「ミニ新幹線」の版間の差分

提供: miniwiki
移動先:案内検索
(1版 をインポートしました)
(内容を「'''ミニ新幹線'''(ミニしんかんせん) 在来線から乗り換えなしに列車を新幹線の軌道に乗り入れできるようにしようというプ…」で置換)
(タグ: Replaced)
 
1行目: 1行目:
{{複数の問題|独自研究=2012年6月}}
+
'''ミニ新幹線'''(ミニしんかんせん)
{{Vertical_images_list
 
|幅= 240px
 
|枠幅= 240px
 
| 1=E3-2000-L67-of-Yamagata-Shinkansen.jpg
 
| 2=山形新幹線「つばさ」([[新幹線E3系電車|E3系2000番台]])
 
| 3=E6-E5-Coupling in omiya 20130320.jpg
 
| 4=秋田新幹線「こまち」([[新幹線E6系電車|E6系]])<br />[[大宮駅 (埼玉県)|大宮駅]](2013年3月撮影)
 
| 5=Shinkansen E926 East-i.jpg
 
| 6=East i([[ドクターイエロー#E926形|E926形]])<br />大宮駅(2008年5月撮影)
 
}}
 
  
'''ミニ新幹線'''(ミニしんかんせん)は、[[新幹線]]規格(フル規格)の線路を新規に建設することなく、既存の[[在来線]]を[[改軌]]した上で新幹線路線と[[直通運転]](新在直通運転という)できるようにした方式で<ref>{{PDFlink|[http://www.jsce.or.jp/journal/contents/knowledge/vol9803.pdf 土木ミニ知識 Vol.83 新幹線とミニ新幹線]. 公益社団法人土木学会(1998年3月). 2012年2月29日閲覧。}}</ref>、[[高速化 (鉄道)|鉄道高速化]]の一手段である。
+
在来線から乗り換えなしに列車を新幹線の軌道に乗り入れできるようにしようというプロジェクト。日本の在来線の軌間は,新幹線の軌間 (標準軌間=1435mm) より狭い軌間 (1067mm) である。そのため,新幹線を乗り入れさせるには,在来線の軌道幅を広げるか,外側にもう1本レールを敷く3線軌道にしなければならない。また,車両高も在来線の高さに合わせる必要がある。そのため,運輸省 (現国土交通省) は建設の条件として,(1) 航空機との競合上,最も有利な3時間を切る区間,(2) 貨物や夜間長距離列車の迂回ルートがある区間,と定めている。 1992年7月開業した山形ミニ新幹線 (福島-山形間) では,標準軌間に作り換え,東北新幹線に連結したミニ車両を福島駅で分離し,福島-山形間を時速 130kmで走る。その結果,東京-山形間は従来より 30分速い2時間 40分となった。 97年3月には盛岡と秋田を結ぶ秋田新幹線が開業した。
 
 
== 概要 ==
 
この方式を採用した[[鉄道路線]]は、旅客案内上「新幹線」と称しているが、[[全国新幹線鉄道整備法]]の定義では[[在来線]]であって、新幹線ではない。また、当然[[整備新幹線]]にも含まれない。あくまで在来線の改軌並びに高速化改良であり、在来線区間の最高速度もフル規格新幹線区間の200 km/h以上に対して、在来線の一部路線([[西日本旅客鉄道|JR西日本]]の[[新快速#京阪神地区|京阪神地区の新快速]]など)と同じ130 km/h程度である([[JR]]以外の路線での最高速度は[[京成成田空港線]]と、過去の[[北越急行ほくほく線]]の160 km/h)。とはいえ、通常の在来線区間としては比較的高速度の運転が実施されることになるため、本来であれば地平の[[踏切]]には視認性を強化した警報機を設置したり、[[連続立体交差事業|踏切を廃して立体化・地下化]]するなど、[[道路]]などの横断交通への安全対策が必要である。
 
 
 
フル規格による新幹線の運行時間帯は、[[始発]]が午前6時以降、[[終電|終着]]が午前0時以前(所定ダイヤの場合)となっているが、在来線であるミニ新幹線には[[山形新幹線]][[つばさ (列車)|つばさ]]120号のように午前6時よりも前に始発駅を発車する列車もある。
 
 
 
