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『'''魔界転生'''』(まかいてんしょう)
『'''魔界転生'''』(まかいてんしょう)は、[[山田風太郎]]の伝奇小説、またそれを原作とした[[日本映画]]・演劇・[[オリジナルビデオ]]・[[アニメ]]・[[漫画]]・[[コンピュータゲーム|ゲーム]]。作中に登場する秘術の名でもある。
 
  
小説は『[[大阪新聞]]』に[[1964年]]12月から1965年2月まで連載された。当時の題名は『'''おぼろ忍法帖'''』(おぼろにんぽうちょう)。[[1967年]]に単行本化され、文庫は[[角川文庫]]・[[富士見書房|富士見]]時代小説文庫・[[講談社]]文庫から刊行されている。[[1981年]]、映画化の際に山田が改題した。
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山田風太郎の忍法小説。1964年(昭和39)から66年にかけて『大阪新聞』ほかに連載された。初出のときの題名は『おぼろ忍法帖(にんぽうちょう)』。由比正雪(ゆいしょうせつ)は奇怪な妖術(ようじゅつ)師と共謀して、すでに物故した剣豪、荒木又右衛門(またえもん)、田宮坊太郎、宮本武蔵(むさし)、柳生但馬守(やぎゅうたじまのかみ)、宝蔵院胤舜(いんしゅん)などをこの世に再生させ、紀伊大納言(だいなごん)頼宣(よりのぶ)を奉じて江戸幕府を倒さんものと画策する。正雪の野望の前に単身立ちはだかるのは隻眼の剣客、柳生十兵衛である。こうして日本の時代小説に欠くべからざるヒーローたちが、剣や槍(やり)をとって凄絶(せいぜつ)な死闘を展開する。SF的な発想とプロットの妙で、伝奇小説に新生面を開いた作者の忍法帖シリーズ中の代表作といえよう。
 
 
1981年の映画は主演:[[千葉真一]]・[[沢田研二]]、監督: [[深作欣二]]によって製作され、日本では観客動員数200万人・[[配給収入]]10億5000万円<ref name="配給収入">{{映連配給収入|1981}}</ref>、同年に『[[柳生十兵衛 魔界転生]]』のタイトルで演劇化もされた。
 
 
 
その後もオリジナルビデオ・アニメ・漫画・映画・演劇・ゲームと[[リメイク]]され、山田自身も一番好きな作品と語っており<ref name="角川・山田21">{{Cite journal |和書 |date = 1981-6-6 |title = あなたは魔界を信じますか? [[角川春樹]] 山田風太郎 特別対談 |journal = 魔界転生 |page = 21 |publisher = [[角川映画|角川春樹事務所]]・[[東映]] |format = [[小冊子|パンフレット]] |ref = 角川・山田 }}</ref>、その雄大な構想と奇抜な展開で、数多い『[[忍法帖シリーズ]]』の中でも最高傑作と云われている<ref name="解説">{{Cite journal |和書 |author = |date = 1981-6-6 |title = 解説 |journal = 魔界転生 |pages = 6 - 7 |publisher = 角川春樹事務所・東映 |format = パンフレット }}</ref>。
 
 
 
== 小説 ==
 
[[森宗意軒]]という怪老人と出会った[[由井正雪|由比正雪]]は、[[紀州藩|紀州]]の[[徳川頼宣]]とともに[[江戸幕府]]、将軍[[徳川家光]]の天下を奪わんとする企てを進めていた。森宗意軒は自らが編み出した忍法、“魔界転生”によって、[[剣豪]]たちを意のままになる部下として生まれ変わらせてゆく。これは人並みはずれた技量と、死の直前になっても自分の人生に悔いを残している強烈な生の欲求を持つ人間が、死の直前に心から愛しいと思う女と交わることにより、新たな肉体と生前より優れた技量を持って生まれ変わる忍法であった。
 
 
 
“魔界転生”で蘇る剣豪達は転生衆、あるいは魔界衆と呼ばれる。[[天草四郎|天草四郎時貞]]・[[荒木又右衛門]]、[[居合]]の[[田宮流|田宮坊太郎]]、[[宝蔵院流槍術]]の[[胤舜|宝蔵院胤舜]]、尾張[[柳生新陰流|柳生流]]の[[柳生兵庫助|柳生如雲斎]]、江戸柳生流の[[柳生宗矩]]、二天一流兵法の[[宮本武蔵]]ら名だたる剣豪たちが転生した。しかし、森宗意軒にはもう一人、どうしても魔界転生させたい男がいた。その男こそ[[柳生三厳|柳生十兵衛]]である。ところが十兵衛は宗意軒の意に反し、[[関口氏心|関口柔心]]の息子、[[関口氏暁|関口弥太郎]]などとともに転生衆と戦うことを選ぶ。
 
 
 
転生衆に倒された剣豪には、[[田宮重正|田宮平兵衛]]・関口柔心・[[木村友重|木村助九郎]]がおり、彼らの娘や孫娘を救う、仇をとるというのが十兵衛の動機の一つになっている。小説中では十兵衛が自分一人の力で敵を倒すことはほとんどなく、誰かしらの力を借りているのも特徴である。
 
 
 
天草四郎は映画第1作で敵方の総大将として描かれてから、後のリメイクされた映画・演劇・漫画でも踏襲された。しかし原作では、宗意軒の愛弟子ではあるものの転生衆の1人に過ぎず、中盤で十兵衛によって倒されている。
 
 
 
このように、本作を原作とした派生作品は1981年の映画第1作を契機に、[[とみ新蔵]]による漫画版や[[せがわまさき]]による『[[十 〜忍法魔界転生〜]]』などの例外を除き、'''派生作品のほとんどがストーリーも設定も山田風太郎の原作とほぼ別物になっている'''のも特色である。
 
 
 
=== 忍法“魔界転生” ===
 
森宗意軒が西洋の[[黒魔術]]と日本の忍法を混合させ編み出した秘術。宗意軒自身の手の指1本ずつを子宮に宿させた生贄の女性(忍体と呼ばれる)を素体に、死の淵に瀕した武芸者を新たな肉体を持った魔人として再誕させる秘術。
 
 
 
死の直前になっても自分の人生に悔いを残している、強烈な生の欲求を持つ武芸者を忍体と交合させる。すると忍体は武芸者そのものを身籠り、1か月弱の期間を経て母胎を溶かしながら成長を続け、やがて忍体を押し破り、新しい体を持った武芸者自身が生前と同一の姿で再生を遂げる。
 
 
 
魔界転生を遂げた人物は生前と同一の姿、同一の剣技を持ちながら、理性の箍が外れた残忍な人格に変貌し、元がどれほど慈愛ある人格者であっても破壊と陵辱の限りを尽くす魔人と化す。小説における転生衆の顔ぶれは、[[天草四郎|天草四郎時貞]]・[[荒木又右衛門]]・[[田宮流|田宮坊太郎]]・[[胤舜|宝蔵院胤舜]]・[[柳生兵庫助|柳生如雲斎]]・[[柳生宗矩]]・[[宮本武蔵]]の7名。これに加えて、未遂となった[[徳川頼宣]]、そして[[柳生三厳|柳生十兵衛]]、最後に[[森宗意軒]]自身の合計10名が、森宗意軒の10本の指と10人の忍体を介して魔界転生を果たす予定だった。
 
 
 
=== オマージュ・パロディ小説としての『魔界転生』 ===
 
小説『魔界転生』には、[[吉川英治]]『[[宮本武蔵 (小説)|宮本武蔵]]』、[[五味康祐]]『[[柳生武芸帳]]』などの先行する有名な剣豪小説、『[[寛永御前試合]]』ほか[[立川文庫]]の講談の[[オマージュ]]、[[パロディ]]要素がふんだんに盛り込まれていることが、数多くの文芸評論家、文学研究者によって解説されている。
 
 
 
特に本作の宮本武蔵に纏わる描写には、“吉川武蔵”のパロディ、オマージュとされる要素が多分に含まれている。
 
 
 
小説『魔界転生』は主人公・柳生十兵衛と最強にして最後の転生衆・宮本武蔵の舟島の決闘とその決着を描く最終章「魚歌水心」でフィナーレを迎えるが、この「魚歌水心」という章第は“吉川武蔵”最終巻、武蔵と[[佐々木小次郎]]の舟島の決闘とその決着を描く最終章「魚歌水心」と、章第や舞台の地名が同一、かつ勝者と敗者が“吉川武蔵”と完全に裏返しの構図になっている<ref name="kinema8106" />。
 
 
 
文芸評論家の[[細谷正充]]は『魔界転生』を「吉川英治の代表作への最高に皮肉で、最高に素晴らしいオマージュ」と評価している<ref>『風太郎忍法帖』(『文藝別冊 山田風太郎・綺想の歴史ロマン作家』2001年10月 河出書房新社</ref>。[[牧野悠]]は「柳生十兵衛が頭上から振り落とされる木剣ごと宮本武蔵を両断する趣向は、章題「魚歌水心」とともに、パロディの意図が明瞭である<ref>『昭和文学研究 第63集』p.26-37 「剣豪、もし闘わば〜山田風太郎「魔界転生」のマッチメイク」牧野悠 昭和文学会</ref>」と言及している。
 
 
 
また、『魔界転生』で武蔵が連れている弟子の少年「伊太郎」の名と立場が、“吉川武蔵”で武蔵が連れ歩いた2人の少年「伊織」と「城太郎」の名前を合体させパロディ化したものと指摘し、『魔界転生』の宮本武蔵は「(“吉川武蔵”で描かなかった)巌流島後の武蔵を語るところから始めた吉川版武蔵のパロディ」と指摘する論もある<ref name=”加瀬”>『武蔵文化論群 No.11』p.13 「武蔵を斬る十兵衛〜パロディとしての山田風太郎『魔界転生』」 加瀬健治</ref>。
 
 
 
ミステリー評論家、映画評論家の宅和宏([[瀬戸川猛資]]の別名義)は、本作の登場人物のうち荒木又右衛門と田宮坊太郎を[[立川文庫]]、宮本武蔵と宝蔵院胤舜を“吉川武蔵”、柳生但馬守宗矩と柳生兵庫介利厳を『柳生武芸帳』からの登場人物と紹介し<ref name="kinema8106">『キネマ旬報』 (通号 812)1981年6月1日号 p58-60「風太郎忍法帖―ゲームの規則」(「魔界転生」〈特集〉</ref>、パロディの中でもいわゆるドリームマッチ物、当世風に言えば[[クロスオーバー]]、[[二次創作]]の分類で『魔界転生』を解説している。宅は「そう、これは剣豪小説のパロディなのです。それもかなり上質のもので、柳生の高弟の木村助九郎や田宮平兵衛が七人と対決するくだりは『柳生武芸帳』の五味康祐の文体にそっくり、ラストの船島での十兵衛と武蔵の決闘は吉川『武蔵』の有名なクライマックスに瓜二つでしかも完全な裏がえし、とくるのだからケタケタ笑ってしまう<ref name="kinema8106" />」と、『魔界転生』本文には既存作品の展開の踏襲・キャラクターや章題のネーミング被せなどのわかかりやすいオマージュのみならず、文体模写などの高度なテクニックが含まれることを指摘し、『魔界転生』のパロディ要素を大いに賞賛している。
 
