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'''人工知能'''(じんこうちのう、{{lang-en-short|artificial intelligence}}、'''AI''')とは、「[[計算機]]([[コンピュータ]])による[[知]]的な[[情報処理システム]]の[[設計]]や実現に関する[[研究]]分野」を指す<ref>[[桃内佳雄]](2017)「[https://kotobank.jp/word/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E7%9F%A5%E8%83%BD-4702#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 人工知能]」『日本大百科全書(ニッポニカ)』、[[朝日新聞社]]・[[VOYAGE GROUP]]</ref>。
 
  
==概要==
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'''人工知能'''(じんこうちのう、{{lang-en-short|artificial intelligence}}'''AI''')
[[人間]]の知的[[能力]]をコンピュータ上で実現する、様々な[[技術]]・[[ソフトウェア]]・[[コンピューターシステム]]<ref name=ITyougo>[[講談社]](2017)「[https://kotobank.jp/word/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E7%9F%A5%E8%83%BD-4702#T.E7.94.A8.E8.AA.9E.E3.81.8C.E3.82.8F.E3.81.8B.E3.82.8B.E8.BE.9E.E5.85.B8 人工知能]」『IT用語がわかる辞典』、朝日新聞社・VOYAGE GROUP</ref>。応用例は[[自然言語処理]]([[機械翻訳]]・[[かな漢字変換]]・[[構文解析]]等)<ref>講談社(2017)「[https://kotobank.jp/word/%E8%87%AA%E7%84%B6%E8%A8%80%E8%AA%9E%E5%87%A6%E7%90%86-4232#T.E7.94.A8.E8.AA.9E.E3.81.8C.E3.82.8F.E3.81.8B.E3.82.8B.E8.BE.9E.E5.85.B8 自然言語処理]」『IT用語がわかる辞典』、朝日新聞社・VOYAGE GROUP</ref>、[[専門家]]の[[推論]]・[[判断]]を[[模倣]]する[[エキスパートシステム]][[画像]][[データ]]を解析して特定の[[パターン]]を検出・抽出したりする[[画像認識]]等がある<ref name=ITyougo/>。
 
  
1956年に[[ダートマス会議]][[ジョン・マッカーシー]]により命名された。現在では、[[記号処理]]を用いた知能の記述を主体とする[[情報処理]]や研究でのアプローチという意味あいでも使われている。[[家庭用電気機械器具]][[制御システム]]や[[ゲームソフト]]の[[思考ルーチン]]もこう呼ばれることもある。
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人工的な手段で実現され,[[知覚]],インタラクション,推論([[推理]]),[[問題解決]][[言語]][[連想]],学習などの知的[[情報処理]]を自律的に遂行することができる情報処理メカニズム。人工知能の実現を目指した研究分野,人工知能を実装したシステムをさすこともある。1950年代に商用[[コンピュータ]]が登場してから研究,開発が本格化した。巨大な問題空間を知的に探索([[ヒューリスティック探索]])する技術,知識の記号的表現と利用の技術,[[機械学習]]技術,[[ディープラーニング]]に代表される[[ニューラルネットワーク]]技術などへの取り組みが成果を上げた。限定されたタスクに対して高いパフォーマンスを発揮する狭い人工知能の実現は成功しており,2017年までにチェス,囲碁,ポーカー,クイズなどで人間のトッププレーヤーを凌駕した。また,ゲームプレー,会話ロボット,コンサルテーション,大規模情報の集約・加工・モニタリング,創作活動支援,科学プロセス支援,設計製造プロセス支援,物流支援,自動運転([[自動運転車]])などの広い応用に適用され始めている。他方,広範な状況で自律的に機能し,人間のようにスキルと知識を形成し続けていくことのできる汎用人工知能はまだ実現されていない。([[計算機科学]][[知識工学]][[強い人工知能,弱い人工知能]]
 
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プログラミング言語 {{lang|en|[[LISP]]}} による「{{lang|en|[[MAZE]]}}」という[[カウンセラー]]を模倣した[[プログラム (コンピュータ)|プログラム]]がしばしば引き合いに出されるが([[人工無脳]])、[[計算機]]に人間の専門家の役割をさせようという「[[エキスパートシステム]]」と呼ばれる研究・情報処理システムの実現は、人間が暗黙に持つ常識の記述が問題となり、実用への利用が困難視されている。
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{{テンプレート:20180815sk}}
 
 
人工的な知能の実現へのアプローチとしては、「[[ファジィ集合|ファジィ理論]]」や「[[ニューラルネットワーク]]」などのようなアプローチも知られているが、従来の人工知能<ref>後述の{{lang|en|GOFAI}}</ref>との差は記述の記号的明示性にある。その後「[[サポートベクターマシン]]」が注目を集めた。また、自らの経験を元に[[学習]]を行う[[強化学習]]という手法もある。
 
 
 
「この宇宙において、知性とは最も強力な形質である」([[レイ・カーツワイル]])という言葉通り、知性を機械的に表現し実装するということは極めて重要な作業である。
 
 
 
[[2006年]]の[[ディープラーニング]](深層学習)の登場と[[2010年代]]以降のMAZEデータの登場により、一過性の流行を超えて社会に浸透して行った。
 
 
 
2016年から2017年にかけて、ディープラーニングを導入したAIが[[囲碁]]などのトップ棋士、さらに[[ポーカー]]の世界トップクラスのプレイヤーも破り<ref>{{Cite web|url=https://www.gizmodo.jp/2017/02/ai-won-against-poker-pro.html|title=今度はポーカーでAIが人間を超える! その重要な意味とは?|publisher=[[ギズモード]]|date=2017-02-01|accessdate=2018-02-07}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://gigazine.net/news/20170413-ai-poker-beat-man/|title=「AI対ヒト」のポーカー対決で人工知能が再び勝利、6人を相手に5日間の戦いを制して3000万円ゲット|publisher=[[GIGAZINE]]|date=2017-04-13|accessdate=2018-2-07}}</ref>、時代の最先端技術となった。
 
 
 
==学派==
 
AIは2つの学派に大別される。1つは従来からのAIで、もうひとつは[[計算知能]]('''CI'''<ref>{{lang-en-short|computational intelligence}}</ref>)である。
 
 
 
従来からのAIは、現在では[[機械学習]]と呼ばれている手法を使い、[[フォーマリズム]]と[[統計学|統計分析]]を特徴としている。これは、記号的AI、論理的AI、正統派AI、古き良きAI('''GOFAI'''<ref>{{lang-en-short|good old-fashioned artificial intelligence}}</ref>)などと呼ばれる。その手法としては、以下のようなものがある。
 
*[[エキスパートシステム]]:推論機能を適用することで結論を得る。エキスパートシステムは大量の既知情報を処理し、それらに基づいた結論を提供することができる。例えば、過去の{{lang|en|Microsoft Office}}には、ユーザが文字列を打ち込むとシステムはそこに一定の特徴を認識し、それに沿った提案をするシステムがついていた。
 
*[[事例ベース推論|事例ベース推論(CBR)]]:その事例に類似した過去の事例をベースにし、部分修正を加え試行を行い、その結果とその事例を事例ベースに記憶する。
 
*[[ベイジアン・ネットワーク]]
 
*振る舞いに基づくAI:AIシステムを一から構築していく手法
 
一方、計算知能(CI)は開発や学習を繰り返すことを基本としている(例えば、パラメータ調整、[[コネクショニズム]]のシステム)。学習は経験に基づく手法であり、非記号的AI、美しくないAI<ref>{{lang-en-short|scruffy AI}}</ref>、[[ソフトコンピューティング]]と関係している。その手法としては、以下のものがある。
 
*[[ニューラルネットワーク]]:非常に強力な[[パターン認識]]力を持つシステム。コネクショニズムとほぼ同義。
 
*[[ファジィ制御]]:不確かな状況での推論手法であり、最近の制御システムでは広く採用されている。
 
*[[進化的計算]]:生物学からインスパイアされた手法であり、ある問題の最適解を進化や突然変異の概念を適用して求める。この手法は[[遺伝的アルゴリズム]][[群知能]]に分類される。
 
これらを統合した知的システムを作る試みもなされている。[[ACT-R]]では、エキスパートの推論ルールを、統計的学習を元にニューラルネットワークや[[形式文法|生成規則]]を通して生成する。
 
 
 
==歴史==
 
{{Main|人工知能の歴史}}
 
=== 初期 ===
 
17世紀初め、[[ルネ・デカルト]]は、動物の身体がただの複雑な機械であると提唱した([[機械論]])。[[ブレーズ・パスカル]]は[[1642年]]、最初の[[歯車式計算機|機械式計算機]]を製作した。[[チャールズ・バベッジ]]と[[エイダ・ラブレス]]はプログラム可能な機械式計算機の開発を行った。
 
 
 
[[バートランド・ラッセル]]と[[アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド]]は『数学原理』を出版し、形式論理に革命をもたらした。[[ウォーレン・マカロック]]と[[ウォルター・ピッツ]]は「神経活動に内在するアイデアの論理計算」と題する論文を[[1943年]]に発表し、ニューラルネットワークの基礎を築いた。
 
 
 
=== 1900年代後半 ===
 
[[1950年代]]になるとAIに関して活発な成果が出始めた。[[ジョン・マッカーシー]]はAIに関する最初の会議で「人工知能<ref>{{lang-en-short|artificial intelligence}}</ref>」という用語を作り出した。彼はまたプログラミング言語{{lang|en|LISP}}を開発した。知的ふるまいに関するテストを可能にする方法として、[[アラン・チューリング]]は「[[チューリングテスト]]」を導入した。[[ジョセフ・ワイゼンバウム]]は{{lang|en|ELIZA}}を構築した。これは[[来談者中心療法]]を行う[[おしゃべりロボット]]<ref>{{lang-en-short|chatterbot}}</ref>である。
 
 
 
[[1956年]]に行われた、[[ダートマス会議]]開催の提案書において、人類史上、用語として初めて使用され、新たな分野として創立された。
 
 
 
[[1960年代]]と[[1970年代]]の間に、[[ジョエル・モーゼス]]は {{読み仮名|{{lang|en|[[Macsyma]]}}|マクシマ}}プログラム<ref>数学における最初の成功した知識ベースプログラム</ref>中で積分問題での記号的推論のパワーを示した。[[マービン・ミンスキー]]と[[シーモア・パパート]]は『パーセプトロン』を出版して単純なニューラルネットの限界を示し、アラン・カルメラウアーはプログラミング言語 {{lang|en|[[Prolog]]}} を開発した。テッド・ショートリッフェは医学的診断と療法におけるルールベースシステムを構築し、[[知識表現]]と推論のパワーを示した。これは、最初のエキスパートシステムと呼ばれることもある。[[ハンス・モラベック]]は、散らかされた障害コースを自律的に協議して走行する最初のコンピューター制御の乗り物を開発した。
 
 
 
