筋膜
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筋膜(きんまく)とは、脊椎動物の筋肉や内臓を包む膜(例えば腎臓と副腎を包むゲロタ筋膜)の総称である。
筋膜は全身の組織を包み込んでいるだけでなく、組織間の結合も担う結合組織である。筋膜という単語一つでまとめるのは困難であり、解剖学的に詳細な名称付けが必要だが、専門家の間でも分類方法が定まっていないのが現状である。
主に機械的にきわめて強靭なI型コラーゲン線維からなる密性結合組織で膠原線維束が種々の方向に交繊するように走る。線維間には少数の線維(芽)細胞が存在する。
筋肉を包む筋膜にシワができたり固まったりすると、凝り(肩こりなど)の症状を引き起こすことがある。古くから行われている鍼や按摩、指圧、マッサージは、それらの筋膜を正常な状態にしていた可能性がある。筋膜の医学的研究は発展途上ではあるが、近年研究が進み、医学的に原因不明とされている疼痛の治療の研究が進む可能性がある。
参考文献
- 伊藤隆 『組織学』 南山堂、2005。
- Jean-Claude GUIMBERTEAU 著,Colin ARMSTRONG 著,竹井仁 監訳『人の生きた筋膜の構造(DVD付)内視鏡検査を通して示される細胞外マトリックスと細胞』医道の日本社(2018年:ISBN 978-4-7529-3124-9)
- ダニエル・キーオン著,須田万勢 監訳,津田篤太郎 監訳,建部陽嗣 訳『閃めく経絡―現代医学のミステリーに鍼灸の“サイエンス"が挑む!』医道の日本社(2018年:ISBN 978-4-7529-1036-7)