ジェネリックフィルター

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数学の集合論における、ジェネリックフィルター とは、強制法の理論で使われる対象の一種で、 そのテクニックはいろんな目的に使われるが、特に、何かしらの命題の ZFCのような形式的な理論からの独立性を示すのに使われる。

例えば、ポール・コーエンはZFCが無矛盾であれば 連続体仮説(実数全体の集合の濃度が [math]\aleph_1[/math] である) を証明することができないということを示すのに使った。 コーエンの証明は、[math]\aleph_1[/math] の値を変えることなしに、 [math]\aleph_1[/math] より多くの実数を生成する ジェネリックフィルターを構成することによって為された。

形式的には、P半順序として、FP 上のフィルターとする。 すなわち、FP の部分集合で、

  1. F は空でない
  2. p,qP で、 pq で、 pF の要素なら、qF の要素(F上に閉じている)
  3. pqFの要素なら、Fの要素rで、rp かつ rq となるものが存在する。(F の任意の二要素は両立 する。)

を満たす。

DP の稠密部分集合の族とする。 フィルターFD-ジェネリック であるとは、FDの要素の全てと交わりを持つこと、 すなわち、

[math]F\cap E \ne \varnothing,\,[/math] for all E ∈ D

となることである。

同様に、M がZFCの推移モデル(または、十分なフラグメント)で、 PM の要素であるとき、F M上ジェネリックであるとは、 DP の稠密開部分集合とすると、

[math]F\cap D \ne \varnothing,\,[/math] for all D ∈ M

となることである。

参考

  • K. Ciesielski, Set Theory for the Working Mathematician, London Mathematical Society