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{{Otheruses}}
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{{出典の明記|date=2014年4月25日 (金) 06:37 (UTC)}}
 
 
{{基礎情報 国
 
{{基礎情報 国
 
|略名 =ウェールズ
 
|略名 =ウェールズ
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}}
 
}}
  
'''ウェールズ'''({{lang-en|{{Audio|En-us-Wales.ogg|Wales}}}}、{{lang-cy|Cymru}} {{IPA-cy|ˈkəm.rɨ||Cymru.ogg}} カムリ)は、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国([[イギリス]])を構成する4つの「国([[イギリスのカントリー]])」(country)のひとつである。ウェールズは[[グレートブリテン島]]の南西に位置し、南に[[ブリストル海峡]]、東に[[イングランド]]、西と北には[[アイリッシュ海]]が存在する。
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'''ウェールズ'''({{lang-en|{{Audio|En-us-Wales.ogg|Wales}}}}、{{lang-cy|Cymru}} {{IPA-cy|ˈkəm.rɨ||Cymru.ogg}} カムリ)
 
 
かつて、石炭を代表とする豊富な地下資源を産出し、イギリスの[[産業革命]]を支えた歴史をもつ。
 
 
 
== 歴史 ==
 
[[ファイル:Cardiff castle autumn.jpg|thumb|200px|カーディフ城]]
 
{{main|ウェールズの歴史}}
 
 
 
=== 古代 ===
 
ウェールズのブリトン系住民は[[ローマ帝国]]の支配を受けたが、[[アングロ・サクソン人|アングロ・サクソン]]民族に征服されたわけではなかった。イギリスの[[アーサー王]]伝説はアングロ・サクソンに抵抗した[[ブリトン人]]の王の物語とされる。
 
 
 
=== 中世 ===
 
中世には小部族国家が群立し、やがて{{仮リンク|グウィネズ王国|en|Kingdom of Gwynedd}}([[グウィネズ (ウェールズ)|グウィネッズ]])、{{仮リンク|ポーイス王国|en|Kingdom of Powys}}([[ポーイス|ポウィス]])、{{仮リンク|デヒューバース|en|Deheubarth|label=デヒューバース王国}}などの地方王権が形成された。[[13世紀]]中葉にグウィネッズ王[[ルウェリン・アプ・グリフィズ]]がウェールズのほとんどの領域を支配下に収めるなど、幾度か一時的な政治的統一がなされるが、イングランドのような恒常的な統一王権が確立されることはなく、実態としては[[リズラン法典]]に従う[[マナー家臣団]]による統治であった。
 
 
 
伝統的にウェールズは侵略者に対して頑強な抵抗を示し続けている。[[1066年]]に征服王[[ウィリアム1世 (イングランド王)|ギヨーム]]が[[イングランド]]を征服したが([[ノルマン・コンクエスト]])、[[ノルマン朝]]によるウェールズへの侵略・植民政策は、ウェールズ南東部を除いて恒久的な成功とはならなかった。以降もイングランドから度重なる侵略を受け続けたが、その都度撥ね返して独立を守ってきた。
 
 
 
=== ウェールズ公国 ===
 
[[1258年]]にウェールズの事実上の統治者グウィネッズ王[[ルウェリン・アプ・グリフィズ]]がウェールズ大公([[プリンス・オブ・ウェールズ]])を名乗り、'''[[ウェールズ公国]]'''(Principality of Wales)が成立した。しかし、イングランドからの圧力に加えてウェールズ内部での権力闘争の激化、[[オックスフォード条項]]以降の[[コモン・ロー|コモンロー]]支配によってウェールズは弱体化していき、徐々にイングランドに臣従せざるを得なくなった。[[1282年]]、[[ルウェリン・アプ・グリフィズ]]がイングランド王[[エドワード1世 (イングランド王)|エドワード1世]]に敗れてからは、ウェールズはイングランドに占領されその支配下に置かれることとなった([[:en:Conquest of Wales by Edward I|Conquest of Wales by Edward I]])。ウェールズはイングランドの一地方となり、エドワード1世は長男エドワード([[エドワード2世 (イングランド王)|エドワード2世]])に[[プリンス・オブ・ウェールズ]]の称号を与え、ウェールズの君主としてウェールズを統治させた(これより以後、イングランド[[王太子]]は代々プリンス・オブ・ウェールズ(ウェールズ大公)の称号を引き継いでいく)。
 
 
 
