「JR西日本285系電車」の版間の差分

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{{Redirect|サンライズエクスプレス|[[寝台列車|寝台]][[特別急行列車|特急列車]]の「サンライズ出雲」|出雲 (列車)|「サンライズ瀬戸」|瀬戸 (列車)|「サンライズゆめ」|サンライズゆめ}}
 
{{鉄道車両
 
| 車両名  = JR西日本・JR東海285系電車
 
| 背景色  =
 
| 文字色  =
 
| 画像    = JR-West 285-series.jpg
 
| 画像説明 = 東海道本線を走る285系<br />(2000年8月11日 [[東海道本線]] [[早川駅]] - [[根府川駅]]間)
 
| 運用者  = [[西日本旅客鉄道]]<br />[[東海旅客鉄道]]
 
| 製造所  = [[近畿車輛]]<br /> [[川崎重工業車両カンパニー|川崎重工業]](JR西日本車のみ)<br /> [[日本車輌製造]](JR東海車のみ)
 
| 製造年  = 1998年
 
| 製造数  = 5編成35両
 
| 運用開始 = 1998年7月10日
 
| 編成    = 7両 (2M5T)
 
| 軌間    = 1,067 mm
 
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1,500V
 
| 最高運転速度 = 130 km/h
 
| 設計最高速度 = 140 km/h
 
| 起動加速度 = 1.8 km/h/s
 
| 常用減速度 = 4.3 km/h/s
 
| 非常減速度 = 5.2 km/h/s
 
| 編成定員 = 6(A寝)+124(B寝)+28(普)= 158人
 
| 車両定員 =
 
| 自重    =
 
| 編成重量 = 305 t
 
| 全長    = 21,670 mm (21,300 mm)
 
| 全幅    = 2,945 mm
 
| 全高    = 先頭車:4,090 mm
 
| 車体材質 = [[炭素鋼|普通鋼]]
 
| 台車    = 軸梁式ボルスタレス台車([[蛇行動#ヨーダンパ|ヨーダンパ付]])<br />WDT58・WTR242
 
| 主電動機 = [[かご形三相誘導電動機]] (WMT102A)
 
| 主電動機出力 = 220 kW
 
| 駆動方式 = [[WN駆動方式|WNドライブ]]
 
| 歯車比  = 1:5.65
 
| 編成出力 = 220kW×8 = 1,760kW
 
| 制御方式 = [[パルス幅変調|PWM]][[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]][[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ]]<br />([[静止形インバータ]]一体型)
 
| 制御装置 =
 
| 制動装置 = [[発電ブレーキ]]・[[回生ブレーキ]]併用<br />[[電気指令式ブレーキ|電気指令式空気ブレーキ]](滑走防止・<br />応荷重・遅れ込め制御)、[[抑速ブレーキ]]
 
| 保安装置 = [[自動列車停止装置|ATS-P]]、ATS-SW、[[列車防護無線装置]]
 
| 備考    = [[#鉄道ファン446|『鉄道ファン』通巻446号、p.20]]に基づく
 
| 備考全幅 = {{ブルーリボン賞 (鉄道)|42|1999}}
 
}}
 
'''285系電車'''(285けいでんしゃ)は、[[西日本旅客鉄道]](JR西日本)および[[東海旅客鉄道]](JR東海)の[[特急形車両|特急形]][[直流電化|直流]][[寝台車 (鉄道)|寝台]][[電車]]である。
 
 
 
== 概要 ==
 
旧来から、[[寝台車 (鉄道)|寝台列車]]に使用される車両は、[[機関車]]が牽引する[[客車]]タイプ(いわゆる「[[ブルートレイン (日本)|ブルートレイン]]」)が主流で、[[電車]]タイプの車両としては[[日本国有鉄道]](国鉄)が[[1967年]]から[[1972年]]にかけて製造した[[国鉄583系電車|581系・583系]]が唯一であった。この車両は[[高度経済成長]]に伴う輸送需要増加に合理的に対応する観点から、夜間は寝台車、昼間は座席車として昼夜を問わず運用できる車両として開発・導入されたが、寝台・座席の転換作業の煩雑さや、座席車としての居住性の悪さ、電車のため[[非電化]]区間へは入線できないことなどのデメリットも多く、スタンダードとはならなかった。
 
 
 
その後も寝台列車の車両は客車が主流となっていたが、運転性能が電車や[[気動車]]に劣るため所要時間の短縮が困難であるほか、[[1970年代]]以降は長距離利用客の多くが[[新幹線]]や[[航空機]]へ移行したため、観光客需要へ特化し個室寝台や[[食堂車]]などの付加価値を高めた「[[北斗星 (列車)|北斗星]]」「[[トワイライトエクスプレス]]」といった一部の列車以外は、1990年代の開発当時における利用は衰退の一途を辿っていた<ref>[[#寝台車の世界2017|寝台車の世界、pp.60-61,83-85。]]</ref>。
 
 
 
しかし、本来寝台列車は高い客単価が望める商品であり、現代のニーズに合ったサービスを提供することで、ビジネス客も含めた需要の取り込みが可能と考えられる列車については、個室寝台主体の新型車両を投入し強化していく方向性が見いだされた<ref>[[#寝台車の世界2017|他交通の視点で見た寝台列車の歴史、pp.84-85。]]</ref>。
 
 
 
