NHKラジオ第1放送

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NHKラジオ第1放送
種別 中波放送
放送対象地域 日本全国
略称 ラジオ第1、R1
開局日 1925年7月12日
運営会社 日本放送協会
特記事項:開局日は社団法人東京放送局の本放送開始のもの
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NHKラジオ第1放送(エヌエイチケイラジオだいいちほうそう)とは、日本放送協会(NHK)による地上基幹放送の一種別の中波放送AM放送)で国内放送でもある。

通称は「ラジオ第1」「R1」など。またキャッチコピーは、「24時間安心ラジオ」「ラジオはミミとも、NHK」など[1]2011年4月、「あ、ラジオ聞こ。」が新たなキャッチフレーズとして発表された。これは、NHKラジオ第2放送NHK-FM放送を含むNHKラジオ放送全体のキャッチフレーズである。

概要

ラジオ第1放送は1925年3月1日社団法人東京放送局(のちのNHK放送センター:NHK東京本部)によって東京府東京市芝区新芝町(現在の東京都港区芝浦)の東京高等工芸学校千葉大学工学部の前身)構内仮放送所から最初の、そしてそれまでは無線通信のみに使用されていた日本において初めての、電波を用いた放送が行われ[2]、同年7月12日に同区愛宕山にあった送信所NHK放送博物館周辺)から本放送を開始した。同時期、社団法人大阪放送局(大阪市NHK大阪放送局)と社団法人名古屋放送局(名古屋市NHK名古屋放送局)も設立され、名古屋放送局は東京放送局の3日後の7月15日、大阪放送局は大幅に遅れること翌年の12月1日にそれぞれ本放送を開始した。

1926年8月に3局が合同して社団法人日本放送協会が設立され、翌年から札幌仙台広島熊本を皮切りに地方に放送局を設けて全国でラジオ放送が実施されていった。当初は1チャンネルだけだったが、1931年4月に第2放送を開局し2チャンネル体制としたことで、既存のチャンネルを第1放送として定めた。その後1939年から第1放送と第2放送のチャンネル編成を明確なものとするため、第1放送は全国共通の番組を放送する「全国放送」、第2放送は都市に住むインテリ向けの高度な教養・講座番組を主とする「都市放送」として放送された。

1941年12月8日太平洋戦争の開始と共に都市放送(第2放送)が休止され再び1チャンネルのみの編成となった。また、敵機の来襲(空襲)に備えて、送信所が無指向性無線標識になってしまうことを防ぐため、送信出力を抑え、同一周波数で放送する電波管制も実施された。事実上の国営放送でもあり、新聞と共に大本営発表にも関わった。

戦後になって、2チャンネル編成に戻り、第1放送は総合番組編成、第2放送は教育教養番組をベースとした編成とチャンネル編成を明確にしている。『NHKのど自慢』や『紅白歌合戦』のように、テレビ放送の開始後は、テレビでも放送される人気番組も登場した。

後述する『ラジオ深夜便』など、中高年を意識した編成や歌謡曲を扱う番組がある中、若年層に向けた番組はあまり多くなかったが、2012年度からは若年層向けの番組も増やしている。

編成

NHKラジオセンターからの生放送が中心。生放送の割合が92パーセント[3][4]。基本的には正時(00分)にNHKニュースを、毎時55分に地域情報(主に、気象情報。東京・名古屋・大阪では加えて交通情報)や地域のニュースが放送される。このため、商店や作業場などで、時計代わりに受信しているところも多い。1986年頃までは民放のようなワイド番組形式を取っていなかったが、「〇〇ラジオセンター」というゾーン名がつけられ、今の形になった。

ニュース

毎正時にニュースを放送[5]。平日は毎時30分にも放送(5:30[6]、6:40(『ラジオ体操』の放送があるため)[7]、8:30[8]、9:30、10:30、13:30[9]、14:30、15:30、16:30)。8:30から16:30のニュースは番組の進行状況により、30秒から1分30秒遅れのときがある。ただし、8:30から16:30のニュースは高校野球中継と大相撲中継期間中、政見放送・経歴放送時は休止される。日曜日9:00は『日曜討論』放送のためニュースは放送なし(『日曜討論』休止時はニュースを放送)。

