コンピュータ
コンピュータ(英: Computer)とは、自動計算機、とくに計算開始後は人手を介さずに計算終了まで動作する電子式汎用計算機。実際の対象は文字の置き換えなど数値計算に限らず、情報処理やコンピューティングと呼ばれる幅広い分野で応用される。現代ではプログラム内蔵方式のディジタルコンピュータを指す場合が多く、特にパーソナルコンピュータやメインフレーム、スーパーコンピュータなどを含めた汎用的なシステムを指すことが多いが、ディジタルコンピュータは特定の機能を実現するために機械や装置等に組み込まれる組み込みシステムとしても広く用いられる。電卓・機械式計算機・アナログ計算機については各項を参照。
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Contents
呼称
日本語においては、英語の「Computer」のカタカナ語として「コンピュータ」または「コンピューター」を用いる[1]。
法用語では「
電算機という語もあり、「電算業務」といった形で電算と略しても使われているが、情報処理学会が歴史について調査した際に、学会誌『情報処理』に掲載された富士通における歴史を述べた記事[4]によれば、電子計算機以前の頃、リレーによる計算機によりサービスを開始した同社が(「電子」じゃないけど、ということで)使い始めた言葉であろう、と書かれている。
他に、人工頭脳[5]や電子頭脳、台湾や香港などでもよく使われる電脳といった言葉がある。
語源
英語の 「Computer(コンピューター)」は算術演算(数値計算)を行う人を指す言葉だった。この用法は(英語圏では非常に稀になりつつあるが)今でも有効である。オックスフォード英語辞典第2版では、この語が機械的な計算装置を指す言葉として使われた最初の年を1897年と記している。同辞典では、1946年までに、異なるタイプの計算機を区別するために、「Computer」に付く修飾語句がいくつか導入している。これらの修飾語の中には「Analogue(アナログ)」、「Digital(ディジタル)」「Electronic(エレクトロニック)」といった語が含まれている。しかし様々な引用文から、1946年以前にこれらの語が既に使われていたことは明らかである。
ディジタルとアナログ
(ディジタル)コンピュータは数値計算以外にもあらゆる情報処理を行えるものであるのに対し、アナログ計算機はそうではないので、以下、「コンピュータ」という表現と「計算機」という表現が混用されるが、意図的なものである。
ディジタル計算機とアナログ計算機という分類もあるが、アナログ計算機は現代ではほとんどマイナーな存在となったことから、単にコンピュータという表現でディジタルコンピュータを指すことが多い。
なお、「コンピュータ」という語を特に「電子」計算機を指す語として使う場合があり、その用語法では、アナログ計算機のうち特に電子式アナログ計算機を指すのが「アナログコンピュータ」ということになる。
また、対象が連続量ではなく、整数のような離散的であるものは(例えばエレクトロニクスを使っていなくても)「ディジタル」である。良い例としては、そろばんはディジタルであり、そろばんのことを指してアナログと言うのは誤りである。
アナログ計算機は、電気的現象・機械的現象・水圧現象を利用してある種の物理現象を表現し、問題を解くのに使われる計算機の一形態である[6]。アナログ計算機はある種の物理量を別の物理量で表し、それに数学的な関数を作用させる。入力の変化に対してほぼリアルタイムで出力が得られる特徴があり(これはいわゆる「高速型」の場合の話である。時間をかけてバランスが取れた状態を見つけ出すとか、移動量の合計を得るといったような「低速型のアナログ計算機」もある)、各種シミュレーションなどに利用されたが、演算内容を変更するためには回路を変更する必要があり、得られる精度にも限界があるので、ディジタルコンピュータの性能の向上とDA/ADコンバータの高精度化・高速化によって、コストパフォーマンス的にもそちらで代替したほうが有利となり、その役割を終えた。
なお、かつて電子式アナログコンピュータの重要な要素として多用されたものと同じ機能を持つ電子回路は、IC化された「オペアンプIC」として今日でも広く使われているが、モジュール化され簡単に使えるものになっているため、全くコンピュータとは認識されていない。