具体的な列車として、平均乗車率が比較的高く、走行距離・所要時間等の観点からも航空機等の競合交通機関に対抗可能と見込まれた「[[瀬戸 (列車)|瀬戸]]」([[東京駅]] - [[高松駅 (香川県)|高松駅]])と「[[出雲 (列車)|出雲2・3号]]」(東京駅 - [[出雲市駅]])<ref name="izumo">なお、本系列車両登場時点で「出雲」は[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]所有車両で運行されていた1・4号とJR西日本所有車両による2・3号が運行されていた。[[出雲_(列車)|こちら]]も参照されたいが、編成構成・仕様が大幅に異なる。</ref>の2列車が対象として選ばれ、[[1996年]]末に本形式の開発が決定され<ref name="RF446_12">[[#鉄道ファン446|『鉄道ファン』通巻446号、p.12]]</ref>、[[1997年]][[6月20日]]にJR西日本・JR東海両社から共同プレスリリースが出された<ref>[http://web.archive.org/web/19980205233229/www.westjr.co.jp/new/1press/n970620a.html 新型特急寝台電車の新製について]([[インターネットアーカイブ]])- 西日本旅客鉄道プレスリリース 1997年6月20日</ref>。
 
 
 
開発に際しては、「瀬戸」「出雲」の客車を保有するJR西日本の主導で行われたが、JR東海についても自社線内を通過する高単価客増加による収益増が期待できること、電車化に伴い自社管内で運行する客車列車を減らせること(電車と電気機関車とでは[[動力車操縦者]]免許は同一だが、運転操縦方法が異なるため別個の社内養成が必要となる)等のメリットがあることから、両社による共同開発・共同保有の体裁が取られた。製造は[[川崎重工業車両カンパニー|川崎重工業]]・[[近畿車輛]]・[[日本車輌製造]]が受注。基本設計は[[剣持勇]]デザイン研究所、内装設計は[[ミサワホーム]]が参画した<ref>[[#寝台車の世界2017|285系特急型直流寝台電車開発秘話、pp.62-63。]]</ref>。
 
 
 
「'''サンライズエクスプレス'''」の[[鉄道の車両愛称|愛称]]が「さわやかな朝、新しい一日のはじまり」というイメージで命名され、夜をイメージした従前のブルートレインとは一線を画する明るい外観デザインとなった。
 
 
 
1998年に[[グッドデザイン賞|グッドデザイン]]金賞<ref>[http://web.archive.org/web/19991014003855/http://www.westjr.co.jp/kou/press/4press/n981030a.html 「サンライズエクスプレス」のグッドデザイン金賞受賞について](インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 1998年10月30日</ref>、[[ブルネル賞|ブルネル奨励賞]]を受賞、[[1999年]]に第42回[[鉄道友の会]][[ブルーリボン賞 (鉄道)|ブルーリボン賞]]をそれぞれ受賞している。
 
 
 
営業最高速度は130km/hで<ref name="RF446_20">[[#鉄道ファン446|『鉄道ファン』通巻446号、p.20]]</ref>、寝台列車としては導入時より[[交通に関する日本一の一覧#鉄道|日本最速]]であった。なお、[[速度種別]]はA5(10[[パーミル]][[均衡速度]]105km/h)である。
 
 
 
== 構造 ==
 
=== 車体 ===
 
車体長は21,240/20,800mm(先頭車/中間車)、全長は21,670/21,300mm(先頭車/中間車)、車体幅は2,935mm、21m級車体の鋼製である<ref name="RF446_20" />。一般的に鉄道車両の製造は、車体 → 艤装の順序で行われるが、個室寝台主体の本系列では仕切り壁が多く一般的な順序を採用した場合は工期および製造コストの増大が予想されたため、機器や配線などを予め車外で[[モジュール化]]しておき、個室を組み上げるパネル工法が採用された。この工法では、高精度のパネルを効率的に生産して供給できることと、従来の鉄道車両には無かった温もりのある空間デザインを演出する高品質な素材を求めた結果、ミサワホームの内装材「M-Wood(エムウッド)」が多用されている。これは木材と樹脂との複合素材で、水や汚れに強く、車両の不燃性基準も満たしている<ref name="asahi20080614"/>。
 
 
 
個室寝台を主体としつつ一定の定員を確保するため[[2階建車両|2階建]]構造を基本とするが、3・5・10・12号車は主電動機、車両制御装置などの電装品を床下に搭載する[[動力車|電動車]]であることから、通常の平屋構造である。
 
 
 
[[方向幕|行先表示機]]は字幕式のものが各車両の片側に1か所(1両に左右計2か所)設置されている。[[警笛]]は、AW-5型空気笛に加え、<!-- [[JR西日本681系電車|681系]]と同じ[[メロディ|旋律]]の -->[[警笛#西日本旅客鉄道(JR西日本)|ミュージックホーン]]を備えている。JR東海の保有する鉄道車両でミュージックホーンを搭載しているのは、JR西日本と同一仕様で製作されたこの285系のみである。
 
 
 