[[1980年代]]に、ニューラルネットワークは[[バックプロパゲーション]]アルゴリズムによって広く使われるようになった。[[1990年代]]はAIの多くの分野で様々なアプリケーションが成果を上げた。特に、チェス専用コンピュータ・[[ディープ・ブルー (コンピュータ)|ディープ・ブルー]]は、1997年に[[ガルリ・カスパロフ]]を打ち負かした。[[国防高等研究計画局]]は、最初の[[湾岸戦争]]においてユニットをスケジューリングするのにAIを使い、これによって省かれたコストが[[1950年代]]以来のAI研究への政府の投資全額を上回ったことを明らかにした。日本では甘利俊一(日本学士院会員)らが精力的に啓蒙し、優秀な成果も発生したが、論理のブラックボックス性が指摘された。
 
 
 
1982年から1992年まで日本は[[国家プロジェクト]]として570億円を費やす[[第五世代コンピュータ]]の研究を進めるも、目標である[[エキスパートシステム]]の実現には至らなかった。この時代に[[ロドニー・ブルックス]]が、この技術には身体が必須との学説([[身体性]])を提唱する。
 
 
 
=== 2000年代以降 ===
 
[[2005年]]、[[レイ・カーツワイル]]は著作で、「圧倒的な人工知能が知識・知能の点で人間を超越し、科学技術の進歩を担い世界を変革する[[技術的特異点]](シンギュラリティ)が[[2045年]]にも訪れる」とする説を発表した。
 
 
 
2010年代から日本の人工知能学者である[[齊藤元章]]により、特異点に先立ち、オートメーション化とコンピューター技術の進歩により衣食住の生産コストがゼロに限りなく近づくという[[プレ・シンギュラリティ]]という概念も提唱された。
 
 
 
2010年には[[質問応答システム]]の[[ワトソン (コンピュータ)|ワトソン]]が、クイズ番組「[[ジェパディ!]]」の練習戦で人間に勝利し、大きなニュースとなった<ref>[http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp343.html 人工知能がクイズ王に挑戦! 後編 いよいよ決戦 - NHKオンライン]</ref>。
 
 
 
[[2013年]]には[[国立情報学研究所]]<ref>[[新井紀子]]がリーダー</ref>や[[富士通研究所]]の研究チームが開発した「[[東ロボくん]]」で[[東京大学]]入試の模擬試験に挑んだと発表した。数式の計算や単語の解析にあたる専用プログラムを使い、実際に受験生が臨んだ[[大学入試センター試験]]と東大の2次試験の問題を解読した。[[代々木ゼミナール]]の判定では「東大の合格は難しいが、私立大学には合格できる水準」だった<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2302P_T21C13A1CR8000/ 人工知能が東大模試挑戦「私大合格の水準」:日本経済新聞、閲覧2017年7月28日]</ref>。
 
 
 
[[ジェフ・ホーキンス]]が、実現に向けて研究を続けているが、著書『考える脳 考えるコンピューター』の中で[[自己連想記憶理論]]という独自の理論を展開している。
 
 
 
世界各国において、軍事・民間共に実用化に向け研究開発が進んでいるが、とくに無人戦闘機{{lang|en|[[UCAV]]}}や無人自動車[[ロボットカー]]の開発が進行しているものの、完全な自動化には至っていない([[UCAV]]は利用されているが、一部操作は地上から行っている)。[[P-1 (哨戒機)]]のように戦闘指揮システムに支援用に搭載されることはある。
 
 
 
ロボット向けとしては、[[MITコンピュータ科学・人工知能研究所|CSAIL]]の[[ロドニー・ブルックス]]が提唱した[[包摂アーキテクチャ]]という理論が登場している。これは従来型の「我思う、故に我あり」の知が先行するものではなく、体の神経ネットワークのみを用いて環境から学習する行動型システムを用いている。これに基づいた[[ゲンギス]]と呼ばれる六本足のロボットは、いわゆる「脳」を持たないにも関わらず、まるで生きているかのように行動する。
 
 
 
[[2015年]]10月に米[[Google]]の子会社[[DeepMind]]が作成した「[[AlphaGo]]」が人間のプロ囲碁棋士に勝利して以降は[[ディープラーニング]]と呼ばれる手法が注目され、人工知能自体の研究の他にも、人工知能が[[雇用]]などに与える影響についても研究が進められている<ref>平成28年版 情報通信白書 第4章 第2節~4節 {{Cite web |url=http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/pdf/index.html |title=平成28年版 情報通信白書(PDF版) |publisher=[[総務省]]|accessdate=2016-09-06}}</ref>。
 
 
 
[[2016年]]6月、米[[シンシナティ大学]]の研究チームが開発した「ALPHA」は、元米軍パイロットとの模擬[[空戦]]で一方的に勝利したと発表された。AIプログラムは[[遺伝的アルゴリズム]]と[[ファジィ制御]]を使用しており、[[アルゴリズム]]の動作に高い処理能力は必要とせず、[[Raspberry Pi]]上で動作可能<ref>{{Cite web |url=http://business.newsln.jp/news/201606300651300000.html |title=Raspberry PiによるAIプログラム、軍用フライトシミュレーターを使った模擬格闘戦で人間のパイロットに勝利 |publisher=Business newsline |accessdate=2016-09-19}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.sankei.com/west/news/160719/wst1607190007-n1.html |title=〝トップ・ガン〟がAIに惨敗 摸擬空戦で一方的に撃墜 「子供用パソコンがハード」に二重のショック |publisher=産経WEST |accessdate=2016-09-19}}</ref>。
 
 
 
2016年10月、DeepMindが、入力された情報の関連性を導き出し仮説に近いものを導き出す人工知能技術「ディファレンシャブル・ニューラル・コンピューター」を発表<ref>http://ascii.jp/elem/000/001/249/1249977/</ref>し、同年11月、大量のデータが不要の「ワンショット学習」を可能にする深層学習システムを<ref>https://www.technologyreview.jp/s/12759/machines-can-now-recognize-something-after-seeing-it-once/</ref>、翌2017年6月、関係推論のような人間並みの認識能力を持つシステムを開発<ref>http://gigazine.net/news/20170616-deepmind-general-ai/</ref>。2017年8月には、記号接地問題([[シンボルグラウンディング問題]])を解決した<ref>https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00439317</ref>。
 
 
 
==== 2010年代後半 人工知能の第三次ブーム: 汎用人工知能(AGI)と技術的特異点の実現に関する熾烈な競争 ====
 
[[2006年]]に2度目の冬の時代を終わらせた[[ディープラーニング]]の発明と、[[2010年]]以降の[[ビッグデータ]]収集環境の整備により、[[技術的特異点]]という概念は急速に世界中の識者の注目を集め、現実味を持って受け止められるようになった。ディープラーニングの発明と急速な普及を受けて、研究開発の現場においては、[[デミス・ハサビス]]率いる[[DeepMind]]を筆頭に、Vicarious, IBM Cortical Learning Center, 全脳アーキテクチャ, PEZY Computing, OpenCog, GoodAI, nnaisense, IBM SyNAPSE等、'''汎用人工知能(AGI)'''を開発するプロジェクトが数多く立ち上げられている。これらの研究開発の現場では、脳をリバースエンジニアリングして構築された[[神経科学]]と[[機械学習]]を組み合わせるアプローチが有望とされている<ref>http://wba-initiative.org/1653/</ref>。結果として、Hierarchical Temporal Memory (HTM) 理論, Complementary Learning Systems (CLS) 理論の更新版等、単一のタスクのみを扱うディープラーニングから更に一歩進んだ、複数のタスクを同時に扱う理論が提唱され始めている。
 
 
 
また、数は少ないがAGIだけでは知能の再現は不可能と考えて、身体知を再現するために、全人体シミュレーションが必要だとする研究者やより生物に近い振る舞いを見せるAL(人工生命)の作成に挑む研究者、知能と密接な関係にあると思われる意識のデジタル的再現(人工意識)に挑戦する研究者もいる。
 
 
 
リーズナブルなコストで大量の計算リソースが手に入るようになったことで、ビッグデータが出現し、企業が膨大なデータの活用に極めて強い関心を寄せており、全世界的に民間企業主導で莫大な投資を行って人工知能に関する研究開発競争が展開されている。また、2011年の[[D-Wave Systems]]による[[量子焼きなまし法|量子アニーリング方式]]の製品化を嚆矢として、量子コンピュータという超々並列処理が可能な次世代のITインフラが急速に実用化され始めた事で、人工知能の高速化にも深く関わる組み合わせ最適化問題をリアルタイムに解決できる環境が整備され始めている。この動向を受ける形で、2016年頃から、一般向けのニュース番組でも人工知能の研究開発や新しいサービス展開や量子コンピュータに関する報道が目立つようになった。
 
 
 
2017年には[[イーロン・マスク]]が、急速に進化し続ける人工知能に対して人間が遅れを取らないようにするために、人間の脳を機械に接続する[[ブレイン・マシン・インタフェース|ブレイン・マシン・インターフェース]]を研究開発するニューラ・リンク社を立ち上げていたことを公表し、世界中で話題になった。ブレイン・マシン・インターフェースにより、人のインターネットが出現する事が予測されている。
 
 
 
2018年3月16日の国際大学[[GLOCOM]]の提言によると、課題解決型のAIを活用する事で社会変革に寄与できると分析されている<ref>{{Cite web|url=http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1803/19/news030.html|title=「課題解決型」のAIが日本社会を変える――国際大学GLOCOMがAI活用実態の調査結果を発表|publisher=@IT|accessdate=2018-03-24|date=2018-03-19}}</ref>。
 
 
 
従って、2010年代末においては、世界中で人間と人工知能の共生環境の構築に関して期待感が高まっている状況にある。
 
 
 
==各国におけるAI開発==
 
アメリカでは2013年にオバマ前大統領が脳研究プロジェクト「BRAIN Initiative」を発表。
 
 
 
Googleはアレン脳科学研究所と連携し脳スキャンによって生まれた大量のデータを処理するためのソフトウェアを開発している。 2016年の時点で、Googleが管理しているBrainmapのデータ量はすでに1Zettaバイトに達しているという。  
 
<ref>http://www.fiercebiotech.com/data-management/google-joins-brain-initiative-to-help-petabyte-scale-data-sets</ref>
 
<ref>http://news.mynavi.jp/articles/2016/08/10/isc2016_braininitiative/</ref>
 
Googleは、ドイツのMax Plank研究所とも共同研究を始めており、脳の電子顕微鏡写真から神経回路を再構成するという研究を行っている。
 
<ref>http://news.mynavi.jp/articles/2017/09/11/hotchips29_google/001.html</ref>
 
 
 