以上のようにアナログ計算機が「量」(物理量)によって計算を行うのに対して、ディジタルコンピュータは、数(digit)によって「計数的」に計算を行う。現代ではもっぱらエレクトロニクスを用いて、2値論理による論理演算と、二進法による数値表現を使っている(タイガー計算器のように歯車の離散的な角度により十進法を表現するものもディジタルな計算機であるし、機械として見ると2値論理方式の機械でも、数の扱いとしては3増し符号などにより十進法のものもある。数値の表現法である「x進法」と、論理のモデルである「x値論理」は、厳密には別のものであることに注意)。
概要
1940年代に最初の実用ディジタルコンピュータが登場して以来、コンピュータに使われる技術は、特に微細化という点では劇的に変化してきた。しかし現在のところ、基本的にはノイマン型の構成を受け継いでいる。
命令
コンピュータの命令は人間の言語に比べるとずっと貧弱である。コンピュータは限られた数の明確で単純な命令しか持っていないが、曖昧さは全くない。多くのコンピュータで使われている命令の典型的な例としては、「5番地のメモリの中身をコピーしてそのコピーを10番地に書け」とか「7番地の中身を13番地の中身に加算して結果を20番地に書け」とか「999番地の中身が0なら次の命令は30番地にある」といったものである。
コンピュータの内部では命令は二進コード、つまり2を底とする計数法で表現される。例えば、インテル系のマイクロプロセッサで使われるあるコピー命令のコードは10110000である。ある特定のコンピュータがサポートする特定の命令セットをそのコンピュータの機械語と呼ぶ。
実際には、人間がコンピュータへの命令を機械語で直接書くことは通常はなく、高水準のプログラミング言語を使う。プログラミング言語で書かれた命令が、インタプリタやコンパイラと呼ばれる特別なコンピュータプログラムによって自動的に機械語に翻訳されて実行される。プログラミング言語の中にはアセンブリ言語(低水準言語)のように、機械語に非常に近いレベルで対応付けられるものもある。逆に Prolog(プロログ)のような高水準言語は計算機の実際の演算の詳細とは完全に切り分けるという絶対原理に基づいている。
ハードウェア
記憶
主記憶装置(メモリ)は番地を付けられたセルの列で、各々のセルには小さな量の情報が格納される。この情報はある場合にはコンピュータに何をすべきかを教える命令である。また、セルにはコンピュータが命令を実行する対象となるデータも格納される。全てのセルはこのどちらかを格納し、ある時はデータを、またある時は命令を格納する。
一般的には、メモリセルの中身はいつでも書き換えられる。すなわち石板というよりは落書き帳に近い。
各セルのサイズとセルの数はコンピュータごとに大きく異なる。また、メモリを実装する技術も時代とともに大きく変化してきた。最初は電磁リレーが、続いて水銀の入った管(水銀遅延線)や金属線を波(振動)が伝わる際の遅延時間を利用するデバイスが使われた。次にはフェライト製のトロイダルコア(磁気コアメモリ)や個別部品のトランジスタが使われた。そして、現在使われているタイプのメモリの元祖と言える、集積回路によるメモリは1960年代に開発され、1970年代にはコストパフォーマンスで凌駕し、それまでの主流だったコアメモリに代わり主流となった(インテルのDRAM、1103による(en:Intel 1103))。
また、補助的な、一般に大容量の補助記憶装置がある。
演算
演算ユニットは算術演算(加算・減算など)のような基本的な演算やAND、OR、NOTといった論理演算、比較演算(2つのバイトの中身が等しいかどうかの比較など)、シフト演算などを行う装置である。コンピュータの中で真の仕事(情報処理)を行う部分と言える。
制御
制御ユニットはメモリの中でどのバイトがコンピュータが現在実行中の命令を格納しているかを追いかけ、どの命令を実行すべきかを演算装置(ALU)に教え、実行に必要な情報をメモリから受け取り、実行結果を適切なメモリ位置に運ぶといった仕事をする。一度これらの仕事を終えると、制御ユニットは次の命令に飛ぶ(次の命令は普通、次のメモリ番地に位置しているが、命令がジャンプ命令の場合には別の場所にある)。
メモリを参照する際に、現在の命令はメモリ内で関連する番地を指定するために様々なアドレッシングモードを使う場合がある。コンピュータのマザーボードの中には2つまたはそれ以上のプロセッサをサポートするものもある。コンピュータサーバでは2つまたは複数のプロセッサを使うのが一般的である。
入出力