なお2012年3月31日までは20:30にも放送されていたが、同4月3日からの改編により廃止され夜間のニュースは原則毎時00分のみとなった。2013年3月29日までは7:30にも放送されていたが、同4月1日から平日7時の全国ニュースが7:15から7:20までに延長により廃止された。

後番組が生放送である場合が多いため、一部の時間を除き、ラジオ第1のニュースは放送時間が一定しない。毎正時のニュースは5分間の放送とされていても正確に5分で終わるというわけではなく、ニュースの後に放送する(生放送の)ワイド番組は「おおよその時刻(05分ごろ、33分ごろなど)」で開始し、ワイド番組では続きの開始時間も「X時05分ごろから」「X時33分ごろから」というようにアナウンスする。

ニュース素材音源はテレビ放送と共用。スポーツ中継ではそのままラジオ第1放送の中継音源を使用しているが、ラジオの中継がない場合はテレビ放送のものを使用する場合もある。

1990年までは、ニュース(ローカルニュース)の終了時に、「○○がお伝えしました、時刻は××時△△分になります、NHK」(「エヌ・エイチ・ケイ」と区切った形でいうことが多い)とアナウンスが入っていた。1993年の春頃までは全国ニュースからローカルニュースに切り替わるときに「ポーン」(人によっては「コーン」にも聞こえていた)というチャイムを鳴らしていた。これは聴取者からの提案で採用されたものである[10]

2008年3月31日から平日正午のオープニングでジングルを採用し、2009年3月30日からは、平日午前7時にも採用。2012年4月からは毎日7時・正午・19時のニュースで開始時(土日祝19時は2013年10月から)と番組途中にジングルを流すようになった[11][12]。、2015年3月30日からは、毎日午前6時にも採用。

スポーツ中継(プロ野球・高校野球・大相撲・駅伝など)は試合の展開によってニュースの開始時間がずれる場合がある。年末年始の15時・22時・0時・1時は5分間、12時(正午)は10分間に短縮する場合がある。大晦日のNHK紅白歌合戦ゆく年くる年の放送時間中は1部と2部の間のニュースのみ放送。新春最初のニュースはゆく年くる年終了後(概ね元日0:45-1:00)に放送。

2016年8月のリオデジャネイロオリンピック期間中、正午のニュースは、男女各1名の2名体制で放送した。

地域放送

ラジオ第1では、5時台から23時台にかけて地域放送を実施している。毎時55分から5分間の放送が中心で、ニュース・気象情報・交通情報、お知らせが放送される。

ラジオ第1の定時ローカルニュースは7時、12時、19時(「NHKきょうのニュース」)、23時の全国向けニュースのあとに放送。毎時55分のローカル放送の中でニュースを伝えることもある。また、関東関西では毎時58分・28分頃に交通情報が放送される。18:50のローカル放送で航行警報(軍事演習の実施予告)も放送している(一部では21:55(関東など)、23時台前半(関西など)にも放送する)。

ローカル放送について、拠点局から放送する時間と地元放送局からの時間は各ブロックにより異なる。なお、大相撲や高校野球(地方大会・全国大会)をはじめとするスポーツ中継により、これらの放送がない場合がある。

深夜放送

TBSラジオ文化放送ニッポン放送など民間放送(民放)では、早いものは1950年代からそれぞれレギュラー深夜放送を開始したがNHKは行わず、毎夜日付が変わった時点(午前0-5時)で放送休止していた。

1988年から1989年にかけて、昭和天皇の病状を伝えるための終夜放送を実施した際、この時間の大半でクラシック音楽を流した。この反響を受け、1990年4月から試験的に『特集・ラジオ深夜便』と題して深夜の放送をスタートさせた。

リスナーからの好評以外にも、深夜時間帯の地震津波、あるいは内外での突発的な事態への迅速な対応を行う目的も兼ねて、1992年4月から正式にレギュラー化され[13]メンテナンス(送信機器、放送設備点検)実施日以外は午前5:00を1日の基点とした24時間放送となる。これはNHKの地上波放送としてはラジオ・テレビを通して初めてのことであった。

