「電報略号 (鉄道)」の版間の差分

提供: miniwiki
移動先:案内検索
(1版 をインポートしました)
(内容を「{{テンプレート:20180815sk}} __NOINDEX__」で置換)
(タグ: Replaced)
 
1行目: 1行目:
'''電報略号'''(でんぽうりゃくごう)とは、鉄道電報で使用されていた[[業界用語|鉄道用語]]及び[[駅名]]の省略[[記号]]である。'''電略記号'''(でんりゃくきごう)、'''電略'''(でんりゃく)とも呼称される。
+
{{テンプレート:20180815sk}} __NOINDEX__
 
 
[[大正]]時代には既に多数の電報略号が使用されており、古くからあるが、電報に代わって[[ファクシミリ|FAX]]及び[[電子メール]]による一斉同報配信が使用されている現在でも日常的に使用されている略号が多数ある。
 
 
 
==意義==
 
かつて鉄道施設間の連絡には専用の有線または無線電信による[[電報]]が多く使用されていた(鉄道電報と呼ばれ、施設ごとに[[電信]]技手がいて[[モールス符号|モールス]]による送受信を担当していた)。しかし、電報は欧文、数字および[[カタカナ]]のみしか送受信できず、そのため長い文章になると非常に読み難く、読み違え等で事故が発生する危険性もあった。
 
 
 
これらの問題を解決するために、電報内で頻繁に使用される言い回しや鉄道用語の略号を、カタカナ1 - 3文字程度の統一規格として公布し、短く且つ正確に情報を伝達できるようにしたものが電略である。
 
 
 
現在の[[JR]]では、電報ではなくFAXを用いているが、各駅間や指令所からの通信用のFAXのことを今なお「電報」と呼んでおり、頼信紙も「鉄道電報用紙」という規定様式がある。
 
 
 
(例)指令所より「詳細は、○月○日発信、情報電報、第○○号を参照してください…」
 
 
 
== 電略の種類 ==
 
=== 駅・信号所・操車所名(地名など) ===
 
一つ一つの[[鉄道駅|駅]]([[信号場]]や[[鉄道駅#貨物駅|貨物駅]]も含む)の名称について略号が定められた。通常はカタカナ2文字(2025通り)で構成され、例えば[[東京駅]]なら'''トウ'''、[[名古屋駅]]なら'''ナコ'''という具合である。基本的には同一路線での重複は避け、とくに同一の(ないし隣接する)支社(国鉄時代は[[鉄道管理局]])の管内では重複しないようにしている。支社(管理局)が離れていれば重複も許容しており、必要な場合は支社(管理局)の略号を頭に組み合わせる。
 
 
 
重複回避の例には
 
* [[新前橋駅]]('''シマ''')と[[新町駅]]('''マチ''')の組み合わせ(いずれも[[東日本旅客鉄道高崎支社|旧高崎鉄道管理局]]管内)
 
など
 
 
 
同一略号の例には
 
*[[岡山駅]]と[[岡崎駅]]の略号(いずれも'''オカ''')
 
*[[堅田駅]]と[[海田市駅]]の略号(いずれも'''カタ''')
 
*[[守山駅 (滋賀県)|守山駅]]と[[森ノ宮駅]]の略号(いずれも'''モリ''')
 
*[[熊川駅]]と[[熊本駅]]と[[熊谷駅]]の略号(いずれも'''クマ''')
 
*[[新宿駅]]と[[新宮駅]]と[[新倉敷駅]]と[[さくら夙川駅]]の略号(いずれも'''シク''')
 
*[[名古屋駅]]と[[那古船形駅]]と[[奈古駅]]の略号(いずれも'''ナコ''')
 
*[[小山駅]]と[[山口駅 (山口県)|山口駅]]と[[肥前山口駅]]の略号(いずれも'''ヤマ''')
 
