セル (雑誌)
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『セル』(英語:Cell、細胞の意)はアメリカのセル出版(エルゼビア社傘下)が発行している、1974年創刊の隔週刊の学術雑誌。医学・生化学・分子生物学等、ライフサイエンス分野における世界最高峰の学術雑誌である。同誌からの論文の引用の数を示すインパクトファクターが高いことで有名。2012年のインパクトファクターは31.957。Nature, Scienceとともに三大科学誌に数えられ、それぞれの頭文字をとってCNSと呼ばれる[1]。HIVの発見で2008年のノーベル生理学・医学賞を受賞したリュック・モンタニエとフランソワーズ・バレ=シヌシの論文など、医学史・科学史に残る論文が多いことでも有名。
セルでは2005年から出版方式として遅延型のオープンアクセス(delayed open access)を採用している[2]。セルに掲載された論文は出版後12ヶ月経過すると、すべてネット上で無料公開される。過去の論文は1995年までさかのぼって公開されている[2]。
セルの表紙には細胞の顕微鏡写真などが通常使われるが、2007年9月7日付の表紙に漫画家・荒木飛呂彦のイラスト(同誌に掲載された日本人研究者の依頼で研究内容をイメージ化したもの)を採用した事で、通常の読者層とは違う方面からも注目を浴びた[3]。
姉妹紙
生物学の細分化に伴い、20世紀末から各分野に特化した姉妹紙が誕生し、次第にその数が増やされつつある。
- Cell
- 1974年創刊。生物学全般。
- Molecular Cell
- 1997年創刊。細胞生物学、分子生物学。
- Developmental Cell
- 2001年創刊。発生生物学。
- Cancer Cell
- 2002年創刊。癌領域。
- Cell Metabolism
- 2005年創刊。代謝領域。
- Cell Host & Microbe
- 2007年創刊。感染症領域、微生物学。
- Cell Stem Cell
- 2007年創刊。幹細胞領域、再生医学。
- Cell Reports
- 2012年創刊。生物学全般。
その他、Current Biology, Immunity, Neuronのように、“Cell”の名を冠してはいないが、同じセル出版による雑誌もある。
脚註
- ↑ “ネイチャー、サイエンス時代の向こう側”. WEBRONZA (朝日新聞社). (2015年5月4日) . 2018閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 Elsevier: Newsroom: Emilie Marcus, Executive Editor, Cell Press 最終閲覧日 2012-10-14
- ↑ “人気漫画「ジョジョ」の荒木さん 米生物学誌の表紙描く”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2007年9月7日) . 2018閲覧.