幼児語

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幼児語(ようじご)

 子供のことばは、さまざまの面で大人のことばとは異なった特徴をもっている。音韻面では「コーキ」(飛行機)、「ネト」(猫)といった音の脱落や代置、統語面では「ブーブー オウチ カエル」(自動車で家に帰る)といった助詞の脱落や「好キクナイ」「キレイクナイ」などの活用の誤り、また意味面では四つ足の動物を全部「イヌ」とよんでしまうような汎化(はんか)の現象などのみられるのが普通である。子供のことばは、大人の規準からすれば、言語能力の未熟性の現れとみなすことができるが、しかし一方、一つのコミュニケーション・システムとしてみるならば、一定の規則性をもち、独自の組織を備えた1個の言語であるといえる。こうした観点から、子供のことばを、日本語、英語などと同じ意味合いで幼児語とよぶ。このような幼児語の特質を明らかにし、それに基づいて言語習得と言語使用の本質に迫ろうとする学問が言語心理学である。

 なお、狭義には、犬を「ワンワン」、寝ることを「ネンネ」というように、幼い子供と養育者の間で使われ、より単純な音構造をもつ一群の語をさして幼児語とよぶ。この場合の幼児語は、女性語、学生語、農業語などと同じく、話し手の社会的属性に基づく語彙(ごい)の差異(位相)の一つの現れということができる。



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