リサジュー図形

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[math]x=A\cos(at),\ y=B\sin(bt+\delta).[/math]

リサジュー図形(リサジューずけい、Lissajous figure)あるいはリサジュー曲線 (Lissajous curve) とは、互いに直交する二つの単振動を順序対として得られる点の軌跡が描く平面図形のこと。“リサージュ”と表記されることもある[1][2]。それぞれの振動の振幅、振動数、初期位相の違いによって、多様な曲線が描かれる。振動数の比が無理数の場合は閉曲線にはならず、軌道は有限の平行四辺形領域を稠密に埋める。

1855年フランスの物理学者ジュール・アントワーヌ・リサジューfrançais版 (J.A. Lissajous, 1822-1880) が考案したとされ、これらの曲線族の呼び名は彼の名にちなむ。また、これらの曲線族について1815年ナサニエル・バウディッチEnglish版 (Nathaniel Bowditch) の先行的な研究が見られるため、バウディッチ曲線(ボウディッチ曲線)と呼ばれることもある。

オシロスコープをX-Y入力モードに設定して、各入力に上記の x, y を入力するとリサジュー波形を観測することができる。

ファイル:Lissajous-Figur 1 zu 3 (Oszilloskop).jpg
オシロスコープ上のリサジュー曲線

リサジュー曲線は、周波数の測定に用いられることが多く、基準波を横軸に、被測定波を縦軸に入力すると、上下に描かれた山の数と、左右に描かれた山の数が、基準波と被測定波の周波数比となって現れる。これを基に周波数を測定することが出来る。この周波数測定法を、比較法という。

また、お互いの信号の位相が安定しないと曲線は常に変化を繰り返す為、複数のモーターの位相合わせ、ICなどの信号の同期合わせ、テープレコーダーのアジマス調整などにも利用されている。

脚注

  1. このように表記に揺れがあるが、例えば長倉三郎他(編)『岩波理化学辞典第5版』岩波書店 ISBN 978-4000800907 での見出しは「リサジュー図形」である。
  2. 「リサージュ」となっている例として、木田祐司 ほか16名(著)『改訂版 数学C数研出版 平成19年3月15日検定済(文部科学省検定済教科書/高等学校数学科用)p.93には「リサージュ曲線」とあることなどがあげられる。

関連項目