小豆島オリーブバス
小豆島オリーブバス株式会社(しょうどしまオリーブバス)は、香川県小豆郡土庄町に本社のあるバス事業者。公益社団法人日本バス協会会員。
それまで小豆島内で路線バスを運行していた、小豆島バスの一般路線バス事業撤退に伴い、2009年(平成21年)に地元出資のバス会社として設立され、翌2010年(平成22年)に小豆島バスから路線バス6路線の運行業務の移管を受け運行を開始した[1]。
沿革
- 2009年(平成21年): 小豆島オリーブバス株式会社発足。
- 2010年(平成22年) 4月1日: 小豆島バスから6路線の一般路線バス運行業務を移譲。一般路線バス運行開始。
- 2011年(平成23年)1月11日: ICカードIruCaの使用を開始[2]。
バス事業
小豆島の外周各港(土庄港、池田港、草壁港、福田港、坂手港、大部港)や三都などの半島部、また寒霞渓や二十四の瞳映画村、銚子渓などの観光地を結ぶ。島内全線を乗り降り自由なフリーパス(1日用、2日用)も発売している[3]。
2010年に小豆島バスから引き継がれたのちは、観光路線を除き基本的には同じ路線網であったが[4]、小豆島中央病院の2016年4月開院、小豆島中央高校の2017年開校を背景に、2016年3月20日に路線を再編し[5][6]一部では路線延伸やルートの変更も行われたほか、乗り継ぎ拠点となる東洋紡績渕崎工場跡にバス専用の道路が新設された[7]。
同時に運賃も上限300円(従来は最高運賃である土庄港 - 福田港間が1180円であった)に引き下げられている。また、フリーパスも1日券が1000円、2日券が1500円(改定前は1日券2000円、2日券2500円)に値下げとなった[5]。
路線再編および運賃値下げの効果について、小豆島町によれば2016年(平成28年)度の利用者は57.9%の大幅増を予測している[8]。
路線一覧
- 南回り福田線
島西側の土庄港[9]から、小豆島町の行政の中心や医療拠点に近い池田港[10]、草壁港[11]など、島の南側を通り島北東の福田港[12]へ向かう。後述の通り2016年の改編で北回り福田線が最終1便を残し土庄港まで行かなくなったため[13]、土庄港と福田港を乗り換えなしで移動する場合には当路線を利用することになる。一部便が池田港ターミナル前を経由する。
- 坂手線
- 土庄港 - 東洋紡績渕崎工場跡 - 小豆島中央高校前 - 池田港 - 小豆島中央病院 - オリーブ公園口 - 草壁港 - 安田 - 坂手港 - 坂手東
小豆島オリーブバスの主力路線で、土庄港と安田の間は南回り福田線と同じルートであり、同区間では両路線で1時間に1〜2便以上が確保されている。一部便は池田港ターミナル前を経由する。坂手港ではジャンボフェリー(神戸・高松方面)に接続。
- 北回り福田線・吉田福田線
- 小豆島中央病院 - 池田港 - 東洋紡績渕崎工場跡 - 土庄中学校前 - 北山 - 小豆島大観音前 - 大坂城残石記念公園 - 大部 - 吉田 - 福田港
- 土庄港←東洋紡績渕崎工場跡←土庄中学校前←北山←小豆島大観音前←大坂城残石記念公園←大部←吉田←福田港(夜1便のみ)
- 吉田→福田港(吉田福田線、朝1便のみ)
もとは南回り福田線に対して、島の北側を走行し、日生港への瀬戸内観光汽船が出る大部を経由する土庄港と福田港を結ぶ路線として運行していた。南回り福田線に比べて土庄港と福田港間の所要時間は短かったが、2016年の再編で土庄港への乗り入れは夜の福田港発最終便のみとなり、他の便は土庄町中心部から先、土庄港へは向かわず池田港を経由し小豆島中央病院へ発着する路線となった[5]。土庄港から大部方面へは東洋紡績渕崎工場跡にて乗り換えとなる[13]。一部便は池田港ターミナル前を経由する。
- 田ノ浦映画村線
二十四の瞳映画村へのアクセス路線である。もとは坂手線の区間延長的な路線(坂手東までは同一ルート)であったが、2016年の再編によりエンジェルロード前経由に変更された[5]。全便がオリーブ公園内のサン・オリーブに立ち寄るほか、土庄港方面行きの一部は坂手港ターミナル、池田港ターミナル前を経由する。
- 西浦線
- 土庄港 - 東洋紡績渕崎工場跡 - 国際ホテル(エンジェルロード前) - 鹿島中 - 小瀬 - 畝木 - 土庄港
2016年の改編より小瀬 - 畝木 - 土庄港間を延伸して循環路線となった[5]。
- 中山線
- 土庄港 - 東洋紡績渕崎工場跡 - 土庄中学校前 - 北山 - 肥土山 - 奥中山 - 上地 - 小豆島中央病院 - 池田港 - 池田農免口 - 小豆島中央高校前
もとは大鐸線(おおぬでせん)と称し、奥中山までの路線であったが、2016年の改編で池田農免口まで延伸[5]されるとともに中山線に改称された[7]。2017年4月1日改正にて小豆島中央高校前まで延伸された[14]。
