レウキッポス
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生誕 |
紀元前5世紀前半 アブデラ または ミレトス |
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死没 | 紀元前5世紀 |
時代 | ソクラテス以前の哲学者 |
学派 | ソクラテス以前の哲学: 原子論, 唯物論 |
研究分野 | 形而上学 |
主な概念 | 原子論 |
影響を受けた人物:
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影響を与えた人物:
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レウキッポス(希: Λεύκιππος, Leukippos、羅: Leucippus、生没年不詳)は、紀元前440-430年頃に活動した古代ギリシアの自然哲学者。
生涯
ミレトスに生まれ、デモクリトスの師として原子論を創始した。紀元前450年頃にエレアに赴いてパルメニデスに学び、ゼノンの講義を聴いたらしい。彼の生涯は明らかではなく、その著作もデモクリトスのものと混合しているため、エピクロスは彼の実在を否定したが、アリストテレスは原文を引いて学説を紹介している。原子論の基礎は彼によって作られ、デモクリトスのものとされている『大宇宙系Megas diakosmos』と『精神について Peri nou』はレウキッポスの著作らしい。
学説の概要
- 事物の総体は限りがなく、互いに他へ変化する。
- すべては空なるもの(ケノン Kenon)と充実したもの(プレーレス=アトム atomoi)から成り立つ。
- 世界はアトムが空におちこんで他のアトムと絡まり合うことによって生じる。そしてまた世界は、空とアトムへと分解する。
- アトムは一箇所に集まると渦を生じ、その渦の中で形の似たもの同士が結びつき、物体を生ずる。
このように、アトムを万物の起源として想定したのはレウキッポスが初めてであるという。ドイツの哲学者ヘーゲルは、レウキッポスの大きな功績は「物体の一般的性質と感覚的性質を区別したこと」と考えている。[1]
脚注
- ↑ G・W・F・ヘーゲル 『哲学史講義 Ⅰ』 河出文庫、2016年、416p。
参考文献
- Cyril Bailey『ギリシア原子論者とエピクロス The Greek Atomists and Epicurus』
- Diels『ソクラテス以前 Vorsokratiker』1937年
- ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝(下)』岩波文庫(岩波書店, 1994年) ISBN 4003366336