このような過程を経てウェールズはイングランドに征服されその統治を受けることになったが、このことが逆にウェールズ人の民族意識を強めた。ウェールズ人は頑なにイングランドとの同化を拒み続け、この地に植民した異民族のほとんどはことごとくウェールズ人化していったという。イングランドの中にあってもウェールズの長弓([[ロングボウ]])隊は、強力な戦力として名を馳せイングランド王の軍勢にとって欠かせない戦力となった。
 
 
 
=== テューダー家 ===
 
[[薔薇戦争]]([[1455年]] – [[1485年]])の際には、ウェールズはその政争争奪の舞台になり、[[1485年]]の[[ボズワースの戦い]]で勝利したリッチモンド伯が[[ヘンリー7世 (イングランド王)|ヘンリー7世]]として即位し、ウェールズ人の[[プリンス・オブ・ウェールズ|ウェールズ大公]]の血統から出てイングランド王家に収まった([[テューダー朝]])。後世の[[テューダー朝|テューダー家]]に至っては、[[1536年]]の{{仮リンク|ウェールズ法諸法|en|Laws in Wales Acts 1535–1542|label=合同法}}によるウェールズ統合により、単一国家「[[イングランド王国]]」或いは「[[イングランドおよびウェールズ]]」とし、この王朝の家臣団ではウェールズ人が重要な地位を占めた。こうした経緯から、ウェールズ人は同王朝の[[ヘンリー8世 (イングランド王)|ヘンリー8世]]から[[エリザベス1世]]までの国王が推進した[[イギリス国教会|イングランド国教会]]創設などに協力的な姿勢を見せることになったのである。
 
 
 
=== 三王国戦争以降 ===
 
{{See also|[[三王国戦争]]}}
 
[[オリバー・クロムウェル|クロムウェル]]による独裁([[イングランド共和国]])の後は、政治的に力を落としたものの、ウェールズ人としての[[アイデンティティ]]は失われることはなく[[21世紀]]になった現在でも非常に強いと言われている。
 
 
 
== 政治 ==
 
ウェールズは、[[13世紀]]に[[公国]](Principality)を形成した。が、ウェールズ公国は、同じ世紀の末に[[イングランド]]の統治下に入った。以来、次期[[イギリス君主一覧#イングランド王国|イングランド王]](後には[[グレートブリテン王国|グレートブリテン]]王)となるべき最年長の王子([[王太子]])が、'''[[プリンス・オブ・ウェールズ]]'''(''Prince of Wales''・ウェールズ大公)として戴冠するのが慣わしとなっている。
 
 
 
ウェールズは、[[1536年]]の{{仮リンク|ウェールズ法諸法|en|Laws in Wales Acts 1535–1542|label=合同法}}による統合から長らく、単一の国である「[[イングランド王国]]」、或いは、[[イングランドおよびウェールズ]]の一部として扱われ、連合王国の中でも[[スコットランド]]や[[北アイルランド]]と事情が異なった。[[イギリスの国旗]]にウェールズの国旗だけが含まれていないのは、そういう事情がある。
 
 
 
=== ウェールズ議会 ===
 
[[1997年]]、[[ウェールズ議会|ウェールズ国民議会]]([[:en:National Assembly for Wales|National Assembly for Wales]])の設置に関する住民投票が行われ、ウェールズ議会の設置が決定。[[1999年]]に、第1回選挙が行われた。議員は任期4年で定数60名、[[小選挙区比例代表併用制]]によって選出される。限定的ではあるが、立法権を有する。[[2011年]]選挙における各党の議席数は以下の通り。
 
 
 
{| class="wikitable"
 
!政党名!!議席数
 
|-
 
|[[ウェールズ労働党]]||30
 
|-
 
|[[ウェールズ保守党]]||14
 
|-
 
|[[プライド・カムリ]]||11
 
|-
 
|[[ウェールズ自由民主党]]||5
 
|}
 
 
 
== 行政区画 ==
 
{{seealso|ウェールズの地方行政区画}}
 
ウェールズの地方行政は[[1996年]][[4月1日]]以降、22の単一行政体(ユニタリー)に分かれており、その内訳は9州(county)、3市(city)*、10州区(county borough)† となる。行政体間の関係は対等であり、上下の関係はない。
 
 
 
番号は地図中に対応、括弧内は[[ウェールズ語]]
 
[[ファイル:WalesNumbered.png|right|200px]]
 