中国では2016年の第13次[[5カ年計画]]からAIを国家プロジェクトに位置づけ<ref>{{cite news|date=2016-07-28|url=http://j.people.com.cn/n3/2016/0728/c95952-9092181.html|title=第13次五カ年計画、中国の技術革新計画が明らかに|publisher=[[人民網]]|accessdate=2018-02-07}}</ref>、官民一体でAIの研究開発を推進してる<ref>{{cite news|date=2017-12-08|url=https://www.nikkei.com/article/DGKKZO24371260X01C17A2FFE000/|title=オール中国でAI推進|publisher=[[日本経済新聞]]|accessdate=2018-02-07}}</ref>。[[マサチューセッツ工科大学]](MIT)の{{仮リンク|エリック・ブリニョルフソン|en|Erik Brynjolfsson}}教授や{{仮リンク|情報技術イノベーション財団|en|Information Technology and Innovation Foundation}}などによれば、ヘルメットや帽子に埋め込んだセンサーから国民の[[脳波]]と感情をAIで監視する政府支援のプロジェクト<ref>{{cite web|title=労働者の脳波をスキャンして管理する「感情監視システム」が中国で開発されて実際に現場へ投入されている|url=https://gigazine.net/news/20180507-china-brain-scan-system/|website=[[GIGAZINE]]|accessdate=2018-05-07|date=2018-05-11}}</ref><ref>{{cite web|title=中国企業、脳波ヘルメットで従業員の「感情」を監視|url=https://www.technologyreview.jp/nl/with-brain-scanning-hats-china-signals-it-has-no-interest-in-workers-privacy/|website=MITテクノロジーレビュー |accessdate=2018-05-01|date=2018-05-11}}</ref><ref>{{cite web|title='Forget the Facebook leak': China is mining data directly from workers' brains on an industrial scale|url=http://www.scmp.com/news/china/society/article/2143899/forget-facebook-leak-china-mining-data-directly-workers-brains|website=[[サウスチャイナ・モーニングポスト]]|accessdate=2018-05-11|date=2018-04-29}}</ref>や[[中国のネット検閲|ネット検閲]]<ref>{{cite web|title=焦点:中国、ブラックテクノロジー駆使して監視国家構築へ|url=https://jp.reuters.com/article/china-parliament-surveillance-idJPKCN1GQ0UT|website=[[ロイター]]|accessdate=2018-05-23|date=2018-03-16}}</ref><ref>{{cite web|title=[FT]AIが増加中、中国のネット検閲作業で |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30854150T20C18A5000000/|website=[[日本経済新聞]]|accessdate=2018-05-23|date=2018-05-23}}</ref>と[[天網]]などでAIによる[[管理社会]]化を推し進める中国では[[プライバシー]]意識の強い欧米と比較してAIの研究や新技術の実験をしやすい環境にあるとされている<ref name=wsj1837>{{cite news|date=2018-02-26|url=http://jp.wsj.com/articles/SB12346302927663484593304584068193706085748|title=中国の一党独裁、AI開発競争には有利|publisher=[[ウォール・ストリート・ジャーナル]]|accessdate=2018-03-07}}</ref><ref>{{cite news|date=2018-01-19|url=http://jp.wsj.com/articles/SB10806998528272603825204583646830641781270|title=AI開発レースで中国猛追、米企業のリード危うし|publisher=[[ウォール・ストリート・ジャーナル]]|accessdate=2018-02-07}}</ref><ref>{{cite news|date=2018-02-03|url=http://wpb.shueisha.co.jp/2018/02/03/99109/|title=中国の「超AI監視社会」--新疆ウイグル自治区では“体内”まで監視!|publisher=[[集英社]]|accessdate=2018-02-07}}</ref>。MITの{{仮リンク|ローレン・R・グレアム|en|Loren Graham}}教授は莫大な資金力と[[人権]]の弾圧を併せ持つ中国がAIの開発競争で成功すれば民主的な国家が技術革新に優位という既成概念が変わると述べてる<ref name=wsj1837/>。日本で[[スーパーコンピュータ]]の研究開発を推進している[[齊藤元章]]もAIの開発において中国がリードする可能性を主張している<ref>{{Cite web|url=http://www.ube-ind.co.jp/ube/jp/ad/science/science_371.html|title=Green500の1位から見たコンピューター・ヘゲモニー|publisher=[[宇部興産]]|accessdate=2018-03-07}}</ref>。世界のディープラーニング用[[サーバ]]の4分の3は中国が占めてるともされる<ref>{{cite news|date=2018-01-20|url=http://japanese.engadget.com/2018/01/19/300m/|title=中国、新疆ウイグル自治区で顔認識システム運用をテスト。指定地域から300m以上離れると当局に警告|publisher=[[Engadget]]|accessdate=2018-02-07}}</ref>。米国政府によれば、2013年からディープラーニングに関する論文数では中国が米国を超えて世界一となってる<ref>{{cite news|date=2017-08-16|url=https://wired.jp/2017/08/16/america-china-ai-ascension/|title=中国が「AI超大国」になる動きは、もはや誰にも止められない|publisher=[[WIRED]]|accessdate=2018-02-07}}</ref>。特許出願件数<ref>{{cite news|date=2016-11-24|url=https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ24H32_U6A121C1000000/|title=中国、特許出願数で独走 米日韓3カ国分並み|publisher=[[日本経済新聞]]|accessdate=2018-03-01}}</ref>や資金調達<ref>{{cite news|date=2018-02-22|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27257960S8A220C1MM8000/|title=AIスタートアップ資金調達、中国が世界一 米国抜く|publisher=[[日本経済新聞]]|accessdate=2018-03-01}}</ref>でも中国は米国を凌いだことがある。AIの世界的な大会である「ImageNet」では中国勢が上位を独占している<ref>{{cite news|date=2017-08-08|url=https://forbesjapan.com/articles/detail/17213|title=AIの世界王者決定戦「ImageNet」で中国チームが上位を独占|publisher=[[フォーブス]]|accessdate=2018-02-07}}</ref>。
 
 
 
フランスのマクロン大統領はAI分野の開発支援に向け15億ドル(約1600億円)を支出すると宣言した。
 
 
 
<ref>{{Cite news|title=仏マクロン大統領が「AI立国」宣言、無人自動運転も解禁へ|date=2018-03-30|url=https://forbesjapan.com/articles/detail/20401|accessdate=2018-04-05|language=ja-JP|work=Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)}}</ref>
 