*電報略号'''ヒメ'''に至っては[[姫路駅]]と[[姫川駅]]([[姫川駅 (新潟県)|新潟県]]、[[姫川駅 (北海道)|北海道]]両方)、[[黒姫駅]]、[[姫駅]]、[[紀伊姫駅]]と6駅もある。
 
 
 
他にも、同一路線の例では、
 
*[[東海道本線]]の、[[島田駅 (静岡県)|島田駅]]と[[島本駅]](いずれも'''シマ''')
 
*[[山陽本線]]の、[[塩屋駅 (兵庫県)|塩屋駅]]と[[新山口駅]](いずれも'''シヤ''')
 
*山陽本線の、[[朝霧駅]]と[[厚狭駅]](いずれも'''アサ''')
 
*山陽本線の、[[西明石駅]]と[[西阿知駅]](いずれも'''ニア''')
 
*[[鹿児島本線]]の、[[原田駅 (福岡県)|原田駅]]([[九州旅客鉄道鉄道事業本部|JR九州本社鉄道事業本部]])と[[田原坂駅]]([[九州旅客鉄道熊本支社|熊本支社]])の略号(いずれも'''ハル''')
 
などが挙げられる。
 
 
 
* 電報による伝達の運用が廃止され、国鉄からJRに民営化された現在でも、新たに開業した駅には必ず電略が割り当てられている。
 
近年では、2008年に開業した[[須磨海浜公園駅]]に'''スコ'''、2009年に開業した[[久留米高校前駅]]に'''クコ'''、[[西大宮駅]]に'''ニミ'''、[[西府駅]]に'''フニ'''、2012年に開業した[[吉川美南駅]]に'''ミミ'''、2014年に開業した[[相見駅]]に'''イミ'''の略号が割り当てられるなどした。
 
* 略号の命名法には、幾つか決まりごとがある。
 
*# 3文字以上あれば、必ずしも1文字目と2文字目を使う必要はない。
 
*#: 例:[[大阪駅]]・[[大崎駅]]→'''オサ'''
 
*# 文字の順序を変えることができる。
 
*#: 例: [[戸田駅 (埼玉県)|戸田駅]]→'''タト'''、[[田町駅]]→'''チタ'''
 
*# [[濁点]]、[[半濁点]]は原則として使用しない。戦後間もなくまでは濁点の使用例があったが、廃止された。
 
*#: 例:[[十条駅 (東京都)|十条駅]](じゅうじょう)→'''シウ'''('''し'''ゅ'''う'''じょう)
 
*# 小文字は大文字にして使用する。
 
*#: 例: [[日暮里駅]](にっぽり)→'''ニツ'''('''につ'''ぽり)
 
*# [[歴史的仮名遣|旧仮名遣い]]も使える。原則と異なる許容仮名遣いを使用する場合もある。戦後間もなくまでは、「ヰ」「ヱ」「ヲ」も使用したが、廃止された。
 
*#: 例:[[川越駅]]→'''ハエ'''(か'''は'''ご'''え''')、[[高円寺駅]]→'''カエ'''('''か'''う'''ゑ'''んじ。旧表記は'''カヱ''')、[[浜松町駅]]→'''ハテ'''('''は'''ままつ'''て'''ふ。但し、'''町'''の旧仮名遣いはチヤウ。)
 
*# 駅名に含まれる文字だけでは重複を避けられない場合、それ以外の文字を使うことがある。
 
*#: 例:[[三鷹駅]]→'''ミツ'''('''みつ'''たか駅と読ませた)、[[広駅]]→'''クヒ'''(「[[呉線]]の広」から。'''ヒロ'''は[[広島駅]])
 
*# 本来の読みと異なる漢字の[[音読み|音]]または[[訓読み|訓]]を使用する場合がある。
 
*#: 例:[[釜戸駅]](かまど)→'''フコ'''、[[金町駅]](かなまち)→'''キン'''
 