==== 車体塗色 ====
 
{|class=wikitable rules=all style="float:right; margin:1em;"
 
|+ 車体塗装
 
!色
 
!色の名称
 
!色の意味
 
|-
 
|style="background-color:#ff0000; width:2em,"|&nbsp;
 
|Morning Glow Red
 
|朝焼けの高貴な赤色
 
|-
 
|style="background-color:#f5f5dc; width:2em,"|&nbsp;
 
|Morning Mist Beige
 
|朝靄の印象のベージュ色
 
|-
 
|style="background-color:#daa520; width:2em,"|&nbsp;
 
|Sun Rise Gold
 
|日の出の地平線をイメージした金色
 
|}
 
外装は、[[夜]]をイメージした従来の[[ブルートレイン (日本)|ブルートレイン]]と異なり、[[明け方|夜明け]]をイメージしたベージュと赤の塗り分けとなり、両色の境に金線が配されている<ref>[http://web.archive.org/web/19980205231251/www.westjr.co.jp/new/1press/n971224a.html 新しい寝台特急電車のカラープラン決定について] (インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 1997年12月24日</ref>。また、先頭車前面と側面の数箇所に昇る[[太陽]]をイメージした「SUNRISE EXPRESS」の[[ロゴタイプ|ロゴマーク]]が表示されている。
 
 
 
==== 主要機器 ====
 
;機器艤装・性能
 
スピードアップを図るため、寝台車としては583系以来の電車方式を採用した。[[MT比]] 2M5T の7両編成を組み、電動車である3号車と5号車をのぞく5両が[[2階建車両|2階建て]]の[[付随車]] (T) である。システムについては、1M2T を基本単位とする[[JR西日本681系電車|681系]]以来のJR西日本方式を踏襲しているが、編成全体では付随車が1両増加となっている。これは一般の昼行用旅客車両と異なり定員乗車が原則で、編成単位の定員も158人と少なく、走行性能面で乗客の多寡による荷重変動をほぼ考慮せずに済んだ結果、増結余力が得られたためである。このため編成内の電動車比が極めて低い組成でありながら、急勾配路線である[[伯備線]]での運用を可能としている。
 
 
 
;電源・制御機器
 
{{Sound|JR central 285series sunrise seto & sunrise izumo mohane285-3201 yokohama.ogg|モハネ285-3201の走行音(5031M~9031M サンライズ瀬戸 サンライズ出雲 、5号車)|(東海道本線東京-横浜間、1999年7月20日)}}
 
電動車両には車両制御装置<ref>[[可変電圧可変周波数制御|主回路用インバータ]](VVVF制御装置)と[[静止形インバータ|補助電源用静止形インバータ]](CVCF装置)を一体化したもの</ref> WPC9 を搭載する<ref name="RF446_16">[[#鉄道ファン446|『鉄道ファン』通巻446号、p.16]]</ref>。主回路部は[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]素子によるPWMインバータ1基で1基の電動機を制御する、いわゆる1C1M構成のVVVFインバータを搭載する<ref name="RF446_17">[[#鉄道ファン446|『鉄道ファン』通巻446号、p.17]]</ref>。JR西日本の車両としては初めてベクトル制御を採用し、粘着の向上による力行時の空転・滑走防止を図っている<ref name="RF446_17" />。補助電源部は130 kVA の容量を有しており、主回路部と同じくIGBT素子を用いたPWMインバータをCVCF制御している。なお、サービス用の電源に関しては使用量が多いことから、車両制御装置とは別に定格容量130kVAの補助電源装置 WSC35 も編成中に2台搭載している<ref name="RF446_17" /><ref name="RF446_20" />。給電区画は、車両制御装置が1 - 3・5 - 7号車の三相電源、補助電源装置が編成全体の低圧電源と4号車の三相電源となっている<ref name="RF446_17" />。補助電源部の故障に備え、車両制御装置に関しては主回路用インバータをCVCF制御することで対応する<ref name="RF446_17" />。補助電源装置に関しては通常1台のみを使用し、故障が発生した場合にもう一方の系統がバックアップとして機能するようになっている<ref name="RF446_17" />。
 
 
 
電動空気[[圧縮機]]は振動・騒音に対する配慮から、JR東海で[[JR東海373系電車|373系]]や[[JR東海383系電車|383系]]において実績のあるスクロール式 WMH3097-WR1500 がモハネ285形に1基搭載されている<ref name="RF446_18">[[#鉄道ファン446|『鉄道ファン』通巻446号、p.18]]</ref><ref name="RF446_20" />JR西日本が発注した車両としては初採用である。
 
 
 
;集電装置
 
集電装置は、電磁カギ外し装置を備えたバネ上昇・空気下降式シングルアーム型[[集電装置#パンタグラフ|パンタグラフ]] WPS28A が採用された<ref name="RF446_20" />。モハネ285形に1基搭載され、[[予讃線]]の[[愛媛県]]乗り入れ対策(狭小トンネル通過対策)および増設の準備工事もされており、後述のリニューアルを施行した編成は増設を完了している。ただし、JR東海の狭小トンネル通過対策車([[身延線]]乗り入れ可能車)に表記されている◆マークはない。また、[[回生失効]]時に備えた[[発電ブレーキ]]用の[[抵抗器]]およびブレーキチョッパ装置も搭載され、架線電圧が1,700V以下では回生ブレーキのみの動作となるが、1,700V以上では発電ブレーキと回生ブレーキの併用、1,775V以上では発電ブレーキ単独での作用するようになっている<ref name="shuryo">{{PDFlink|[https://web.archive.org/web/20130106005250/http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/report/03-3-3.pdf 鉄道事故調査報告書 - 西日本旅客鉄道株式会社山陰線出雲市駅構内列車火災事故]}}(航空・鉄道事故調査委員会、2003年6月27日付、インターネット・アーカイブ)</ref>。
 
 
 
;台車
 
[[鉄道車両の台車|台車]]は、223系1000番台をベースにした[[蛇行動#ヨーダンパ|ヨーダンパ]]付き[[ボルスタレス台車]]で<ref name="RF446_19">[[#鉄道ファン446|『鉄道ファン』通巻446号、p.19]]</ref>、電動台車が WDT58、付随台車が WTR242 である<ref name="RF446_20" />。軸距が2,100mm、車輪径は860mmである<ref name="RF446_20" />。基礎ブレーキは、電動台車が[[踏面ブレーキ|踏面片押しユニットブレーキ]]、付随台車が1軸あたり1枚の[[ディスクブレーキ]]・踏面片押しユニットブレーキの併用である<ref name="RF446_20" />。
 
 
 
乗り心地に配慮してヨーダンパとアンチローリング装置を、勾配線区での走行に備えてWDT58の1軸および4軸<ref>各電動車両の車端寄りの車軸</ref>には砂撒き装置を備えている<ref name="RF446_19" /><ref name="RF446_20" />。
 
 
 
[[主電動機]]は、1時間定格出力220kWの[[かご形三相誘導電動機]] WMT102A が採用されている<ref name="RF446_20" />。
 
 
 
=== 車内 ===
 
{{Double image stack|right|285 single dx 03.jpg|285 single dx 02.jpg|160|上)車内のご案内<br>下)操作パネル}}
 
[[航空機]]や[[高速バス]]などの競合交通機関と差別化を図り、魅力ある移動環境を提供するため「快適な乗り心地」と「個室化によるプライバシー」を重視した<ref name="asahi20080614">{{Cite news |date=2008年6月14日 |url=http://www.asahi.com/kansai/travel/ensen/OSK200806140015.html |title=「走る家」おはよう大山 サンライズ出雲 |publisher=[[朝日新聞社]] |newspaper=[[朝日新聞]]デジタル |accessdate=2018年4月2日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20080618202134/http://www.asahi.com/kansai/travel/ensen/OSK200806140015.html |archivedate=2008年6月18日}}</ref>。本系列はそれを実現するために編成中の多くの車両を2階建車両とすることにより、頭上スペースを十分に確保した個室寝台を中心に構成した。設備を寝台・座席兼用として昼夜兼行の効率的な運用を狙った581系・583系に比し、本系列はあくまで寝台専用の設計であることが最大の特徴である。
 
 
 
この結果、寝台の大半をB寝台個室「シングル」が占めている。客室は1 - 2人用の個室寝台を中心とした5タイプに分類され、個室については各扉に設けられた暗証番号テンキーによって乗客自身が施錠することができる。このほか、[[座席指定券]]で乗車できる「'''ノビノビ座席'''」も用意されている。
 
 
 
各個室共通のサービスとして、以下の設備類が全室に用意されている。
 
* 個別空調、照明スイッチ、時計(アラーム機能付)、コンセント、BGM放送装置([[NHK-FM放送]]を聴取可能。「ソロ」を除きスピーカー付)、非常通報ボタン
 
* コップ、ハンガー、スリッパ(ソロを除く)
 
* 枕、シーツ、掛け布団、浴衣
 
 
 
{| class="wikitable" style="text-align:center;"
 
|+ ベッド幅 (mm)
 
! シングルデラックス
 
! サンライズツイン
 
! シングル
 
! シングルツイン
 
! ソロ
 
! ノビノビ座席
 
|-
 
| 850
 
| 607 - 750
 
| 600 - 700
 
| 600 - 700
 
| 560 - 700
 
| 820
 
|}
 
 
 
なお、本節では「瀬戸」・「出雲2・3号」を含めた登場時に運行されていた列車に使用されていた車両設備に言及する記述がある。
 
 
 
==== シングルデラックス ====
 
[[ファイル:サンライズシングルデラックス室内.jpg|thumb|1名用A寝台1個室 シングルデラックス(液晶テレビ装備時)]]
 
4号車と11号車の2階部分にそれぞれ6室(うち禁煙室3室)ある1名用[[A寝台]]個室である。
 
 
 
2階建でかつ通路を除く車体幅全てを使用するという空間的余裕を生かし、日本の個室寝台車では稀な大型デスク、洗面台を備えており、レール方向に配置されたシングルベッドの幅(850mm)も最大級である。運行開始時には[[薄型テレビ|小型液晶テレビ]]が設置され、[[衛星放送]]([[NHK BS1]]・[[NHK衛星第2テレビジョン|BS2]]および[[WOWOW]])が受信可能であったが、[[BSデジタル放送]]への移行を待たず[[2010年]]3月をもって撤去され、現存しない<ref>{{Cite web |website=JRおでかけネット |url=http://www.jr-odekake.net/train/sunriseseto_izumo/accommo_sub_01.html |title=車内案内│サンライズ瀬戸・出雲 285系 |publisher=西日本旅客鉄道 |accessdate=2018年3月31日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160602012501/http://www.jr-odekake.net/train/sunriseseto_izumo/accommo_sub_01.html |archivedate=2016-06-02 |deadlinkdate=2018年3月}}</ref>。
 
 
 