入出力(I/Oとも言う)はコンピュータが外の世界から情報を得たり、計算結果を外に送り返したりすることを可能にするためのものである。外部から見て、コンピュータに情報を送ることを入力、逆にコンピュータから情報を得ることを出力という。
入出力には、入出力インタフェースを介して、入出力装置(I/O装置)が接続される。入出力装置としては例えば、キーボード、マウス、スキャナ、モニタやプリンター、磁気ディスク装置、光学ドライブ装置、ネットワークインタフェースなどといった馴染み深いものから、3次元ディスプレイやデータグローブといったものまで、幅広いものが存在する。
入出力装置は、主として入力を得るためのもの(キーボード、スキャナなど)、出力するためのもの(モニタ、プリンターなど)、入力と出力を兼ね備えたもの(磁気ディスク装置、インタフェースなど)に大別することができる。
アーキテクチャ
- 参照: コンピュータ・アーキテクチャ
ソフトウェア
プログラム
コンピュータプログラムは単にコンピュータに実行させる命令の大きなリストである。場合によってはデータの表が付属することもある。現在でも1行〜数1000行程度のプログラムが用いられているが、ワープロソフトやOSなどのコンピュータプログラムは数百万行の命令からなる。これらの命令の多くは繰り返し実行される。2003年時点での典型的なパーソナルコンピュータは1秒間に20〜30億個の命令を実行できる。コンピュータのこのような並外れた能力は、複雑な命令を実行できる能力に由来するものではない。むしろ、コンピュータはプログラマと呼ばれる人々によって組まれた何百万もの単純な命令を実行しているのである。プログラムごとに全てを新規に書き下すことは効率が悪いため、画面に点を描くといったよく使われる仕事を行う命令のセット(ライブラリ)が多数用意されている。
今日では、ほとんどのコンピュータは同時にいくつものプログラムを実行するように見える。これは通常、マルチタスクと呼ばれている。実際には、CPUはあるプログラムの命令を実行した後、短い時間の後でもう一つのプログラムに切り替えてその命令を実行している。この短い時間の区切りをタイムスライスと呼ぶ。これによって、複数のプログラムがCPU時間を共有して同時に実行されるように見える。これは動画が実は静止画のフレームの短い連続で作られているのと似ている。このタイムシェアリングは通常、オペレーティングシステムというプログラムで制御されている。
オペレーティングシステム
具体的に処理すべき作業の有無によらず、コンピュータに自らの演算資源を管理し「ユーザーの指示を待つ」という動作を取らせるためにさえ、ある種のプログラムを必要とする。典型的なコンピュータでは、このプログラムはオペレーティングシステム (OS) と呼ばれている。オペレーティングシステムをはじめとする、コンピュータを動作させるのに必要となるソフトウェアを全般に「システムソフトウェア」と呼ぶ。
コンピュータを動作するためオペレーティングシステムは、ユーザー、もしくは他のプログラムからの要求に応じてプログラム(この意味では、アプリケーションソフトウェアもしくは単にアプリケーションという用語も使用される。ソフトウェアという用語も似た意味合いだが、これはプログラム一般を指すより広い概念である)をメモリー上にロードし、プログラムからの要求に応じていつ、どのリソース(メモリやI/O)をそのプログラムに割り当てるかを決定する。
オペレーティングシステムはハードウェアを抽象化した層を提供し、他のプログラムがハードウェアにアクセスできるようにする。例えばデバイスドライバと呼ばれるコードがその例である。これによってプログラマは、コンピュータに接続された全ての電子装置について、その奥深い詳細を知る必要なくそれらの機械を使うプログラムを書くことができる。また、ライブラリと呼ばれる再利用可能な多くのプログラム群を備え、プログラマは自ら全てのプログラムを書くことなく、自らのプログラムに様々な機能を組み込むことができる。
ハードウェアの抽象化層を持つ現在のオペレーティングシステムの多くは、何らかの標準化されたユーザインタフェースを兼ね備えている。かつてはキャラクタユーザインタフェースのみが提供されていたが、1970年代にアラン・ケイらが Dynabook(ダイナブック)構想を提唱し、「暫定 Dynabook」と呼ばれる Alto(アルト)と Smalltalk(スモールトーク)によるグラフィカルユーザインタフェース環境を実現した。なお、「暫定 Dynabook」は当時のゼロックスの首脳陣の判断により製品化されなかった(ゼロックスより発売されたグラフィカルユーザインタフェース搭載のシステム Xerox Star(ゼロックス・スター)は「暫定 Dynabook」とは別系統のプロジェクトに由来する)が、この影響を受け開発されたアップルコンピュータの LISA(リサ)や Macintosh(マッキントッシュ)、マイクロソフトの Windows(ウィンドウズ)の発売、普及により、グラフィカルユーザインタフェースが一般的にも普及することとなった。
