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ビジネスモデル(business model)とは、利益を生み出す製品やサービスに関する事業戦略と収益構造を示す用語である。
概要
顧客は企業から提供される製品やサービスと引き換えに代金を支払い、企業は利潤を得るという一連の構造を指してビジネスモデルと呼ぶ。特に、消費者と企業間の連絡手段としてインターネットなどの新たな情報技術を活用し、製品やサービスの選択と購買(調達)、決済、配送(物流)までの一連の商行為を整理しシステム化し、収益性を高めた新規性のある事業形態が登場したことで注目される言葉となった。他社による同様の事業を禁じて独占を図る目的で特許とする「ビジネスモデル特許」という問題の多い制度が制定されたことが話題となり、いっそう注目を浴び定着した。最近では、フリーミアムや広告モデルに代表されるように、無償で製品やサービスを提供し、違う経路から収益を得る仕組みなどで成功している企業が増え、収益の仕組みだけを指してビジネスモデルと呼ぶケースも増えている。
語源は、ビジネスの原型という意味から発生した語で、循環する人の和・共感を包括した社会科学的貢献システムを示していたが、現在は利益追求の意味合いが強い。戦略・収益・SCM(サプライチェーンマネジメント)など、製品・サービス・資金の経路を設定するビジネス構築も含まれる。
日本のビジネスモデル論
- 根来龍之
- 「どのような事業活動をしているか、あるいは構想するかを表現する事業の構造のモデル」と定義している[1]。
- 戦略:顧客に対して、仕組み (資源と活動)を基盤に、魅力づけして提供するかについて表現する
- オペレーション:戦略モデルを実現するための業務プロセスの構造を表現する
- 収益:事業活動の利益を確保するのか。収益方法とコスト構造を表現する
- ビジネスモデルの吟味・検討には、戦略・オペレーション・収益の3つが必要であり、戦略の方向がビジネスモデルと顧客との接点を吟味するため、最も重要だとしている。
- 國領二郎
- 経済活動において、「四つの課題に対するビジネスの設計思想」と定義している[2]。
- 誰に、どんな価値を提供するか
- その価値をどのように提供するか
- 提供するにあたって必要な経営資源をいかなる誘因のもとに集めるか
- 提供した価値に対してどのような収益モデルで対価を得るか
ビジネスモデルに類似の概念として、伊丹敬之、加護野忠男がキー概念としている「ビジネスシステム」がある。
普及
個人・法人・国家が有益と判断すれば普及し、融合して新たなビジネスモデルを創造する。下記はその具体的事例である。
- 利子(肯定、容認・否定、拒絶する時代・国も存在する)
- 証券(貨幣経済・市場経済の進行で誕生)
- 百貨店(フランス)
- スーパーマーケット(アメリカ)
- コンビニエンスストア(アメリカ)
- チェーンストア(アメリカ)
- フランチャイズ(アメリカ)
- 通信販売(アメリカ)
- クレジットカード(アメリカ)
- BTO(Build to Order)(アメリカ)
- サプライチェーン・マネジメント(アメリカ)
- 顧客関係管理(アメリカ)
脚注
参考文献
- 根来龍之・木村誠「ネットビジネスの経営戦略」日科技連出版 1999年 ISBN 4817160799
- 小野桂之介・根来龍之「経営戦略と企業革新」朝倉書店 2001年 ISBN 4254275323
- 根来龍之「デジタル時代の経営戦略」メディアセレクト 2006年 ISBN 4861470080
- 國領二郎「オープンアーキテクチャ戦略」ダイヤモンド社 1999年 ISBN 4478372829
- 國領二郎「オープン・ソリューション社会の構想」日本経済新聞社 2004年 ISBN 4532311551
- 張輝「ビジネスモデルの定義及び構造化に関する序説的考察」2012年 ISSN 2185-8969{{#invoke:check isxn|check_issn|2185-8969|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 張輝「日本におけるビジネスモデル研究の現状に関する序説的考察」2016年 ISSN 2432-1850{{#invoke:check isxn|check_issn|2432-1850|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}