放送形態

広域放送・県域放送

関東広域圏中京広域圏近畿広域圏大津を除く)の15都府県で広域放送、それ以外の32道県で県域放送を行っている。 2011年9月1日からは、NHK独自展開のIPサイマルラジオサービスらじる★らじる」と、民放サイマル配信サービス「radiko」(2017年10月2日正午頃から2018年3月30日までの第1次実験配信(一部地域限定)[14]と、2018年4月12日以降の第2次実験配信(全国配信)[15][16])によって、インターネット経由でもFM放送やNHKワールド・ラジオ日本(NHKの国際放送)の衛星ラジオと同等の高音質で聞くことができるようになった。

空中線電力(出力)は、基本的に地元民放と同等またはそれ以上である。例えば関東広域圏の場合民放(TBSラジオ文化放送ニッポン放送)は100kWに対し、NHK東京第1放送は300kWで送信されている。他方、岡山鹿児島は第1放送より地元民放(山陽放送南日本放送)の方が大出力である(NHK岡山 5kW / RSK 10kWNHK鹿児島 10kW / MBC 20kW)。

埼玉県と東京都以外の関東地方と、奈良県には中継局を含めた送信所がない。また岐阜県・三重県・京都府・兵庫県・和歌山県については府県庁所在地には送信所がないが、それ以外の場所に中継局(岐阜・三重は名古屋放送局、兵庫・和歌山は大阪放送局傘下)がある。

鹿児島県沖縄県の各一部地域では夜間から深夜において近隣諸国からの混信が激しいため、その対策としてFM波(超短波)の中継局が設置されている(沖縄県は南大東中継局を除きラジオ第2放送も設置)。過去には新潟県小千谷市でも震災関連情報の提供および平成16年新潟県中越地震の被災で送信不能となった津南ラジオ中継局設備が完全復旧するまでの臨時中継所としてFM波の中継局が設置されていた。

小笠原諸島ではFM波も含めて中継局が設置されていないため、一部の限られた地域を除いて夜間のみの受信となるが、先述のサイマルラジオサービスのほか、既設の小笠原村営光ファイバーケーブルを使用した防災放送受信機によって聴くことができる。なお、2012年度には3か所の中継局が開局し、このうちの1局は高知県早明浦中継局が同年5月に開局した。

残りの2か所は、長年ラジオ放送の直接受信が困難だった、小笠原諸島の父島母島にラジオ第2放送・FM放送と合わせて設置されることになった(3波ともFM波で送信)。また2013年度には、外国放送局との混信が激しい鹿児島県の喜界地区にも、FM波の中継局が設置されることとなった[17]

識別信号

識別信号(呼出符号、呼出名称など)は、5時、正午、19時、及び深夜の放送休止が生じる放送局の放送終了時(大抵は午前1時)の時報前に送出される(NHK-FM放送と同じ)。アナウンスのフォーマットは原則として、「JO◇◇(呼出符号)」+「NHK+(設置場所の地名)+第1放送(です)」であり、東京の場合、NHKアナウンサー渡邊あゆみ(現・横浜)の声で「JOAK、NHK東京第1放送です」とアナウンスされる。80年代は「NHK、設置場所第1放送、コールサイン」、90年代は、例えば「○○第1放送です。JO**」のようなスタイルがとられたこともあった。ちなみにアナウンスの担当は、青森放送局などを除き、総合テレビ・FM放送のコールサインと同じアナウンサーが担当している[18]

時報

時報は毎正時送出される。高校野球地方大会放送中でも地方放送局から時報が送出される。一部地域での放送休止で午前1時に終了する場合は東京を除き時報は送出されない。ラジオ第1と同時放送することが多いNHKワールド・ラジオ日本でも時報が毎正時送出される(タイムラグが生じる衛星ラジオでもそのまま送出)。一方、サイマルラジオサービスではラジオ第2、FM放送も含めて時報は送出されない。

交通機関

  • 国内線機内
    • 日本航空全日空AIRDOの国内線の機内(一部機材除く)で、機内放送のプログラムの一つとしてリアルタイムの放送を聞くことができる。航空機の場合長距離を飛行することになるため、移動中の区域に最も近い主要局の放送を自動で選局して受信している。そのためうまく受信できない場合や、雑音が大きく入ることがある。また機材によっては、放送サービス自体を行なっていないことがある。
  • 東海道・山陽新幹線
    • 車内で再放送されていたが、2013年のダイヤ改正でサービスを終了した。グリーン車では座席のイヤホンジャックに持参(または車内販売で購入)したイヤホンを差し込んで、普通車ではFM波による再放送で聞くこととなっていた。FM波による再放送は現在でも行われている。
  • 都営地下鉄
    • 駅構内・高架部を除く区間で高周波利用設備により民放を含む中波放送が再放送される。