世間に普及するコンピュータを台数を基準として見た場合、そのほとんどはデスクトップコンピュータとして存在しておらず、携帯電話や炊飯器などの電気製品、各種の測定機器、乗用車や工作機械などの装置に組み込まれた、非常に小さく安価なコンピュータとして実装されている。これらを組み込みシステムと呼ぶ。一般に組み込みOSと呼ばれる専用のOSを用いる。TRON(トロン)プロジェクトのITRON(アイトロン)、米ウィンドリバーのVxWorks(ヴイエックスワークスト)、米シンビアンのSymbian OS(シンビアン・オーエス)、米リナックスワークスのLynxOS(リンクスオーエス)などが利用されている。ただし、近年は開発期間の短縮などの目的で、Windows や Linux(リナックス)といったデスクトップコンピュータで使われているOSと同系統のOSを搭載する場合もある。また、小規模な組み込みシステムのなかには、明確なOSを内蔵していないものも多い。
歴史
- 紀元前2000年頃 古代バビロニアで手動式ディジタル計算器であるアバカスが(“そろばん”は中国起源説もある)発明される(古代ギリシアでは紀元前300年頃に伝わって来たとされており、日本では西暦1400年頃の室町時代に明から伝わって来たといわれる)。
- 紀元前2世紀 - アンティキティラ島の機械 紀元前150~100年に古代ギリシア人によって作られた、現在確認できるものでは世界最古の「一種の、アナログ計算機ではないか」と考えられているもの、である。
- 1620年 イギリスのエドモンド・ガンターが、手動式アナログ計算器である計算尺の原型となる対数尺を発明。
- 1623年頃、ドイツのヴィルヘルム・シッカートが、ネイピアの骨を応用した、乗算と加減算を行なえる、歯車式の計算機を作った。加減算に関しては繰り上がりが出来たが、乗算に関しては繰り上がりが出来なかった。
- 1642年 フランスのブレーズ・パスカルが歯車式計算機パスカリーヌを開発。約50台が作成された。
- 1670年代 ドイツのゴットフリート・ライプニッツがen:Leibniz wheelを発明。その後パスカリーヌより高機能な計算機を開発し、60年間に約1500台が販売された。
- 1698年 ライプニッツが二進法の数理を確立。
- 1725年 このころ織機の制御にパンチカードが使われ始める。
- 1801年 ジョゼフ・マリー・ジャカールがジャカード織機を発明。
- 1822年 解析機関の設計者チャールズ・バベッジが第1階差機関の実験モデルを作成。
- 1823年 バベッジによる階差機関の開発開始。
- 1833年 追加予算が打ち切られ、階差機関の開発が中止となる。
- 1843年 シュウツ親子により階差機関が完成。
- 1854年 ジョージ・ブールがブール代数を発見する。
- 1865年 万国電信連合(現・国際電気通信連合)設立。電気通信分野における初の標準化機関であり、国際機関。
- 1871年 バベッジが解析機関の実現を見ぬまま死去。解析機関のオペレータであるエイダ・ラブレスは世界最初のプログラマとされる。
- 1889年 ハーマン・ホレリスがパンチカード方式の自動集計機を実現。
- 1897年 フェルディナント・ブラウンが陰極線管(通称ブラウン管) を発明。
- 1905年 ジョン・フレミングが二極真空管を発明。
- 1906年
- 国際電気標準会議(IEC)設立。電気電子関連技術を扱う国際的な標準化団体。
- リー・ド・フォレストが三極真空管を発明。
- 1936年 アラン・チューリングが、論文 On Computable Numbers, with an Application to the Entscheidungsproblem を発表。同論文でチューリングマシンを提示。
- 1938年 ドイツのコンラート・ツーゼが、自宅で機械式の計算機V1(後にZ1と改名)を作成。
- 1939年 ツーゼがZ1をベースに演算部がリレー、記憶部が機械式のテスト用の計算機Z2を作成。