[[シャワー]]は同じ車両内にシングルデラックス利用客専用のシャワールームがあり、無料で使用できる。[[改札#車内改札|車内改札]]の際に[[車掌]]から渡される利用カードを挿入して使用する。なお、3号車・10号車にある全乗客共通のシャワールームも利用可能。また、専用の[[アメニティ|アメニティグッズ]]も用意されているなど<ref name="giga20090513">[http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090513_sunrize_seto/ ちょっとしたシティホテル気分、サンライズ瀬戸・出雲の最高級個室シングルデラックスに乗ってみた] - [[GIGAZINE]] 2009年5月13日</ref>、[[ホテル#ビジネスホテル|ビジネスホテル]]に迫る設備と広い室内空間を確保しながら、[[寝台券|寝台料金]]は'''13,730円'''に設定されている。
 
 
 
このような値ごろ感と1編成に6室しかないなどの理由から、予約が難しいほどの人気を得ており<ref name="asahi20080614"/>、閑散期でもかなりの稼働率がある。
 
 
 
なお、「瀬戸」・「出雲2・3号」<ref>「出雲」の場合、本系列登場前の1998年時点で1・4号、2・3号ともにA個室寝台シングルデラックスが設定されていたが、使用車種の違いから設備・定員の差異があった。[[国鉄24系客車#国鉄時代]]、[[国鉄14系客車#「出雲3・2号」用グレードアップ改造車]]も参照されたい。</ref>でも設定されていた。
 
 
 
<gallery widths="90">
 
File:285 single dx 01.JPG|操作パネルと窓
 
</gallery>
 
 
 
==== サンライズツイン ====
 
4号車と11号車の1階部分にそれぞれ4室(うち禁煙室2室)ある2名用[[B寝台]]個室である。
 
 
 
前述のシングルデラックス下段階にほぼ同じ広さの空間にツインベッドを備えている。設備自体は「[[北斗星 (列車)|北斗星]]」の「デュエット」下段室タイプに類似するが、ベッドがレール方向に設置されているのが独特である。
 
 
 
2階建構造の車両であるためベッド部も天井の高さは変わらず、広々としており圧迫感がない。1室の寝台料金は'''15,120円'''である。
 
 
 
==== シングルツイン ====
 
[[ファイル:JRW series285 Single Twin.JPG|thumb|(B寝台1名or2名用)個室 シングルツイン]]
 
1・2・6・7号車号車の車端部に合計8室、8・9・13・14号車の車端部にも同様に合計8室ある1名用B寝台個室。2・9号車の1室は[[車椅子]]での利用にも対応した構造となっている。
 
 
 
シングルベッドが上下段に配置された2段ベッド構造。1室の寝台料金は1名利用のときは'''9,430円'''、2名利用のときは'''14,830円'''である。購入時に1名利用か2名利用かを同時に指定する。1名用としても2名用としても使用可能なことから、「シングルツイン」という名称が付けられている。また、下段ベッドの中央部が外せるようになっており、折り畳み式のテーブルを挟んだ2名分の座席としても使用できる。同様の個室は「出雲2・3号」や「[[トワイライトエクスプレス]]」にも存在した。ただ、[[国鉄14系客車#「出雲3・2号」用グレードアップ改造車|14系客車]](出雲2・3号)や[[国鉄24系客車#「トワイライトエクスプレス」改造車|24系客車]](トワイライトエクスプレス)と同型個室と比べると、2階部分にも窓が設置されており開放感がある''(写真参照)''。
 
{{-}}
 
 
 
==== シングル ====
 
[[ファイル:Jr285 single.jpg|thumb|180px|B寝台1人用個室 シングル(上段)]]
 
[[ファイル:JRW 285 Sunrise Express Single 3.jpg|thumb|180px|B寝台1人用個室 シングル(下段)]]
 
1・2・5 - 7号車に合計80室、8・9・12 - 14号車にも同様に合計80室ある1名用B寝台個室。本列車で最も室数が多いスタンダードタイプの個室である。
 
 
 
従来の開放式A寝台とほぼ同じ占有面積と広い頭上空間を備えた個室で、寝台料金は'''7,560円'''と通常の開放式B寝台や後述するB個室「ソロ」よりも1,080円高額であるが、旧来の開放式A寝台と比べると2,250円から3,240円安価な料金設定となっている。ただし、床面積は開放式A寝台と同等ではあるものの、室内に靴を脱ぐためのスペースがあり、寝台幅自体は従来のB寝台と同じ最大700mmである。
 
 
 
ベッドは窓と平行に設置されており、個室入口側を足元にして寝る。個室入口近くの壁には細長いテーブルがあるほか、縦長の鏡が設置され、姿見として利用できる。
 
 
 
2階建構造のため個室内は完全に直立できるだけの高さがあるが、テーブルの幅は概ね10cm程度と細く、ほかには寝台横に細幅の台があるのみで荷物棚の類がない一方、床が露出しているのは靴を脱ぐためのスペースだけであるため、旅行などで大きめの荷物を持ち込む際には注意が必要である。なお、客室は上段・下段・平屋室があり、天井高や寝台横の台などの寸法が若干違っているが、ベッドの大きさは全て同じである。
 
 
 
<gallery widths="90">
 
ファイル:JRW 285 Sunrise Express Single 1.jpg|シングル(下段)
 
ファイル:JRW 285 Sunrise Express Single 2.jpg|シングル(下段)
 
</gallery>
 
 
 
==== ソロ ====
 
[[ファイル:サンライズ ソロ上段.JPG|thumb|180px|B寝台1人用個室 ソロ(上段)]]
 
3・10号車に20部屋ずつあるB寝台一人用個室。「北斗星」・「[[あけぼの_(列車)|あけぼの]]」など、他列車の「ソロ」と同じく通常のB寝台料金('''6,480円''')で利用できる。
 
