鳴門海峡
鳴門海峡(なるとかいきょう)は淡路島(兵庫県南あわじ市)と四国の大毛島・島田島(ともに徳島県鳴門市)の間にある海峡。播磨灘と紀伊水道を結ぶ。日本百景に選定されている。大鳴門(おおなると)とも。
概要
淡路島側の門崎(とさき)と四国側の孫崎とを結ぶ海峡最狭部の幅は約1.4kmで、「中瀬」と呼ぶ浅瀬と裸島(ともに大鳴門橋の橋脚が立つ)の間の深さは約90mである。この最狭部の北側には深さ200m、南側には深さ140mの海釜(かいふ)と呼ばれる深みがある。海峡を挟む播磨灘と紀伊水道の間の潮時差がほぼ正反対で、両水域の潮位差は大潮の時で1.5mにも及ぶことから、最大流速は11kt (20km/h)になる。これは日本国内で最も速い潮流である。有名な鳴門の渦潮はこの最狭部の下流側に現れ、大きいものでは直径15mにもなる [1] [2] 。
ランドサット7号 (Landsat 7) が撮影した鳴門海峡。 ※表示環境によっては文字がずれることがあります。 |
海峡は主要航路ではあるが可航幅が約500mと狭く、強流時などには通峡を見合わせて潮止まりを待つように、徳島海上保安部が船舶に注意を促している [3] 。2002年から2006年の5年間で裁決のあった海難事故は15件で、そのうち8件は大鳴門橋直下で、うち5件は強潮流による圧流や操船不能などが原因となっている[2]。
渦潮を間近で見るための観潮船が淡路島側と鳴門側から運航されている。この最狭部に架けられている大鳴門橋にも遊歩道「渦の道」が設けられていて、真上から渦潮を観察できるようになっている。
鳴門海峡(大鳴門)の西側には小鳴門海峡(小鳴門・撫養の瀬戸 - 四国本島と大毛島・島田島の間の延長8km、最狭部の幅110mの水路状)がある。
自動車専用道路である大鳴門橋の架橋から10年後の1995年(平成7年)、唯一残っていた淡路フェリーボートの阿那賀~亀浦航路が休止され、その後廃止されたため、原動機付自転車等は渡海できなくなった。
関連作品
脚注
- ↑ “鳴門:渦潮の複雑な因果”. 大地を眺める (2010年8月15日). . 2010閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 “挟水道の海難・海域別海難の状況(PDF)”. 運輸安全委員会 (2008年). . 2010閲覧.
- ↑ “流況解説・鳴門海峡”. 第五管区海上保安本部 (2002年). . 2010閲覧.
- ↑ 「鳴門海峡」歌碑除幕、伍代夏子が熱唱 南あわじ、神戸新聞社、2010年10月27日 11:13