- 1940年 ツーゼがZ2をベースに全リレー式の計算機Z3を作成。Z3は(意図的にそのように設計されたものではないが)1998年に万能(チューリング完全)であると証明された[7][8][9][10]
- 1942年 ジョン・アタナソフとクリフォード・ベリーが真空管を使って演算処理をするディジタル計算機ABCを作成。
- 1943年 ローレンツSZ42暗号機によるドイツ軍の暗号を解読するため、イギリスでColossusが発明される。
- 1944年 ツーゼがZ4を作成。メモリ部分は機械式に戻る。
- 1945年 ジョン・フォン・ノイマンがプログラム内蔵方式を提唱。
- 1946年 ペンシルベニア大学で真空管を使って演算処理をするディジタル計算機ENIACが作成される。一般に広く知られた初のコンピュータ。
- 1947年 AT&Tベル研究所のウォルター・ブラッテン、ジョン・バーディーン、ウィリアム・ショックレーらがトランジスタを発明。
- 1948年 マンチェスター大学のフレデリック・C・ウィリアムスとトム・キルバーンが、初のプログラム内蔵式のコンピュータThe Babyを発明。
- 1949年 モーリス・ウィルクスとケンブリッジ大学の数学研究所のチームによるEDSAC稼働。
- 1951年 EDVAC稼働。
- 1951年
- 1952年
- 米IBMが商用のプログラム内蔵式コンピュータIBM 701を発売。
- ETL Mark I(リレー式)を通産省工業技術院電気試験所(現:産業技術総合研究所)が完成。
- 1953年 MITにてWhirlwindが実用化された。量産機AN/FSQ-7が1958年からSAGEに使われ、後のIBMのコンピュータ技術の基礎となった。
- 1956年
- FORTRANが誕生(最初のFORTRANマニュアルのリリース)。
- 「FUJIC」(富士フイルム)稼働。
- アメリカ合衆国ブルックヘブン国立研究所のウィリアム・ヒギンボーサムが、アナログコンピュータ(オペアンプ)とオシロスコープを用いた『Tennis for Two』を開発。
- 米IBMによる磁気ディスク(ハードディスクドライブ)「IBM 350」の初出荷。5Mキャラクタ。
- 1957年 パラメトロンを利用したMUSASINO-1完成(日本電信電話公社電気通信研究所)。
- 1958年
- 米テキサス・インスツルメンツのジャック・キルビーが集積回路(IC)を発明。
- フランク・ローゼンブラット、パーセプトロンの論文を発表する。
- 1959年 日本国有鉄道が日本初のオンラインシステムであるマルス1を導入。
- 1960年 米ディジタル・イクイップメントが、世界初のミニコンピュータPDP-1を発売。
- 1961年 IBM、IBM 7030を発売。
- 1962年 「スペースウォー!」完成。
- 1963年
- アメリカ電気学会(AIEE)と無線学会(IRE)が合併し、IEEE設立。
- アイバン・サザランドがSketchpadを開発。CADプログラムの先駆け。
- 1964年
- IBMがメインフレームのSystem/360を発売。商用初のオペレーティングシステムが生まれる。
- コントロール・データ・コーポレーション、CDC 6600を製造開始。1969年まで世界最高速の地位にあり、世界で初めて成功したスーパーコンピュータとも言われる。
- 1965年
- 1966年 ACM、チューリング賞を創設。
- 1967年 IBMがフロッピーディスクを開発。
- 1968年 ダグラス・エンゲルバートが、マウスやウィンドウなどをデモンストレーション。
- 1969年
- 後にインターネットの母体となるARPANETが運用開始。UNIXオペレーティングシステムの開発が始まる。
- エドガー・F・コッドがリレーショナルデータベースを提唱。
- 1970年
- 1971年 インテルが世界最初のシングルチップの4ビットマイクロプロセッサ、i4004をビジコンと共同開発。10月に発売されたビジコンの電卓141-PFに搭載される。
- 1972年
- 1973年
- 1974年
- 4月、インテルが8ビットのマイクロプロセッサi8080を発表。
- ゲイリー・キルドールが8ビットCPU(8080)用のディスクオペレーティングシステム、CP/Mを開発。
- 1975年
- 4月、ビル・ゲイツがマイクロソフトを設立。
- クレイ・リサーチ社、Cray-1を発表。スーパーコンピュータの代名詞となる。