[[File:Preserved_counties_Wales.png|thumb|200px|1974年-1996年の行政区画([[:en:Preserved counties of Wales]])]]
 
*1 [[マーサー・ティドビル (カウンティ・バラ)|マーサー・ティドビル]] (''{{lang|cy|Merthyr Tudful}}'') †
 
*2 [[ケアフィリ (カウンティ・バラ)|ケアフィリ]] (''{{lang|cy|Caerffili}}'') †
 
*3 [[ブライナイ・グエント]] (''{{lang|cy|Blaenau Gwent}}'') †
 
*4 [[トルヴァエン]] (''{{lang|cy|Tor-faen}}'') †
 
*5 [[モンマスシャー]] (''{{lang|cy|Sir Fynwy}}=シール・ファンウイー'')
 
*6 [[ニューポート]] (''{{lang|cy|Casnewydd}}=カースネウイズ'') *
 
*7 [[カーディフ]] (''{{lang|cy|Caerdydd}}=カエルディーズ'') *
 
*8 [[ヴェール・オブ・グラモーガン]] (''{{lang|cy|Bro Morgannwg}}=ブロー・モルガンウッグ'') †
 
*9 [[ブリジェンド]] (''{{lang|cy|Pen-y-bont ar Ogwr}}=ペン・アー・ボント・アル・オグル'') †
 
*10 [[ロンザ・カノン・タフ]]  (''{{lang|cy|Rhondda Cynon Tâf}}'') †
 
*11 [[ニース・ポート・タルボット]] (''{{lang|cy|Castell-nedd Port Talbot}}=カステッシュッネーズ・ポルト・タルボット'') †
 
*12 [[スウォンジ]] (''{{lang|cy|Abertawe}}=アベルタウェ'') *
 
*13 [[カーマーゼンシャー]] (''{{lang|cy|Sir Gaerfyrddin}}=シール・カエルファルズィン'')
 
*14 [[ケレディジョン]]  (''{{lang|cy|Sir Ceredigion}}=シール・ケレディギョン'')
 
*15 [[ポーイス]] (''{{lang|cy|Powys}}=ポウィス'')
 
*16 [[レクサム (カウンティ・バラ)|レクサム]] (''{{lang|cy|Wrecsam}}=ウレクサム'') †
 
*17 [[フリントシャー]] (''{{lang|cy|Sir y Fflint}}=シール・アー・フリント'')
 
*18 [[デンビーシャー]] (''{{lang|cy|Sir Ddinbych}}=シール・ズィンビッヒ'')
 
*19 [[コンウィ (カウンティ・バラ) ‎ |コンウィ]] (''{{lang|cy|Conwy}}'') †
 
*20 [[グウィネズ (ウェールズ)|グウィネズ]] (''{{lang|cy|Gwynedd}}'')
 
*21 [[アングルシー島|アングルシー]] (''{{lang|cy|Ynys Môn}}=アニス・モーン'')
 
*22 [[ペンブルックシャー]] (''{{lang|cy|Sir Benfro}}=シール・ベンヴロ'')
 
 
 
== 地理 ==
 
[[File:Snowdon from Llyn Llydaw.jpg|thumb|upright|スノードン山]]
 
 
 
ウェールズはロンドンの西方およそ200kmに位置し、アイルランドと海を隔て、リヴァプール湾、カーデガン湾、ブリストル海峡に囲まれる。国土の大部分は山地で、南北にカンブリア山脈が走る。その名前はウェールズの古名で、地質時代の古生代[[カンブリア紀]]にも名づけられた。さらに、この地域を調査した地質学者が部族名から[[オルドビス紀]]と[[シルル紀]]も命名した。北のスノードニア国立公園には最高峰[[スノードン山]](標高1085m)がそびえる。国立公園であるスノードニア、ブレコンビーコン、ペンブルッククシャー海岸があるゴワー半島、ペンブルックシャー海岸等のあるカーデガン湾は風光明媚で遺産海岸に指定されているが、大西洋に面する海岸は数多くの難破船を出している。主な都市はカーディフ、スウォンジ、レクサム、ニューポートなどである。
 
 
 
