気候学
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気候学(きこうがく、英語:climatology)は、気候を取り扱う自然科学の一分野である。気象学(地球物理学の一分野)と近い内容を持つが、気象学と異なり、気候学では人間活動の影響を考えることで自然地理学の一分野を成している[1]。
18~19世紀では、気候は特定地点(地域)の大気の平均状態のことを指していた[2]。この構成要素である気温や降水量をデータから算出し、その出現頻度や平均値との差などの研究していた(ケッペンの気候区分など)。しかし、近代以降、気候システムや気候変動についての考察が行われ[2]、航空技術の発達などにより気象現象を捉える技術が向上した事により、気象現象の過程やメカニズムを捉えることに重点を置く学問へと移行していった。
取り扱う分野から、総観気候学、物理気候学、農業気候学、天候気候学などの一般気候学、気候誌(気候地理学)、取り扱うスケールから、大・中・小・微の各気候学、さらに地質時代の気候復元などを行う古気候学などに細分化される。
近年クローズアップされている、地球温暖化、ヒートアイランド、エルニーニョ、酸性雨などの環境問題へのアプローチにも、気候学が果たす役割は欠かせないものである。
脚注
- ↑ 福岡義隆「地理学における気候学の存在理由 (PDF) 」 、『地理学評論 Ser.A』第66巻第12号、日本地理学会、1993年12月、 751-762頁、 doi:10.4157/grj1984a.66.12_751。
- ↑ 2.0 2.1 日下 博幸、2013、『学んでみると気候学はおもしろい』、ベレ出版 ISBN 978-4-86064-362-1
関連項目
典拠レコード: