アムジェン

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アムジェン inc (Amgen inc.) は、アメリカカリフォルニア州ロサンゼルス郊外のサウザンドオークスに本社を置く世界最大の独立バイオテクノロジー企業である。

概要

リコンビナントDNA(遺伝子組み換え)技術や分子生物学的技術を軸に医薬品の開発、製造、販売を行っている。1980年に AMgen (Applied Molecular Genetics) として3人で創業。現在は社員数約2万人。

遺伝子組み換えエリスロポエチン (EPO) 製剤で赤血球増殖薬のエポジェン (EPOGEN:Epoetin alfa)、及び 白血球増殖のための顆粒球コロニー刺激因子ニューポジェン (NEUPOGEN:Filgrastim) の2つのバイオ医薬品の開発成功が、一躍同社を世界的企業へと押し上げた。

2012年の売上高は173億ドル(世界の医薬品売上ランキング13位)。[1]で、日本で最大規模の製薬会社である武田薬品工業を上回る。対前年売上伸び率は11%。 現在は、エポジェンと同効で投与間隔を延長したアラネスプ抗体医薬関節リウマチエンブレル、及び上記の血球増殖薬が主力となっている。アラネスプは、2006年に41億ドルを売り上げたブロックバスター薬となっている。日本では、キリンファーマが2007年4月にアラネスプの製造販売承認を得て、「ネスプ」という商品名で販売を行っている。

現在、長期的な成長戦略として、パイプラインの充実(Onyx社買収[2]帝人ファーマとの自己免疫疾患薬の開発提携[3]など)、バイオシミラーへの投資(2017年販売開始を計画[4])、積極的なグローバル展開(日本及び中国への進出、シンガポールに製造拠点建設(2016年までに完成予定)[5]など)を掲げている。[6]

地元、カルフォルニア州で開催される、自転車ロードレースツアー・オブ・カリフォルニアの冠スポンサーである。

日本法人

日本では、1992年にアムジェン株式会社が設立され開発業務を行っていたが、2008年に武田薬品工業と13品目のライセンス契約締結と同時に同社に株式譲渡された。2008年4月1日より、「武田バイオ開発センター株式会社」と名前を変え[7][8]、引き続き当該品目の臨床開発を行っていた。

2013年5月29日、国内第2位の製薬メーカーであるアステラス製薬との合弁会社を設立し日本に本格的に再参入することが発表された。[9](バイオ薬の巨人再上陸―米アムジェン、日本に攻勢[10])共同出資の新会社、アステラス・アムジェン・バイオファーマは2013年10月に業務を開始し、脂質異常症胃癌骨粗鬆症の治療薬の新薬候補の臨床試験(治験)に取り組む。アムジェンが単独で手がけてきた開発を、アステラスが支援し開発期間の短縮を目指すと同時に、共同商業化も行う。また、同社は2020年を目標にアムジェンの完全子会社として独立する予定となっている。

製品

  • アラネスプ(Aranesp:darbepoetin alfa) - エリスロポエチン製剤/貧血 - 20億ドル(日本では「ネスプ」の販売名で協和発酵キリンが製造販売)
  • エンブレル(Enbrel:etanercept) - 関節リウマチ - 42億ドル(ワイスとの共同開発、日本では武田薬品とファイザーが発売)
  • ニューラスタ(Neulasta:Pegfilgrastim) - 持続型G-CSF - 41億ドル(日本では「ジーラスタ」の販売名で協和発酵キリンが製造販売)
  • エポジェン(Epogen/Procrit:epoetin alfa) - エリスロポエチン製剤/貧血 - 19億ドル(日本では「エスポー」の販売名で協和発酵キリンが製造販売)
  • ニューポジェン(Neupogen:filgrastim) - G-CSF - 13億ドル(日本では「グラン」の販売名で協和発酵キリンが製造販売)
  • センシパー(Sensipar:cinacalcet) - 腎臓疾患、副甲状腺機能亢進症 - 9.5億ドル (日本では「レグパラ」の販売名で協和発酵キリンが製造販売)
  • Kepivance (palifermin) - 口腔粘膜炎
  • Kineret (アナキンラ、anakinra) - 関節リウマチ
  • Vectibix (panitumumab) - 腸癌(抗体医薬)- 3.6億ドル(日本では武田薬品が販売)
    • 金額は2012年度の売上高
  • プラリア(Prolia) - 骨粗鬆症(日本では第一三共が製造販売)

参照

リンク