== 特徴 ==
 
=== 利点 ===
 
* 建設期間が短い。
 
* 接続駅での乗り換えが不要となる。つまり、直通運転の実施が可能となることで所要時間短縮や利用者の負担軽減を図ることができる。
 
* 並行在来線の経営分離問題が生じない。([[在来線#並行在来線問題]]、[[整備新幹線#並行在来線問題]]を参照)
 
* フル規格新幹線では[[保線]]及び[[騒音]]との兼ね合いから[[深夜]]帯の運行が禁止されているが、ミニ新幹線は[[軌間]]が異なるのみの在来線であるため、午前0時から午前6時の時間帯にも運行可能。
 
 
 
=== 欠点 ===
 
*建設コストが極めて高い
 
** "高規格専用線を改めて建設すること"に比べれば安価である一方で、標準軌化は全く高速化に寄与しないコストである。また、全線を一度に工事しなくてはならないため一度の投資額が大きく金利コストがかさむ。これに対し狭軌のままで同様の線形改良や軌道強化を行えば、さらに安価かつ交通の分断を伴わず高速化を実施できる。また、交通を分断しないため「少しずつ」改良することも可能であり、一度に大きな資金を用意する必要もない。
 
* ミニ新幹線区間での速度向上効果は限定的。
 
** 最高速度・曲線通過速度ともに当該線区の在来線としての規格に制限されるため、ミニ新幹線区間における時間短縮は改軌に付随して行われる線形改良や軌道強化の度合いに依存する。
 
** 改軌後も踏切を残置する場合には、これもまた最高速度を制限する要因となる。
 
* フル規格と比較して全長・全幅とも狭小である在来線規格の車両限界を採用しなければならないため、フル規格新幹線に比べて輸送力は低い。
 
** フル規格区間ではホームと車両の間に隙間が空いてしまうため、停車時に張り出すステップを車両側に設置するなどの対策が必要となる。
 
* 車両に搭載する機材は、フル規格区間とミニ新幹線区間の両方に対応する必要があり、車両コストが増加する。
 
* ミニ新幹線への工事期間中は、輸送力の減少が発生する。特に[[単線]]区間を改軌する場合は、列車の長期運休が避けられず、代替交通の確保が問題となる。
 
 
 
[[三線軌条]]化しない場合([[狭軌]]線路を併設せず、新幹線直通列車が走行する[[標準軌]]線路のみを敷設する場合)、以下の点も欠点となり得る。
 
* 狭軌在来線のネットワークを寸断するため、改軌区間と非改軌区間で直通列車の運行が不可能となる。
 
** 当該区間と隣接する在来線においては、逆に乗り換えが必要となる利用者が発生する恐れがあり、サービスダウンとなる。
 
** 災害等が発生した際に、貨物列車などの長距離列車の迂回路として利用することができない。
 
* 新幹線車両に加えて、改軌区間用の在来線車両を用意する必要が生じる。
 
 
 
== 路線 ==
 
=== 採用された路線 ===
 
この方式で新在直通を図った路線として、[[2016年]]現在[[山形新幹線]]([[奥羽本線]][[福島駅 (福島県)|福島駅]] - [[新庄駅]]間)と[[秋田新幹線]]([[田沢湖線]]・奥羽本線[[盛岡駅]] - [[秋田駅]]間)の2路線がある。前述のように「新幹線」と称しているものの、法的には在来線である。
 
 
 
山形新幹線では改軌区間で運転される[[貨物列車]]のために一部区間で[[三線軌条]]を敷設(後に廃止)し、山形駅 - 新庄駅間の改軌にあたっては山形駅 - [[羽前千歳駅]]間に乗り入れる[[仙山線]]や[[左沢線]]列車のために[[狭軌]]線路を併設のままで残存させた。この区間のローカル列車については、案内上[[山形線]]の名称を使用している。
 
 
 
また、秋田新幹線では[[大曲駅 (秋田県)|大曲駅]] - 秋田駅間は奥羽本線の狭軌線路と[[単線並列]]の形とし、一部区間を三線軌条とするなどして運転の自由度を確保している。同区間では、営業列車としては[[新幹線直行特急]]のみ(非営業の回送列車として田沢湖線用のローカル列車用の車両が運転される)が[[標準軌]]の線路上を運行され、この区間のローカル列車は狭軌の線路を運行している。
 
 
 
これらの路線で運転される[[特別急行列車|特急列車]]「[[つばさ (列車)|つばさ]]」や「[[こまち (列車)|こまち]]」は、新幹線直行特急と呼ばれる。
 
 
 