- 四海線(しかいせん)
- 土庄港 - 東洋紡績渕崎工場跡 - 伊喜末 - 目島 - 馬越浜
もとは目島までの路線であったが、2016年改編にて馬越浜まで延伸された[5]。
- 神懸線(かんかけせん)
- 草壁港 - 内海ダム前 - 紅雲亭
3月中旬から5月中旬、7月中旬から9月上旬、10月上旬から12月上旬の毎日と5月中旬から7月中旬、9月上旬から10月上旬の土日祝に運行される。小豆島バスから引き継いだ際は、観光路線ということで当路線とスカイライン寒霞渓線は引き継がれなかったが、代替として小豆島町が草壁港と紅雲亭間に乗合タクシーを運行[15]。同年10月23日から神懸線を小豆島オリーブバスによって再開。
- 三都西線(みとにしせん)
- 池田港ターミナル前 - 小豆島中央高校前 - 池田港ターミナル前 - 小豆島中央病院 - 小豆島ふるさと村 - 蒲野 - 吉ヶ浦 - 神浦西
小豆島町営バスの運行受託。小豆島バス時代は土庄港から運行していた。三都半島の西側から南へ向かう路線である。2017年4月1日改正にて小豆島中央高校前へ乗り入れ[14]。
- 三都東線(みとひがしせん)
- 池田港ターミナル前 - 小豆島中央高校前 - 小豆島中央病院 - 竹生 - 小蒲野
小豆島町営バスの運行受託。三都半島の東側をカバーする。2016年の再編時にそれまでの町営福祉バスに代わり新設された[16]。2017年4月1日改正にて小豆島中央高校前へ乗り入れ[14]。
- 瀬戸内国際芸術祭線
- 土庄港 - 鹿島海水浴場前 - 国際ホテル(エンジェルロード前) - 北山 - 肥土山農村歌舞伎前 - 中山 - 池田港ターミナル前 - 小豆島ふるさと村 - オリーブ公園口 - 草壁港 - 安田 - 天狗岩 - 福田港
2010年から3年ごとに開催される瀬戸内国際芸術祭の期間中に合わせて運行している路線で、概ね3月から5月、7月から9月、10月から11月にかけて運行される。田ノ浦映画村線、中山線と南回り福田線のそれぞれ一部区間を合わせたような路線であるが、独自のルートが一部にある。
運行車両
車両は小豆島バス時代から日野自動車製の中型車を使用しており、ノンステップバスの日野・レインボーHR、レインボーII、ツーステップバスの日野レインボーRJ(前扉、前後扉の2タイプ)、レインボーRR(貸切兼用)が配備されている。小豆島バスからの継承車は白を基調とした塗色(ラッピングバスも存在)、オリーブバスになってからの車両はオリーブの絵が描かれたグリーンの塗色となっている。
脚注
- ↑ “島民の足維持へ/小豆島オリーブバス運行開始”. 四国新聞. (2010年4月1日) . 2010閲覧.
- ↑ 小豆島オリーブバスにIruCaを導入 高松琴平電気鉄道 2010年12月1日 (PDF)
- ↑ 土庄港ターミナル、福田港、安田(瀬戸よ志)、草壁港、池田港、日生港、オーキドホテル(土庄港前にあるホテル)、ベイリゾートホテル小豆島(坂手港に近い小豆島町古江にあるホテル)で発売する。
- ↑ 小豆島バス時代に運行していた寒霞渓方面への路線(神懸線およびスカイライン寒霞渓線)は生活路線ではないため引き継がれなかった。神懸線はその後再開した。また、瀬戸内国際芸術祭線は引き継ぎ後に開設された路線である。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 小豆島オリーブバス運賃・時刻等改正し、さらに便利になりました。 (PDF, 小豆島オリーブバス 2016年11月23日閲覧)
- ↑ 小豆島町広報「しょうどしま」2016年3月号 P.13
- ↑ 7.0 7.1 広報とのしょう 2016年3月号 P.6
- ↑ 第1782回 公共交通・バスの意義 町長の「八日目の蝉」記(平成28年10月分) - 小豆島町 2016年10月、2016年11月23日閲覧
- ↑ 高松・岡山・豊島経由宇野方面の四国フェリーグループ・小豆島豊島フェリーおよび岡山方面の両備フェリーに接続。
- ↑ 高松方面への国際フェリーと接続
- ↑ 高松方面への内海フェリーと接続。寒霞渓へはこちらで神懸線に乗り換え。
- ↑ 姫路方面の小豆島フェリーに接続。
- ↑ 13.0 13.1 北廻り福田線について (PDF, 小豆島オリーブバス 2016年11月23日閲覧)
- ↑ 14.0 14.1 14.2 小豆島オリーブバスの時刻表が改正になります (PDF, 小豆島オリーブバス 2016年12月24日閲覧)
- ↑ 草壁港―寒霞渓、24日から乗合タクシー運行- 四国新聞2010年4月12日
- ↑ 小豆島町広報「しょうどしま」2016年3月号 P.13