MHL
MHL(モバイル・ハイデフニション・リンク、Mobile High-definition Link)は、米Silicon Image社が開発した携帯機器向けの高速映像伝送用のインターフェース規格である。
概要
MHL 1.0は、非圧縮なまま 1080p/30fps の動画データを3端子で伝送でき、実際には5ピンタイプは5端子を持つマイクロUSBコネクタを流用する。HDMI 同様、遷移時間最短差動信号伝送方式(TMDS)を使用して1対の信号線により動画映像情報と音声情報を最大2.25Gbit/secで伝送する。また、差動対の片側1本により制御信号を送る。MHL 2.0 は 1080p/60fps の画像転送(HDMI 1.0の帯域)が出来る。MHL 3.0 は 2160p/30fps の転送(HDMI 1.3の帯域)が出来る。
マイクロUSBコネクタを使う事で、携帯機器側にMHL専用のレセプタクルを設けずにUSB/MHLの併用とするため小型化を阻害せずに済み、同時にMHL親機からUSB本来の電源端子へ電源を供給する事が出来る。制御信号によりHDMIのCEC機能[注 1]のような制御の実現が可能になる。
2012年現在は主にスマートフォンで採用されている。MHLに対応するディスプレイや液晶ハイビジョンテレビは2012年7月現在ではまだ少なく、使用するにはHDMIに変換するアダプターを使用する必要があり、また変換アダプターに電源を接続する必要もある。HDMIに加えMHLにも対応しているディスプレイや液晶ハイビジョンテレビでは、接続にもよるが接続中にそのまま携帯電話を充電する事も出来る。
2015年にUSB Type-CコネクタをサポートしたsuperMHLが追加されている。superMHLは40Wの電力供給と8K/120fpsをサポートした。MHL 3.0の上位互換規格になっている。
技術比較
信号端子 | 端子の機能 | |
---|---|---|
Micro USB | MHL | |
No.1 | 電源(VBUS) | 電源(USBのVBUS) |
No.2 | 差動対(D-) | 差動対(-) |
No.3 | 差動対(D+) | 差動対(+)とクロック信号 |
No.4 | "USB OTG"のID識別 | 制御信号(CBUS) |
No.5 | 接地 | 接地 |
MHL 1.0 はテレビ側から 5V/0.5A、MHL 2.0 は 5V/0.9A、MHL 3.0 は 5V/2A 供給できる。
脚注
注釈
- ↑ Consumer Electronics Controlの略。HDMIで接続された機器間で連携動作を可能にしている。
出典
- ↑ 根津禎著 『モバイルを目指す 次世代インターフェース 第2部』 日経エレクトロニクス2009年2月23日号 49頁