完新世
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テンプレート:第三紀 完新世(かんしんせい、Holocene)は地質時代区分(世)のうちで最も新しい時代である。第四紀の第二の世であると同時に、現代を含む。かつての沖積世(Alluvium)[注 1]とはほぼ同義である。
最終氷期が終わる約1万年前から現在まで(近未来も含む)を指し、その境界は、大陸ヨーロッパにおける氷床の消滅をもって定義された。現在は、グリーンランド中央部から採取された氷床コアの研究に基づき、GSSPによってその下限が定義され、0.011784Ma (1万1,784年前)以降の時代を指すとされている[1]。
出来事
- 気候環境が一転して地球全体が温暖化し、氷河がモレーン(堆石)を残して後退した。
- 地球各地が湿潤化して森林が増加、逆に草原が減少してマンモスやトナカイなどの大型哺乳類の生息環境が縮小し、彼らを絶滅させた。
- 期間が短いため大規模な大陸の移動などはないが、完新世の初期には、大陸氷床の融解によって海面が130m以上急激に上昇した。特に完新世の気候最温暖期と呼ばれる時代には、現在より3メートルから5メートルほど海水準(陸地に対する海面の相対的な高さ)が高かったとされる(縄文海進)。その後、海面は緩やかに下降し、海水準は直近の2,000年ほどは比較的安定している。
- ヤンガードリアス (Younger Dryas:YD) と呼ばれる「寒の戻り」期(約1万4000〜1万1500年前)があった。8200年前にも寒冷期が認められる[3]。
- 約7300年前に南九州の鬼界アカホヤが噴火する。同時に巨大地震や巨大津波が発生した[4]。
- 更新世末から完新世初めにかけて、人類の直接の祖先であるヒト(ホモ・サピエンス・サピエンス)が世界規模で拡散する。人類の生活はそれまで、遊動しながらの狩猟(漁労)採集活動生活であったが、大きな川の流域などで定住農耕牧畜生活に大きく転換した。徐々に人類が文明を築き始めたことは人類史にとって重要な変化であった[5]
脚注
注釈
出典
- ↑ Mike Walker; Sigfus Johnsen; Sune Olander Rasmussen; Trevor Popp; Jørgen-Peder Steffensen; Phil Gibbard; Wim Hoek; John Lowe et al. (2009). “Formal definition and dating of the GSSP (Global Stratotype Section and Point) for the base of the Holocene using the Greenland NGRIP ice core, and selected auxiliary records” (pdf). JOURNAL OF QUATERNARY SCIENCE 24 (1): 3-17. doi:10.1002/jqs.1227 .
- ↑ 鈴木秀夫著『気候変化と人間 -1万年の歴史-』原書房 2004年 19ページ
- ↑ 日本第四紀学会・町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007年 13ページ
- ↑ 日本第四紀学会・町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007年 24ページ
- ↑ 佐藤宏之「持続的資源利用の人類史」/ 日本第四紀学会、町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007年 154-155ページ
参考文献
- 鈴木秀夫著『気候変化と人間 一万年の歴史』原書房 2004年 ISBN 4-562-09053-7
関連項目
外部リンク
- “地質系統・年代の日本語記述ガイドライン 2014年1月改訂版”. 日本地質学会. . 2014閲覧.
- “INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART (国際年代層序表) (PDF)”. 日本地質学会. 2015年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2014閲覧.
- 仲田崇志 (2009年10月29日). “地質年代表”. きまぐれ生物学. . 2011閲覧.