圧縮 (関数解析学)

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数学関数解析学の分野において、あるヒルベルト空間からある部分空間 K への線型作用素 T圧縮(あっしゅく、: compression)とは、次の作用素のことを言う。

[math]P_K T \vert_K : K \rightarrow K. [/math]

ここで [math]P_K : H \rightarrow K[/math]K の上への直交射影である。これは全体のヒルベルト空間上のある作用素から、K 上のある作用素を得るために自然に用いられる。KT についての不変部分空間であるなら、TK への圧縮は kTk へ写す制限 K→K である。

より一般に、ヒルベルト空間 [math]H[/math] 上のある線型作用素 T と、[math]H[/math] の部分空間 [math]W[/math] 上のある等長作用素 V に対して、T[math]W[/math] への圧縮は次のように定義される。

[math]T_W = V^*TV : W \rightarrow W.[/math]

ここで [math]V^*[/math]V共役作用素である。T自己共役作用素であるなら、圧縮 [math]T_W[/math] もまた自己共役作用素である。V恒等作用素 [math]I: W -\gt H[/math] で置き換えられるとき、[math]V^* = I^*=P_K : H -\gt W[/math] となり、上述の特殊な定義が得られる。

関連項目

参考文献

  • P. Halmos, A Hilbert Space Problem Book, Second Edition, Springer-Verlag, 1982.