前田吉昭

前田 吉昭（まえだ よしあき、1948年 - ）は日本の数学者。理学博士（幾何学、1995、筑波大学）。慶應義塾大学理工学部数理科学科名誉教授。

微分幾何学、大域解析学を中心に研究を行っている。現在は、非可換幾何学の研究を行っている。特に、量子化問題、幾何学的量子化や変形量子化問題についての研究に精力を注いでいる。彼の論文の多くは長時間に亘る共同討議によるもので研究分担が特定できないのが特徴である。

COE採択拠点リーダー。慶應義塾大学大学院21世紀COEプログラム・統合数理科学・現象解明を通した数学の発展。

経歴

• 1971年 - 埼玉大学理工学部数学科卒業。
• 1973年 - 東京都立大学修士課程理学研究科数学専攻修了。
• 1975年 - 東京都立大学大学院博士課程理学研究科数学科専攻単位取得退学。

著作

単著

• 『多様体入門 幾何学を考える出発点』（砂田利一・黒川信重・共編） 培風館、2005年9月 ISBN 4-563-00649-1

共著

• 『量子的な微分・積分』（大森英樹・前田吉昭・共著）（荒木不二洋・大矢雅則・監修）、 シュプリンガー・ジャパン、2004年4月 ISBN 4-431-71090-6

論文

• 「等質ケーラー多様体上のゲージ理論の変形量子化」, 前田吉昭・佐古彰史・鈴木俊哉・梅津裕志, 『日本物理学会講演概要集』 69(1-1), 8, 2014年
• 「曲面論から微分幾何学へ」, 『数学セミナー』 52(2), 25-31, 2013年
• 「無限次元の幾何学」, 『数理科学』 48(1), 13-18, 2010年
• 「ユークリッド空間上のインスタントンの非可換変形」, 佐古彰史・前田吉昭, 『日本物理学会講演概要集』 64(1-1), 17, 2009年
• 「幾何学における空間とは」, 『数理科学』 44(4), 37-43, 2006年
• 「弦理論と変形量子化」, 前田吉昭・梶浦宏成, 『数学』 55(3), 245-265, 2003年
• 「量子」, 『数学セミナ-』 41(11), 26-29, 2002年
• 「Deformation quantizationの収束について」, 『素粒子論研究』 104(3), C67-C80, 2001年
• "An Example of Convergent Star Product (Dynamical Systems and Differential Geometry)" , 大森英樹・前田吉昭・宮崎直哉・吉岡朗, 『数理解析研究所講究録』 1180, 141-165, 2000
• "ANOMALOUS QUADRATIC EXPONENTIALS IN THE STAR-PRODUCTS " , 大森英樹・前田吉昭・宮崎直哉・吉岡朗, 『数理解析研究所講究録』 1150, 128-132, 2000
• "THE OVSIENKO PRODUCT REVISED(Geometric methods in asymptotic analysis)" , 『数理解析研究所講究録』 1014, 134-138, 1997
• 「非可換球面」, 『数理科学』 35(7), 48-53, 1997年
• 「ポアソン代数の変形問題と非可換幾何」, 『数学』 48(3), 225-241, 1996年
• 「ポアソン代数の変形量子化について （φ零幾何と解析）」, 大森英樹・前田吉昭・吉岡朗, 『数理解析研究所講究録』 0875, 47-56, 1994年
• 「不動点」, 『数学セミナ-』 31(11), p60-65, 1992年
• 「Pauli方程式の基本解の新しい構成法について非可換解析と非可換幾何へ （微分作用素のスペクトル散乱理論とその周辺）」, 井上淳・前田吉昭, 『数理解析研究所講究録』 0692, 1-21, 1989年
• 「3次元リーマン多様体の R⁶ への局所等長埋入問題 （リーマン幾何学の解析的手法による研究）」, 前田吉昭・中村玄, 『数理解析研究所講究録』 0600, 204-211, 1986年

外部リンク

• 21世紀COE・統合数理科学・現象解明を通した数学の発展
• 研究業績