 
 
『魔界転生』に先行する著名剣豪集合作品に、講談『[[寛永御前試合]]』([[1895年]]、求光閣)を背景にした[[柴田錬三郎]]『赤い影法師』(『魔界転生』と共通する剣豪は柳生十兵衛、柳生但馬守、柳生兵庫介(如雲斎)、宮本武蔵、荒木又右衛門)が挙げられる<ref name=”加瀬” />。また『寛永御前試合』に見られる[[由比正雪]]と柳生十兵衛の対決というモチーフは、『魔界転生』でも拾われている<ref name=”加瀬”/>。
 
 
 
=== 後世への影響 ===
 
前述の通り剣豪小説パロディの側面を持って誕生した<ref name="kinema8106" />『魔界転生』であるが、[[高木彬光]]が「およそ時代小説を書こうとした作家が一度は夢に見て、しかもどのような鬼才怪筆の持ち主でもとうてい実現不可能とあきらめていたはずの見果てぬ夢」<ref>『山田風太郎全集 月報』(講談社 1971年10月-1973年1月) - 高木彬光「風を視る」、あるいは角川文庫『魔界転生 下巻』解説</ref>と評した、没した時代や全盛期が異なる名だたる剣豪たちを心身ともに全盛期の状態で蘇らせ、夢の対決を行う本作の革新的な発想は、小説の誕生から50年以上が経過した現在もなお多彩な媒体でフォロワー作品を生み出し続けている。
 
 
 
時代伝奇小説家[[荒山徹]]は、[[陰陽師]][[山田風太郎|山田一風斎]]の秘術「擬界転送('''まがい'''てんそう)」によって蘇った12人の幕末志士が明治政府を狙う筋書きの、『魔界転生』と[[クトゥルフ神話]]をミックスしたパロディ伝奇小説『大東亜忍法帖』<ref>[https://www.amazon.co.jp/dp/B075WR5PZV/ 大東亜忍法帖【完全版】]</ref>、森宗意軒率いる「神聖ハポン騎士団」の七剣士に柳生十兵衛が挑む『柳生黙示録』、動物に生まれ変わった人間を前世の姿に戻す「前世逆生」という朝鮮妖術が登場し、本作や『柳生忍法帖』などと世界観を一にする『竹島御免状』などの『魔界転生』オマージュ作品を上梓している。
 
 
 
[[近衛龍春]]による、[[柳生宗矩]]を主人公にした時代伝奇小説『柳生魔斬刀』は、「平成の魔界転生」というキャッチコピーで出版されている。
 
 
 
魔界から蘇った天草四郎が徳川幕府への怨恨と魔王サタンならぬ「邪神アンブロジァ」の導きによって世界を破滅に導こうと暗躍する、島原の乱から150年後の島原の地を舞台に12人の剣士が戦いを繰り広げる和風格闘ゲーム『[[サムライスピリッツ]]』シリーズ([[SNK]])、歴史や伝説に名を残す英雄の写し身を召喚して戦う伝奇ファンタジー『[[Fate/stay night|Fate]]』シリーズ([[TYPE-MOON]])などのサブカルチャーにも影響を与えている<ref name="侍魂FAQ"/><ref name="七月"/><ref name="netlabFate"/>。漫画原作者[[七月鏡一]]は、黄泉還った由比正雪を黒幕にした『サムライスピリッツ』本編の前日譚『[[サムライスピリッツ|サムライスピリッツ 魔界武芸帖]]』は『魔界転生』のオマージュ作品であると公表している<ref name="七月">{{Cite web|url=https://twitter.com/july_mirror/status/921267708661866497|title=@JULY_MIRROR 七月鏡一個人Twitter|date=2017-10-20|accessdate=2018-01-19}}</ref>。『Fate』シリーズの原作者[[奈須きのこ]]は「『Fate』はもともと、『魔界転生』のオマージュです<ref name="denfamiFate">{{Cite web|url=http:///news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/170728/3|title=【寺田P×奈須きのこ:対談】決戦!『スパロボ』VS『Fate』|work=電ファミニコゲーマー|date=2017-07-28|accessdate=2018-01-19}}</ref>」と言及しており、シリーズの原点『[[Fate/stay night]]』の製作動機に、学生時代に読んで衝撃を受けたという[[石川賢 (漫画家)|石川賢]]の漫画版<ref>『Fate Prototype Tribute Phantasm』(p.38) 2012年 KADOKAWA</ref><ref name="netlabFate">{{Cite web|url=http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1710/21/news032.html|title=「FGO」の新シナリオが『魔界転生』のパクリ? → いやいやちょっと落ち着こう、という話 - ねとらぼ |date=2017-10-22|accessdate=2018-01-19}}</ref>と山田風太郎の原作<ref name="denfamiFate"/>、原作と漫画両方の『魔界転生』を挙げている(『Fate』派生作[[東出祐一郎]]の小説『[[Fate/Apocrypha]]』の黒幕として『Fate』シリーズに天草四郎が初登場するのも「Fateの更なる源流に「魔界転生」があるのなら、天草四郎を登場させるのはどうか」という着想に由来する<ref name="netlabFate"/>という)。
 
 
 
[[せがわまさき]]作画による漫画『[[十 〜忍法魔界転生〜]]』単行本1巻発売時に、奈須は[[冲方丁]]、[[貴志祐介]]とともに販促宣伝文を寄稿し、せがわはFateシリーズの看板ヒロイン・アルトリアを忍法魔界転生させた「魔界版セイバー」イラスト<ref>[http://segawa-page.way-nifty.com/iiwake/2013/02/post-a238.html 「魔界版セイバー」イラスト]</ref>を添えた『十 〜忍法魔界転生〜』サイン本を奈須に贈っている<ref>{{Cite web|url=http://segawa-page.way-nifty.com/iiwake/2013/02/post-a238.html|title=せがわまさき電脳絵巻・更新日記|date=2013-0221|accessdate=2018-01-17}}</ref>。
 
 
 
== 登場人物 ==
 
=== 魔界衆 ===
 
* [[森宗意軒]](もり そういけん) - [[小西行長]]の遺臣。
 
* [[天草四郎|天草四郎時貞]](あまくさ しろう ときさだ) - 魔界衆の一人。
 
* [[宮本武蔵]](みやもと むさし) - 魔界衆の一人。剣豪。
 
* [[荒木又右衛門]](あらき またえもん) - 魔界衆の一人。鍵屋の辻での仇討ちで知られる。
 
* [[柳生利厳]](やぎゅう としよし) - 魔界衆の一人。尾張柳生の開祖。
 
* 田宮坊太郎国宗(たみや ぼうたろう くにむね) - 魔界衆の一人。柳生宗矩の弟子。
 
* [[柳生宗矩|柳生又右衛門宗矩]](やぎゅう またえもん むねのり) - 魔界衆の一人。徳川家の剣術師範。
 
* 宝蔵院胤舜(ほうぞういん いんしゅん) - 魔界衆の一人。槍術の達人。宝蔵院流の2代目。
 
 
 
=== 柳生衆 ===
 
* [[柳生三巌|柳生十兵衛三巌]](やぎゅう じゅうべえ みつよし) - 柳生宗矩の嫡男。
 
* 磯谷千八(いそや せんぱち) - 柳生十人衆の一人。
 
* 逸見瀬兵衛(へんみ せへえ) - 柳生十人衆の一人。
 
* 伊達左十郎(だて さじゅうろう) - 柳生十人衆の一人。泣き顔。
 
* 北条主税(ほうじょう ちから) - 柳生十人衆の一人。激怒や感激など感情を露わにする。
 
* 小栗丈馬(おぐり じょうま) - 柳生十人衆の一人。精悍無比な雰囲気を持つ。
 
* 戸田五太夫(とだ ごだゆう) - 柳生十人衆の一人。地味な三十男。
 
* 三枝麻右衛門(さえぐさ あさえもん) - 柳生十人衆の一人。朴訥な性格。
 
* 小屋小三郎(こや こさぶろう) - 柳生十人衆の一人。最年少の17歳。
 
* 金丸内匠(かなまる たくみ) - 柳生十人衆の一人。最年長で40代前半。
 
* 平岡慶之助(ひらおか けいのすけ) - 柳生十人衆の一人。のんき者。
 
 
 
=== キリシタンくノ一 ===
 
* クララお品(くらら おしな) - 宗意軒に仕える切支丹くノ一。
 
* ベアトリスお銭(べあとりす おせん) -  同じく切支丹くノ一。
 
* フランチェスカお蝶(ふらんちぇすか おちょう) -  同じく切支丹くノ一。
 
 
 
== 書誌情報 ==
 
* 「おぼろ忍法帖」[[講談社]](上中下三巻)、1967 
 
* 「忍法魔界転生」[[角川書店]](上下二巻、[[角川文庫]])、1978
 
* 「魔界転生」角川書店(上下二巻、角川文庫)、1981 - 映画化タイトルに合わせる。
 
 
 
