異端見分けハンドブック
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異端見分けハンドブック | |
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著者 | 尾形守 |
発行日 | 日本 1998年 |
発行元 | プレイズ出版 |
ジャンル | キリスト教神学 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ページ数 | 195 |
コード | ISBN 4938764342 |
『異端見分けハンドブック』(いたんみわけハンドブック)は、キリスト教における異端について書かれた神学者尾形守の著書。福音主義、聖書信仰の立場から書かれ、尾山令仁が編集長を務める羊群社のディヴォーション誌『羊群』に連載されたものである。ウィリアム・ウッドの推薦文がついている。
本書の願い
著者・尾形守は本書の願いについて以下のように記している。(p195)
- 異端に入っている人々がそこから救われること
- 異端かどうか議論されているグループの人々が正統的教理に帰る
- キリスト者が異端を見分け、そうしたグループの人々に愛をもって真理を語る
異端の見分け方
異端の特徴と見分け方として尾形は4つあげている。
- 1.三位一体の否定
- エホバの証人、統一協会、ユニテリアンなど
- 2.霊の違い
- 異端は聖霊ではなく、悪霊による惑わしの教えであるとする[1]。その聖句として、第一ヨハネ4:1-3、黙示録16:13、第一テモテ4:1をあげている。
- 3.十字架の贖いの否定、行いによる救い
- 4.聖書以外の啓示
- 別の啓示や経典
三大異端
- エホバの証人
- 末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)
- 世界基督教統一神霊協会(統一協会)
内容
第二部はそれぞれの宗教団体が検討されている。
非キリスト教
ここでキリスト教を名乗る宗教団体のうち、キリスト教ではないとされているのは次の宗教である。
- 統一協会
- 正式名称世界基督教統一神霊協会(本書発行当時。現在は名称を変更) 聖書観、堕落論、十字架、復活、再臨の見方について解説されている。
- 愛の家族
- 教祖ディビッド・バーグは自らを「聖霊(=神)」の位置に置き、
- 「勧誘のために性をおとりに用いる」ことを命じた。日本で1990年代にマスコミを賑わした。
- クリスチャン・サイエンス
- メリー・ベーカー・エディが設立した。
- キリスト教の中心的な4つの事柄
- 「聖書の絶対的権威」「神の人格性」「イエス・キリストの神性」「十字架の血の贖罪」
- をすべて否定する。
- タベラ世界宣教会、タミ宣教会
- 別々の団体であるが、共に1992年10月にキリストの再臨があると主張した。
- 聖書より「教団の預言」に権威を置く韓国の異端。
- ベレア
- 韓国の異端。日本での正式名称は日本ベレア宣教会。
- この世を黄泉(ハデス)とみなす。
- サベリウス的・様態論的三一論を説く。聖霊を御使いと混同。
- 新エルサレム教会
- エマヌエル・スヴェーデンボリの宗教。
- サベリウス的・様態論的三一論を説く。
- 異教徒とキリスト者は連なっている等、自らの幻視を聖書と同列に置く。
- イエス之御霊教会
- 日本発祥。三位一体を否定する。
- 信仰のみの救いの否定。死者のための身代わり洗礼を行う。
- 原始福音
- 創始者は手島郁郎。神道を取り込んだ混合宗教。
- 古事記や日本書紀と聖書を同列に扱う。ニューエイジ的全一の法則に立つ。
- セブンスデー・アドベンチスト教会
- 1844年にキリストの再臨があると主張した。
- 安息日(土曜日)礼拝を守らなければ真の教会ではないとする。
- 1844年から天においてキリストの調査審判が始まったとする。
- 霊魂不滅・地獄の否定。
- 原語で聖書を学ぶ運動のグループ(p190)
- 空中再臨の否定。サベリウス的・様態論的三一論を説く。
- キリストの昇天の否定。悔い改めの否定。
議論・警戒されている団体
異端かどうかキリスト教界で議論されたり警戒されている団体とされる。
- ボストンキリストの教会
- 日本では東京キリストの教会がこの団体にあたる。
- 他教派や神学校の否定。
- 自分たちのグループだけが真のキリストの弟子であると主張。
- 弟子となる者は弟子訓練と称した指導により、生活の領域すべてを統制される。
- 会員移動の教会倫理の問題で諸教会や超教派団体から弊害や被害の報告が聞かれる。
- 子羊の群れ
- 贖罪や救いの問題点が取り上げられている。
- 当初は教会倫理の問題だけが表面に出ていたが、
- セレモニーとしてのペットへの洗礼、死者のための身代わり洗礼による贖い、
- 「教理」の否定が表面化・浮上してきており、
- 異端的で「霊的に大変危険な状態に置かれている」とされている。