*# '''信号'''場(シ)・'''操車'''場(ソ)・'''貨物'''駅なども混ぜて使用できる。
 
*#: 例:[[武蔵野操車場]]→'''ムソ'''('''む'''さしの'''そ'''うしゃ)、[[八戸貨物駅]]→'''ハモ'''('''は'''ちのへか'''も'''つ)
 
*# 駅名の変更や、信号場・操車場機能の変更がなされても、略号は変更されない場合がある。
 
*#: 例:[[福工大前駅]]→'''クウ'''(旧'''筑前新宮駅''')、[[新鶴見信号場]]→'''ツソ'''(旧'''新鶴見操車場''')
 
*# [[車両基地]]と最寄り駅で、別の略号を使用するときがある。
 
*#: 例:[[多度津駅]]→'''タト'''・[[四国旅客鉄道多度津工場|多度津工場]]→'''トツ'''、[[新山口駅]]→'''シヤ'''・[[下関総合車両所#新山口支所|下関総合車両所運用検修センター新山口支所]]→'''クチ'''
 
*# 上記のどの条件でも重複が避けられない時は、例外的に3文字で表記する場合もある。
 
*#: 例:[[宮原操車場]]→'''ミハソ'''('''み'''や'''は'''ら'''そ'''うしゃ)、[[東加古川駅]]→'''ヒカコ'''('''ひ'''がし'''かこ'''がわ)
 
* 仮名1文字の[[津駅]]については、'''ツツ'''と繰り返すことによって対応している。
 
 
 
=== 路線名 ===
 
駅と同様に、各路線にも略号がある。[[東海道本線]]であれば'''トカホセ'''のようになる。
 
 
 
=== 連絡船名 ===
 
駅・路線名と同様に、鉄道連絡船で使用される船名にも略号がある。[[青函連絡船]][[羊蹄丸]]であれば'''ヨテマ'''のようになる。
 
 
 
=== 区所名 ===
 
運転に携わる部署、例えば車掌区('''レク''')や、運転所('''ウシ''')、機関区('''キク''')、輸送指令('''ユソレ''')など。前述した駅地名の略号と合わせて使用されることが多い。
 
*: 例:[[田端運転所]]→'''ハタウシ'''(田端の略号'''ハタ'''+運転所)、[[新鶴見機関区]]→'''ツソキク'''(新鶴見の略号'''ツソ'''+機関区)
 
また、関連会社にも割り当てられることもある。例えば、車内販売を行う[[日本レストランエンタプライズ]]には'''ニホレ'''、宿泊施設の[[東京ステーションホテル]]には'''ステホ'''などである。
 
 
 
=== 車両の所属表記 ===
 
車両の所属区所を判別しやすくするため、車両(電車・気動車・客車・一部貨車)に、管理局(支社)の頭文字+電報略号を用いて表記する場合がある。その性格上、車体端の下部などに記載されていることが多く、一般の利用客にも目にしやすいものである。
 
*: 例:'''南{{Smaller|シナ}}'''→[[鉄道管理局|東京'''南'''鉄道管理局]]品川電車区(シナ)、'''大{{Smaller|ミハ}}'''→[[西日本旅客鉄道大阪支社|'''大'''阪支社]][[宮原総合運転所]](ミハ)
 
*# かつて、第一機関区・第二機関区といった具合に重複する場合、最後に漢数字の一・二などを併記することがあった。
 
*: 例:[[高崎車両センター|高崎第一機関区]]→'''{{CP932フォント|髙}}{{Smaller|タカ一}}'''、[[高崎機関区|高崎第二機関区]]→'''{{CP932フォント|髙}}{{Smaller|タカ二}}'''
 
*# 例外的に管理局等の二文字めを記号に使うこともある。
 
*: 例:'''分{{Smaller|オイ}}'''→[[鉄道管理局|大'''分'''鉄道管理局]]大分運転区・[[大分鉄道事業部|大'''分'''支社]][[大分鉄道事業部|大分車両センター]](オイ)
 
 
 