== 経済 ==
 
ウェールズは18世紀に[[工業]]が発達し、埋蔵されていた[[石炭]]、[[銅]]、[[鉄]]、[[銀]]、[[鉛]]、[[金]]、[[粘板岩]]を産出した。19世紀後半から[[鉱業]]と[[金属工学]]はウェールズの経済において主要なものになり、ウェールズの南部と東北の工業地域の景観と社会は変化した。かつてウェールズ地方南部は、世界最大の石炭の輸出地域で20世紀前半の最盛期には、600以上の炭鉱で約20万人が働いていた。その後、石炭から石油への「エネルギー革命」で[[石炭]]産業は衰退し、南部を中心に立地した各種重工業がウェールズ経済を支えた。
 
 
 
1970年代にウェールズは伝統的な重工業から軽工業あるいは[[サービス業]]へと大きく転換することになった。外国企業の誘致に成功したが、新しい産業の多くは本質的に分工場としての役割であり、流れ作業で熟練を必要としないものであった。ウェールズは人口などの経済的な絶対量は低く、また[[カーディフ]]はイギリスの他の都市[[リーズ]]、[[マンチェスター]]、[[ブリストル]]や小国の首都である[[ダブリン]]、[[コペンハーゲン]]、[[ヘルシンキ]]などよりも小さく、ウェールズには大都市と呼べる街が無い。にもかかわらず[[金融]]や[[研究開発]]の分野を発展させ、[[付加価値]]の高い雇用を生み出した。
 
 
 
イギリスのほかの地域と比べて、ウェールズの人口当たりの経済的な成果は低い。2002年ではイギリス平均の80%、EU25カ国平均の90%であった。ただし、生活に必要なコストが地域によって異なることに注意が必要である。イギリスの地域と実際の生活水準の差は大きくない。
 
 
 
2002年のウェールズのGDPは260億ポンド(480億ドル)、一人当たり12,651ポンド(19,546ドル)である。2006年の時点で失業率は5.7%で、イギリス全体の平均より高いがEUの平均よりは低い値である。
 
 
 
ウェールズの大部分の[[土壌]]は貧しく[[耕作]]には適さないため、農業の中心は伝統的に[[牧畜]]である。独特な文化と同様にウェールズの景観は多くの[[観光|観光客]]を惹きつけている。観光は田園地域の経済において特に重要な位置づけであり、3箇所が[[国立公園]]として保護されている。
 
 
 
=== 経済史 ===
 
[[ファイル:Port-Talbot-Steelworks.jpg|thumb|right|[[ポート タルボット 製鉄所]]は南ウェールズで最後まで残った重工業の施設の一つである。]]
 
18世紀半ばまでウェールズの経済発展は山岳地帯を中心とする地形的要因、まばらな人口、通信手段が乏しい事もあり抑制されていた<ref name="historical atlas">Falkus, M. and Gillingham, J., eds (1987) Historical Atlas of Britain. London: Kingfisher.</ref>。
 
最も先進的だった地域は小さな沿岸部の港でブリストルやリバプールと定期的な交流があった。
 
 
 
18世紀半ばから産業開発が進みウェールズの豊富な地下資源が活用され産業革命を支えた。1900年代初頭の爆発的な成長は1920年代には経済的に困難に直面して、相変わらず古い重工業に依存していたが、イギリスのより豊かになる軽工業分野が成長した。
 
1970年代ウェールズは伝統的な重工業を軽工業とサービス産業に転換した。
 
 
 
=== 医療 ===
 
公共の医療機関として[[NHS|NHS Wales]](National Health Service Wales)Wales (Welsh: GIG Cymru)がある。1946年のNational Health Service Act 1946によって設立された。90,000人のスタッフを擁し、ウェールズ最大の雇用主である。
 
 
 
== 交通 ==
 
=== 航空 ===
 
[[カーディフ国際空港]]はウェールズで唯一の大規模な空港であり、カーディフの市街の中心から南西12マイルのベール・オブ・グラモーガンに位置する。イギリス国内およびヨーロッパのいくつかの都市を結んでいる。
 
 
 
=== 鉄道 ===
 
ウェールズの鉄道はカーディフ中央駅をネットワークの中心として、国中に広がっている。ウェールズ議会が鉄道網の監督をしている。旅客鉄道会社としてはウェールズ全域を運行する[[アリーヴァ・トレインズ・ウェールズ]]の他、[[ヴァージン・トレインズ]]が北部からロンドンへ、[[ファースト・グレート・ウェスタン]]([[ブリストル]]・[[ロンドン]]方面)、[[クロスカントリー・トレインズ]](旧[[セントラル・トレインズ]]の(カーディフ-[[バーミンガム]]-[[ノッティンガム]])が南部に乗り入れている。
 