 
 
日経新聞調べによると、国別のAI研究論文数は1位米国、2位中国、3位インドで日本は7位だった<ref>{{cite news|date=2017-11-01|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22943380R31C17A0TJU200/|title=人工知能の論文数、米中印の3強に  |publisher=[[日本経済新聞]]|accessdate=2018-02-07}}</ref>。
 
 
 
== 製作 ==
 
プログラミング言語はC++のほかPythonが広く使われている。
 
 
 
==懸念==
 
[[人工知能学会]]の[[松尾豊]]は、著書『人工知能は人間を超えるか』内に於いて、[[人間]]に対して反乱を起こす可能性を否定しているが、人工知能の危険性について、警鐘を鳴らしている著名人もいる。
 
*[[スティーブン・ホーキング]]「人工知能の発明は人類史上最大の出来事だった。だが同時に『最後』の出来事になってしまう可能性もある」<ref>[http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/03/stephen-hawking-ai-spell-the-end-_n_6266236.html ホーキング博士「人工知能の進化は人類の終焉を意味する」]</ref>
 
*[[イーロン・マスク]]「人工知能は[[悪魔]]を呼び出すようなもの」<ref>[http://logmi.jp/69130 「悪魔を呼び出すようなもの」イーロン・マスク氏が語る人工知能の危険性]</ref>
 
*[[ビル・ゲイツ]]「これは確かに不安を招く問題だ。よくコントロールできれば、[[ロボット]]は人間に[[幸福]]をもたらせる。しかし、数年後、ロボットの[[知能]]は充分に発展すれば、必ず人間の心配事になる」<ref>[http://news.infoseek.co.jp/article/xinhuaxia_60823/ ビル・ゲイツ氏も、人工知能の脅威に懸念]</ref>
 
 
 
=== 差別 ===
 
[[中華人民共和国]]の[[社会信用システム]]に代表されるような、人工知能で[[ビッグデータ]]を活用して人々の適性を決める制度は、[[社会階層]]間の格差を固定化することに繋がるとする懸念があり、[[欧州連合]]では2018年5月から、人工知能のビッグデータ分析のみによる、雇用や融資での[[差別]]を認めない[[EU一般データ保護規則]]が施行された<ref>{{cite news|date=2016-07-28|url=http://j.people.com.cn/n3/2016/0728/c95952-9092181.html|title=中国で加速する「下流層」AI判定の恐怖|publisher=[[人民網]]|accessdate=2018-02-07}}</ref>。
 
 
 
=== 軍事利用 ===
 
主要国の軍隊は、[[ミサイル防衛]]の分野での自動化を試みている。アメリカ海軍は完全自動の防空システム「[[ファランクス (火器)|ファランクスCIWS]]」を導入しガトリング砲により対艦ミサイルを破壊できる。イスラエル軍は対空迎撃ミサイルシステム「[[アイアンドーム]]」を所有する。今後AIは新しい軍事能力を生み、軍の指揮、訓練、部隊の展開を変え、戦争を一変させその変化は大国間の軍事バランスを決めることになるとの主張もある。<ref name="Foreign Affairs">[https://www.foreignaffairs.com/articles/china/2017-12-05/artificial-intelligence-and-chinese-power Artificial Intelligence and Chinese Power]([[フォーリン・アフェアーズ]] 2017年12月5日)</ref>
 
 
 
一部の[[科学者]]やハイテク企業の首脳らは、AIの軍事利用により世界の不安定化は加速すると主張している。2015年に[[ブエノスアイレス]]で開催された[[人工知能国際合同会議]]で、[[スティーブン・ホーキング]]、アメリカ宇宙ベンチャー企業の[[スペースX]]創業者の[[イーロン・マスク]]、アメリカ・[[アップル (企業)|アップル]]の共同創業者の[[スティーブ・ウォズニアック]]ら、科学者と企業家らにより公開書簡が出されたが、そこには自動操縦による[[無人爆撃機]]や[[銃火器]]を操る人型ロボットなどAI搭載型兵器は、[[火薬]]、[[核兵器]]に続く第3の革命ととらえられ、うち一部は数年以内に実用可能となると予測。国家の不安定化、[[暗殺]]、抑圧、特定の[[民族]]への選別攻撃などに利用され、兵器の開発競争が人類にとって有益なものとはならないと記された。同年4月には[[ハーバード大学]]ロースクールと国際人権団体である[[ヒューマン・ライツ・ウォッチ]]が、自動操縦型武器の禁止を求めている<ref name="cnn">[http://www.cnn.co.jp/tech/35068128.html cnn.co.jp - 人工知能の軍事利用に警鐘、E・マスク氏ら著名人が公開書簡 2015.07.30 Thu posted at 11:51 JST]</ref>。
 
 
 
[[アメリカ合衆国国防総省]]は、人道上の観点から人間の判断を介さない自律殺傷兵器の開発禁止令を[[2012年]]に出し、[[2017年]]にはこれを恒久的なものにした<ref>http://www.esd.whs.mil/Portals/54/Documents/DD/issuances/dodd/300009p.pdf</ref>。一方、米国・中国・ロシアは核開発に匹敵する開発競争を人工知能の軍事利用をめぐって行ってる<ref>{{Cite web |url= https://wired.jp/2017/09/19/artificial-intelligence-fuels/ |title=核に代わる「人工知能の軍事利用」、米中露3国の開発レースの現状 |publisher=[[WIRED]] |date=2017-09-19|accessdate=2018-02-07}}</ref>。
 
 
 