参考文献
- 井出定次『異端とは何か』いのちのことば社1982年
- ウィリアム・ウッド『「エホバの証人」への伝道ハンドブック』いのちのことば社1987年
- ウィリアム・ウッド『「エホバの証人」の教えと聖書の教え』いのちのことば社1988年
- ウィリアム・ウッド『エホバの証人の反三位一体論に答える』いのちのことば社1990年
- ウィルバー・リングル『エホバの証人への実際的アプローチ』いのちのことば社1989年
- 尾山令仁『聖書の教理』羊群社1985年
- 千代崎秀雄『「エホバの証人」はキリスト教か」いのちのことば社1986年
- 森山論『エホバの証人のまちがい』ニューライフ出版社1987年
- 森山論『エホバの証人はキリスト教ではない』ニューライフ出版社1988年
- ルイス・ベルコフ『キリスト教教理史』日本基督教団出版局1989年
- R.ラドウィグソン『終末に関する聖書の預言』聖書図書刊行会1981年
- Robert M.Bowman,Why You Should Believe In the Trinity,Baker book House,1989
- Walter Martin,The Kingdom of the Cults,Bethany House Publishers,1985
- ウィリアム・ウッド『モルモン教とキリスト教』いのちのことば社1986年
- 尾山令仁『聖書の教理』羊群社1985年
- 森山論『キリスト教の異端』ニューライフ出版社1976年
- 森山論『モルモン教のまちがい』ニューライフ出版社1987年
- 共立基督教研究所編『宣教ハンドブック』東京キリスト教学園共立基督教研究所1991年
- Walter Martin,The Kingdom of the Cults,Bethany House Publishers,1985
- 浅見定雄『統一教会=原理運動』日本基督教団出版局1987年
- 荒井荒雄『日本の狂気ー勝共連合と原理運動』菊屋書房1985年
- 川崎経子『統一教会の素顔』教文館1990年
- 森山論『統一教会からまことのメシアへー原理講論のまちがいをただす』ニューライフ出版社1986年
- 生駒孝彰『現代アメリカの新興宗教』(『世界の宗教と教典』)自由国民社1993年
- Bob Larson,Larson's New Book of Cults,Tyndale House Publishers,1989
- Walter Martin,The Kingdom of the Cults,Bethany House Publishers,1985
- 辻川宏『異端ポケットシリーズ4』オリーブ社1984年
- Josh McDowell&Don Stewart,Handbook of Today's Religions,Campus Crusade for Christ,1982
- Walter Martin,The Kingdom of the Cults,Bethany House Publishers,1985
- 『真理』第19号,真理のみことば伝道協会発行
- フォン・セーホー『べレア悪魔論批判』国際神学研究所発行1987年
- 松平堤摩太『べレアの異端性について』カルバリ教会発行1996年
- ルイス・ベルコフ『キリスト教教理史』日本基督教団出版局1989年
- 『世々の経綸』No.1,イエス之御霊教会発行
- 辻川宏『異端ポケットシリーズ4』オリーブ社1984年
- 森山論『原始福音ー神の幕屋とはー』ニューライフ出版社1965年
- 共立基督教研究所編『宣教ハンドブック』東京キリスト教学園共立基督教研究所1991年
- 辻川宏『異端ポケットシリーズ4』オリーブ社1984年
- 山本杉広『異端ポケットシリーズ6』オリーブ社1987年
- 共立基督教研究所編『宣教ハンドブック』東京キリスト教学園共立基督教研究所1991年
- Walter Martin,The Kingdom of the Cults,Bethany House Publishers,1985
- スティーブン・ハッサン『マインドコントロールの恐怖』恒友出版、1993年
- キップ・マッキーン『聖書回復と革命 エルサレムからローマへ:ボストンからモスクワへ』
- 竹田有志『絶対的献身運動について』大和聖書教会役員会資料
- Alan W.Gomes,Unmasking the Cults,Zondervan Publishing House,1995
- Ashby L.Camp,A Critical Examination of the Boston Movement's Doctrine of Authority & Submission,University Church of Christ
- T.Pierce Brown,The Root and the Fruit of the Total Commitment Movement