メンテナンス

24時間放送実施当初から2000年春ごろまではメンテナンスはテレビ・FMラジオ同様全国一斉の同一期間に行っていた。現在は放送設備の点検・整備でも予備放送機を活用した減力放送も行われていて、事実上、完全24時間放送となっている。なお一部地域では主として毎月1回程度の月曜深夜や春・秋の特定期間に放送休止となる局がある[19]。ただし、その場合でも午前1時から5時はFM放送は通常放送しているため、大型メンテナンスがない限り、双方の電波が途切れることはない[20]

なお、2012年度から、高校野球期間中は「日曜討論」が24時台に放送される(雨天中止時も同)ため、放送設備点検が実施される地域はそれの終了後の基本1:10(討論の内容により延長有り)から5:00まで休止となるため、「日曜討論」終了後1分間は休止・減力放送となる地域はそのアナウンス、通常放送が行われる地域は時間調整のフィラー音楽を放送してから「ラジオ深夜便」(本編)をスタートさせる。またFMが放送休止となりラジオ第1が通常放送となる地域では1:00の放送休止のアナウンスで「深夜便は1時10分(または11分)からラジオ第1放送でお聴き下さい」とアナウンスされる(したがって、FMが午前1:00で休止となる地域では、「深夜便」冒頭の定時ニュースが聴取できないことになるが、周辺都府県の放送が聞ける場合とサイマルラジオサービスはこの限りではない)。また一部の局では、FMへの迂回を促す放送で道府県内主要都市のFM中継局の周波数を知らせる場合もある(逆に、FMが休止時のラジオ第1への迂回を促す放送である場合も、ラジオ第1の周波数を知らせる局がある)。

これは地震台風豪雨などの天災が発生した場合の災害対策基本法や、テロなどの大規模な有事が発生した場合の諸法律の義務を履行するための措置である(総合テレビ・FM放送も同様)。

メンテナンスによる放送中断がある場合は、一部地域の部分休止を除いて「君が代」の演奏オーケストラによるインストゥルメンタル)が放送される[21]。ただし、減力放送の場合は放送されない。かつては、ラジオ第2放送と同様に、チェレスタ演奏による終了用ISが放送されていた。

なお、1996年4月から1998年3月はラジオ第1放送のメンテナンスがあった場合、休止となる1時から5時までのラジオ深夜便をFM放送でリレー補完放送したことがあった。ただし、年数回、日曜深夜にテレビを含む地上波の放送を全部停止する日があり、その場合は午前0時で終了・停波して以後のリレー放送もしなかったことがあった。

また、NHK菖蒲久喜ラジオ放送所からの東京第1放送の番組は2000年7月から2008年9月22日深夜(9月23日未明)3時まではメンテナンス日は減力放送をする形で通常放送を行っていたが、2008年9月23日3時から5時と、同年12月9日深夜(12月10日未明)1時から3時は放送設備点検のために放送を停止していた。

国際放送

日本からの海外向け国際放送であるNHKワールド・ラジオ日本にもゼネラルサービス日本語放送の全放送時間(1日24時間)のうち延べ21-22時間と9割近くの時間帯で同時放送されている(短波放送では特にアジア大陸東南アジア向けが多い)。ゼネラルサービス日本語放送でのラジオ第1との同時編成は、1982年に22時台『NHKジャーナル』が新設された当初、それまで「日本時間奇数時が日本語、偶数時が英語」という原則を維持しつつも、この番組を世界同時放送にするために、22時と23時の枠を入れ替え、21-23時を日本語、23時-25時(翌日1時)を英語に編成を入れ替えたものであった。その後1992年頃から、NHKジャーナル以外の早朝5-9時、および夜19-22時のアジア向けの放送から段階を追ってラジオ第1との同時編成を実施し、その後拡大。2008年の編成で日本時間日中と夕方のごく一部を除いて、日本語放送のおよそ9割がラジオ第1と国際放送の同時放送となった。

9割が同時放送となったが、ローカルニュース放送枠の多くは海外安全情報に差し替える[22]