=== 職務名 ===
 
運転士('''ウテシ''')や車掌('''レチ''')など、職務に対する略号。
 
 
 
=== 運転用語 ===
 
列車の運転を表す用語。例えば運休('''ウヤ''')、運転('''テン''')、発('''ハ''')など。
 
 
 
=== その他 ===
 
日常的に使われる言葉にも、字数節約の意味合いから略号がある。よろしく('''ヨロ''')、取り消し('''トケ''')、承知('''セチ''')など。
 
 
 
==現在でも現場で使用されている電略の例==
 
*ウヤ
 
**「運転休み」の略。運休のこと。[[運転指令所]]や[[信号所]]との連絡などにおいて口頭で伝達する際は「運転休止」などと言い、使用することは少ないが、仲間内では「ウヤになった」などと表現する。似た用語に'''ウキ'''(運転禁止)があるが、こちらは滅多に使われない。
 
**なお、[[近畿日本鉄道]]では「ウヤ」は[[宇治山田駅]]を指すため、運休(近鉄では「運転取り消し」という)は取り消しの略として「トケ」と称する。
 
*ヌキ
 
**スジヌキ(スジは電略ではないがダイヤグラム、転じて運行計画などのこと)とも言い、当該列車を運行順序の枠組みから外す(抜く)こと。[[鉄道事故]]などで特定の列車が[[運転整理|抑止され(一つの駅に留め置かれ)]]、運行再開の見込みが立たない場合に、現在運行している列車の運行順序の枠組みから一時的に外しておくことである。信号所などに口頭で伝達する際には「遅れて順序後(あと)」などと表現し、仲間内での連絡や列車運行状況表へ記録する場合などには「ヌキ」が使われる。
 
**よく使われる例としては、[[北陸地方]]での[[豪雪|大雪]]の影響で[[札幌貨物ターミナル駅|札幌(タ)]]から[[福岡貨物ターミナル駅|福岡(タ)]]へ向かう[[貨物列車]]が雪に阻まれ途中駅で立往生してしまったような場合に、雪の影響がなく平常運行している[[山陽本線]]の運行順序から当該列車を一時的に除外しておくといったことが挙げられる。この例の場合、立往生した列車のいる路線では、その貨物列車だけでなく他の全列車が同じように運転抑止されている(指令所命令で停車させている)のであれば「ヌキ」にする必要は無いが、[[鉄道駅#貨物駅|貨物駅]]の中で立往生しただけで[[旅客列車]]は運行しているような場合は「ヌキ」となる。
 
*テン
 
**運転の略。他の用語と組み合わせて使われることもある。用例は以下参照。
 
*:*カツテン
 
*:**復活運転の略で、一度「ウヤ」になった列車が運行順序の枠に復活すること。よく使われる例としては、列車運行予定で運休と伝達されていた列車が都合により運転されることになった場合などに、列車運行状況表にカツテンを書き入れ、ウヤの文字に取消線を入れるなどが挙げられる。車両故障などで運転が打ち切られた列車が現場での処置を経た後、[[回送]]せずに[[営業]]運転しながら本来の[[終着駅|終着地]]に向かう場合などにもカツテンが書き込まれる。
 
*:*テンバアイ
 
*:**「'''テン場合'''」と[[漢字]]混じりで使用し、運転する場合という条件を表す。[[予定臨時列車|予定臨]]などが運転される日に、待避などの関連で定期運転されている列車の時刻が変更になる場合などがこれに当たる。他には、「初電の[[快速列車|快速]][[米原駅|米原]]行は[[京都駅|京都]]まで先着。ただし[[ムーンライト九州]]テン場合を除く」などのように単純な略語として使われることもある。
 
*セイリ
 
**[[運転整理|運転間隔整理]]のこと。大[[都市圏]]のように非常に多くの列車が走る路線では、一旦ダイヤが乱れ始めると、個々の列車について時刻変更することは困難となる。そこで、「この列車からこの列車までは定刻から一律+3分で運行します」という意味で「3分セイリ」などと表現することがある。
 
*タンキ
 
**「単機」=「[[回送#単行機関車列車|単行機関車列車]]」、つまり[[機関車]]が何も牽引せずに単独で運行されること。貨物列車の場合は運搬する[[貨物]]がない場合でも、カラの[[貨車]]を連結して運転されることが多いが、貨物駅間の回送列車や工事資材の[[特殊列車#配給列車|配給列車]]においては単独で運転される場合がある。「単転(たんころ)」などと呼ぶ人もいる。
 
**(機関車が単独で運行することを特別視する理由は、かつて連結作業の不手際などから走行中に[[連結器]]が外れて機関車が[[暴走]]したり、取り残された[[貨車]]に後続列車が追突したりする事故があったことから、[[鉄道駅|駅]]や[[信号所]]でそのような事態ではないことを確認できるようにするためである)
 
*レチ[[ファイル:390M conductor.jpg|thumb|250px|青春18きっぷに『レチ』と記入された例]]
 
**[[車掌]]のこと。現在のような日付入りのスタンプが登場するまでは、車内で発行された切符に「列車番号+『レチ』」のサインが記入されていたため、電略の中では乗客の目に触れる機会の多い語であった。現在でも[[改札#車内改札|車内改札]]において[[青春18きっぷ]]に '''21年1月20日 390Mレチ''' のように「日付・列車番号+『レチ』」と記入する車掌もいる。派生語としては車掌区を表す「レク」がある。
 
**内部では子分類として以下の3つが存在したが、現在は使用されていない。
 
*:*レチチ
 
*:**[[旅客列車]]の[[車掌]]長のこと。レチ'''チ'''ョウまたは'''チ'''ーフの略。
 
*:*カレチ
 
*:**専務車掌のこと。リョ'''カ'''クセンム'''レチ'''の略。
 
*:*ニレチ
 
*:**荷扱い車掌のこと。'''ニ'''アツカイ'''レチ'''の略。
 
*カモレ
 
**もっぱら仲間内で使用される「貨物列車」の略。国鉄で[[貨物列車]]を表す電略は「カレ」である。
 
*ハモ[[ファイル:Hamoyoro.jpg|thumb|250px|乗車券発行会社に宛てて、全額払い戻しよろしくの意で「全ハモヨロ」と記載されている例]]
 
**本来は[[橋本駅 (神奈川県)|橋本駅]]や[[八戸貨物駅]]などの電略だが、しばしば「払い戻し」の意で用いられる。ちなみに国鉄で払い戻しを表す電略は「ハラモ」である。
 
*ヨロ
 
**「よろしく」の略。
 
*トケ
 
**本来は[[土気駅]]の電略だが「取り消し」の略として使われる。
 
 
 
=== カナコード ===
 
[[マルス (システム)|マルス]]M型端末では、初めて短縮登録(ワンタッチボタンやピンを刺すパネルに設定)されていない駅を入力する際に4文字のカタカナで表現された駅コードを入力するためのキーボードと確認するためのCRTディスプレイが実装されたため、JR全線全駅発着の特急券・急行券・指定券・乗車券・グリーン券等を発売できるようになった。末尾2文字がその駅固有の略号で、先頭に管轄する[[鉄道管理局]]の略号2文字を付与することで[[ユニーク]]化(重複回避)している。(例:[[東京駅]]([[東日本旅客鉄道横浜支社|東京南鉄道管理局]]管轄)=トミトウ、[[大垣駅]]([[東海旅客鉄道東海鉄道事業本部|名古屋鉄道管理局]]管轄)=ナコカキ など)
 
 
 