 
 
=== 道路 ===
 
ウェールズの南部では[[M4高速道路]]が海岸沿いに[[カーディフ]]、[[ニューポート]]、[[スウォンジ]]などの都市を繋ぎ、[[イングランド]]の[[ロンドン]]まで続いている。M4高速道路のセヴァーン橋から終点までのウェールズ側の部分はウェールズ議会(Welsh Assembly Government)の管轄である。同様に北部ではA55道路が[[ホーリーヘッド]]、[[バンガー]]、[[コンウィ]]などを結んで海岸沿いにイングランドの[[チェスター]]へと通じている。同じくホーリーヘッドからは古く[[アイルランド]]とロンドンを結ぶ街道として作られた[[A5]]道路が[[バンガー]]から山間部を抜け、イングランドの[[シュルーズベリー]]などを経てロンドンへと向かっている。ウェールズの南北を結ぶ主要な道路としてはカーディフと[[スランディドノ]]を繋ぐA470道路がある。
 
 
 
== 教育 ==
 
{{main|イギリスの教育#ウェールズの教育制度}}
 
* [[カーディフ大学]]
 
 
 
== 国民 ==
 
{{main|ウェールズ人|[[:en:Welsh people]]}}
 
 
 
== 文化 ==
 
=== 言語 ===
 
現在のウェールズでは、[[ウェールズ語]]は英語と並んで公用語とされる。道路標識や公文書は、2カ国語で表記されている。例えば、イングランドから鉄道または自動車でウェールズに入ると、国境付近に設置された看板には、2か国語で『Welcome to Wales』『Croeso i Cymru』(クロイソ イ カムリ)と書いてある。
 
 
 
南部ではあまり話されないが、中北部では日常的に話される地域が多い。ただし、方言の差異が大きく、北に行くほど古い由緒正しい形を残している傾向がある。特にウェールズ最高峰である[[スノードン山]]付近の[[グウィネズ (ウェールズ)|グウィネズ]]地方でウェールズ語の話者が多い。この地域では、子供達が英語を習うのは小学校に入学してからのことであり、それまでは一般に、家族や近隣の友達とウェールズ語で会話している。
 
 
 
2001年現在、ウェールズ人全体の20.5%がウェールズ語を話すことができる。ウェールズにおいて、ウェールズ語を話す人口の割合は20世紀以降著しく減少しているが、人口増加により、ウェールズ語を話す人の絶対数は減少傾向が止まり、微増になっている。その主な理由は、小中学校でウェールズ語教育が実施されていることと、ウェールズ語によるTVプログラム(BBC WalesやHTV〔現ITV Wales〕、S4Cによる)が放送されていることによる<ref>[http://www.plaidcymru.org/content.php?nID=173;lID=1 A Bilingual Wales], Accessed 27 April 2008</ref>。
 
北部と西部ではウェールズ語は第一言語として話され英語は第2言語である。ウェールズの人口の21.7%がウェールズ語の読みまたは書きができ(2001年時点)、16%だけが支障をきたすが会話、読み書きできる。
 
 
 
=== スポーツ ===
 
{{Main|ウェールズのスポーツ}}
 
[[ファイル:Millennium Stadium South.jpg|thumb|200px|[[ミレニアム・スタジアム]]]]
 
ウェールズで人気のあるスポーツは[[サッカー]]と[[ラグビー]]である。中でもラグビーの人気は凄まじく、ウェールズ人にとってアイデンティティーの一部といわれる程。[[ラグビーウェールズ代表]]は世界的な強豪として名を馳せておりウェールズ人の誇りとなっている。ラグビーウェールズ代表として参加する大会として、[[ラグビーワールドカップ]]と[[シックス・ネイションズ]]がある。クラブレベルはウェールズ、[[アイルランド]]、[[スコットランド]]及び[[イタリア]]の4ヵ国合同で行われるリーグ戦[[プロ12|Pro 12]]、ウェールズ・[[イングランド]]によるカップ戦[[アングロ・ウェルシュカップ]]、ヨーロッパの覇権を争う大会[[ハイネケンカップ]]がある。ラグビーはウェールズラグビー協会、サッカーは世界で3番目に古いウェールズサッカー協会が管轄している。
 
 
 
