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聖マタイ(マトフェイ) | |
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使徒、福音記者 | |
崇敬する教派 | カトリック教会、非カルケドン派、正教会、聖公会、ルーテル教会 |
記念日 | 9月21日(カトリック) |
守護対象 | 税理士、銀行員[1] |
マタイ(英: Matthew the Evangelist)は、新約聖書の福音書に登場する人物でイエス・キリストの十二使徒の1人。ギリシア語表記はマタイオス (Μαθθαιος, Matthaios)。マテオ、マトフェイとも表記する。「マタイ」の意味は「神の賜物」。聖書によればイエスの弟子となる以前は収税人(en)であった。東方諸教会・正教会・カトリック教会・聖公会・ルーテル教会で聖人とされる。
新約聖書の最初におさめられた福音書(第一福音書)の本文には著者に関する言及はないが、古代以来伝統的にマタイによるものとされ、『マタイによる福音書』というタイトルがつけられている。近代以降の聖書学的研究のうち、高等批評では、エルサレム崩壊に関する記述は預言でないとの推測に基づく成立年代の設定などから、使徒マタイが著者であるという見解は疑問視されている[2]。だが聖書信仰の福音派では、現在もマタイが記者だと理解している[3]。
各国語での表記は、ラテン語ではマタエウス (羅: Matthaeus)、フランス語ではマテュー (仏: Matthieu)、英語ではマシュー (英: Matthew)、ドイツ語ではマテウス (独: Matthäus)、ロシア語ではマトフェイ (露: Матфей) となる。日本語では「マタイ」という表記と共に、まれにイタリア語に由来する「マテオ」(伊: Matteo) という表記が用いられることがある。(日本の)カトリック教会でも「マテオ」という表記が用いられていたがこれはラテン語に基づく[4]。Matthaeusの奪格型Mattaeoを教会式発音によってカナ転写したものである。日本ハリストス正教会ではロシア語名に由来する「マトフェイ」という表記を用いる。
生涯
『マタイによる福音書』9:9によればローマ帝国の徴税人であったが、イエスの召命に応えて弟子となったとされる。『マルコによる福音書』2:13以下と『ルカによる福音書』5:27以下では同じような記述がみられるが、呼ばれた弟子の名前は「アルファイの子レビ」または「レビ」となっている。このため、伝統的にはマタイとレビ(レヴィ)は同一人物をさすと解釈されてきた。
イエスの弟子となったときの記事を除けば、聖書はマタイの言動を伝えていない。『使徒言行録』によればイエスの死後も教団内にいたようであり、キリストの昇天・ペンテコステなどの記事に名前がみえる。伝承では『マタイによる福音書』を記したと伝えられ、エチオピアまたはペルシアのヘリオポリスで殉教したとされる。
2世紀のパピアスは、マタイが福音書をアラム語で書き、弟子がギリシア語に訳したと伝えている。今日の研究はこの伝承に懐疑的であるが、マタイという名はアラム語起源のもので、彼が初期教団内のヘブライズムの中心人物のひとりであったことが伝承に反映された可能性が示唆される。
マタイは正教会のイコノスタシスでは他の福音記者とともに王門に描かれる。マタイを描いた美術作品では特にカラヴァッジオのものが著名である。
マタイおよびマタイの福音書はしばしば「人」のシンボルであらわされる。これは『エゼキエル書』1:10に登場する四つの生き物(ライオン、牛、ワシ、人)と福音書にあてはめられている。