その後、タッチパネルを採用したMR端末の登場以降、端末上では一般的な駅名や列車名で表示されるようになった上、一般的な駅名・列車名などの頭文字を入力すると、駅名・列車名が検索でき、そのまま項目欄に選択入力ができる入力支援機能が搭載され、カナコードの利用機会は減少しているものの、最新の端末においても入力機能が実装されている場合が多い。また、[[日本交通公社|JTB]]など、マルスのホストに接続された自社旅行業システムで、JR券を発行する場合、現在でもこの略号を使用している場合がある。
 
 
 
JRバスについても、駅名入力を4文字のカタカナで表現されたコードが存在する。この場合は先頭の管理局の略号が、路線名の略号に変わるケースが多い(例:[[JRバス]][[東京駅]]([[東名ハイウェイバス]])=トメトウ、[[草津温泉駅]]([[志賀草津高原線]])=シカクサ、[[大垣インターチェンジ#大垣バス停留所|名神大垣]]([[名神ハイウェイバス]])=メシカキ など)が、中には別の路線や、関係ないコードにまとめてしまう例もある([[みどり湖パーキングエリア#みどり湖バスストップ|長野道みどり湖]]=トメリコ、[[新宿駅バスのりば|新宿駅新南口]]=シクミナ)。また、四国の場合、[[四国旅客鉄道|JR四国鉄道線(旧四国総局)]]は管理局略号は「シコ」であったが、[[ジェイアール四国バス|JR四国バス]]では「コク」を使用することで区別していた(例えば、[[高松駅 (香川県)|高松駅]]の場合、鉄道なら「シコカマ」だが、高速バスでは「コクカマ」となっていた)。たとえば、初代「[[ドリーム高松号]]」を[[高松駅 (香川県)|高松駅前]]から[[東京駅]]八重洲口の乗車券を購入する場合、列車名は「トリムカマ」、発駅名は「コクカマ」、着駅名は「トメトウ」と入力する必要がある。「シコカマ」などを入力すると再考(エラー)となる。
 
 
 
== 受け継がれる電略 ==
 
現場での使用は少ないが、[[鉄道ファン]]等の間で用いられる電略として以下のものがある。
 
* ウテシ
 
** [[運転士]]の略。[[機関士]]は'''キシ'''。列車への無線連絡が現在のように発達していなかった頃は、「時刻表上、まもなく到着するはずの駅(または信号所など)」に対して電報を発信することで列車への伝達を行っており、この言葉は相手先として決まり文句のように使用されていた。
 
一見、旧時代のものと見られがちな電略であるが、メモ書きが必要な口頭での伝達等の時に、複雑な鉄道用語を速記するのが容易なことや、スピーディーなコミュニケーションが図れることから、引き続いて駅内や指令所での伝達、運転・営業関係電報で頻繁に使われている。
 
 
 
==私鉄・地下鉄における電略==
 
電略は私鉄、地下鉄など各事業者も独自に使用しているが、非公開のものもある。また[[京成電鉄]]など、使用していない事業者もある。
 
*[[東京地下鉄]]においては全ての駅に電略があり、券売機で発売された[[回数券]]の券面には、発売駅の電略([[片仮名]]2文字)が印字される。また、以前使われていた[[メトロカード]]の裏面には、入出札駅の電略が印字された。
 
*[[首都圏新都市鉄道]]においては全ての駅に電略のほか4文字略があり、開業直前に雑誌に掲載された。
 
*[[東武鉄道]]、[[相模鉄道]]、[[近畿日本鉄道]]、[[南海電気鉄道]]、[[大阪府都市開発泉北高速鉄道線|泉北高速鉄道]]においても片仮名2 - 3文字の電略を使用している。一部例外として、近鉄には1文字<ref>[[津駅|津]](ツ)である。</ref>、南海には4文字<ref>[[岸里玉出駅]](キシタマ)など。</ref>の電略がある。また、東武や相鉄、南海には濁点の付く<ref>東武の[[東武動物公園駅]](トブコ)、相鉄の[[海老名駅]](エビ)、南海の[[河内長野駅]](ナガ)、[[極楽橋駅]](ゴク)など。</ref>電略が、相鉄には拗音を含む<ref>[[緑園都市駅]](リョク)など</ref>電略がある。
 
 
 
==漢字などでの表記==
 
[[京阪電気鉄道]]や[[東京都交通局]]([[都営地下鉄]])では電報略号に類似している方式として「駅名略称方式」を採用している。これは[[漢字]]1 - 2文字の組み合わせとなっている。ただし2文字を使用する場合は、1文字では他駅との混同の恐れがある場合などに限られる。なお、京阪中之島線[[なにわ橋駅]]では「な」とひらがなを使用している。
 
 
 
京阪、都営地下鉄両者の付番方法はほぼ同一である(1文字の場合の例:中書島→中 泉岳寺→泉、2文字の場合の例:枚方市→枚市 白金高輪→白高)。また、両者ともにダイヤグラムに駅名略称の記載がされているが、都営地下鉄のダイヤには初期のものを除き、駅名略称の読みも書かれている(例:練馬春日町→練春、読みは「ねりはる」、大手町→手、読みは「て」)。
 
 
 
==外地での表記==
 
日本国がいわゆる海外に領土を持っていた当時、現地の鉄道でも制定されていた例がある。[[南満州鉄道]]では線区名に濁音も含むカタカナ3文字ないし5文字(連京線(レケセ)、奉吉線(ホキセ)、北鮮西部線(ホセセブセ)など)が、駅名にカタカナ2文字(大連駅(レン)、奉天駅(ホテ)など)が割り当てられていた。
 
 
 
== その他 ==
 
通信技術・コンピューター技術の進歩により「少ない字数で情報を伝達する」必然性が薄れ、[[企業文化|鉄道事業者の文化]]的な意味合い(いわゆる「[[符牒|符丁]]」)を除くと鉄道における電報略号は意義を失いつつある。
 
 
 
==参考文献==
 
*東京都交通局 都営地下鉄三田線列車運行図表([[2001年]][[3月]]) [[2004年]]の[[鉄道の日イベント]]で販売。
 
*京阪電気鉄道社史「京阪七十年のあゆみ」(1980年) 当時の運賃表(三角表示様式)の片側端部に駅名略称と同一の表記がある。
 
*大連日滿鐵道廣告社「滿鐵 所管線 華北交通 『現地鐵道路線圖』」(1940年) 電報略號のページに一覧が記載されている。
 
*東京地下鉄銀座線リニューアル情報サイト http://www.tokyometro.jp/ginza/topics/20171207_140.html (2018-01-08閲覧)。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{reflist}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[貨物取扱駅コード]]
 
* [[:zh:國音電報|中国語WP:国音電報]]([[台湾鉄路管理局]]の電報略号)
 
* [[北海道旅客鉄道の鉄道駅一覧 (電報略号順)]]
 
* [[東日本旅客鉄道の鉄道駅一覧 (電報略号順)]]
 
* [[東海旅客鉄道の鉄道駅一覧 (電報略号順)]]
 
* [[西日本旅客鉄道の鉄道駅一覧 (電報略号順)]]
 
* [[四国旅客鉄道の鉄道駅一覧 (電報略号順)]]
 
* [[九州旅客鉄道の鉄道駅一覧 (電報略号順)]]
 
 
 
==外部リンク==
 
*[http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2010/01/post_1189.html 正しい「電略」。(上)]
 
*[http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2010/01/post_1133.html 正しい「電略」。(下)]
 
:(いずれも昭和34年9月17日『鉄道公報』通報別冊『鉄道電報略号』国鉄電気局の抜粋が掲載されている)
 
*[http://www.mmrl.gr.jp/mars/index.html 旧式マルスの入力コード]
 
 
 
{{rail-stub}}
 
{{デフォルトソート:てんりやくきこう てつとう}}
 
[[Category:鉄道運転業務]]
 
[[Category:識別子]]
 

2019/7/2/ (火) 09:20時点における最新版



楽天市場検索: