路の干渉について、解決策が「迂回」とされるまでに時間を要したため(地下化も検討された)2008年の予定であったが[28]、2009年12月に完成した[29]。
大篠津駅の移転・改称と同時に地元からの大篠津の駅名存続の要望を受け御崎口駅が大篠津町駅と改称され、それぞれの駅の妖怪駅名も継承された[30][31][32]。
なお、経路変更に伴って実際の距離(実キロ)は長くなるが、2008年6月15日以降も大篠津町駅 - 中浜駅間の営業キロは従来通り2.1kmのままとなるため、実キロよりも短くなる。
駅一覧
- 愛称(妖怪名) … 『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。2005年3月17日より採用
- 旅客列車は全列車普通列車(すべての旅客駅に停車)
- 線路(全線単線) … ◇・∨・∧:列車交換可能、|:列車交換不可
- 全駅鳥取県内に所在
駅名 | 愛称(妖怪名) | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 接続路線 | 線路 | 所在地 |
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米子駅 | ねずみ男駅 | - | 0.0 | 西日本旅客鉄道:A D 山陰本線・V 伯備線[* 1] | ∨ | 米子市 |
博労町駅 | コロポックル駅 | 1.0 | 1.0 | | | ||
富士見町駅 | ざしきわらし駅 | 0.5 | 1.5 | | | ||
後藤駅 | どろたぼう駅 | 0.7 | 2.2 | ◇ | ||
三本松口駅 | そでひき小僧駅 | 1.1 | 3.3 | | | ||
河崎口駅 | 傘化け駅 | 2.0 | 5.3 | | | ||
弓ケ浜駅 | あずきあらい駅 | 1.9 | 7.2 | ◇ | ||
和田浜駅 | つちころび駅 | 2.5 | 9.7 | | | ||
大篠津町駅 | 砂かけばばあ駅 | 1.4 | 11.1 | | | ||
米子空港駅 | べとべとさん駅 | 1.6 | 12.7 | | | 境港市 | |
中浜駅 | 牛鬼駅 | 0.5 | 13.2 | ◇ | ||
高松町駅 | すねこすり駅 | 1.1 | 14.3 | | | ||
余子駅 | こなきじじい駅 | 0.7 | 15.0 | | | ||
上道駅 | 一反木綿駅 | 1.3 | 16.3 | | | ||
馬場崎町駅 | キジムナー駅 | 0.9 | 17.2 | | | ||
境港駅 | 鬼太郎駅 | 0.7 | 17.9 | ∧ |
両端の米子駅と境港駅のみJR西日本直営駅であり、中間駅はすべて無人駅である。
脚注
- ↑ 宮脇俊三・原田勝正 編『全線全駅鉄道の旅7 北陸・山陰JR私鉄2300キロ』小学館、1991年、p.194。
- ↑ “お客様によりわかりやすく鉄道をご利用いただくために 米子支社エリアに「ラインカラー・路線記号」を導入します!” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2016年2月4日) . 2016閲覧.
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ↑ 4.0 4.1 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「rrr201604
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 境港にひとっ飛び 快速列車の運行開始 - さかいみなとポータル(境港商工会議所)
- ↑ 平成22年 夏の臨時列車運転等のご案内 (PDF) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年5月14日
- ↑ 鉄道院『大正四年度 鉄道院年報』p.15
- ↑ 日本国有鉄道『日本国有鉄道百年史』第8巻、1971年、p.615。
- ↑ 『鉄道省年報. 昭和9年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ データで見るJR西日本2012(西日本旅客鉄道)P.80-81
- ↑ ジェー・アール・アール『JR気動車客車編成表 2011』交通新聞社、2011年。ISBN 978-4330220116。
- ↑ “鳥取発特報 境線を廃止したらどうか”. 日本海新聞. (1997年10月7日). オリジナルの1997年10月22日時点によるアーカイブ。
- ↑ “ある新聞不買運動を追う・上”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 25(朝刊・第三社会). (1997年11月11日)
- ↑ 境港にひとっ飛び 快速列車の運行開始 - 境港商工会議所 2005年03月07日
- ↑ 「ようこそ妖怪ワールド」へ 全国の妖怪に逢える境線に今夏一新!!(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2005年3月25日
- ↑ 鬼太郎追って走る! 「ねずみ男列車」19日発車 - 境港商工会議所 2006年02月17日
- ↑ 『JR気動車客車編成表 '06年版』ジェー・アール・アール、2006年。ISBN 4-88283-127-9。
- ↑ 以下によれば「ねこ娘列車」の運行は7月8日から。
- JR境線に今度は「ねこ娘列車」 8日からお目見え(インターネット・アーカイブ)- 日本海新聞 2006年7月5日
- JR境線をはしる「イラスト列車」の変遷 - 境港市観光協会
- ↑ 「目玉おやじ列車」あす発車 JR境線 - 境港商工会議所 2007年2月15日
- ↑ 境線 大篠津駅、御崎口駅の駅名改称について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2008年4月15日
- ↑ 境線 「米子空港駅」竣工セレモニーの実施について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2008年6月10日
- ↑ 4代目鬼太郎列車が出発 鳥取のJR境線 - 47NEWS 2009年10月10日
- ↑ 「ねずみ男列車」黄金色に衣替え 米子駅で出発式 - 47NEWS 2010年3月13日
- ↑ ねこ娘列車リニューアル フルラッピング仕様 - 日本海新聞 2010年07月19日
- ↑ 境線「新目玉おやじ列車」出発式セレモニーについて(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年10月29日
- ↑ 26.0 26.1 26.2 “2018年続々●境線鬼太郎列車 リニューアル”. 境港市観光協会 . 2018閲覧.
- ↑ 車載型IC改札機(JR西日本初)でICOCAエリア拡大!2019年春(予定)境線でICOCAがご利用いただけるようになります! - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2017年10月18日
- ↑ JR境線の迂回計画、来月にも着工 - 日本海新聞 2007年7月5日
- ↑ 夢乗せる2500メートル 米子空港供用スタート - 日本海新聞 2009年12月18日
- ↑ 米子の空の玄関新駅名は「米子空港駅」に - 日本海新聞 2008年4月16日
- ↑ 境線 大篠津駅、御崎口駅の駅名改称について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2008年4月15日
- ↑ 境線 駅間キロ改正・駅名改称 概要図 (PDF) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2008年4月15日
関連項目
外部リンク
- JR境線 鬼太郎列車のご案内 - 境港市観光ガイド
- 鬼太郎列車でいこう! - 日本海新聞