ウィリアム・モリス
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ウィリアム・モリス(William Morris、 1834年3月24日 - 1896年10月3日)は、19世紀イギリスの詩人、デザイナー、マルクス主義者。多方面で精力的に活動し、それぞれの分野で大きな業績を挙げた。「モダンデザインの父」と呼ばれる。また、架空の中世的世界を舞台にした『世界のかなたの森』など多くのロマンスを創作し、モダン・ファンタジーの父と目される[1][2]。ロード・ダンセイニやJ・R・R・トールキンにも影響を与えた[3]。
経歴
- 1834年、ロンドン・シティの証券仲買人の子として生まれた。父は投資で巨額の富を得たが、モリス13歳のときに死去。
- 聖職者になることを志し、オックスフォード大学に入学。ジョン・ラスキンの著書を愛読し、大きな影響を受けた。成年になり父の遺産を相続。友人エドワード・バーン=ジョーンズらとフランスに旅行し、芸術家を志望するようになった。
- 1856年、建築家ストリートの事務所に入所、フィリップ・ウェッブと知り合う。事務所を辞めた後、インテリア装飾や詩集の自費出版などを行う。
- 1859年、ジェーン・バーデンと結婚、翌年フィリップ・ウェッブ設計の新居・レッド・ハウス(赤い家、1860年)に移る。
- ジェーンはモリスの年長の友人である画家ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティをはじめとするラファエル前派のモデルで、2人はそこで知り合った。レッドハウスは、市街地から離れた郊外にあり、ジェーンが寂しさの余りノイローゼ気味になってしまったため数年後に転居した。
- 1861年、モリス・マーシャル・フォークナー商会を設立し、ステンドグラス、家具などを制作。
- 1865年、ブルームズベリに移転。叙事詩「地上の楽園」を1861-1870年に完成させ、詩人としても名声を得た。
- 1871年、ケルムスコットの邸宅を別荘として借りた。
- 1875年、モリス・マーシャル・フォークナー商会を解散し、単独でモリス商会を設立。
- 1878年、ハマースミスに転居し、別荘のあったケルムスコットに因んで「ケルムスコット・ハウス」と名付けた。
- 1883年、民主連盟に参加し、マルクスの『資本論』を読んだ。
- 1885年、社会主義同盟を結成。
- 1891年、ケルムスコットプレスを設立、美しい装丁の書物を出版した(後に『チョーサー著作集』などを刊行)。
- 1892年、テニスンが死去し、モリスは桂冠詩人に推薦されたが辞退した。
- 1896年、病気のため死去。
モリスの活動
ヴィクトリア朝のイギリスでは産業革命の成果により工場で大量生産された商品があふれるようになった。反面、かつての職人はプロレタリアートになり、労働の喜びや手仕事の美しさも失われてしまった。モリスは中世に憧れて、モリス商会(Morris & Co.)を設立し、インテリア製品や美しい書籍を作り出した(植物の模様の壁紙やステンドグラスが有名)。生活と芸術を一致させようとするモリスのデザイン思想とその実践(アーツ・アンド・クラフツ運動)は各国に大きな影響を与え、20世紀のモダンデザインの源流にもなったといわれる。
プロレタリアートを解放し、生活を芸術化するために、根本的に社会を変えることが不可欠だと考えたモリスはマルクス主義を熱烈に信奉し、E. B. バックスやエリノア・マルクス(カール・マルクスの娘)らと行動をともにした。エリノアらとヘンリー・ハインドマンの社会民主連盟を脱退し、1885年、社会主義同盟を結成、その後、再びエリノアらと脱退し、エリノアらとハマスミス社会主義協会を結成した。
モリスゆかりの地
- ウィリアム・モリス・ギャラリー(ロンドン郊外):幼少期を過ごした家。公開。
- 赤い家(ロンドン郊外):アーツ・アンド・クラフツの代表作。フィリップ・ウェッブ設計、インテリアはモリスや友人が手がけた。現在はナショナルトラストが所有。
- ヴィクトリア&アルバート美術館(ロンドン):モリスの部屋がある(1867年の作品)。
- ケルムスコット・マナー(オックスフォード近く):モリスの別荘。
- ケルムスコット・ハウス(ロンドン近郊):18世紀の建物、モリスが晩年まで過ごした。ウィリアム・モリス・ソサイアティ本部がある。
- バイブリー - モリスが「イギリスで最も美しい村」と読んだコッツウォルズの村。
註
関連項目
外部リンク
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- {{#invoke:Internet Archive|author}}
- “[^,*}} の関連資料一覧]”. イギリス国立公文書館. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- の著作 - LibriVox(パブリックドメインオーディオブック)
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