=== 構想された路線 ===
 
{{出典の明記|section=1|date=2013年4月29日 (月) 03:14 (UTC)|ソートキー=鉄}}
 
<!-- 160km/h運転路線が全部そのように呼ばれる事になり、独自研究 : 湖西線や北越急行は開業当初「在来ミニ新幹線」と呼ばれていたことがある。しかし、これらは本記事の新幹線直通列車とはまったく関係ない。湖西線や北越急行がこのように呼ばれた理由は、線形が高速向きに建設されたこと、全線のほとんどを高架とトンネルで整備され踏切がまったくないことなどから、新幹線をイメージして呼ばれたものである。[要出典]実際、湖西線や北越急行はともに高規格路線であり、湖西線の優等列車は最高速度130km/hで運転されている。さらに信号設備を改良すればそれ以上の速度引き上げも可能であり、実際に湖西線で160km/h超の試験運転を国鉄381系(1985年11月26日に日本における在来線の最高速度記録である179.5km/hを達成)やJR西日本の221系・681系、JR四国の8000系で行った実績があり、北越急行内で優等列車「はくたか」は最高速度160km/hで運転されていた。 -->
 
 
 
[[北陸新幹線]]の[[敦賀駅|敦賀]]以南のルートについて、暫定的にフリーゲージトレインによる湖西線への乗り入れが計画されたこともあった<ref>[http://www.asahi.com/kansai/travel/news/OSK201204280039.html 北陸新幹線、フリーゲージ採用へ 敦賀で在来線乗り入れ] - 朝日新聞 2012年4月28日</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/railway/54210.html |title=敦賀にフリーゲージトレイン実験線 |newspaper=福井新聞 |date=2014-09-18}}</ref>。
 
 
 
[[九州新幹線 (長崎ルート)|九州新幹線長崎ルート]]新鳥栖駅 - 長崎駅間は一部在来線の[[長崎本線]]を挟む関係で[[新幹線鉄道規格新線|スーパー特急]]方式で建設され、後に武雄温泉駅 - 長崎駅間がフル規格に変更。さらにフリーゲージトレイン導入の計画、試験まで行われたが頓挫し、リレー方式で暫定開業する予定となった。
 
 
 
山形新幹線が具体化した頃に、[[香川県]]は、[[瀬戸大橋線]]をミニ新幹線([[三線軌条|四線軌条]])化できないかと考えた。しかし、交直流型車両は値段が高く採算レベルに乗らないという調査結果が出たため、断念した経緯がある。
 
 
 
[[山形新幹線機能強化]]として[[羽越本線高速化]]や[[陸羽西線]]ミニ新幹線化があがり、山形新幹線の酒田・大曲延伸が具体的に構想されている。
 
 
 
[[群馬県]]では[[上越新幹線]][[高崎駅]]から[[両毛線]][[前橋駅]]への乗り入れ構想が浮上した。[[1990年]]に県とJR東日本との間で調査検討委員会を設置したが、進展は見られなかった。
 
 
 
三重県は[[三重新幹線構想]]として鳥羽・新宮までミニ新幹線敷設を構想している。
 
 
 
和歌山県でも地元選出の代議士[[二階俊博]]を中心にミニ新幹線の導入構想がある。<ref>http://www.nikai.jp/library01/mot/freegagetrain/freegagetrain_1.htm</ref>
 
 
 
== 車両 ==
 
ミニ新幹線に用いる車両は在来線の[[車両限界]]で設計され、フル規格の新幹線車両よりも小型であるため、この呼び名がある。車長は、フル規格新幹線の25mに対して、ミニ新幹線では20 - 23mであり、車幅は、3380mmに対して、2945mmとなっている。そのため、新幹線区間では、乗降口とホームとの間隔が開いてしまうため、折り畳み式のステップを車両の乗降ドアの下部に備える。また、東北新幹線で使用されている東京側の先頭車には開閉カバー・[[連結器#電気連結器|電気連結器]]付き[[連結器#密着連結器|密着連結器]]・赤外線距離センサーで構成された自動分割併合装置が搭載されており、迅速かつスムーズな分割併合を可能としている。
 
 
 
[[鉄道車両の台車|台車]]は、最新の新幹線車両と同じ[[鉄道車両の台車史#ボルスタレス台車|ボルスタレス台車]]を採用しているが、在来線区間での急曲線の対応と新幹線区間での直進安定性を確保するため、前後の車輪の車軸の間の距離である軸距を、フル規格新幹線の2500mmに対して、2250mmとしており、車輪の踏面形状も同じ理由で両者に対応できる踏面形状となっている。なお、E6系の場合では東北新幹線での320km/h運転に対応するために軸距を2500mmとしている。
 
 
 
電気方式も新幹線区間が交流2万5000[[ボルト (単位)|V]]に対して在来線区間は従来通り交流2万Vとなっているため、搭載されている主[[変圧器]]と[[主制御器]]は両電圧に対応した[[複電圧車|複電圧仕様]]である。また、補助電源装置などの補機用の電源となる主変圧器の三次巻線では、電圧変動が発生するため、三次巻線に三次電源タップ切替方式を採用して、架線電圧が切替わった際に、地上側に設置された地上子を受信後に切替用タップを作動させて三次巻線の電圧変動を抑えている。
 
 
 
保安装置についても新幹線区間の[[自動列車制御装置]] (ATC) と在来線区間の[[自動列車停止装置]] (ATS) の両方を搭載している。
 
 
 
2007年現在、[[狭軌]]のままの在来線との新在直通運転を行うことを目的とした[[軌間可変電車]](フリーゲージトレイン)の実用化試験も最終段階に入っており、それが実用化されると改軌工事が不要となり、地上設備の改良が最小限で済むため、運用の自由度も増すことなどについて期待されている。
 
 
 
=== 営業用車両 ===
 
* [[新幹線E3系電車|E3系]]:1000番台と2000番台が山形新幹線で東北新幹線と直通する営業運転を行っている。また、秋田新幹線用に使われていた0番台のR18編成が700番台に改番、観光列車「'''とれいゆ'''」として改造された。「'''とれいゆ'''」は山形新幹線内のみで営業運転を行っており、福島駅では在来線ホームに発着する。
 
* [[新幹線E6系電車|E6系]] : 秋田新幹線で使用されている。
 
 
 
=== 過去の営業用車両 ===
 
* E3系:0番台が秋田新幹線で使われていた。2013年4月から2014年3月まで順次E6系に置き換えられた。
 
* [[新幹線400系電車|400系]]:山形新幹線専用として使用していた。ミニ新幹線用として最初に投入された形式。2008年12月から2010年春までに順次E3系2000番台に置き換えられた。
 
 
 
=== 試験車両など ===
 
* [[ドクターイエロー#E926形|E926形(EAST i)]]
 
* [[新幹線E955形電車|E955形(FASTECH 360 Z)]]
 
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
97行目: 7行目:
 
{{Reflist}}
 
{{Reflist}}
  
== 関連項目 ==
+
{{テンプレート:20180815sk}}
* [[軌間可変電車]](フリーゲージトレイン)
 
* [[新幹線鉄道規格新線]](スーパー特急)
 
 
 
{{日本の新幹線}}
 
 
{{デフォルトソート:みにしんかんせん}}
 
{{デフォルトソート:みにしんかんせん}}
 
[[Category:新幹線]]
 
[[Category:新幹線]]

2018/9/29/ (土) 23:02時点における最新版

ミニ新幹線(ミニしんかんせん)

在来線から乗り換えなしに列車を新幹線の軌道に乗り入れできるようにしようというプロジェクト。日本の在来線の軌間は,新幹線の軌間 (標準軌間=1435mm) より狭い軌間 (1067mm) である。そのため,新幹線を乗り入れさせるには,在来線の軌道幅を広げるか,外側にもう1本レールを敷く3線軌道にしなければならない。また,車両高も在来線の高さに合わせる必要がある。そのため,運輸省 (現国土交通省) は建設の条件として,(1) 航空機との競合上,最も有利な3時間を切る区間,(2) 貨物や夜間長距離列車の迂回ルートがある区間,と定めている。 1992年7月開業した山形ミニ新幹線 (福島-山形間) では,標準軌間に作り換え,東北新幹線に連結したミニ車両を福島駅で分離し,福島-山形間を時速 130kmで走る。その結果,東京-山形間は従来より 30分速い2時間 40分となった。 97年3月には盛岡と秋田を結ぶ秋田新幹線が開業した。

脚注



楽天市場検索: