香川郡

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ファイル:Kagawa Kagawa-gun.png
香川県香川郡の範囲(緑:直島町)

香川郡(かがわぐん)は、香川県讃岐国)の

人口3,075人、面積14.22km²、人口密度216人/km²。(2018年4月1日、推計人口

以下の1町を含む。

概要

「香川県」の県名は県庁が置かれた高松が当郡にあったことによるものである。

奈良時代から香河郡の名があり、平安時代の辞書和名抄にも介加波郡(けかはぐん)とある。なお戦国時代には讃岐国西部を香川氏が治めたが、その名の由来は祖先が相模国高座郡香川郷(神奈川県茅ヶ崎市香川)を領有したことにあり、香川郡との関係はない。

元々香川県のうち高松市中心部を含む高松平野の東半分を領域とする広大な郡であったが、1890年明治23年)2月15日に香川県において市制町村制が施行されたことによって高松市が郡から独立したのを皮切りに、所属町村が100年余りをかけて次々と高松市へ合併して消滅し、遂に2006年(平成18年)には四国本土部分における最後の自治体であった香川町香南町が高松市へ合併したことにより、香川郡は四国本土から消滅した。2006年以降の香川郡は島嶼部である直島町1町が所属するのみであるが、この直島諸島は明治時代までいずれの郡に属しない地域であったため、古来からの郡域という意味における香川郡は2006年時点で全域が高松市となっている。

郡内の直島諸島男木島女木島は「直島3島」と総称され、明治5年1872年)まで香川郡には所属しておらず、江戸時代は郡に相当する広域単位としての「小豆島」に属していた[1]

郡域

1878年(明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記1町のほか、現在の行政区画では概ね以下の区域に相当する。

  • 高松市(木太町、林町、上林町、三谷町、西植田町、菅沢町以東および国分寺町各町を除く)

歴史

旧役所・郡衙等

古代

和名類聚抄』に記される郡内の郷。

  • 野原(箆原、笑原)郷、太田郷、多配(多肥)郷
  • 百合(百相)郷、大野郷、由佐郷
  • 安原郷、笠居郷、飯田郷
  • 坂田郷、中間郷、成相(成合)郷
  • 圓座(円座)郷、川邊(川辺)郷

式内社

延喜式神名帳に記される郡内の式内社

テンプレート:讃岐国香川郡の式内社一覧
神名帳 比定社 集成
社名 読み 付記 社名 所在地 備考
凡例を表示

近現代

  • 明治初年時点では全域が高松藩領であった。「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点に存在した村は以下の通り。後に当郡の管轄となる直島男木島女木島は当時はどこの郡にも属さず、幕府領(高松藩預地)であった。(1町49村)
高松[注釈 2]、西浜村、宮脇村、中ノ村、上ノ村、東浜村、福岡村、松縄村、今里村、伏石村、下多肥村、上多肥村、太田村、鹿角村、一宮村、出作村、三名村、百相村[注釈 3]、寺井村[注釈 3]、大野村、浅野村[注釈 3]、川東上村、川東下村、川内原村、東谷村、安原下村、安原上村、岡村、由佐村、吉光村、横井村、池内村、西庄村、郷東村、笠居村、鶴市村、飯田村、檀紙村、御厩村、中間村、山崎村、岡本村、川部村、円座村、成合村、勅使村、馬場村、沖村、坂田村、万蔵村
ファイル:Kagawa Kagawa-gun 1890.png
1.宮脇村 2.中笠居村 3.栗林村 4.東浜村 5.太田村 6.鷺田村 7.一宮村 8.多肥村 9.百相村 10.大野村 11.浅野村 12.川東村 13.安原村 14.安原上東村 15.安原上西村 16.池西村 17.由佐村 18.川岡村 19.円座村 20.檀紙村 21.弦打村 22.上笠居村 23.下笠居村 24.雌雄島村 25.直島村(紫:高松市 桃:直島町。*は発足時の高松市)
  • 1890年(明治23年)2月15日 - 市制町村制の香川県での施行により、高松市と以下の町村が発足。高松市となった地域は郡より離脱。特記以外全域が現高松市。(25村)
    • 高松市 ← 内町、東浜町、新材木町、通町、本町、上横町、下横町、北浜材木町、鶴屋町、魚屋町、内磨屋町、工町、浜ノ町、天神前、南鍛冶屋町、北亀井町、南亀井町、西瓦町、東瓦町、田町、中新町、新瓦町、南新町、旅籠町、西通町、兵庫町、丸亀町、古新町、外磨屋町、南紺屋町、一番町、二番町、三番町、四番町、五番町、六番町、七番町、八番町、九番町、十番町、西新町、西浜町、木蔵町、塩屋町、片原町、百間町、大工町、桶屋町、野方町、今新町、七十間町、御坊町、新通町、井口町、新塩屋町、築地町、福田町、北古馬場町、古馬場町(以上は高松城下より)、東浜村(一部)、中ノ村(一部)
    • 宮脇村 ← 宮脇村、西浜村
    • 中笠居村(単独村制)
    • 栗林村 ← 藤塚町(高松城下より)、中ノ村(大部分)、上ノ村
    • 東浜村 ← 東浜村(大部分)、福岡下村
    • 太田村 ← 太田村、松縄村、伏石村、今里村、福岡上村
    • 鷺田村 ← 坂田村、勅使村、馬場村、沖村、万蔵村
    • 一宮村 ← 一宮村、成合村、鹿角村、三名村
    • 多肥村 ← 出作村(大部分)、上多肥村、下多肥村
    • 百相村 ← 百相村、出作村(一部)
    • 大野村 ← 大野村、寺井村
    • 浅野村(単独村制)
    • 川東村 ← 川東上村、川東下村、川内原村
    • 安原村 ← 安原下村、東谷村
    • 安原上東村 ← 安原上東村、安原上村
    • 安原上西村(単独村制)
    • 池西村 ← 池内村、西庄村、横井村
    • 由佐村 ← 由佐村、岡村、吉光村
    • 川岡村 ← 川部村、岡本村
    • 円座村 ← 円座村、山崎村
    • 檀紙村 ← 檀紙村、御厩村、中間村
    • 弦打村 ← 鶴市村、飯田村、郷東村
    • 上笠居村(単独村制)
    • 下笠居村(単独村制)
    • 雌雄島村 ← 女木島、男木島
    • 直島村(直島が単独村制。現直島町)
  • 1898年(明治31年)2月11日 - 百相村が町制施行・改称して仏生山町となる。(1町24村)
  • 1899年(明治32年)4月1日 - 郡制を施行。
  • 1914年大正3年)5月1日 - 宮脇村が高松市に編入。(1町23村)
  • 1915年(大正4年)2月11日 - 中笠居村が町制施行・改称して香西町となる。(2町22村)
  • 1918年(大正7年)4月3日 - 安原上東村が塩江村に改称。
  • 1921年(大正10年)
    • 1月1日 - 東浜村が高松市に編入。(2町21村)
    • 11月1日 - 栗林村が高松市に編入。(2町20村)
  • 1923年(大正12年)3月31日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 1926年(大正15年)6月30日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 1940年昭和15年)2月11日 - 鷺田村・太田村が高松市に編入。(2町18村)
  • 1951年(昭和26年)4月1日 - 安原上西村が上西村に改称。
  • 1954年(昭和29年)4月1日 - 直島村が町制施行して直島町となる。(3町17村)
  • 1955年(昭和30年)4月1日 - 大野村・川東村・浅野村が合併して香川町が発足。(4町14村)
  • 1956年(昭和31年)
    • 9月30日(4町)
      • 仏生山町・香西町・一宮村・円座村・下笠居村・弦打村・雌雄島村・上笠居村・川岡村・多肥村・檀紙村が高松市に編入。
      • 由佐村・池西村が合併して香南町が発足。
      • 塩江村・上西村・安原村が合併して塩江町が発足。
    • 10月25日 - 塩江町の一部(東谷および安原下の一部)が香川町に編入。
  • 1958年(昭和33年)4月1日 - 香川町の一部(寺井の一部)が高松市に編入。
  • 2005年平成17年)9月26日 - 塩江町が高松市に編入。(3町)
  • 2006年(平成18年)1月10日 - 香川町・香南町が高松市に編入。(1町)

変遷表

参考文献

脚注

注釈

  1. 役所自体の移転は無い。所在地であった郡下栗林村が、1921年(大正10年)に高松市へ合併したためであり、これによって1926年(大正15年)に廃止されるまでの約5年間は郡役所所在地が管轄区域外の高松市となっていた。
  2. 高松城下60町の総称。「旧高旧領取調帳」には記載なし。ここでは便宜的に1町と数える。
  3. 3.0 3.1 3.2 村内に寺社領が存在。

出典

  1. 角川日本地名大辞典編纂委員会 『角川日本地名大辞典37 香川県』 角川書店、1985年9月、795頁。ISBN 978-4-04-001370-1。
  2. “萩前・一本木遺跡:奈良期の大規模建物跡 郡衙の可能性も--高松”. 毎日新聞. (2011年8月19日). http://historytreasure.seesaa.net/article/221251610.html . 2014閲覧. 

関連文献

  • 『讃岐香川郡志』 香川県教育会香川郡部会、1944年。NDLJP:1043830

関連項目

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