- 米MITS社が、世界初の一般消費者向けマイクロコンピュータAltair 8800を発売。主に組み立てキットとして販売された。
- ジョン・コックの統括のもとで、RISCの概念に基づくマイクロプロセッサIBM 801の開発が行われる。
- 1976年 NEC、TK-80を発売。6万台を売り上げ、初期のマイコンとしては異例の大ヒットとなる。
- 1977年
- ビル・ジョイが開発した1BSDが初めて配布される。
- アップルコンピュータ、パーソナルコンピュータApple IIを発売。
- 1978年 米国シカゴで最初の電子掲示板「CBBS」が開設される。
- 1979年
- 1980年
- CERNの研究員ティム・バーナーズ=リーが、World Wide Webの元となるEnquireを開発。
- シャープがポケットコンピュータPC-1210を発売。ポケットサイズでBASICが動作する初のデバイス。
- 1981年
- 1982年
- 米サン・マイクロシステムズがTCP/IPを採用したワークステーションを発売。
- 世界初の(狭義の)コンピュータウイルスElk Clonerが出現。
- NECがPC-9801を発売。
- エプソンが初期のハンドヘルドコンピュータであるHC-20を発売。
- 1983年 リチャード・ストールマンがGNUプロジェクトを開始。
- 1984年
- 1985年
- デイヴィッド・ドイッチュが量子コンピュータの原モデルである量子チューリングマシンを定義した。
- アップルコンピュータがLaserWriterを発売。ページ記述言語としてPostScriptを採用したレーザープリンターで、ページレイアウトソフト「PageMaker」とともにDTPの時代を切り開く。
- フィリップスが初のCD-ROMドライブであるCM100を発表。
- マイクロソフトが最初のWindows製品であるWindows1.0を発売。
- 1986年
- 1987年
- 1988年
- ネクスト・コンピュータがNeXTcubeを発売。搭載されたNEXTSTEPは後にMac OS Xの基盤となった。
- PC-VANにおいて、コンピュータウイルスの被害が日本で初めて報告された。
- 1989年
- 東芝がノートパソコンDynaBookを発売(IBM PC/XT互換)。
- 1990年 マイクロソフトがWindows 3.0 を発売。初の成功したWindows製品となった。
- 1991年
- リーナス・トーバルズがスクラッチビルドによるUNIXライクなOSカーネルLinuxを発表。
- ティム・バーナーズ=リーがWorld Wide Webプロジェクトを発表する。
- フィル・ジマーマンが公開鍵暗号PGPを開発し公開した。
- 1992年 シリコングラフィックス、OpenGLを公開する。
- 1993年
- 1994年
- ティム・バーナーズ=リー、W3Cを設立。World Wide Web関連のプロトコルを策定する標準化団体。
- マイクロソフトがWindows NTを発売。
- 1995年 マイクロソフトがWindows 95を発売。
- 1996年
- サン・マイクロシステムズにより、Javaの開発環境が公式にリリースされる。
- ECMAScriptが策定されJavaScriptが標準化される。
- The Open Groupが創設され、UNIX戦争が終結した。
- USロボティクス、Palm Pilotを発売。最も成功した携帯情報端末となる。
- 1997年
- 2000年
- 2000年問題。大きなトラブルはなかった。
- ソニー・コンピュータエンタテインメント、PlayStation 2を発売。DVDの普及が本格的に始まる。
- 2001年
- インターネット・バブルが崩壊。
- 4月、アップルコンピュータがMac OS Xを発売。10月にはiPodを発表。
- 2003年 中国で人工知能を応用したインターネット検閲システム金盾の稼働が始まる。
- 2004年 Mozilla Firefox 1.0 がリリース。この頃から第二次ブラウザ戦争が勃発する。
- 2006年 ソニー・コンピュータエンタテインメントがBlu-ray Discドライブを搭載したPLAYSTATION 3を発売。
- 2007年 アップルがiPhoneを発売。Mac OS X派生のモバイルオペレーティングシステム、iPhone OS(現iOS)を搭載し、以降スマートフォンの普及が急激に進んだ。
- 2008年 グーグルがLinuxベースのモバイルオペレーティングシステムAndroidをリリース。
- 2009年 IBM、意思決定支援システムワトソンを公開する。
- 2011年
- アジア太平洋地域インターネットレジストリのIPv4アドレスが枯渇した。
- D-Wave Systemsは世界初の商用量子コンピュータシステム、D-Wave Oneを発表した。
- 世界のパソコン出荷台数がピークの3億5280万台に達する。
- 2012年 グーグル、スタンフォード大学との共同研究であるグーグル・ブレイン(Google brain)を構築し、ディープラーニングの有用性が認められる。
- 2014年 アマゾン、AIアシスタントAmazon Alexaを発表、スマートスピーカーの Amazon Echoに搭載される。
- 2016年 Google DeepMindが開発したAlphaGoが世界最強の棋士と目される李世乭に勝利した。
種類
- スーパーコンピュータ(スパコン、HPCサーバ)
- メインフレーム(汎用コンピュータ、汎用機)
- ミニコンピュータ(ミニコン)
- オフィスコンピュータ(オフコン)
- ワークステーション (WS)
- コンピュータ・クラスター
- マイクロコンピュータ(マイコン)
- マイクロコントローラ(組み込みシステム用コンピュータ)
- 汎用サーバ
- エンタープライズサーバ
- PCサーバ
- パーソナルコンピュータ(パソコン、PC)
- シンクライアント
- ワードプロセッサ
- ゲーム機
携帯機器
- PDA(個人情報端末、ハンドヘルドコンピュータ)
- ポケットコンピュータ
- スマートフォン
- 携帯電話機(フィーチャーフォン)
- 携帯型ゲーム機
- タブレット
研究段階のコンピュータ
脚注
- ↑ JISZ8301や関連学会の論文投稿規定、工学専門書などでは長音符を付けない。国語表記の基準(文化庁)や新聞社、放送局、小中学校教科書などでは長音符付きで表記している(長音符#長音符の省略参照)。ソフト最大手のマイクロソフトは2008年11月に長音符付きの表記に変更した。理由として内閣告示にしたがった新聞等表記への準拠、メモリやディスプレイ解像度の改善にともない字数節減が不要になったことなどを挙げている。
- ↑ “入札公告:電子計算組織運用業務委託一式”. 厚生労働省 (2006年9月). . 2008閲覧.
- ↑ “下関市電子計算組織により処理する個人情報の保護に関する条例”. 下関市 (1991年3月). . 2008閲覧.
- ↑ 『日本における計算機の歴史 : 富士通における計算機開発の歴史』NAID 110002753426§3.1
- ↑ 全国書誌番号:57000106
- ↑ Universiteit van Amsterdam Computer Museum (2007)
- ↑ RTD Net: "From various sides Konrad Zuse was awarded with the title "Inventor of the computer"."
- ↑ GermanWay: "(...)German inventor of the computer"
- ↑ Monsters & Critics: "he(Zuse) built the world's first computer in Berlin"
- ↑ "Konrad Zuse earned the semiofficial title of "inventor of the modern computer", About.com
関連項目
- 総合索引に関する項目
- ソフトウェアに関する項目
- ハードウェアに関する項目
- コンピュータ・アーキテクチャに関する項目
- 研究に関する項目
- 社会・諸問題に関する項目
- ネットワークに関する項目
外部リンク
- コンピュータ博物館(情報処理学会)
- English:IPSJ Computer Museum (Information Processing Society of Japan)
- マイクロソフト単語帳
- 情報・通信事典 e-Words
- ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典
- 情報処理概論 講義資料(関西外国語大学 短期大学部 上山清二作成)
- 【いよ式】『英語・中国語・日本語(3か国語版)必要最小限のコンピュータ用語辞典』
- 計算機の歴史、統計数理研究所
- 石川産業勃興記〜IT産業編〜 - 石川新情報書府