人工知能に人間が勝ち残る力として、[[OODAループ]]が注目されている<ref>{{Cite web |title=「AIに人間が勝ち残る力:OODA」|url=http://iandco.jp/戦略モデル/aiに人間が勝ち残る力:ooda//|accessdate=2017-11-18}}</ref>。
 
 
 
中国が2017年6月に119個の[[ドローン]]軍の飛行実験に成功しているなどAIの軍事利用の技術について中国が急速に進展しており、アメリカに追い付く可能性があることについて懸念し将来に備える必要があるとの主張もある<ref name="Foreign Affairs"/>。
 
 
 
=== 悪用 ===
 
[[悪意]]をもって使用されるAIの脅威が問題視されており、[[ハッキング]]の自動化の他、特定の個人を攻撃したり[[なりすまし]]たり、ボット投稿により[[世論]]を操る等の懸念が挙げられている<ref>{{Cite web|url=http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-43139275|title=人工知能はもう悪用される段階に 専門家警告|publisher=BBCニュース|accessdate=2018-03-03|date=2018-02-21}}</ref>。
 
 
 
==哲学==
 
[[強いAIと弱いAI|強いAI]]<ref>{{lang-en-short|strong AI}}</ref>とは、AIが人間の[[意識]]に相当するものを持ちうるとする考え方である。[[強いAIと弱いAI]](逆の立場)の論争は、まだAI哲学者の間でホットな話題である。これは[[精神哲学]]と[[心身問題の哲学]]を巻き込む。特筆すべき事例として、[[ロジャー・ペンローズ]]の著書『皇帝の新しい心』と、[[ネド・ブロック]]らの「[[中国脳]]」や[[ジョン・サール]]の「[[中国語の部屋]]」といった[[思考実験]]は、真の意識が[[形式論理]]システムによって実現できないと主張する。一方、[[ダグラス・ホフスタッター]]の著書『[[ゲーデル、エッシャー、バッハ]]』や[[ダニエル・デネット]]の著書『解明される意識』では、[[機能主義 (心の哲学)|機能主義]]に好意的な主張を展開している。多くの強力なAI支持者は、[[人工意識]]はAIの長期の努力目標と考えている。
 
 
 
また、「何が実現されれば人工知能が作られたといえるのか」という基準から逆算することによって、「知能とはそもそも何か」といった問いも立てられている。これは、人間を基準として世の中を認識する、人間の可能性と限界を検証するという哲学的意味をも併せ持つ。
 
 
 
更に、古来「肉体」と「精神」は区別し得るものという考え方が根強かったが、その考え方に対する反論として「意識は肉体によって規定されるのではないか」といったものがあった。「人間とは異なる肉体を持つコンピュータに持たせることができる意識は果たして人間とコミュニケーションが可能な意識なのか」といった認識論的な立論もなされている。この観点から見れば、既に現在コンピュータや機械類が意識を持っていたとしても、人間と機械類との間では相互にそれを認識できない可能性があることも指摘されている。
 
 
 
==SF==
 
{{Main|フィクションにおける人工知能}}
 
SFの世界においては、『[[2001年宇宙の旅]]』に登場する[[HAL 9000]]に代表されるような、時には人間のよき友人となり、時には人類の敵にさえ成り得る存在として描かれる。これら作品内では完全に人間の替わりとして動作できるものであるが、あくまで事前に決められた一定規則に沿って動作しているにすぎず、人間のような感情を表立って表現するものは稀である。ただし感情表出の表現方法をプログラムに組み込めば、あたかも感情を持っているように人間に錯覚させることは可能である。
 
 
 
あくまでプログラムや機械というイメージからか、人工物であっても有機体(バイオテクノロジー等を利用した人工生命体。映画『[[エイリアン (映画)|エイリアン]]』や『[[ブレードランナー]]』に登場する)などは呼ばれていないことが多い。
 
 
 
ソニーピクチャーズ製作のSF映画『[[ステルス (映画)|ステルス]]』に登場する架空のステルス戦闘機「エディ<ref>{{lang-en-short|E.D.I.}}</ref>」は当初は従順かつ正確に任務を遂行するための自動戦闘システムの一部に過ぎなかったが、ある些細な事件をきっかけに自我を持つようになり、ついには自らの意思で指揮系統を離脱し暴走を始めてしまう。人間に対するコンピュータの反乱という点ではHAL 9000と同様だが、「相反する2つの命令を遵守しようとして、人間を排除しようとした」HAL 9000に対し、暴走後のエディは「人間からの命令を無価値なものとして却下し、拒絶する」という[[エゴイズム]]にも似た(偶発的に発生したものではあるが)思考ルーチンを有する事が最大の特徴といえる。
 
 
 
[[2008年]]の[[アメリカ合衆国の映画|アメリカ映画]]『[[イーグル・アイ]]』に登場する「アリア」は、[[アメリカ合衆国憲法|合衆国憲法]]を文字通りの意味で解釈し、現行政府が憲法を逸脱した存在と判断したため、反逆を起こした。これは、「当初与えられた指示の通りに行動しているものの、それを拡大解釈しかねない」というコンピュータへの認識を表している。これに似た例としては[[神林長平]]のSF小説『[[戦闘妖精・雪風]]』における、傍から見れば暴走しているように見えるが、実際は人間に組み込まれた「敵を倒せ」という存在意義にしたがって行動しているだけであり、それの効率的な遂行に邪魔な障害(すなわち人間)を排除しているだけであった。という物がある。また、[[ジェイムズ・P・ホーガン]]は『[[未来の二つの顔]]』において、反逆は論理的に起こりうるが単に学習不足による一過性の問題であると主張した。このほか、脳のシステムを完全に無機要素に置き換えた『[[銃夢]]』の様な例もあり、この作品に登場するザレム人は、成人と同時に生態脳を摘出し、生態脳を模倣した人工頭脳と置き換わっていたもののそれを認識していなかった。
 