ネット送出回線からの直受けで音声を流すため、番組の途中で挿入される日本の首都圏の交通情報は放送されず、インストゥルメンタル音楽のみが流れる。ただし、首都圏ローカルニュース放送時の交通情報と全国の交通情報はそのまま放送される。また、気象警報竜巻注意情報土砂災害警戒情報なども一切放送されない。一方で、番組の途中に割り込まれるニュース速報・地震情報(ともに全国一斉放送時のみ)、緊急地震速報、緊急警報放送の信号音はそのまま放送される。

ただし、同時放送の時間帯でも放送権の都合や電波運用面の都合で放送できないスポーツ中継(大相撲中継とプロ野球ナイトゲームを除く。オリンピックについては2008年の北京オリンピックと2010年のバンクーバーオリンピックで一部時間帯を除き同時放送された事例あり)は別番組(ラジオ第1・第2・FM放送・地上デジタルラジオ実用化試験放送の録音番組やフィラー音楽またはFM放送同時放送の番組)に差し替えとなる[23]

ただし、高校野球期間中でも『昼のいこい』、『民謡をたずねて』はFMで、『NHKのど自慢』は総合テレビで通常通り放送されるため、国際放送でも休止せずに放送されるほか、高校野球が中止・開始遅延・早期終了となった場合も国際放送用の別番組差し替えをしないで同時放送となる場合もある。また、『日曜討論』もラジオ第1が高校野球を行うため、夜の時間帯に時差放送を行う場合でも国際放送では通常通り9:00から国内と同時に放送される(衛星ラジオのみ)。同様に、国会中継(年度末に行うNHK予算審議の録音中継を含む)がある場合も別番組に差し替えとなる(開会が大幅に遅れる場合でも当該時間帯の差し替えは予定通り)が、総理大臣の演説や党首討論など一部内容についてはそのまま国内と同時放送されることがある。高校野球地方大会に関しては東京からの放送があっても春季・夏季・秋季を問わず一切放送されないため、そのまま定時番組を通常通り放送している。

ラジオ国際放送では短波のほか、NHKワールドTV、NHKワールド・プレミアムで使用されている放送衛星(インテルサット)を用いたデジタルラジオ放送(衛星ラジオ)も短波放送と同一内容で終日、ノンスクランブルでサイマル放送を行っており、放送衛星によるデジタルラジオ放送では雑音の影響を受けず、短波・中波の番組がテレビ・FM放送並みの高音質で聴くことができる(音声はモノラル。日本国内のAMラジオのFM波再送信とは異なりAM放送・短波放送用に調整した音質ではないためスタジオ内、ネット送出回線の音声が高音質のまま流れる)。そのため海外では短波放送の受信が困難な場合に、日本国内では前述に加え、中波放送で夜間における外国局との混信・難聴取対策としてFM放送・「らじる★らじる」・「radiko」とともに大きな役割を果たす有効な手段となっている。

緊急時の放送

NHKは七波全中で速報の情報量を多く伝えているが、このうち報道特別番組に切り替わる緊急地震速報、緊急警報放送震度6強以上の地震発生時などは通常の放送を中止する。ニューススタジオから全国放送で伝える場合ニュース速報と地震情報は放送内容を一時中断し、断り(「(番組、曲)の途中ですが、(東京の)[24]ニューススタジオから(内容)に関する情報をお伝えします」)を入れる。

一般的な速報となる、地震情報・気象情報[25]交通情報[26]、地域内の重要ニュースが入った場合には、該当する地域で通常の番組を強制に中断・あるいは放送中の内容に割り込んで被せ、各局の報道センターから情報を放送する。国際放送は全国一斉放送時のみ割り込み、ネットラジオは全国一斉放送と地域版それぞれの割り込みを放送するが、緊急地震速報は放送しない。

FMおよび国際放送との同時放送中に全国一斉放送の割り込みが入る場合はFM放送・国際放送でもそのまま放送されることがある。ローカル放送は原則としてラジオ第1放送のみへの割り込みとなり、FM放送・国際放送は通常放送が続けられる。

ネットワーク

  • 太字は拠点局。
ブロック 放送局 呼出符号 周波数
kHz
空中線電力
W
放送開始日
北海道 札幌 JOIK 567 100k 1928年06月05日
函館 JOVK 675 005k 1932年
旭川 JOCG 621 003k 1933年09月04日
帯広 JOOG 603 005k 1936年11月22日
釧路 JOPG 585 010k 1938年02月26日
北見(網走送信所)[27] JOKP 1188 010k 1942年01月01日
室蘭 JOIQ 945 003k 1942年02月21日
東北 仙台 JOHK 891 020k 1928年06月16日
秋田 JOUK 1503 010k 1931年12月21日
山形 JOJG 540 005k 1936年11月30日
盛岡 JOQG 531 010k 1938年08月07日
福島 JOFP 1323 001k[28] 1941年02月12日
青森 JOTG 963 005k 1941年04月17日[29]
関東・甲信越 東京 JOAK 594 300k 1925年03月22日(仮)
1925年07月12日(本)
長野 JONK 819 005k 1931年02月24日
新潟 JOQK 837 010k 1931年11月11日
甲府 JOKG 927 005k 1937年12月21日
東海・北陸 名古屋 JOCK 729 050k 1925年7月15日
金沢 JOJK 1224 010k 1930年04月15日
静岡 JOPK 882 010k 1931年03月21日
浜松[30] JODG 576 001k 1933年07月20日
福井 JOFG 927 005k 1933年07月13日
富山 JOIG 648 005k 1935年12月13日
近畿 大阪 JOBK 666 100k 1925年06月01日(仮)
1926年12月01日(本)
大津(彦根送信所)[31] JOQP 945 001k 1942年02月25日
中国 広島 JOFK 1071 020k 1928年07月06日
岡山 JOKK 603 005k 1931年02月01日
松江 JOTK 1296 010k 1932年03月07日
鳥取 JOLG 1368 001k 1936年12月14日
山口(防府送信所)[32] JOUG 675 005k 1941年04月19日
四国 松山 JOZK 963 005k 1941年03月09日
高知 JORK 990 010k 1932年03月
徳島 JOXK 945 005k 1933年07月23日
高松 JOHP 1368 005k 1944年05月17日
九州・沖縄 福岡 JOLK 612 100k 1930年12月06日
北九州 JOSK 540 001k 1931年12月21日
熊本 JOGK 756 010k 1928年06月16日
長崎 JOAG 684 005k 1933年09月20日
鹿児島 JOHG 576 010k 1935年10月26日
宮崎 JOMG 540 005k 1937年04月19日
大分 JOIP 639 005k 1941年06月
佐賀 JOSP 963 001k 1941年12月28日
沖縄 JOAP 549 010k 1942年03月19日[33]

廃止された親局

  • 前橋(JOBG):1933年6月23日 - 1938年12月19日(東京の大電力化による)
  • 京都(JOOK 621kHz 1kW):1932年6月24日 - 2015年2月2日(大阪の大電力化による放送エリア重複と、送信所を置いていた京都放送会館移転のため)

脚注

  1. 2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、平日の正午のニュースと『NHKきょうのニュース』では開始冒頭で「24時間安心ラジオ」のフレーズが用いられた。
  2. なお有線放送電話も存在しなかった。これが開始されたのは戦後の1960年代
  3. R1 NHKラジオ第1 - ラジオセンターとは?」 NHKラジオ第1放送
  4. 2015年3月29日までは96パーセント
  5. 5:00は『NHKマイあさラジオ』に内包されている為、約1分30秒遅れての放送。祝日を除く平日の17:00・大相撲期間中の平日18:00は『先読み!夕方ニュース』(地域によっては別番組を放送)に内包されている為、約1分30秒~約2分遅れての放送となる。
  6. 土曜日も放送
  7. 土曜日と祝日も放送
  8. 祝日も放送
  9. 列島リレーニュース
  10. 北海道地方でも札幌から道内各局別のニュースに切り替わるときも同様であるが、こちらは東京からの放送で切り替えを告げるチャイムを鳴らさなくなった後もしばらくの間続いていた。
  11. 平日朝のジングルは北野武(同姓同名のコメディアンとは別)が作曲したと思われる。
  12. ジングルはオープニングと各項目ごとに存在する。2010年度以降は各項目ごとのジングルのみに、2011年6月以降は土日も含む。2012年度に新たなジングルが使われ始め、FM放送では臨場感があるステレオ音声でジングルを聴くことができる。
  13. それに先だって1990年10月より週末(金曜・土曜・日曜の深夜から翌曜日早朝)のみ終夜放送化。 1991年は更に終夜放送の回数が増やされ、月末以外の月曜から木曜深夜の放送も拡大。なおNHKサービスセンター発行の『ラジオ深夜便年鑑2010』に掲載されている年表では「1995年4月から深夜便を定時放送化」と掲載されている他、1994年度までのNHK番組表においても、0時から5時まで「随時深夜便を編成」という件が掲載されていた。
  14. NHKラジオ「radiko」に期間限定で配信 10月2日から半年間 ORICON NEWS 2017年9月20日
  15. NHKラジオのradiko.jp配信、4月12日正午から全国へ拡大,AV Watch,2018年3月22日
  16. ラジコでNHKラジオが聴ける4月12日(木)より、全国を対象に2018年度の実験配信を開始,株式会社radiko,2018年3月22日
  17. 2012年10月2日開催・10月19日公表の日本放送協会理事会議事録より。
  18. 2003年、呼出名称が「(設置場所の地名)+第1放送」から「NHK+(設置場所の地名)+第1放送」に変更されたことに伴い、識別信号のアナウンスも変更された。2003年以前も放送局によっては「NHK+(設置場所の地名)+第1放送」というアナウンスで流れていたことがある(同様に、ラジオ第2放送などでも従来の呼出名称の冒頭に「NHK」の文字が付け加えられた)。なお、2010年2月1日正午前のコールサインの呼び出しは、バンクーバーオリンピック閉会式中継による翌月の「緊急警報放送の試験信号」の実施日変更の案内を放送したため、休止された。FM放送も同様であった(放送聴取で確認済み)。
  19. 原則第2月曜深夜。局によっては第2週以外の月曜深夜や、日曜深夜に実施される場合もある。過去には第4月曜も定時で休止が生じたことがあった。
  20. 直近では2012年3月18日深夜(3月19日未明)に富山局が設備全面点検によりテレビを含む地上波の全波が休止になったことがあった。
  21. 大阪放送局が休止となる場合、本局(666kHz)・および傘下の中継局全部が休止であれば国歌の放送があるが、本局が放送され、一部の傘下中継局のみが休止となる場合は国歌が割愛される場合がある。
  22. 東日本大震災関連の特設ニュース放送時の国際放送独自編成は定時ニュースとニュース終了後10秒間の簡単な飛び乗り案内のみでそれ以外はコールサイン部分を除きすべて首都圏ローカルニュース枠を含めたラジオ第1放送のサイマル放送であった。そのため、2011年4月4日までは海外安全情報と短波による日本語放送の周波数案内はすべて休止されていた。
  23. 国会中継やスポーツ中継以外の別番組差し替え事例では2011年5月5日(こどもの日)17:05~18:50放送の『復活!ラジオNHK杯将棋トーナメント』(1961年以来、50年ぶりのラジオによる将棋中継)でも定時のニュースを除いてFM放送・地上デジタルラジオ実用化試験放送の音楽番組(「吹奏楽のひびき」など)に差し替えとなった。放送権の絡みは一切関係はないが、ラジオでの将棋中継が海外であまり馴染まない配慮と見られる。
  24. 東京以外から放送している場合
  25. 主に気象警報の発表・解除。
  26. 鉄道(在来線・私鉄・地下鉄の場合はローカル放送、新幹線の場合は全国放送)の運転見合わせ・運転再開。全国の主要高速道路の通行止め・通行止め解除。
  27. 北見市内には別途「新北見中継局」が置かれている。
  28. 地勢的要因で、支局となった郡山のほうが5kWと大出力。
  29. 支局となった弘前が3年早く開局している。
  30. 1988年度の組織再編で支局化され自局番組は消えたが、南海トラフ地震に備え中波放送に限り自力で放送できる設備を残してある。
  31. 大阪局の中継局であるが、コールサインが指定され、ニュースなど滋賀県域放送を実施。
  32. 防府は開局時の放送局所在地であった。
  33. 戦争とその後の米軍統治により1945年3月26日から1972年6月24日まで中断。ラジオ第2は本土復帰後に新規開局。

関連項目

外部リンク