== 映画 ==
 
{{Portal 映画}}
 
=== 1981年 ===
 
{{Infobox Film
 
|作品名 = 魔界転生
 
|原題 = Samurai Reincarnation
 
|画像 =
 
|画像サイズ =
 
|画像解説 =
 
|監督 = [[深作欣二]]
 
|脚本 = [[野上龍雄]]・石川孝人・深作欣二
 
|原案 =
 
|原作 = [[山田風太郎]]
 
|製作 = [[角川春樹]]
 
|製作総指揮 =
 
|ナレーター =
 
|出演者 = [[千葉真一]]<br />[[沢田研二]]<br />[[佳那晃子]]<br />[[緒形拳]]<br />[[室田日出男]]<br />[[真田広之]]<br />[[丹波哲郎]]<br />[[若山富三郎]]
 
|音楽 = [[山本邦山]]・[[菅野光亮]]
 
|主題歌 =
 
|撮影 = [[長谷川清 (撮影監督)|長谷川清]]
 
|編集 = [[市田勇]]
 
|製作会社 = [[角川映画|角川春樹事務所]] / [[東映]]
 
|配給 = 東映
 
|公開 = {{flagicon|JPN}} [[1981年の日本公開映画|1981年]][[6月6日]]
 
|上映時間 = 122分
 
|製作国 = {{JPN}}
 
|言語 = [[日本語]]
 
|製作費 = {{flagicon|Japan}} ¥500,000,000{{refnest|group=注釈|数字は概数。キャストや映画のシーンは豪華だったが、抑えられた製作費になった<ref>{{Cite book |和書 |author=[[中川右介]] |year=2014 |title=角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年 |chapter = 第五章 模索-一九八〇年から八一年 |publisher=[[角川マガジンズ]] |page=143|isbn=4-047-31905-8 }}</ref>。}}
 
|興行収入 =
 
|配給収入 = {{flagicon|Japan}} ¥1,050,000,000<ref name="配給収入"/>
 
|前作 =
 
|次作 =
 
}}
 
[[1981年]]の[[日本映画]]。主演:[[千葉真一]]・[[沢田研二]]、[[映画監督|監督]]:[[深作欣二]]、[[製作]]:[[角川映画|角川春樹事務所]]・[[東映]]。カラー・[[ビスタビジョン]]、122分。[[英語]]タイトルは『''[[:en:Samurai Reincarnation|Samurai Reincarnation]]'' 』。
 
 
 
==== ストーリー ====
 
寛永15年のキリシタン弾圧に端を発する[[島原の乱]]で、[[天草四郎|天草四郎時貞]]を始めとする2万人近い信者が惨殺された。しかし[[悪魔]][[ベルゼブブ]]の力により蘇った四郎は、[[徳川幕府]]への復讐を決意。かくして四郎は[[グリモワール]]を身につけ、「エロイムエッサイム 我は求め訴えたり (''Eloim, Essaim, frugativi et appelavi'' )」と唱えながら、自分と同じく現世で無念の思いを抱いて死んでいった者たちを魔界衆に引き入れようとする。戦乱の最中、夫の[[細川忠興]]に見捨てられ、火の海に取り残された[[細川ガラシャ]]。[[柳生宗矩|柳生但馬守宗矩]]・[[柳生三厳|柳生十兵衛光厳]]親子と<ref group="注釈" name="光厳"/>戦えなかった[[宮本武蔵]]。女性への煩悩を断ち切れぬ己を恥じて、自ら命を絶った[[胤舜|宝蔵院胤舜]]。甲賀組頭・玄十郎が率いる[[甲賀流|甲賀衆]]から、伊賀の隠れ里に奇襲攻撃を受け、仲間や家族もろとも殺された伊賀の霧丸。彼らは次々と四郎の手により蘇っていった。
 
 
 
[[伊賀流|伊賀衆]]が襲われた直後に十兵衛は隠れ里へ向かっていたが、破壊し尽くされた里を目にし呆然とする。それでも霧丸ら生存者がいないか探し続ける十兵衛は、馬に乗る5人の魔界衆と遭遇。胤舜が馬を走らせ十兵衛に襲いかかるが、木の上へ飛び魔界衆を躱す。十兵衛は先年亡くなったはずの武蔵や胤舜がいることに驚愕。四郎はそのまま[[江戸]]へ向かうことを十兵衛に宣言し、4人を先導して駆け去っていった。この時の十兵衛は彼らが魔界衆だとはわからなかったが、異様で不穏な雰囲気に満ちていたため、宗矩に至急書状で伝える。
 
 
 
ガラシャは巫女のお玉の方に化け、[[日光東照宮]]に参詣した四代将軍[[徳川家綱]]に見初められて、[[大奥]]入りを果たす。だが、お玉の身元に不信を抱いた[[松平信綱|松平伊豆守]]は、玄十郎にお玉を暗殺するよう指示するが、その密談の場に四郎と霧丸が突然出現。霧丸は伊賀の里の復讐として玄十郎を、四郎は島原の乱で命を落とした仲間たちの髪で編んだ鞭・伴天連秘法髪切丸を武器に、乱にて幕府の総大将だった伊豆守を、それぞれ惨殺し共に遺体を屋敷内に晒した。
 
 
 
やがて、その美貌・肢体と妖しい色香を纏うガラシャに籠絡された家綱は、次第に政道に無頓着となっていく。家綱の溺れぶりに家臣たちが危機感を募らせる中、お玉が魔界衆と睨んだ宗矩は、[[刀匠]][[村正]]にお玉を斬るための妖刀を依頼。不治の病に冒されていた宗矩は妖刀を携え、自らの命と引き換えに、乱心を装ってお玉の方を斬ろうと[[江戸城]]へ向かう。入れ代わりに武蔵が[[柳生家]]へ現れ、[[佐々木小次郎]]を倒した[[木刀]]を手にし、宗矩か十兵衛との決闘を望む。十兵衛の弟・[[柳生友矩|柳生左門友矩]]が対したものの、一撃で頭を叩き割られ撲殺された。一方登城の宗矩には、胤舜が立ちはだかる。戦いの末、宗矩は一刀両断で胤舜を切り捨てるが、死地を彷徨う。四郎は宗矩を魔界へ誘うが、「生涯に悔いなし」と拒む。しかし十兵衛を息子というよりも天才的な[[剣豪]]として愛していた宗矩は、一介の[[剣士]]として十兵衛と戦いたいという望みを四郎に見透かされ、魔界衆への転生を受け入れた。
 
 
 
宗矩までもが魔界衆に加わったことに衝撃を受けた十兵衛だが、宗矩と武蔵を倒すため、かつての武蔵の恋人・お通の姪である2代目・おつうを養女にしていた村正に、魔界衆を斬れる妖刀を打ってもらうよう、宗矩同様に依頼した。だが村正は、宗矩に渡した妖刀で精魂を使い果たしており、一旦断る。その時、武蔵が十兵衛と決闘しようと、不意に村正の家へ乗り込む。妖刀もない十兵衛は危機に瀕するが、村正がおつうに笛を奏でさせたため、かつてのお通との思い出が蘇った武蔵は、戦う気が無くなり引き上げていく。村正はあのような化物を斬るには自分の刀しかないと考え直し、刀を打つ。そして妖刀の完成と共に、村正は息を引き取ってしまうのだった。
 
 
 
四郎は霧丸を連れ、[[天領]]である[[佐倉藩|佐倉]]の農村で[[呪詛]]を行ない、徳川の世を混乱に陥れようと画策。その結果、作物は実らず凶作になったが、幕府は[[年貢]]を下げなかったため、農民たちと対立。農民たちは磔にされ、弾圧を受けた。四郎は彼らに[[一揆]]を促し、扇動。大勢の農民を率いて江戸城へ向かう。この間、霧丸は農民の少女・お光と心を通わせ、悪に染まり切れず苦悩していた。その時、十兵衛と再会し人として生きるように諭された霧丸は、元の優しい心を取り戻しお光と共に脱走を図るが、四郎はそれを許さず情け容赦無しに鞭で絞殺してしまう。
 
 
 
十兵衛はおつうやお光と共に、一揆で命を落とした多くの農民や霧丸を葬っていた。四郎たちを倒すことを改めて誓っていた十兵衛は武蔵から決闘を申し込まれ、村正最後の妖刀を身に帯び、舟島へ向かう。おつうは武蔵に優しさを思い出させようと笛を奏でるが、武蔵は動揺せず戦い続ける。幾度も剣を交えた末、十兵衛は高く飛び、空中から脳天割りで武蔵を倒した。
 
 
 
急ぎ江戸城へ向かう十兵衛だが、城では相変わらず家綱がガラシャに溺れていた。ところがガラシャは寝言で忠興の名を口にしたため家綱から追及され、もみ合っているうちに灯を倒したことで出火し、[[明暦の大火]]を引き起こしてしまう。忠興から賜った打掛が燃えるのを見て哄笑し、錯乱状態となったガラシャは家綱を忠興と思い込み、生前の未練を晴らすべく、家綱を道連れに火中に身を投じて無理心中する。江戸が紅蓮の炎で焼き尽くされていく喜びに四郎はうち震え、宗矩は十兵衛を待ち焦がれていた。やがて業火に包まれていた江戸城に、身体中を魔除けの[[梵字]]で埋め尽くした柳生十兵衛が現れた。壮絶な死闘の末、辛くも父・宗矩を十兵衛は涙ながらに葬った。その直後、十兵衛の前に現れた四郎は、十兵衛を魔界衆へ誘うが拒絶され、鞭で攻撃するも妖刀村正により首を跳ねられる。だが四郎は自分の頭を脇に抱え、復活を予告し哄笑と共に紅蓮の炎の中に消えていくのであった。
 
 
 
==== キャスト ====
 
;配役表記のある出演者で[[小冊子|パンフレット]]に掲載されている順
 
* [[千葉真一]] : [[柳生三厳|柳生十兵衛光厳]]<ref group="注釈" name="光厳"/>
 
* [[沢田研二]] : [[天草四郎|天草四郎時貞]]
 
* [[佳那晃子]] : [[細川ガラシャ]]
 
* [[緒形拳]] : [[宮本武蔵]]
 
* [[室田日出男]] : [[胤舜|宝蔵院胤舜]]
 
* [[真田広之]] : 伊賀の霧丸
 
{{columns-list|2|
 
* [[松橋登]] : [[徳川家綱]]
 
* [[成田三樹夫]] : [[松平信綱|松平伊豆守]]
 
* [[大場順]] : [[柳生友矩|柳生左門友矩]]
 
* [[島英津夫]] : [[柳生宗冬|柳生又十郎宗冬]]
 
* [[久保菜穂子]] : [[矢島局]]
 
* [[成瀬正孝|成瀬正]] : 甲賀玄十郎
 
* [[中村錦司]] : 石田上総守
 
* [[河合絃司]] : 神尾備前守
 
* 川浪公次郎 : 松平隼人正
 
* 鈴木康弘 : 富田主膳
 
* [[有川正治]] : 伊崎平内
 
* [[岩尾正隆]] : 安井藤兵衛
 
* [[内田朝雄]] : [[酒井忠世|酒井雅楽頭]]
 
* [[相馬剛三]] : [[阿部忠秋|阿部豊後守]]
 
* 丘路千 : [[堀田正盛|堀田備中守]]
 
* [[角川春樹]] : [[板倉重昌|板倉内膳正]]
 
* 中江英生 : [[細川忠利]]
 
* 林三郎 : [[水野勝成]]
 
* 小林将孝 : [[戸田氏鉄]]
 
* [[飛鳥裕子]] : [[甲賀流|甲賀]][[くノ一]]
 
* [[鈴木瑞穂]] : [[小笠原秀清|小笠原少斎]]
 
* [[浜村純]] : 茂左衛門
 
* [[東龍子]] : 茂左衛門妻女
 
* 梅沢昇 : 伊賀の長老
 
* [[犬塚弘]] : 宗五郎
 
* 秋山勝俊 : 与平
 
* [[野口貴史]] : 彦作
 
* 白川浩二郎 : 米十
 
* 高月忠 : 百姓
 
* 中島茂樹 : 百姓
 
* 赤羽明 : 百姓
 
* 吉沢高明 : 百姓
 
* 鄭美玲 : 百姓
 
* 丸平峯子 : 百姓
 
* [[白石加代子]] : 声
 
* [[カルロッタ池田]] : 霊
 
* 畑中猛重 : 侍
 
* [[中島葵]] : 百姓女
 
* [[三谷昇]] : 旅僧
 
* 味方健 : 能シテ
 
* 味方団 : 能子方
 
* 谷田宗二郎 : 能ワキ
 
* 茂山あきら : 能アイ
 
}}
 
* [[神崎愛]] : おつう
 
* [[菊地優子]] : お光
 
* [[丹波哲郎]] : [[村正]]
 
* [[若山富三郎]] : [[柳生宗矩|柳生但馬守宗矩]]
 
; [[クレジットタイトル]]のみに表示(パンフレットに配役表記は無し)
 
* 淡九郎、那須伸太朗、[[笹木俊志]]、壬生新太郎、森源太郎、島田秀雄、山田良樹、大城泰、和田昌也、[[福本清三]]、[[木谷邦臣]]、平河正雄、藤沢徹夫、細川純一、奔田陵、[[白井滋郎]]、疋田泰盛、波多野博、[[小峰隆司]]、藤長照夫、宮城幸生、[[志茂山高也]]、椿竜二、北村明男、美加まどか、稲垣陽子、美柳陽子、富永佳代子、星野美恵子、三谷真理子、紅かおる、美松艶子、[[岡嶋艶子|岡島艶子]]、小池満敏、歳原幸博、近藤健、山崎修、伊庭剛、徳永まゆみ、武田文雄、高木吉治、古川京子、小国真寿美、田口智子、安倉文子、吉川幸江、西田治子、前川恵美子、山本亨、[[崎津隆介|崎津均]]、稲田龍雄、沢田祥二、[[剱持誠|釼持誠]]、森晴蔵
 
 
 
==== スタッフ ====
 
;[[小冊子|パンフレット]]に掲載されている順
 
* [[製作]] : [[角川春樹]]
 
* 原作 : [[山田風太郎]]
 
* 企画 : [[角川春樹事務所]]
 
* [[映画プロデューサー|プロデューサー]] : 佐藤雅夫・本田達男・稲葉清治
 
* [[脚本]] : [[野上龍雄]]・石川孝人・深作欣二
 
* [[映画監督|監督]] : [[深作欣二]]
 
{{columns-list|2|
 
* [[撮影監督|撮影]] : [[長谷川清 (撮影監督)|長谷川清]]
 
* [[録音技師|録音]] : 中山茂二
 
* [[照明技師|照明]] : 増田悦章
 
* [[美術監督|美術]] : 井川徳道・佐野義和
 
* [[映像編集|編集]] : [[市田勇]]
 
* [[助監督 (映画スタッフ)|助監督]] : 土橋亨
 
* [[進行主任]] : 長岡功
 
* [[スチル写真|スチール]] : 遠藤功成
 
* [[映画音楽|音楽]] : [[山本邦山]]・[[菅野光亮]]
 
* [[衣裳デザイナー|衣裳アドバイス]] : [[辻村ジュサブロー]]
 
* 協力 - 矢島特撮研究所、デン・フィルム・エフェクト
 
* 東映京都作品
 
}}
 
; [[クレジットタイトル]]のみに表示(パンフレットに表記は無し)
 
* [[特撮監督]] : [[矢島信男]]
 
 
 
==== 製作 ====
 
映画『[[復活の日]]』を製作している時から[[角川春樹]]は『魔界転生』を映画化したいと構想しており<ref name="角川・山田21"/><ref name="アサ芸魔界">{{Cite journal |和書 |date = 2012-11-29 |title = 深作欣二「千葉ちゃん、ウソって観客に思わせたら負け」 |journal = [[アサヒ芸能|アサ芸+]] |publisher = [[徳間書店]] |url = http://www.asagei.com/9406 |accessdate = 2012-12-8 <!--|archiveurl = http://liveweb.archive.org/http://www.asagei.com/9406 |archivedate = 2012-12-8--> }}</ref>、監督には[[五社英雄]]を起用する予定だったが[[銃刀法違反]]で逮捕されてしまい、[[深作欣二]]へ依頼した<ref name="角川・山田23">[[#角川・山田|あなたは魔界を信じますか? 角川春樹 山田風太郎 特別対談]]、23頁。</ref>。深作は「『おぼろ忍法帖』を映画化したい」と返答し、互いに作品の面白さを伝えあうが、やがて内容は同じなのにと、彼らは訝しがる。後に同じ作品であることがわかり、角川・深作も大笑いして、映画化しようと即一致した<ref name="角川・山田21"/><ref name="アサ芸魔界"/>。
 
 
 
千葉真一の[[柳生三厳|柳生十兵衛光厳]]と沢田研二の[[天草四郎|天草四郎時貞]]は配役の決定事項として進められ<ref name="プロダクションノート2425">{{Cite journal |和書 |author = 佐藤雅夫 |date = 1981-6-6 |title = プロダクション・ノート 魔界に祟られたスタジオ |journal = 魔界転生 |pages = 24 - 25 |publisher = 角川春樹事務所・東映 |format = パンフレット |ref = 佐藤雅夫 }}</ref>{{Refnest |group = "注釈" |name=光厳 |[[柳生三厳|柳生十兵衛光厳]]の「光厳」だが、「三厳」ではなく「光厳」と[[小冊子|パンフレット]]の登場人物紹介やキャスト一覧に表記されているため、当該記事もこれに則った<ref>{{Cite journal |和書 |author = |date = 1981-6-6 |title = |journal = 魔界転生 |pages = 11頁、26頁 |publisher = 角川春樹事務所・東映 |format = パンフレット }}</ref>。}}、映画『[[柳生一族の陰謀]]』([[1978年]])、[[テレビドラマ]]『[[柳生一族の陰謀#連続ドラマ|柳生一族の陰謀]]』(1978年)・『[[柳生あばれ旅]]』([[1980年]])に続き、千葉が十兵衛に扮する4度目の作品となった。既に[[十八番]]と認知されていた十兵衛を千葉は<ref name="amazon">{{Cite web |author=的田也寸志 |url=https://www.amazon.co.jp/dp/B000066AEO |title=商品の説明「Amazonレビュー」 |work=柳生一族の陰謀 (DVD) |publisher=[[Amazon.co.jp]]<!-- |archiveurl=https://web.archive.org/web/20170627035542/https://www.amazon.co.jp/dp/B000066AEO |archivedate=2017-06-27 -->|accessdate=2017-06-27}}</ref><ref>{{Cite web |author = ペリー荻野 |date = 2008-5-30 |url = http://www.jidaigeki.com/forum/peri/yagyo/20080530_1800.html |title = 『柳生十兵衛あばれ旅』 JJサニー千葉、十八番の十兵衛が大暴れ! 志穂美悦子、真田広之など充実の顔ぶれ。 |work = ペリーのちょんまげ |publisher = [[時代劇専門チャンネル]] <!--|archiveurl = http://liveweb.archive.org/http://www.jidaigeki.com/forum/peri/yagyo/20080530_1800.html |archivedate = 2012-3-31--> |accessdate = 2012-3-31 }}</ref><ref>{{Cite web |author = ペリー荻野 |date = 2009-7-31 |url = http://www.jidaigeki.com/forum/peri/tagyo/20090731_1859.html |title = 『徳川無頼帳』 西城秀樹の十兵衛とJJサニー千葉が握手! 強力コンビが吉原を根城に大暴れ。 |work = ペリーのちょんまげ |publisher = 時代劇専門チャンネル <!--|archiveurl = http://liveweb.archive.org/http://www.jidaigeki.com/forum/peri/tagyo/20090731_1859.html |archivedate = 2012-3-31--> |accessdate = 2012-3-31 }}</ref><ref>{{Cite web |url = http://www.jidaigeki.com/program/detail/jd11000432.html |title = 柳生十兵衛七番勝負 |work = 放送作品一覧 |publisher = 時代劇専門チャンネル <!--|archiveurl = http://liveweb.archive.org/http://www.jidaigeki.com/program/detail/jd11000432.html |archivedate = 2012-3-31--> |accessdate = 2012-3-31 }}{{リンク切れ|date=July 2014}}</ref>、本作で決定版とすべく、役作りしていく<ref name="アサ芸魔界"/><ref name="プロダクションノート2425"/>。原作を全て映画化すると2時間前後の放映では尺が足りないため、深作欣二は天草四郎に[[森宗意軒]]と[[由井正雪]]の役割を与え、魔界衆の首領を一人に絞った<ref name="角川・山田22">[[#角川・山田|あなたは魔界を信じますか? 角川春樹 山田風太郎 特別対談]]、22頁。</ref>。魔人も計6人に抑え、ストーリーの展開が散漫にならぬようした<ref name="角川・山田22"/>。男性のみの魔界衆ではインパクトに欠けるので[[細川ガラシャ]]を加えたのは深作のアイデアだが、[[山田風太郎]]は「ガラシャは思いつかなかった」と脱帽している<ref name="角川・山田22"/>。深作が[[時代劇]][[映画]]を監督するのは1978年の『[[赤穂城断絶]]』以来で、同作では主演・[[萬屋錦之介]]の要望を受け入れたため、出来上がった作品は従来通りの[[忠臣蔵]]となり、忸怩たる思いが残っていた<ref name="アサ芸魔界"/><ref name="アサ芸柳生">{{Cite journal |和書 |date = 2012-11-28 |title = 千葉真一、深作欣二の初時代劇の教えに感謝 |journal = アサ芸+ |publisher = 徳間書店 |url = http://www.asagei.com/9401 |accessdate = 2012-11-29 <!--|archiveurl = http://liveweb.archive.org/http://www.asagei.com/9401 |archivedate = 2012-11-29 -->}}</ref>。その無念を千葉真一の柳生十兵衛と山田の壮大な伝奇ロマンで、深作はリベンジしようと意気込んでいた<ref name="アサ芸魔界"/><ref name="アサ芸柳生"/>。このような物語が大好きな深作は、「フィクションをどうリアルに描いていくか」と楽しそうに本作を仕上げていく<ref name="アサ芸魔界"/>。
 
 
 
[[江戸城]]が紅蓮の炎に包まれるクライマックスは[[特撮]]による合成ではなく、実際にセットそのものを燃やして撮影された時代劇屈指の名シーンである<ref name="アサ芸魔界"/><ref name="プロダクション・ノート25">[[#佐藤雅夫|プロダクション・ノート 魔界に祟られたスタジオ]]、25頁。</ref>。俳優・スタッフ共に命がけで臨んだ撮影は、ワンカット4時間位が頻繁にあった<ref name="プロダクション・ノート25"/>。豪火の中で行われた柳生十兵衛と父・[[柳生宗矩|柳生但馬守宗矩]]([[若山富三郎]])の決闘は、華麗で凄みのある戦いとして劇中最大の山場・名勝負となっている<ref name="アサ芸魔界"/><ref name="プロダクションノート2425"/>。十兵衛が宗矩の[[村正]]を[[真剣白刃取り]]して唱える[[呪文]]は[[九字]]「<ruby><rb>臨 兵 闘 者 皆 陣 列 在 前</rb><rp>(</rp><rt>りん ぴょう とう しゃ かい じん れつ ざい ぜん</rt><rp>)</rp></ruby>」である。千葉真一や若山は扮装のまま水をかぶり、重くなった衣装を身に纏いながら戦いを演じたほか、気の遠くなるような長時間を千葉は紅蓮の炎の中に立ちつくし、沢田研二も手の甲を火傷するケガを負っていた<ref name="プロダクション・ノート25"/>。
 
 
 
約1年間の準備を経て、[[東映京都撮影所]]の一角にある[[稲荷神社]]で無事完成を祈った後に[[クランクイン]]したが、[[胤舜|宝蔵院胤舜]]の[[室田日出男]]が[[槍]]の練習中に右[[足首]][[捻挫]]、伊賀の霧丸である[[真田広之]]が[[食あたり]]で入院、当初の細川ガラシャに[[配役]]されていた[[高瀬春奈]]が直前になり病気降板、複数の[[映画スタッフ|スタッフ]]が事故・怪我を負うなど、予想外の出来事が次々発生したため、角川春樹自ら[[神官]]となり、再び御祓いと御祭事が行われた<ref name="プロダクション・ノート24">[[#佐藤雅夫|プロダクション・ノート 魔界に祟られたスタジオ]]、24頁。</ref>。
 
 
 
千葉真一は柳生十兵衛の扮装を今までより野性味のあふれるものへと強調し、皮をあしらった衣裳も一際その荒さを目立たせるようにしている<ref name="プロダクション・ノート25"/>。それに対して天草四郎の扮装は南蛮風の異様で生々しい華美を備えたものとし、十兵衛と四郎のコントラストに仕上げられている<ref name="プロダクションノート2425"/>。四郎の扮装を[[デザイン]]した[[辻村ジュサブロー]]は本作で初めて[[衣裳]]デザインを手掛け<ref name="解説"/>、これは後の[[リメイク]]にも踏襲された。沢田研二は撮影以外のスケジュールを全てキャンセルし、この作品に専念<ref name="プロダクションノート2425"/>。魔界衆は全員、目に金色の[[コンタクトレンズ]]を着けることで化け物らしさを表現し、若山富三郎は魔界衆で生き返った以降の宗矩の不気味さを、一切まばたきをしないという演技で表現した。四郎と伊賀の霧丸の[[接吻]]は脚本になく、深作欣二が現場で突然言い出した演出である。
 
 
 
==== 後世への影響 ====
 
原作に漂う[[エロティシズム]]・[[エゴイズム]]・[[バイオレンス]]を、深作欣二のダイナミックでスピーディーな演出で映画として新たな作品に変身し、日本国外では『[[:en:Samurai Reincarnation|Samurai Reincarnation]]』のタイトルで人気を呼んだ。[[クエンティン・タランティーノ]]の作品や、[[2012年]]の[[ハリウッド映画]]『[[アベンジャーズ (2012年の映画)|アベンジャーズ]]』で[[サミュエル・L・ジャクソン]]は自身が演じたキャラクターに千葉真一の柳生十兵衛を取り入れるなど後世の作品にも影響を及ぼし<ref name="アベンジャーズ">{{Cite web |author = |date = 2012-04-26 |url = http://www.hollywood-ch.com/news/12042608.html?cut_page=1 |title = 「アベンジャーズ」サミュエル・L.ジャクソン、役作りの参考はソニー千葉(千葉真一) |work = ニュース |publisher = 映画がもっとおもしろくなるハリウッドチャンネル |archiveurl = http://megalodon.jp/2012-0427-2233-09/www.hollywood-ch.com/news/12042608.html?cut_page=1 |archivedate = 2012-4-27 |accessdate = 2012-4-27 }}</ref>、[[福岡ソフトバンクホークス]]の[[野球監督|監督]]・[[秋山幸二]]は「あなたにとって[[侍|サムライ]]とは?」という問いに「千葉真一の柳生十兵衛は、生きるか死ぬか究極の真剣勝負というイメージがいい」と評するなど<ref name="秋山">{{Cite news |title = 「千葉真一の柳生十兵衛だな」/秋山監督 |url = http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp1-20130216-1085854.html |format = 紙面 |newspaper = [[日刊スポーツ]] |publisher = [[nikkansports.com]] |date = 2013-2-16 |accessdate = 2013-2-16 <!--|archiveurl = http://web.archive.org/liveweb/http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp1-20130216-1085854.html |archivedate = 2013-2-16--> }}</ref>、千葉十兵衛は根強い人気がある<ref name="アベンジャーズ"/><ref name="秋山"/>。
 
 
 
本作が話題に上がる時、ファンが皆この作品を「ジュリーの魔界転生」と呼ぶ<ref>『幻妖〜山田風太郎全仕事』(p28)2007年4月 一迅社</ref>(「ジュリー」は本作で天草四郎を演じた[[沢田研二]]の愛称)ように、千葉の十兵衛と同じくジュリー扮する天草四郎のヴィジュアルと造形も後世の作品や創作物における天草四郎のイメージに広い影響をもたらしている。
 
 
 
脚本家[[三谷幸喜]]は2016年のNHK大河ドラマ『[[真田丸]]』で[[大坂の陣]]に参戦した[[キリシタン]]武将[[明石全登]]を演じる[[小林顕作]]に「映画『魔界転生』のジュリー(沢田研二)のように」と<ref name="sanada">[https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1071140 「全登は徐々に『魔界転生』のジュリーみたいになっていきます」小林顕作(明石全登)【真田丸インタビュー】2016年10月8日 / 08:00 tvfan 共同通信社]</ref>演技指示を出し、俳優[[中田譲治]]は特撮ドラマ『[[超獣戦隊ライブマン]]』の敵幹部、大教授ビアスに扮した際の演技イメージ作りに『[[ラビリンス/魔王の迷宮]]』での[[デビッド・ボウイ]]と並べて「魔界転生の沢田研二」を取り入れている。<ref name="中田">[https://twitter.com/joujinakata123/status/968334551402639360 午後0:58 · 2018年2月27日 中田譲治Twitter  @joujinakata123]</ref>
 
 
 
特に「島原の乱の顛末を恨んで悪魔信仰に走った妖術使いの怨霊」という伝奇フィクションの悪役・黒幕的存在としての天草四郎のイメージや、[[辻村ジュサブロー]]デザインによる大ぶりな独特の付け襟を付けた和洋折衷の豪奢な陣羽織姿は、1981年の映画に合わせて新装された角川文庫版『魔界転生』原作上下巻の表紙に逆輸入されたが、[[1989年]]の映画『[[将軍家光の乱心 激突]]』の主題歌・挿入歌を担当した[[高見沢俊彦]]が瓜二つの衣裳で同作の[[宣伝]]を行うなど、関連のない作品にも波及していた。
 
 
 
天草四郎を取り扱った後世の創作物には[[天草四郎時貞 (サムライスピリッツ)|ゲーム『サムライスピリッツ』に登場する天草四郎]]、アニメ『[[るろうに剣心]]』島原編の天草翔伍のデザインなど、本作の強い影響下にある物も枚挙にいとまがない<ref name="侍魂FAQ">アスペクト社 『サムライスピリッツ斬紅郎無双剣 究極趣味草紙』Q&Aコーナー 「天草四郎のモデルは魔界転生の沢田研二ですか?」</ref>。
 
 
 
『魔界転生』テレビCMで放映されたジュリー天草唱える「エロイム・エッサイム」の呪文が当時の子供達の間でも流行り言葉になったという<ref name="heibon"/>が、史実にも山田風太郎の原作小説にも存在しない1981年版映画オリジナルの要素であった「エロイム・エッサイム」の呪詛を天草四郎が唱える描写は1994年のゲームソフト『[[ライブ・ア・ライブ]]』幕末編の天草四郎、銃爺による漫画『[[装甲悪鬼村正|装甲悪鬼村正・魔界編]]』の天草四郎などサブカルチャー分野でもフォロワーを生んでいる<ref group="注釈" name="村正魔界">『装甲悪鬼村正・魔界編』は時代を越えて召喚された13人の剣客と『装甲悪鬼村正』本編主人公との死闘を描く筋書き。召喚される歴史上の英雄の顔ぶれに天草四郎や[[細川ガラシャ|細川珠]]、柳生十兵衛などが抜擢され、最終戦を宮本武蔵との浜辺での決闘で締めくくっているなど、タイトル通り作品そのものが原作と1981年版映画のオマージュになっている</ref>。
 
 
 
2013年のゲームソフト『[[真・女神転生IV]]』に登場する天草四郎時貞モデルのキャラクター「英傑トキサダ」の自分の生首を脇に抱えたデザインなど、映画のラストシーンで妖刀村正を携えた柳生十兵衛との決闘で刎ねられた自分の頭部を脇に抱え哄笑する天草四郎のヴィジュアルをパロディしたフォロワー作品も散見される。
 
 
 
漫画家[[平野耕太]]は、漫画『[[ドリフターズ]]』第3巻のカバー裏オマケで天草四郎をキャラクター化し、映画『魔界転生』のラストシーン同様、自分の生首を脇に抱え哄笑する首無し武者のデザインで描いているが、脇に添えられたキャラ解説は「ジュリー版と[[窪塚洋介|クボヅカ]]版で強さが100倍違う」「真田広之逃げて、超逃げて<ref group="注釈">1981年版映画で真田広之演じる伊賀の霧丸が天草四郎に接吻された事を指している</ref>」「[[千葉真一|サニー千葉]] with [[村正|ムラマサ]]<ref group="注釈" name="ex02">1981年版映画でサニー千葉(=千葉真一)演じる柳生十兵衛は妖刀村正を使って天草四郎を下した</ref>でやっとどうにかなるレベル」<ref>『ドリフターズ』3巻 平野耕太 少年画報社</ref>と、平野が何の補足説明もなく1981年版と2003年版の映画『魔界転生』の感想を綴る内容になっていた。
 
 
 
漫画家[[青山剛昌]]は、少年剣士・鉄刃が妖怪じみた老翁・剣聖宮本武蔵に弟子入りし、悪鬼に呑まれたライバル剣士や現代に蘇った[[佐々木小次郎]]、柳生十兵衛、天草四郎や[[風魔小太郎]]に[[松尾芭蕉]]、[[沖田総司]]の6代目子孫、果ては地底人や宇宙人など古今東西の強敵と戦う少年漫画『[[YAIBA]]』のインスピレーション元になった映画として1981年版『魔界転生』を挙げている<ref>小学館『週刊少年サンデー』1999年21号(1999年5月5日号)p.108『コダワリ名画館VOL.10 青山剛昌先生』</ref>。青山は先述した1981年版映画『魔界転生』フォロワー描写が登場するゲームソフト『[[ライブ・ア・ライブ]]』幕末編のキャラクターデザインも行っている<ref group="注釈" name="青山ライブア">『[[ライブ・ア・ライブ]]』幕末編の内容も、悪魔に魂を売り渡した藩主に誘拐された[[坂本龍馬|維新の要人]]を救出する密命を負った「炎魔忍軍」の若き忍者が魔窟となった城内に潜入し、幕末の世に蘇り不死を自称する[[天草四郎]]、[[淀君]]の怨霊や強敵を求めて彷徨う宮本武蔵の亡霊と戦うほか、最強武器が「むらまさ」など『魔界転生』のストーリーを彷彿させるものになっている。</ref>。
 
 
 
==== 公開 ====
 
封切り公開初日は[[6月13日]]を予定していたが、過去の作品がヒットしていないため、1週間早めて6日の6時から6週間、「666の[[オーメン]]」と称して[[ロードショー (映画用語)|ロードショー]]された<ref name="角川・山田23"/>。
 
 
 
1981年当時の角川映画は『[[犬神家の一族]]』『[[人間の証明]]』『[[野性の証明]]』のヒット以降の配給収入が右肩下がりの上『[[復活の日]]』の7億円赤字で「映画そのものが第一作以来大した物がない。キャッチフレーズを使った宣伝の派手な物量的大作にしか過ぎない<ref>『週刊文春』1981年5月21日号(週刊文春23(23)1139)19ページ「御難続きでも救世主?角川春樹新作『魔界転生』」 「映画そのものが第一作以来」の発言は映画評論家の白井佳夫によるもの</ref>」と酷評されていた。
 
 
 
こうした下馬評を覆し、6月6日の封切り日には東京都の東映直営映画館3館の前に朝早くから長蛇の列ができ、初日と2日目で2万5000人を動員<ref name="heibon">『週刊平凡』1981年26号(p.158) 「今週の芸能ニュースパック 『魔界転生』に女性客殺到 「エロイム・エッサイム」が効いた?」 平凡出版</ref>。客層は6対4で女性客のほうが多かった<ref name="heibon"/>とされている。これは当時の東映制作映画としては異例のことで、ヤクザ映画などの男性受けする作品が中心で観客層も圧倒的に男性の動員が多かった<ref name="heibon"/>従来のイメージを覆すものだった。
 
 
 
当時の週刊誌が初週の動員を「『魔界転生』に女性客殺到」という見出しで報道し、女性客を集めた直近の映画作品の例に[[たのきんトリオ]]主演の男性アイドル映画『[[青春グラフィティ スニーカーぶる〜す]]』(1981年2月公開)を挙げ『魔界転生』と並べて興行収入を予想している<ref name="heibon"/>ことからも、『魔界転生』の女性受けが予想を超えた好調であったことが伺える。
 
 
 
[[1983年]]4月1日[[フジテレビ]]の[[時代劇スペシャル (フジテレビ)|時代劇スペシャル]]で、オリジナル解説VTR付きでTV初放送された。
 
 
 
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=== 2003年 ===
 
{{Infobox Film
 
| 作品名 = 魔界転生 (2003)
 
| 原題 =
 
| 画像 =
 
| 画像サイズ =
 
| 画像解説 =
 
| 監督 = [[平山秀幸]]
 
| 製作総指揮 =
 
| 製作 = [[天野和人]]・赤井淳司・<br/>[[佐藤敦 (プロデューサー)|佐藤敦]]・出目宏
 
| 企画 = 遠藤茂行・大川裕・奥田誠治
 
| 脚本 = [[奥寺佐渡子]]
 
| 出演者 = [[佐藤浩市]]<br />[[窪塚洋介]]<br />[[長塚京三]]<br />[[古田新太]]<br />[[加藤雅也]]
 
| 音楽 = [[安川午朗]]
 
| 主題歌 =
 
| 撮影 = 柳島克巳
 
| 編集 = [[川島章正]]・洲崎千恵子
 
| 配給 = [[東映]]
 
| 公開 = {{flagicon|JPN}} [[2003年]][[4月26日]]
 
| 上映時間 = 105分
 
| 製作国 = {{JPN}}
 
| 言語 = [[日本語]]
 
| 製作費 =
 
| 興行収入 = 6.4億円<ref>{{Cite journal|和書 |year = 2004|title = 2003年度 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて |journal = [[キネマ旬報]] |issue = [[2004年]]([[平成]]16年)[[2月]]下旬号 |pages = 160 |publisher = [[キネマ旬報社]]}}</ref>
 
| 前作 =
 
| 次作 =
 
}}
 
==== 解説(2003年)====
 
1981年版で特撮を担当した[[矢島信男]]の弟子である[[佛田洋]]が特技監督を務めた<ref name="宇宙船106佛田">{{Harvnb|宇宙船106|2003|p=29|loc=「特技監督 [[佛田洋]]インタビュー」}}</ref>。また視覚効果統括の[[橋本満明]]は合成会社でのアルバイト時代に1981年版に携わっている<ref name="宇宙船106橋本">{{Harvnb|宇宙船106|2003|p=29|loc=「視覚効果統括 [[橋本満明]]インタビュー」}}</ref>。
 
 
 
デジタル技術の向上により、1981年版では描写されなかった原作のシーンが映像化されている<ref name="宇宙船106">{{Harvnb|宇宙船106|2003|p=28}}</ref>。
 
 
 
原作の魔界転生をCGで再現しており、性的描写はないが女の身体が割れて魔界衆が誕生する様子が描写される。佛田は原作に寄せるというコンセプトから性的描写を構想していたが、監督の[[平山秀幸]]に却下された<ref name="宇宙船106佛田" />。転生シーンの描写案は難航し、撮影中盤以降になって決定された<ref name="宇宙船106橋本" />。
 
 
 
クライマックスの江戸城崩壊は佛田と橋本の案により、江戸城に十字の亀裂が入るという描写になった<ref name="宇宙船106佛田" />。佛田は1981年版を担当した矢島から「前と同じことをやっても仕方ないから、今の技術で違うことを考えろ」と言われていたという<ref name="宇宙船106佛田" />。平山の江戸城を再現するという意向により、時代劇では一般的な[[姫路城]]を用いた実景ではなくミニチュアで撮影された<ref name="宇宙船106佛田" />。
 
 
 
このほか魔界衆の目が十字架のように変わり、1981年の映画では描写されなかった「島原の乱」の合戦シーンがあり、[[竹田城]]で撮影された。十兵衛は隻眼ではなく、後に変化する。
 
 
 
平山のイメージ案として[[ギュスターヴ・ドレ]]による『神曲』の挿絵をモチーフとした「翼の生えた天草四郎」があり<ref name="宇宙船106橋本" />、[[寺田克也]]によるイメージビジュアルなどに取り入れられている<ref name="宇宙船106" />。
 
 
 
==== ストーリー(2003年)====
 
島原の乱で死んだ天草四郎時貞が従者のクララお品を従え、堕天使のごとく復活した。10年ほど後、3代将軍[[徳川家光]]の時代、徳川幕府滅亡を志す四郎は鷹狩りに来ていた野心家の徳川頼宣を挑発する。彼に秘術を使って蘇らせた配下の現世に無念を抱く魔界衆荒木又右衛門、宮本武蔵、宝蔵院胤舜を差し向ける。又右衛門の襲撃を期に柳生十兵衛を始めとするお雛、伊達小三郎の柳生衆は秘術の生贄に誘拐されたおひろを追って戦いに参加する。戦いで魔界衆を破られた四郎はさらにクララお品の身体を使い[[徳川家康]]までも転生させる。
 
 
 
==== キャスト(2003年)====
 
{{columns-list|2|
 
* [[佐藤浩市]] : 柳生十兵衛
 
* [[窪塚洋介]] : 天草四郎時貞
 
* [[麻生久美子]] : クララお品
 
* [[長塚京三]] : 宮本武蔵
 
* [[古田新太]] : 宝蔵院胤瞬
 
* [[加藤雅也]] : 荒木又右衛門
 
* [[中村嘉葎雄]] : 柳生但馬守
 
* [[杉本哲太]] : 徳川頼宣
 
* [[柄本明]] : 松平伊豆守
 
* [[黒谷友香]] : おひろ
 
* [[吹石一恵]] : お雛
 
* [[高橋和也]] : 伊達小三郎
 
* [[田中要次]] : 磯谷千八
 
* [[麿赤兒]] : [[徳川家康]]
 
* [[浜田晃]] : [[木村友重|木村助九郎]]
 
* [[國村隼]] : 陣野佐左衛門
 
}}
 
 
 
==== スタッフ(2003年)====
 
* 製作:「魔界転生」製作委員会(東映、[[角川書店]]、[[日本テレビ放送網]]、[[エフエム東京|TOKYO FM]]、[[讀賣テレビ放送]]、[[日本出版販売]]、[[東映ビデオ]])
 
{{columns-list|2|
 
* 監督 : [[平山秀幸]]
 
* 脚本 : [[奥寺佐渡子]]
 
* 撮影 : 柳島克巳
 
* 照明 : 杉本崇
 
* 録音 : [[松陰信彦]]
 
* 音楽 : [[安川午朗]]
 
* 特殊メイク : [[原口智生]]
 
* 技斗 : 清家三彦
 
* 特撮監督 : [[佛田洋]]
 
* 製作協力 : [[東映京都撮影所]]
 
}}
 
 
 
== 演劇 ==
 
=== 1981年(演劇)===
 
タイトルは『[[柳生十兵衛 魔界転生]]』。同年の映画を演劇化した作品で、「天草四郎は女であった」と新たな設定が加わり、[[志穂美悦子]]が演じている。同時上演は『スタントマン物語』(演出 : [[千葉真一]]、企画監修 : [[深作欣二]]、脚本 : 青井陽治、出演 : [[真田広之]]・志穂美悦子)。千葉・志穂美・真田はこれが本格的な[[演劇]]出演であり、公演も第1回[[ジャパンアクションエンタープライズ|JAC]][[ミュージカル]]と銘打たれていた。千葉はこれ以降ミュージカルを毎年企画・演出・主演し、[[1982年]]・[[1983年]]・[[1984年]]には『[[ゆかいな海賊大冒険]]』、[[1985年]]には『[[酔いどれ公爵]]』を上演していく。
 
 
 
==== キャスト(演劇)====
 
* 千葉真一 : 柳生十兵衛光厳<ref group="注釈" name="光厳"/>
 
* 志穂美悦子 : 天草四郎時貞
 
* [[辰巳柳太郎]] : 村正
 
* [[内田良平 (俳優)|内田良平]] : 柳生但馬守宗矩
 
* [[萩尾みどり]] : おつう
 
* 真田広之 : 伊賀の霧丸
 
* [[矢吹二朗]] : 柳生左門友矩
 
* [[田中浩 (俳優)|田中浩]] : 宮本武蔵
 
* [[西田良]] : 宝蔵院胤舜
 
* [[早坂あきよ]] : 弥生
 
 
 
==== スタッフ(演劇)====
 
* 企画 : [[角川春樹]]
 
* 脚本 : 土橋成男
 
* 演出 : 深作欣二
 
* 公演期間 : 1981年7月3日 - 28日
 
* 公演会場 : [[新宿コマ劇場]]
 
 
 
----
 
=== 2006年 ===
 
映画版などと違い、かなり原作に近いものに仕上がっている。ただし従来の映画版と同じく、敵方の総大将を天草四郎にするなどの流れは受け継いでいる。
 
 
 
==== キャスト(2006年)====
 
{{columns-list|2|
 
* 柳生十兵衛([[中村芝翫 (8代目)|中村橋之助]])
 
* 天草四郎時貞([[成宮寛貴]])
 
* 宮本武蔵([[西岡徳馬]])
 
* 宝蔵院胤瞬(田尻茂一)
 
* 荒木又右衛門([[山本亨 (俳優)|山本亨]])
 
* 柳生但馬守([[六平直政]])
 
* 徳川頼宣([[升毅]])
 
* 由比正雪([[笠原浩夫]])
 
* 牧野兵庫頭([[千葉哲也]])
 
* 松平伊豆守([[螢雪次朗]])
 
* お縫([[藤谷美紀]])
 
* お品([[馬渕英里何|馬渕英俚可]])
 
* お銭([[遠藤久美子]])
 
}}
 
 
 
==== スタッフ(2006年)====
 
* 作・演出 : [[G2 (演出家)|G2]]
 
* 製作 : [[松竹]]
 
* 公演期間 : [[2006年]][[9月2日]] - 26日
 
* 公演会場 : [[新橋演舞場]]
 
 
 
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=== 2011年 ===
 
劇団ヘロヘロQカムパニー第25回公演。敵方の総大将を天草四郎にする流れを踏襲しつつ、オリジナルの解釈が加えられている。
 
 
 
==== ストーリー(2011年)====
 
時は徳川家光の時代。“島原の乱”終結に端を発し、徳川への復讐に燃える、天草四郎。そして天草四郎の手により、忍法「魔界転生」で蘇った名だたる剣豪たち。彼等を迎え撃つは、稀代の剣豪と言われる柳生十兵衛と柳生七人衆。風雲急を告げる紀州和歌山を舞台に両陣営の血で血を洗う戦いの幕が今切って落とされる。
 
 
 
==== キャスト(2011年)====
 
{{columns-list|2|
 
* 柳生十兵衛([[関智一]])
 
* 天草四郎([[浪川大輔]])
 
* 柳生但馬守([[楠見尚己]])
 
* 宮本武蔵([[中博史]])
 
* 宝蔵院胤舜([[中川歩]])
 
* 荒木又右衛門([[小西克幸]])
 
* 田宮坊太郎([[置鮎龍太郎]])
 
* クララお品([[長沢美樹]])
 
* ベアトリスお銭([[林智子]])
 
* フランチェスカお蝶([[安藤彩絵]])
 
* おひろ([[那珂村タカコ]])
 
* お雛([[松本和子]])
 
* お縫([[杉崎聡美]])
 
* 戸田五太夫([[魚建]])
 
* 逸見瀬兵衛([[松浦俊秀]])
 
* 北条主税([[おぐらとしひろ]])
 
* 小栗丈馬([[下川真矢]])
 
* 伊達左十郎([[上田伸哉]])
 
* 三枝麻右衛門([[近藤浩徳]])
 
* 平岡慶之助([[宇藤秀和]])
 
* 木村助九郎([[藤田けん]])
 
* 関口柔心([[志賀克也]])
 
* 牧野兵庫頭([[永松寛隆]])
 
* 柳生主膳([[高橋佑一郎]])
 
* 陣野助左衛門([[岩上弘数]])
 
* マルコス([[大谷秀一郎]])
 
* 十兵衛幼少期([[山口和也]])
 
* 正重([[正野大輔]])
 
* お光([[盛田瑞恵]])
 
* お絢([[間藤絢子]])
 
* お凛([[車谷絵里]])
 
* 女1([[藤井京子]])
 
* 女2([[加藤杏奈]])
 
* 女3([[久保梨瑛]])
 
* 女4([[進藤初香]])
 
* 切支丹農民([[鳩岡大輔]])
 
* 切支丹農民([[飯田誠規]])
 
* 家来([[影本将志]])
 
* 家来([[岩崎諒太]])
 
* 家来([[高橋信]])
 
* 根来衆([[広森春樹]])
 
* 根来衆([[柴田大吾]])
 
* 紀州大納言 徳川頼宣([[中嶋宏幸]])
 
* 伊豆守 松平信綱([[益城宏]])
 
* ナレーション([[永井一郎]])
 
}}
 
 
 
==== スタッフ(2011年)====
 
* 脚本・演出 : 関智一
 
* 演出協力 : 中博史
 
* 製作 : 劇団ヘロヘロQカムパニー・八田麻衣子
 
* 公演期間 : [[2011年]][[6月14日]] - 19日
 
* 公演会場 : [[前進座|吉祥寺前進座劇場]]
 
 
 
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=== 2018年 ===
 
[[日本テレビ]]の開局65周年を記念しての公演<ref>{{Cite news|url= https://www.cinra.net/news/20180125-makaitensho |title= 『魔界転生』堤幸彦演出で舞台化、キャストに上川隆也、溝端淳平、松平健ら |newspaper= CINRA.NET |publisher= 株式会社 CINRA |date= 2018-05-18 |accessdate= 2018-05-18 }}</ref>。
 
 
 
==== キャスト(2018年)====
 
* [[柳生三厳|柳生十兵衛]]([[上川隆也]])
 
* [[天草四郎]]([[溝端淳平]])
 
* [[柳生宗矩|柳生但馬守宗矩]]([[松平健]])
 
* お品([[高岡早紀]])
 
* 根津甚八([[村井良大]])
 
* 北条主税([[松田凌]])
 
* 田宮坊太郎([[玉城裕規]])
 
* [[柳生宗冬|柳生又十郎]]([[木村達成]])
 
* [[荒木又右衛門]]([[猪塚健太]])
 
* 小栗丈馬([[栗山航]])
 
* 戸田五太夫([[丸山敦史]])
 
* [[由井正雪|由比正雪]]([[山口馬木也]])
 
* [[宮本武蔵]]([[藤本隆宏 (俳優)|藤本隆宏]])
 
* [[淀殿]]([[浅野ゆう子]])
 
* [[胤舜|宝蔵院胤舜]]([[野添義弘]])
 
* すず([[皆本麻帆]])
 
* 小十郎([[蒼木陣]])
 
* 宗一郎([[町井祥真]])
 
* 磯谷仙八([[野村祐希 (俳優)|野村祐希]])
 
* 内藤主膳([[横山一敏]])
 
* 岩浅重成([[真砂京之介]])
 
 
 
==== スタッフ(2018年)====
 
* 脚本:[[マキノノゾミ]]
 
* 演出:[[堤幸彦]]
 
* 音楽:[[ガブリエル・ロベルト]]
 
* 美術:[[松井るみ]]
 
* 照明:高見和義
 
* 音響:井上正弘
 
* 衣裳:宮本宣子
 
* ヘアメイク:川端富生
 
* 映像:高橋洋人
 
* ステージング:[[広崎うらん]]
 
* 殺陣:[[諸鍛冶裕太]]
 
* 演出助手:松森望宏
 
* 舞台監督:小川亘
 
* プロデューサー:松村英幹
 
 
 
==== 上演日程(2018年)====
 
* 福岡公演([[2018年]][[10月6日]] - [[10月28日]]、[[博多座]])
 
* 東京公演([[11月3日]] - [[11月27日]]、[[明治座]])
 
* 大阪公演([[12月9日]] - [[12月14日]]、[[梅田芸術劇場]][[梅田芸術劇場#メインホール(旧・梅田コマ劇場)|メインホール]])
 
 
 
== Vシネマ ==
 
=== 解説 (Vシネマ) ===
 
[[オリジナルビデオ]]での製作で、The ARMAGEDDONというサブタイトルがつく。本作は2部構成となっている。第一部の正編に続き、魔界衆・妖怪たちとの対決を描く第二部の魔道変まで。映画版と違い、森宗意軒は登場しないが由比正雪が首領で原作同様天草四郎は配下の一人となる。第1部は[[1996年]][[4月26日]]発売、85分、第2部「魔道変」1996年[[10月4日]]発売、83分。
 
 
 
=== ストーリー (Vシネマ) ===
 
魔界からの使者、[[由比正雪]]は覇権を狙う[[徳川頼宣]]のもと、天草四郎時貞、[[胤舜|宝蔵院胤舜]]、[[荒木又右衛門]]、柳生宗矩、宮本武蔵などの7人を魔界衆として復活させる。柳生十兵衛がその陰謀に挑む。
 
 
 
=== キャスト (Vシネマ) ===
 
{{columns-list|2|
 
* [[渡辺裕之]] : 柳生十兵衛
 
* [[森山ゆうこ|森山裕子]] : おひろ
 
* [[清水ひとみ]] : [[春日局]]
 
* [[石田延之|石田信之]] : 松平伊豆守
 
* [[杜澤泰文]] : [[徳川頼宣]]
 
* 吉田晃太郎 : 天草四郎時貞
 
* [[山本昌平]] : 宝蔵院胤瞬
 
* 脇坂奎平 : [[荒木又右衛門]]
 
* [[和崎俊哉]] : 柳生宗矩
 
* [[宮内洋]] : 宮本武蔵
 
* [[田口トモロヲ]] : [[由比正雪]]
 
* [[新井つねひろ]] : 田宮坊太郎
 
}}
 
* [[高杉新兵衛|白部由起夫]]・浦野眞彦・[[加藤陵子]]・伊藤紘・[[栗原敏]]・豊島稔・[[崎山凛]]・新井兼二・徳留英人・長谷川健・[[城谷光俊]]・[[大道寺俊典]]・河本由彦
 
 
 
=== スタッフ (Vシネマ) ===
 
{{columns-list|2|
 
* 製作 : [[ギャガ・コミュニケーションズ]]、ジャングル
 
* 監督 : 白井政一
 
* 脚本 : 菊地昭典
 
* 製作 : 山地浩
 
* 企画 : 内藤三郎
 
* プロデューサー : 千葉善紀・角田昇・小野正
 
* 音楽 : 中川孝・坂元幸
 
* 撮影 : [[長谷川清 (撮影監督)|長谷川清]]
 
* 特殊メイク : [[江川悦子]]
 
* 協力 : [[日光江戸村]]
 
* ビデオ販売 : [[徳間ジャパンコミュニケーションズ]]
 
}}
 
 
 
== アニメ ==
 
{{節スタブ}}
 
1998年、[[OVA]]としてアニメ化。「地獄篇 第一歌」「地獄篇 第二歌」の2作が発売されている。当初は全4巻の予定だったが、製作取り止めとなったため、未完となっている。
 
 
 
; キャスト
 
{{columns-list|2|
 
:* 柳生十兵衛([[玄田哲章]])
 
:* 天草四郎([[置鮎龍太郎]])
 
:* 森宗意軒([[納谷悟朗]])
 
:* 田宮坊太郎([[塩沢兼人]])
 
:* 宮本武蔵([[阪脩]])
 
:* 荒木又右衛門([[若本規夫]])
 
:* 柳生但馬守([[山野史人]])
 
:* [[沢庵宗彭|沢庵和尚]]([[大木民夫]])
 
:* 関口柔心([[青野武]])
 
:* 宝蔵院胤瞬([[天田益男]])
 
:* 由井正雪([[安井邦彦]])
 
:* 伊達左十四([[大友龍三郎]])
 
:* お蝶([[安藤ありさ]])
 
:* お蝶の子供時代([[根谷美智子]])
 
:* お京、お雛([[岡本麻弥]])
 
:* 磯千八([[龍田直樹]])
 
:* 金丸([[中村大樹]])
 
:* お縫([[丹下桜]])
 
:* 松平信綱([[有本欽隆]])
 
:* 戸田五太夫([[筈見純]])
 
:* 山中鉄斎([[幹本雄之]])
 
:* 弥太郎([[真柴摩利]])
 
:* 武蔵の従者([[河合義雄]])
 
:* 柳生の男([[長嶝高士]])
 
:* 姉([[大塚みずえ|大塚瑞恵]])
 
:* 弟([[大谷育江]])
 
:* 役人([[中博史]])
 
:* ナレーション([[中田浩二 (俳優)|中田浩二]])
 
}}
 
:
 
; スタッフ
 
:* 監督 - 浦田保則
 
:* キャラクターデザイン - [[さとうけいいち|佐藤敬一]]、羽山賢二
 
:* 音楽 - [[天野正道]]
 
 
 
== 漫画 ==
 
'''魔界転生'''([[石川賢 (漫画家)|石川賢]])
 
: 自ら山田風太郎原作で描きたいと角川に打診し、『[[甲賀忍法帖]]』を希望したところ、過去に角川で映画化された本作を指定されたという。山田からの要望による縛りが一切無かったことから、石川賢の個性的なアレンジで全くの別物に仕上がっている<ref>石川賢 『魔界転生』文庫版あとがき、[[講談社]]、1998年。</ref>。主な相違点として、魔界衆は幕府転覆も目論むが、真の目的は魔界と魔王サタンの現世への召喚である。そのため、天草四郎がサタンの一部分という設定で魔界衆の首魁になっている他、原作では転生しない徳川頼宣が転生し、柳生如雲斎の登場がない。魔界転生の素体となる女たちも、クララお品とベアトリスお銭は登場せず、ベアトリスお品とクララお清となり、役回りにも違いが見られる。
 
 
 
'''魔界転生'''([[とみ新蔵]])
 
: ほぼ忠実な漫画化。後半よりオリジナル展開。
 
 
 
'''魔界転生―夢の跡'''(鳥羽笙子)
 
: 全2巻。2003年版の映画に合わせて角川系列の少女漫画誌で連載された。導入と終盤こそ1981年版映画をベースにして天草四郎を首魁にする流れを踏襲しているが、森宗意軒と由比正雪が天草四郎に随伴しているなど原作要素も取り入れられている。
 
: 魔界衆の中で一人だけ人の心を残したまま魔界衆になったというオリジナル設定のもと田宮坊太郎を主人公に据え、江戸城本丸の決戦まで坊太郎を生き残らせるアレンジが加わっている。
 
: 天草四郎側に付く小西行長の血筋の子供「お類」(名は『魔界転生』原作版田宮坊太郎の想い人と同一だが、名前以外は完全に『夢の跡』オリジナルキャラクター)が天草四郎・田宮坊太郎とおひろ・十兵衛それぞれに関わる。坊太郎とお類の交流は1981年版映画における伊賀の霧丸とお光のそれを彷彿させる描写になっている。
 
: お雛とおひろの役割も原作と大きく異なり、おひろは生前の坊太郎の想い人(本編では既に故人)・お雛はおひろに生き写しの実妹という役回りになっている。
 
 
 
'''魔界転生―聖者'''(ベアト)'''の行進'''(九後奈緒子)
 
: 全1巻。2003年版の映画に合わせて角川系列の少女漫画誌『[[月刊Asuka|月刊ASUKA]]』で連載された。全3話の短期連載のためか、登場する魔界衆は天草四郎、宮本武蔵、柳生宗矩のみの超ダイジェスト版。掲載誌のカラー故か森宗意軒と天草四郎、天草四郎と柳生十兵衛の間に[[ボーイズラブ]]調の脚色が加わり、男性キャラクター同士の執着と愛憎劇が主体になっている。
 
 
 
'''[[十 〜忍法魔界転生〜]]'''([[せがわまさき]])
 
:『[[月刊ヤングマガジン]]』(講談社)9月号(2012年8月8日発売)より連載開始。ほぼ忠実な漫画化だが、ポニーテールの天草四郎・ツインテールの柳生宗矩・おさげ髪の宝蔵院胤舜など細部に現代風アレンジが加えられている。
 
 
 
== ゲーム ==
 
[[ローグライクゲーム]]で、[[2003年]][[7月31日]]に[[PlayStation 2|PS2]]専用ソフトとして発売された。開発は[[タムソフト]]、販売は[[ディースリー・パブリッシャー]]。発売に際し[[日枝神社 (千代田区)|日枝神社]]にて、厄除け祈願が行われている<ref>最新祝詞選集 第2巻 『特殊祈願祭祝詞』 戎光祥出版、平成19年、226 - 227頁。</ref>。2003年版映画がベースになっており、秘術の生贄に誘拐されたヒロイン・おひろを救出するため戦いに身を投じた柳生十兵衛を操作し、ゲームを攻略していく。魔界衆を統べる首魁が天草四郎とクララお品のカップル、おひろとお雛が双子の姉妹になっているなどの独自アレンジが加わっている。
 
 
 
== イベント ==
 
* 魔界転生
 
* 魔界転生 再誕(リバース)
 
*:※2003年の映画を基に製作された、[[東映太秦映画村]]に在った[[お化け屋敷]]
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
;注釈
 
{{Reflist|group = "注釈"}}
 
;出典
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* {{Cite journal |和書
 
|date=2003-05-01
 
|journal=[[宇宙船 (雑誌)|宇宙船]]
 
|volume=Vol.106
 
|issue=(2003年5月号)
 
|publisher=[[朝日ソノラマ]]
 
|id=雑誌コード:01843-05
 
|ref={{SfnRef|宇宙船106|2003}}
 
}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* 千葉真一が柳生十兵衛に扮した作品
 
** [[柳生一族の陰謀]]
 
** 柳生あばれ旅シリーズ
 
*** [[柳生あばれ旅]]
 
*** [[柳生十兵衛あばれ旅]]
 
* [[神曲]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* {{Allcinema title|86195}}
 
* {{Japanese-cinema-db|13499}}
 
* {{Kinejun title|17055}}
 
* {{ぴあ映画チラシ|114828}}
 
* {{Amg movie|42739|Samurai Reincarnation}}
 
* {{IMDb title|0082699|Samurai Reincarnation}}
 
* {{Allcinema title|240097|魔界転生 (2003)}}
 
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2019/4/27/ (土) 12:17時点における最新版

魔界転生』(まかいてんしょう)

山田風太郎の忍法小説。1964年(昭和39)から66年にかけて『大阪新聞』ほかに連載された。初出のときの題名は『おぼろ忍法帖(にんぽうちょう)』。由比正雪(ゆいしょうせつ)は奇怪な妖術(ようじゅつ)師と共謀して、すでに物故した剣豪、荒木又右衛門(またえもん)、田宮坊太郎、宮本武蔵(むさし)、柳生但馬守(やぎゅうたじまのかみ)、宝蔵院胤舜(いんしゅん)などをこの世に再生させ、紀伊大納言(だいなごん)頼宣(よりのぶ)を奉じて江戸幕府を倒さんものと画策する。正雪の野望の前に単身立ちはだかるのは隻眼の剣客、柳生十兵衛である。こうして日本の時代小説に欠くべからざるヒーローたちが、剣や槍(やり)をとって凄絶(せいぜつ)な死闘を展開する。SF的な発想とプロットの妙で、伝奇小説に新生面を開いた作者の忍法帖シリーズ中の代表作といえよう。



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