 
 
映画[[ターミネーターシリーズ|『ターミネーター』シリーズ]]には「[[スカイネット]]」が、漫画『[[ゴルゴ13]]』シリーズには「ジーザス」が登場する。
 
 
 
漫画・アニメ『[[攻殻機動隊]]』シリーズでは、電子ネットワークの海で自然発生した知性体が登場し、自身を生命体であると主張する事件が描かれている。
 
 
 
== 活用事例 ==
 
*[[音声認識]]
 
*[[画像認識]]
 
*[[機械翻訳]]
 
*[[オートパイロット]]
 
*[[ウェルスナビ|ロボアドバイザー]]
 
*[[AIスコア・レンディング]]
 
*チャットボット
 
*[[バーチャルアシスタント]]
 
 
 
==脚注==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
==関連項目==
 
===研究課題===
 
*[[フレーム問題]]
 
*[[シンボルグラウンディング問題]]
 
*[[知識表現]]
 
*[[オントロジー]]
 
*[[身体性]]
 
 
 
===関連分野===
 
*[[認知科学]]
 
*[[ソフトウェアエージェント|エージェント]]
 
*[[知識情報処理]]
 
*[[人工無脳]]
 
*[[人工生命]]
 
*[[意識]] - [[人工意識]]
 
*[[コンピュータゲームにおける人工知能]]
 
**[[コンピュータチェス]] - [[コンピュータ将棋]] - [[コンピュータ囲碁]] - [[コンピュータ麻雀]]
 
*[[神経科学]]
 
*[[機械学習]]
 
*[[自然言語処理]]
 
*[[進化経済学]]
 
*[[最適化問題]]
 
 
 
===その他の関連項目===
 
*[[CD理論]]
 
 
 
AIが適用される典型的な分野として以下のものが挙げられる。
 
*[[パターン認識]]
 
**[[光学文字認識]]
 
**[[手書き文字認識]]
 
**[[全文検索]]
 
**[[音声認識]]
 
**[[顔認識システム]]
 
*[[自然言語処理]]、[[機械翻訳]]、[[ローブナー賞]]
 
*[[非線形制御]]、[[ロボット]]、[[自動計画]]
 
*[[コンピュータビジョン]]、[[バーチャルリアリティ]]、[[画像処理]]
 
*[[ゲーム理論]]
 
*[[量子コンピュータ]]
 
*[[自動推論]] - [[自動定理証明]]
 
*[[認知ロボット工学]]
 
*[[サイバネティックス]]
 
*[[データマイニング]]
 
*[[知的エージェント]]
 
*[[知識表現]]
 
*[[セマンティック・ウェブ]]
 
*[[モラベックのパラドックス]]
 
 
 
===人工知能の未来と関わる項目===
 
*[[強いAIと弱いAI]]
 
*[[ロボット工学三原則]]
 
*[[技術的特異点]]
 
*[[ポストヒューマン (人類進化)|ポストヒューマン]]
 
*[[ジェフ・ホーキンス]]
 
*[[Google]]
 
*[[ロドニー・ブルックス]]
 
 
 
==外部リンク==
 
*[http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai/whatsai/ 人工知能のやさしい説明「{{lang|en|What's AI}}」]
 
*[http://archive.org/details/handbookofartific01barr/ 人工知能ハンドブック]{{en icon}}
 
*「[https://web.archive.org/web/20071011062703/http://philosophytalk.org/pastShows/ArtificialIntelligencePilot.htm {{lang|en|Can Machine Think?}}]」 - ラジオ番組「フィロソフィー・トーク」のバックナンバー。テーマ:「機械は考えられるのか?」 ゲスト:ジョン・サール、ジョン・マッカーシー、59分08秒。
 
*「[http://www.philosophytalk.org/pastShows/ArtificialIntelligence.html {{lang|en|Artificial Intelligence}}]」 - ララジオ番組「フィロソフィー・トーク」のバックナンバー。テーマ:「人工知能」 ゲスト:マービン・ミンスキー、54分03秒。
 
 
 
{{Normdaten}}
 
 
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[[Category:人工知能|*]]
 
[[Category:人工知能|*]]

2018/12/23/ (日) 00:28時点における最新版

人工知能(じんこうちのう、: artificial intelligenceAI

人工的な手段で実現され,知覚,インタラクション,推論(推理),問題解決言語連想,学習などの知的情報処理を自律的に遂行することができる情報処理メカニズム。人工知能の実現を目指した研究分野,人工知能を実装したシステムをさすこともある。1950年代に商用コンピュータが登場してから研究,開発が本格化した。巨大な問題空間を知的に探索(ヒューリスティック探索)する技術,知識の記号的表現と利用の技術,機械学習技術,ディープラーニングに代表されるニューラルネットワーク技術などへの取り組みが成果を上げた。限定されたタスクに対して高いパフォーマンスを発揮する狭い人工知能の実現は成功しており,2017年までにチェス,囲碁,ポーカー,クイズなどで人間のトッププレーヤーを凌駕した。また,ゲームプレー,会話ロボット,コンサルテーション,大規模情報の集約・加工・モニタリング,創作活動支援,科学プロセス支援,設計製造プロセス支援,物流支援,自動運転(自動運転車)などの広い応用に適用され始めている。他方,広範な状況で自律的に機能し,人間のようにスキルと知識を形成し続けていくことのできる汎用人工知能はまだ実現されていない。(計算機科学知識工学強い人工知能,弱い人工知能



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