イギリス(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)を構成する4つの国、ウェールズ、スコットランド、[[北アイルランド]]、イングランドは、[[FIFAワールドカップ]]、ラグビーワールドカップ、[[コモンウェルスゲームズ]]のような世界大会、[[UEFA EURO]]といったヨーロッパ州での国際大会へは、各自個別に参加している(なおラグビーに関しては、北アイルランドはアイルランドと合同して参加している)。一方、[[近代オリンピック|オリンピック]]へは、各自個別に参加せず、イギリス(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)代表として合同参加している。
 
 
 
ウェールズには[[スヌーカー]]の世界クラスのプレイヤー、[[テリー・グリフィス]]、[[マーク・ウィリアムズ]]、[[マシュー・スティーブンス]]がいる。スヌーカーのアマチュア選手のレベルも高い。また、でこぼこしている地形がラリー走行に向いており、[[世界ラリー選手権]]の最終戦の開催地でもある。[[アイスホッケー]]の[[カーディフ・デビルズ]]はかつてイギリス全体で活躍した。[[ボクシング]]では[[スーパーミドル級]]の[[世界ボクシング協会|WBA]]/[[世界ボクシング評議会|WBC]]/[[世界ボクシング機構|WBO]]世界チャンピオン、[[ジョー・カルザゲ]]はウェールズとイタリアのハーフである。[[エンゾ・マカリネリ]]は[[ボクシング#階級|クルーザー級]]の[[世界ボクシング機構|WBO]]/[[世界ボクシング連合|WBU]]世界チャンピオンである。
 
  
[[フォーミュラ1|F1]]では二人のドライバーを輩出している。一人は1967年の[[イギリスグランプリ]]で1位の[[ジム・クラーク (レーサー)|ジム・クラーク]]に4周遅れの9位に入った[[アラン・リーズ]]。もう一人は1974年から1977年の間に3位に2度、ポールポジションを1度獲得した[[トム・プライス]]である。[[世界ラリー選手権]]では、1996年のドライバーズチャンピオンである[[コリン・マクレー]][[ナビゲーター (モータースポーツ)|コ・ドライバー]]を務めたニッキー・グリストと、2003年のドライバーズチャンピオンである[[ペター・ソルベルグ]]のコ・ドライバーを務めたフィル・ミルズがいる。
+
[[イギリス]],グレートブリテン島の南西部を占める地域。首都[[カーディフ]]。北は[[アイリッシュ海]],西は[[カーディガン湾]][[セントジョージズ海峡]],南は[[ブリストル海峡]]に面し,東は[[イングランド]]と接する。22の単一自治体(ユニタリー unitary authority)からなる。古生代の岩石からなる[[カンブリア山地]]がこの地域の大部分を占め,開析された山地,台地,丘陵などが多い。最高峰は北西部の[[スノードン山]](1085m)。気候は西岸海洋性で,気温の年較差は比較的小さく,夏は涼しく,冬は緯度のわりに暖かい。年降水量は約 1400mmで,山地ではより多く,雨陰にあたる東部のイングランドとの境界地方では減少する。先住民の[[ブリトン人]]は,ローマ人,[[アングロ・サクソン人]],さらに[[ノルマン人]]などの侵入,支配に長く抵抗し,1282~83年イングランド王[[エドワード1世]]によってウェールズが征服され,1536年の統合法によりイングランドと完全に合体されたのちも,ウェールズ文化をよく保った。今日も住民のおよそ 5分の1がケルト語派に属するウェールズ語を英語と同様に話すことができる。経済的には工業化の進んだ南部と北東部,風光に恵まれ観光業が発展する北部や西部の海岸地方,牧羊を中心とする人口希薄な内陸部の山地に大別される。ウェールズ経済の中核をなすのは南ウェールズ炭田で,東部に[[瀝青炭]],西部に[[無煙炭]]などの優良な炭層が展開し,13世紀頃より開発が行なわれ,[[産業革命]]以降はこの石炭資源を背景に製鉄,製鋼,非鉄金属,化学などの工業が発展,イギリス重工業の重要な一翼を担ってきた。特にブリキはイギリス最大の生産量を上げている。これらの工業は当初は石炭や鉄鉱石の得やすい山間の谷間に発達したが,石炭の枯渇による原料の輸入依存が高まるにつれて臨海地域に進出し,ブリストル海峡沿岸にカーディフ,[[スウォンジ]][[ニューポート]]などの港湾・工業都市が立地する。[[ミルフォードヘーブン]][[ホリーヘッド]]はアイリッシュ海沿岸の商業港で,前者には大規模な石油精製プラントがある。内陸部の山地では近年一部に観光業が発展してきているが,全体的に南ウェールズなどとの経済格差が大きく,その是正が政府にとって大きな課題となっている。
 