 
 
3・10号車は[[動力車|電動車]]であり、モーターなどの電装品を床下に搭載する必要があることから、2階建ではなく通常の平屋構造とされた。このため、平屋に上下段個室が2段に配置されており、通路は上段室・下段室共に同一階の車両中央にある。下段室へは平行移動のみで入れるが、上段室へは個室内に3段の階段がある。個室内で直立できる場所は、上段室では入口の階段部、下段室では同じく入口部分の僅かなスペースのみである。
 
 
 
「[[あかつき (列車)|あかつき]]」用の[[国鉄14系客車#「あかつき」用B個室寝台車|オハネ15形式350番台]]に類似するが、上段室と下段室を若干ずらして直立スペースや階段スペースを確保していた「あかつき」よりも個室のレール方向の寸法が短くなっているため、個室の奥側が上段室は下段室の直立スペース、下段室は上段室の階段スペースが干渉して狭くなっている。このためシングルと異なり、ベッド幅が広い個室入口側のほうを頭にして寝る。
 
 
 
上段室は下段室の直立スペースの真上に荷物置き場があるが、高さが低いので大きめの荷物は収納できないことがある。一方、下段室は荷物棚の類がまったくなく、床が露出しているのは靴を脱ぐためのスペースだけであるため、大きめの荷物を持ち込む際には注意が必要である。なお、どちらも窓の下に細いテーブル状の台がある。
 
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ファイル:サンライズ ソロ下段.JPG|ソロ(下段)
 
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==== ノビノビ座席 ====
 
5・12号車に28席ずつ存在する開放型寝台に似た[[普通車 (鉄道車両)|普通車]][[座席指定席]]で、指定席特急料金のみで利用でき寝台料金は不要。
 
 
 
二段構造の[[絨毯|カーペット]]敷きとなっており、頭が来る部分の左右に隣と仕切る壁に読書灯が設置されており、1名当たり1畳分程度のスペースで区分されている。通路との間にカーテンがあるが、隣と仕切るカーテンはない。横になった際に頭が来る部分の天井に空調の吹出口があり、風量は個別に変えられる。
 
 
 
掛布団が備え付けられているのみで、枕やシーツの類はない。
 
 
 
<gallery>
 
ファイル:JRW series285 'Nobinobi Seat' (Upper section).JPG|普通車指定席 ノビノビ座席(上段)
 
ファイル:JRW series285 'Nobinobi Seat' (Lower berth).JPG|普通車指定席 ノビノビ座席(下段)
 
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==== 共用設備 ・その他設備====
 
; シャワー室
 
: 3・4・10・11号車に1か所ずつあり、脱衣室とシャワー室・機械室で構成されている。脱衣室内の操作盤に車内で購入したシャワーカードを挿入することで利用できる。
 
: シャワーの設備自体はいずれも共通で、1回の利用で最大6分間の出湯が可能。シャワー室内には[[石鹸|ボディソープ]]と[[リンス]]イン[[シャンプー]]が備え付けられているが、[[タオル]]は備え付けられておらず車内販売も無い(「シングルデラックス」利用客に限っては個室内に備え付けのアメニティグッズにハンドタオルが含まれている)。脱衣室にはドライヤーが設置されているほか、次の利用客へ配慮として利用後に操作盤の「シャワールーム洗浄ボタン」を押すことでシャワー室内に残った水分を高圧空気で除去する装置も設けられている<ref name="RF446_15">[[#鉄道ファン446|『鉄道ファン』通巻446号、p.15]]</ref>。
 
:
 
; 洗面所・トイレ
 
: 各号車に共用の洗面所とトイレが設置されている。
 
:
 
; ミニラウンジ
 
: 3・10号車に1か所ずつあり、海側と山側に向いた固定された8つの座席が設けられている。
 
:
 
; 飲料自動販売機
 
: 3・5・10・12号車に1台ずつ設置されている。
 
:
 
; シャワーカード自動販売機
 
: 3・10号車に1台ずつ、[[テレホンカード]]専用の[[列車電話|公衆電話]]ブース跡(公衆電話は2010年3月を以って撤去)に設置されている。なお、シャワーカードは当初車掌が販売していた。
 
 
 
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ファイル:JRW_series285_Lounge.JPG|ミニラウンジ
 
File:Sunrise seto coin.jpg|ミニラウンジ内 シャワーカードの自動券売機
 
File:Sunrise seto-bath.jpg|脱衣室内の操作盤とドライヤー
 
ファイル:285系特急型電車 シャワー室.jpg|シャワー室の内部
 
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== 編成・形式および車種 ==
 
; クハネ285形0・3000番台 (T<small>NWC</small>, T<small>NWC'</small>)
 
: 1・7・8・14号車に位置する貫通型制御付随車。「シングル」19室、「シングルツイン」1室、運転台(車両番号奇数は東京向き、偶数は高松・出雲市向き)などを備えている。
 
; サハネ285形200・3200番台 (T<small>NW2</small>)
 
: 2・9号車に位置する中間付随車。「シングル」20室、「シングルツイン」3室などを備えている。
 
; モハネ285形0・3000番台 (M<small>N</small>)
 
: 3・10号車に位置する中間電動車。「ソロ」20室のほか、シャワー室・ラウンジ・自動販売機・業務用室・集電装置・補助電源装置・空気圧縮機などを備えている。
 
; サロハネ285形0・3000番台 (T<small>NWS</small>)
 
: 4・11号車に位置する中間付随車。「サンライズツイン」4室、「シングルデラックス」6室のほか、シャワー室などを備えている。
 
; モハネ285形200・3200番台 (M<small>N2</small>)
 
: 5・12号車に位置する中間電動車。「ノビノビ座席」28席、「シングル」2室のほか、自動販売機・車掌室・集電装置・補助電源装置・空気圧縮機などを備えている。
 
; サハネ285形0・3000番台 (T<small>NW</small>)
 
: 6・13号車に位置する中間付随車。「シングル」20室、「シングルツイン」3室などを備えている。
 
 
 
JR西日本の所有車両は0番台、JR東海の所有車両は3000番台を称している。車両機器・性能は同一であるが、車両番号の書体に違いがあり、JR西日本所有車は[[ゴナ]]または[[新ゴ]]に対し、JR東海所有車は国鉄時代からのスミ丸ゴシックとなっている。
 
 
 
{| class="wikitable" style="text-align:center;"
 
|+ 編成
 
|&nbsp;
 
|colspan="7"|{{TrainDirection|出雲市/高松|東京}}
 
|-style="text-align:center;"
 
!号車
 
!1・8
 
!2・9
 
!3・10
 
!4・11
 
!5・12
 
!6・13
 
!7・14
 
|-
 
!形式
 
|クハネ285形<br />0・3000番台
 
|サハネ285形<br />200・3200番台
 
|モハネ285形<br />0・3000番台
 
|サロハネ285形<br />0・3000番台
 
|モハネ285形<br />200・3200番台
 
|サハネ285形<br />0・3000番台
 
|クハネ285形<br />0・3000番台
 
|}
 
<gallery>
 
ファイル:JRW series285 TNWC' 285.JPG|クハネ285形(JR東海車)
 
ファイル:JRW series285 TNW2 285.JPG|サハネ285形(JR東海車)
 
ファイル:JRW series285 MN 285.JPG|モハネ285形(JR東海車)
 
ファイル:JRW series285 TNWS 285.JPG|サロハネ285形(JR東海車)
 
ファイル:JRW series285 MN2 285.JPG|モハネ285形(JR東海車)
 
ファイル:JRW series285 TNW 285.JPG|サハネ285形(JR東海車)
 
ファイル:JRW series285 TBWC 285.JPG|クハネ285形(JR東海車)
 
</gallery>
 
 
 
== リニューアル ==
 
[[2014年]]よりI3編成を皮切りに順次リニューアル工事が開始され<ref>[[鉄道ダイヤ情報]]2014年4月号{{要ページ番号|date=2016年8月}}</ref>、[[2016年]]8月にJR東海所属編成を含めた全編成への施工を完了した<ref>{{Cite web |work=[[鉄道ファン (雑誌)|railf.jp(鉄道ニュース)]] |date=2016-8-15 |url=http://railf.jp/news/2016/08/15/201500.html |title=285系全編成の体質改善工事が完了 | publisher=[[交友社]] |accessdate=2016-8-15}}</ref>。
 
主な工事内容は下記のとおり。
 
 
 
'''車両外観'''
 
* 電動車にパンタグラフを増設
 
* 乗降扉部のステップを拡大
 
* LED号車表示の視認性を向上
 
 
 
'''車内設備'''
 
* 床材、カーペット及び室内木板の張替え
 
* 個室内のオーディオパネルを更新
 
* シングルデラックス個室内の椅子を更新
 
* 全ての和式便所を洋式化
 
* 自動放送装置の設置
 
 
 
== 配置区所と車両運用 ==
 
[[ファイル:285 tamachi 01.jpg|thumb|日中、品川駅・旧白金群線に留置されている285系]]
 
5編成35両が製造され、2018年4月1日時点では0番台の3編成21両(I1 - I3編成)がJR西日本[[後藤総合車両所]]に所属([[後藤総合車両所#出雲支所|出雲支所]]配置)<ref name="rf_201807 配置_西日本">[[交友社]]『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』2018年7月号 「JR車両ファイル2018 JR旅客会社の車両配置表」p.21 - p.28</ref>、3000番台の2編成14両(I4 - I5編成)はJR東海[[大垣車両区]]に所属(書類上の担当工場は[[東海旅客鉄道名古屋工場|名古屋工場]])している<ref name="rf_201807 配置_東海">[[交友社]]『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』2018年7月号 「JR車両ファイル2018 JR旅客会社の車両配置表」 p.18 - p.21</ref>。ただし、3000番台の管理もJR西日本に委託されており、JR西日本後藤総合車両所出雲支所を拠点に0番台・3000番台の区別無く共通運用されている。
 
 
 
[[1998年]][[7月10日]]より[[東京駅]] - [[高松駅 (香川県)|高松駅]]間「[[瀬戸 (列車)|サンライズ瀬戸]]」および東京駅 - [[出雲市駅]]間「[[出雲 (列車)|サンライズ出雲]]」として運用を開始<ref>{{Cite news |title=JR7社14年のあゆみ |newspaper=[[交通新聞]] |publisher=交通新聞社 |date=2001-04-02 |page=9 }}</ref>。両列車は、東京駅 - [[岡山駅]]間は併結運転となる。併結区間では上下列車とも「サンライズ瀬戸」編成が常に前部に組成され、出雲市駅 → 東京駅 → 高松駅 → 東京駅 → 出雲市駅のサイクルで4編成が運用されている(そのため、上り「サンライズ瀬戸」か「サンライズ出雲」が運休すると、翌日の下り「サンライズ瀬戸」か「サンライズ出雲」が運休となる)。上り列車は東京駅到着後、[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)[[東京総合車両センター]]田町センター([[品川駅]]・札の辻群線)へ回送されて点検・整備を行い、当日夜の折返し東京発まで同電留線に留置される。
 
 
 
「サンライズ瀬戸」は多客期に延長運転されることがあり、[[1999年]]7月から[[2009年]]8月までは高松駅 - [[松山駅 (愛媛県)|松山駅]]間で延長運転されていた<ref>{{Cite press release |title=夏の臨時列車のお知らせ 〜ふるさと四国で夏まつり〜 |publisher=四国旅客鉄道 |date=2009-05-15 |url=http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/09-05-15/01.htm |archiveurl=http://web.archive.org/web/20090619100830/http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/09-05-15/01.htm |archivedate=2009-06-19 |accessdate=2017-03-14}}</ref>ほか、2014年度以降は下り列車のみ高松駅 → [[琴平駅]]間で延長運転が行われている。
 
 
 
このほか、予備の1編成を使用して、多客期には[[臨時列車]]として、1998年秋から[[2008年]]冬までは東京駅 - [[岡山駅]]・[[広島駅]]・[[下関駅]]間で「[[サンライズゆめ]]」を運行したほか、[[2014年]][[12月28日]]以降は東京駅 - 出雲市駅間で「サンライズ出雲91・92号」を運行している。
 
 
 
営業運転開始前の1998年[[5月13日]]に、[[電気機関車]]牽引を想定した性能試験が行われ、[[電源車]]である[[国鉄24系客車|カニ24]]と無動力の285系7両を併結した編成を、[[下関総合車両所|下関車両管理室]]の[[国鉄EF65形電気機関車|EF65形電気機関車]]が[[宮原総合運転所|宮原操車場]] - [[岡山駅]]間において牽引した。この試験で285系のサービス機器用電源はカニ24からの供給によってまかなわれた<ref>『[[鉄道ジャーナル]]』1998年10月号 p.41,[[鉄道ジャーナル社]]</ref>。ただし、試験、営業列車共に九州方面への直通列車が設定された実績はない。
 
 
 
<gallery>
 
File:JR West 285 sunrise express test run 98-5-14.jpg|[[予讃線]]を走行する「サンライズエクスプレス」試運転<br />(1998年5月14日 [[鬼無駅]] - [[端岡駅]]間)
 
ファイル:JRW Sunrise Izumo.jpg|[[伯備線]]を走行する「サンライズ出雲」<br />(2009年5月3日 [[備中川面駅]] - [[方谷駅]]間)
 
ファイル:285 seto.jpg|[[本四備讃線]]([[瀬戸大橋線]])を走行する「サンライズ瀬戸」<br />(2009年5月3日 [[茶屋町駅]])
 
File:Jr 285 undocking Okayama 20130331.jpg|[[岡山駅]]での切り離し作業<br />(2013年3月31日 [[岡山駅]])
 
File:Sunrise seto201508.jpg|サンライズ瀬戸とサンライズ出雲との連結作業。岡山駅にて
 
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== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* {{Cite journal|和書|author=中本和男 |year=1998 |month=6 |title=JR西日本・JR東海285系特急形直流電車 |journal=[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]] |issue=446 |pages= 10 - 21 |publisher=[[交友社]] |ref = 鉄道ファン446}}
 
* {{Cite book |和書|author=川辺謙一 |url=http://shop.kotsu.co.jp/shopdetail/000000002056/ |year=2017 |title=寝台車の世界 |publisher=交通新聞社 |pages=60-63,82-85 |isbn=978-4-330-75717-9|ref=寝台車の世界2017}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commons|Category:JR West/Central 285}}
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* {{外部リンク/JR西日本車両案内|sunriseseto_izumo|サンライズ出雲・瀬戸|285系}}
 
* [http://railway.jr-central.co.jp/train/express/detail_02_05/index.html JR東海車両図鑑「285系」] - 東海旅客鉄道
 
* [http://www.khi.co.jp/rs/product/detail/jrw285.html JR西日本285系寝台特急形電車 JR西日本殿向] - 川崎重工業車両カンパニー
 
* [http://www.n-sharyo.co.jp/business/tetsudo/pages/jrc285.htm JR東海285系寝台特急電車「サンライズエクスプレス」] - 日本車両製造
 
 
 
{{JR西日本の車両リスト}}
 
{{JR東海の車両リスト}}
 
{{ブルーリボン賞選定車両一覧}}
 
 
 
{{リダイレクトの所属カテゴリ
 
|redirect1=JR東海285系電車
 
|1-1=東海旅客鉄道の電車
 
}}
 
{{デフォルトソート:しえいああるにしにほん285けいてんしや}}
 
[[Category:西日本旅客鉄道の電車|285]]
 
[[Category:1998年製の鉄道車両]]
 
[[Category:日本車輌製造製の電車]]
 
[[Category:川崎重工業製の電車]]
 
[[Category:近畿車輛製の電車]]
 
[[Category:2階建の鉄道車両]]
 
[[Category:グッドデザイン賞]]
 
[[Category:ミサワホーム|内しえいああるにしにほん285けいてんしや]]
 

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