牧畜
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stock raising
おもに衣食の原料を得るために家畜を飼育すること。その歴史は古く,1万年前にさかのぼるとされ,前5千年紀の家畜化された牛や羊の骨が発見されている。牛,馬,羊,豚,やぎなどの家畜は,農業耕作,運輸に使われ,毛,皮革,乳,肉を提供,施肥用をも兼ねたのであるが,近代になって,耕作機械や交通機関の発達とともに,牧畜は衣食用が中心となり,農業を離れて専業形態をとるようになった。アメリカやデンマークの乳・肉牛,オーストラリアの羊は近代的な専業経営の代表。
日本でも,役畜として労働力に利用していたが,第2次世界大戦後は,食用を主目的とする牧畜に移行した。その結果,馬の飼育が激減して牛,豚中心となり,経営方式も副業から専業になった。その反面,輸入飼料への依存度が高まり,畜産品が国際価格と比べて割高の状態に悩んでいる。