 
=== 音楽 ===
 
ウェールズは「歌の国」といわれ、特に[[ハープ]]奏者や男声[[聖歌隊]]そして[[トム・ジョーンズ (歌手)|トム・ジョーンズ]][[シャルロット・チャーチ]][[メリー・ホプキン]][[キャサリン・ジェンキンス]][[アレッド・ジョーンズ]][[ボニー・タイラー]][[ダフィー (歌手)|ダフィー]][[ブリン・ターフェル]]などのソロミュージシャンが有名である。
 
 
 
[[バンド (音楽)|バンド]]では[[マニック・ストリート・プリーチャーズ]]、[[ステレオフォニックス]]、[[フィーダー (バンド)|フィーダー]]、[[スーパー・ファーリー・アニマルズ]]、[[ロストプロフェッツ]]、[[フューネラル・フォー・ア・フレンド]]、[[ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン]]、[[ロス・キャンペシーノス!]]、[[ゴーキーズ・サイゴティック・マンキ]]等が有名である。
 
 
 
ウェールズには[[ナショナル・アイステズボッド]]という音楽と詩の祭典がある。これは1年に1度、毎年異なる街が持ち回りで開催している。[[スランゴスレン]]で行われる[[スランゴスレン国際芸術祭]]は[[アイステズボッド]]に倣ったものであるが、世界中の[[音楽家|ミュージシャン]]が参加している。
 
 
 
== 自然 ==
 
森林や湖、丘陵、海岸などの豊かな自然が残っている。面積の約20パーセントが国立公園に指定されている。
 
 
 
== 著名人 ==
 
{{See also|[[:Category:ウェールズの人物]]}}
 
* [[デビッド・ロイド・ジョージ]] - [[第一次世界大戦]]中の[[イギリス首相]]。
 
* [[ティモシー・ダルトン]] - 4代目[[ジェームズ・ボンド]]役
 
* [[デスモンド・リュウェリン]] - 007シリーズのQ役
 
* [[トーマス・エドワード・ロレンス]] - 「アラビアのロレンス」として知られる軍人
 
* [[ゲラント・トーマス]] - [[自転車競技]]選手。2018年[[ツール・ド・フランス2018|ツール・ド・フランス]]個人総合優勝
 
* [[C・W・ニコル]] - [[作家]]
 
* [[キャサリン・ゼタ=ジョーンズ]] - 女優
 
* [[キャサリン・ジェンキンス]] - [[メゾソプラノ]]歌手
 
* [[ブライアン・ジョーンズ]] - [[ローリング・ストーンズ]]元[[ギタリスト]]
 
* [[ライアン・ギグス]] - [[サッカー選手]]兼任[[監督]]。[[マンチェスター・ユナイテッドFC]]
 
* [[トム・ジョーンズ (歌手)|トム・ジョーンズ]] - 歌手
 
* [[マニック・ストリート・プリーチャーズ]] - ロックバンド
 
* [[ロストプロフェッツ]] - ロックバンド
 
* [[レイ・ミランド]] - 俳優
 
* [[リチャード・バートン]] - 俳優
 
* [[アンソニー・ホプキンス]] - 俳優
 
* [[メリー・ホプキン]] - 歌手
 
* [[ジョー・カルザゲ]] - プロボクサー。世界チャンピオン。
 
* [[エンゾ・マカリネリ]] - プロボクサー。世界チャンピオン。
 
* [[シルヴィア・スレイ]] - 画家。後にアメリカに帰化
 
* [[イアン・ラッシュ]] - 元サッカー選手。
 
* [[フィル・ミルズ]] - [[WRC]]ドライバー[[ペター・ソルベルグ]]の[[コ・ドライバー]]。
 
* [[ディック・フランシス]] - 元競馬[[騎手]]、作家
 
* [[ガレス・エドワーズ]] - 元[[ラグビー]]選手
 
* [[バリー・ジョン]] - 元[[ラグビー]]選手
 
* [[シェーン・ウィリアムス]] - [[ラグビー]]選手
 
* [[エイドリアン・ストリート]] - 元[[プロレスラー]]
 
* [[トニー・チャールズ]] - 元[[プロレスラー]]
 
* [[ルーク・エヴァンズ]] - 俳優
 
* [[ジョージ・ハリスン]] - [[ビートルズ]]元[[ギタリスト]]
 
* [[タロン・エジャトン]] - 俳優
 
* [[ガレス・ベイル]] - サッカー選手
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{reflist}}
 
  
 
== 外部リンク ==
 
== 外部リンク ==
{{Commons&cat|Wales|Wales}}
 
; 公式
 
 
* [http://www.visitwales.co.uk/ ウェールズ公式観光庁] {{en icon}}
 
* [http://www.visitwales.co.uk/ ウェールズ公式観光庁] {{en icon}}
 
* [https://www.wales-japan.com/ ウェールズ政府 日本語公式HP] {{ja icon}}
 
* [https://www.wales-japan.com/ ウェールズ政府 日本語公式HP] {{ja icon}}
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* [http://www.visitbritain.jp/destinations/Wales/ 英国政府観光庁 - ウェールズ] {{ja icon}}
 
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* [http://www.walesjapanclub.com/ ウェールズ日本人会]
 
  
 
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2018/10/26/ (金) 11:46時点における版

ウェールズ
Cymru(ウェールズ語)
Wales(英語)
国の標語:“Cymru am Byth”(ウェールズ語
「ウェールズよ、永遠なれ」
公用語 英語(共通語)、
ウェールズ語
首都 カーディフ
最大の都市 カーディフ

面積

総計 20,761km2???位1
水面積率 不明

人口

総計(2011年 3,064,000人(???位2
人口密度 141人/km2
GDP(自国通貨表示)

合計(xxxx年 xxx,xxxUKポンド
GDP (MER)

合計(xxxx年 xxx,xxxドル(???位
GDP (PPP)

合計(2006年854億ドル(???位
1人あたり 30,546米ドル
建国不明
通貨 UKポンド (GBP)
時間帯 UTC 0(DST:+1)
ISO 3166-1 GB (GB-WLS)
ccTLD .walesEnglish版.cymruEnglish版
国際電話番号 +44

1 イギリス構成国中第3位
2 イギリス構成国中第3位

ウェールズ英語: ウェールズ語: Cymru [ˈkəm.rɨ] カムリ)

イギリス,グレートブリテン島の南西部を占める地域。首都カーディフ。北はアイリッシュ海,西はカーディガン湾セントジョージズ海峡,南はブリストル海峡に面し,東はイングランドと接する。22の単一自治体(ユニタリー unitary authority)からなる。古生代の岩石からなるカンブリア山地がこの地域の大部分を占め,開析された山地,台地,丘陵などが多い。最高峰は北西部のスノードン山(1085m)。気候は西岸海洋性で,気温の年較差は比較的小さく,夏は涼しく,冬は緯度のわりに暖かい。年降水量は約 1400mmで,山地ではより多く,雨陰にあたる東部のイングランドとの境界地方では減少する。先住民のブリトン人は,ローマ人,アングロ・サクソン人,さらにノルマン人などの侵入,支配に長く抵抗し,1282~83年イングランド王エドワード1世によってウェールズが征服され,1536年の統合法によりイングランドと完全に合体されたのちも,ウェールズ文化をよく保った。今日も住民のおよそ 5分の1がケルト語派に属するウェールズ語を英語と同様に話すことができる。経済的には工業化の進んだ南部と北東部,風光に恵まれ観光業が発展する北部や西部の海岸地方,牧羊を中心とする人口希薄な内陸部の山地に大別される。ウェールズ経済の中核をなすのは南ウェールズ炭田で,東部に瀝青炭,西部に無煙炭などの優良な炭層が展開し,13世紀頃より開発が行なわれ,産業革命以降はこの石炭資源を背景に製鉄,製鋼,非鉄金属,化学などの工業が発展,イギリス重工業の重要な一翼を担ってきた。特にブリキはイギリス最大の生産量を上げている。これらの工業は当初は石炭や鉄鉱石の得やすい山間の谷間に発達したが,石炭の枯渇による原料の輸入依存が高まるにつれて臨海地域に進出し,ブリストル海峡沿岸にカーディフ,スウォンジニューポートなどの港湾・工業都市が立地する。ミルフォードヘーブンホリーヘッドはアイリッシュ海沿岸の商業港で,前者には大規模な石油精製プラントがある。内陸部の山地では近年一部に観光業が発展してきているが,全体的に南ウェールズなどとの経済格差が大きく,その是正が政府にとって大きな課題となっている。

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