重慶市

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中華人民共和国 重慶市
略称:
別称:山城、霧都
旧称:巴郡、江州、楚州、渝州、恭州
中華人民共和国中の重慶市の位置
中華人民共和国中の重慶市の位置
中心座標 東経106度30分00秒北緯29.55度 東経106.5度29.55; 106.5
簡体字 重庆
繁体字 重慶
拼音 Chóngqìng
カタカナ転写 チョンチン
国家 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
行政級別 直轄市
政府所在地 渝中区
設立 1997年
市委書記 陳敏爾
市長 唐良智
面積
総面積 82,400 km²
海抜 237 m
人口
総人口(2017) 3022 万人
市区人口(2017) 897 万人
都市化率(2017) 65 %
経済
GDP(2017) 19500.27 億元
電話番号 023
郵便番号 400000 - 409912
ナンバープレート 渝 A, B, C, D, F, G, H
行政区画代碼 500000
市樹 黄桷樹
市花 ツバキ
2010年のHDIは 0.783。
公式ウェブサイト http://www.cq.gov.cn/

重慶市(じゅうけいし / チョンチンし、簡体字: 重庆市拼音: Chóngqìng英語: Chongqing)は、中華人民共和国直轄市で、同国である。

重慶市の人口は3022万人(2017年[1]2017年都市圏人口は1962.66万人である[2]

略称の「渝」は重慶市内にある嘉陵江の古称、渝水からきている。2017年、アメリカのシンクタンクが公表したビジネス人材文化政治などを対象とした総合的な世界都市ランキングにおいて、世界第115位の都市と評価されている[3]

地理

ファイル:Night view of Chongqing CBD at the angle across Yangtze river.jpg
長江と重慶センタービジネス地区の夜景.

重慶市は長江上流の四川盆地東部に位置し、東は湖南省湖北省、西は四川省、南は貴州省、北は陝西省と接する。東西470km、南北450kmにわたる広大な面積を持ち、総面積は8.24万平方キロメートルである。市の中心部では北から嘉陵江が合流し、涪陵烏江が合流する。

現在中華人民共和国に4つある直轄市の中で最大の面積を誇る。面積が広大である(北海道島よりも広い)ため、全域の人口では上海市北京市天津市の他の3直轄市や香港特別行政区などを上回る。中国の物流の大動脈である長江沿岸に栄えた重慶は古くから水運が発達していたが、三峡ダムの完成後は1万トン級の船舶も直接重慶まで航行することができるようになり、併せて整備される保税区との相乗効果で重慶港は内陸の国際コンテナターミナルとして大きな発展が見込まれている。

市内にはガス田などの豊富なエネルギー資源があり、内陸部内での輸送コストにおいて有利な点から工業都市として発展している。2014年にはシェールガスの開発・生産もみられた[4]

気候

盆地であるが故に夏は酷暑となり7月の平均気温は28.3度に達し、湿度も高く非常に蒸し暑く不快指数は非常に高く、日中は猛暑日となり、最低気温が30度を下回らないことも珍しくない。いずれも長江流域の武漢南京と並んで「三大火炉」と呼ばれている。冬季の1月の平均気温は7.9度、平均最低気温は6.2度と内陸盆地にあるのにも関わらずかなり温暖であるが、これは秦嶺山脈が北からの寒気を遮ることと、日照時間が少なく常に曇っているため放射冷却が少ないからである。年中曇りや雨の日が多く、中国で最も日照時間が少ない都市のひとつである。

重慶市(1981〜2010年平均、極値1951〜2013年) の平均気温
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
Record high °C (°F) 18.8(66) 24.5(76) 34.0(93) 36.4(98) 38.9(102) 39.8(104) 40.9(106) 43.0(109) 41.9(107) 35.1(95) 29.2(85) 21.5(71) 43.0(109)
平均最高気温 °C (°F) 10.3(51) 12.9(55) 17.7(64) 23.0(73) 27.2(81) 29.4(85) 33.0(91) 33.2(92) 28.3(83) 21.7(71) 17.1(63) 11.5(53) 22.1(72)
平均最低気温 °C (°F) 6.2(43) 8.0(46) 11.2(52) 15.4(60) 19.3(67) 22.1(72) 24.8(77) 24.7(76) 21.2(70) 16.5(62) 12.2(54) 7.7(46) 15.8(60)
最低気温記録 °C (°F) -1.8(29) -0.8(31) 1.2(34) 2.8(37) 10.8(51) 15.5(60) 19.2(67) 17.8(64) 14.3(58) 6.9(44) 0.7(33) −1.7(29) -1.8(29)

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歴史

古代の巴国の地である。巴国は紀元前316年秦国に滅ぼされた。南北朝時代が渝州と命名した。これを略した「渝」は現在も重慶の略称として自動車のナンバープレート等に使われている。1189年淳熙16年)南宋光宗により重慶と命名された。

1891年長江沿岸の港湾として対外開放され、1929年重慶市政府が成立した。日中戦争首都であった南京が陥落すると、1938年蒋介石中国国民党は首都機能を重慶に移転させた。また、金九などを中心とした大韓民国臨時政府も、国民政府とともに重慶へ避難した。日本軍は、蒋介石の国民政府及び大韓民国臨時政府を殲滅するため、重慶に戦略爆撃、後に無差別爆撃を行った(重慶爆撃)。

経済

ファイル:Chongqing World Financial Centre.jpg
重慶ワールド・フィナンシャル・センターと中央ビジネス地区の夕景。左下に観光地の洪崖洞が見える

重慶市の2017年の市内総生産は約19500.27億元(約3079億ドル)であり、中国の都市では第5位である。

重慶は1895年に締結された日清講和条約の条文にある「清国は、荊州府沙市、重慶府、蘇州府杭州府を日本に開放する」により対外開放され、長江を使って宜昌を経由して東部へ、また中部の各所への輸送が強化され、外資、民族資本が投入され近代工業が興った。

日中戦争中に南京市武漢市などから主要工場を疎開させたため産業が集積した。

中華人民共和国成立後、内陸部工業化の重点都市となり、中ソ対立の時期には上海市東北部から工場が四川省などへ移転し重慶にも多額の国家投資が1976年まで投入された。重慶は機械工業、総合化学工業、医薬品、電子機器、電力設備、食品加工、建築資材、ガラス工業、冶金などの各工業が組み合わさった一大基地となり、一時は「工業は重慶に学べ」のスローガンすら出た。

一時中国6大工業基地の一翼となるが、内陸部から資本の撤退により衰退をしていった。1980年代の改革開放後、上海など沿海部の都市が目覚しく発展したのに対し、重慶は発展から取り残され、以前とは逆に経済的に立ち遅れた地域になっていた。

1997年内陸部振興のため重慶直轄市が新設され、中国人民銀行重慶営業管理部が設置されるなど、再生の努力がなされている。現在の主力産業は自動車産業(自動車、オートバイ)であり、また中国内最大の軍事設備生産の拠点でもある。 改革開放政策による急激な需要の増大に対し、老齢化した設備により一時期大気汚染がひどく、多数の公害病患者が出たことでも知られたが、近年は設備の近代化や環境対策により以前ほど深刻ではなくなってきている。

行政区画

重慶市は中央直轄市として26市轄区・8県・4自治県を管轄する。

重慶市の地図
重慶市のパノラマ(2010年)

年表

軍事

成都軍区に属する快速反応部隊である第13集団軍司令部が市内に駐屯し、空軍の第33航空師団(戦闘機師団)が大足基地に所在する。

教育

交通

空港

ファイル:ChongqingAirport.jpg
重慶江北国際空港

重慶市内には、重慶江北国際空港(渝北区)、万州五橋空港(万州区)、黔江武陵山空港中文版(黔江区) の三つの空港がある。重慶江北国際空港が市内最大級の空港である。

鉄道

市中心部の4つの鉄道ターミナル(重慶駅、重慶北駅、重慶西駅、沙坪壩駅)が重慶と中国各地とを結ぶ。この他にも市内には複数の鉄道駅が存在する。

高空公共ロープウェイ

重慶独特の都市交通手段として、大江を渡るロープウェイ(索道)が使われている。現在のところ重慶には一本のロープウェイが営業中。嘉陵江を渡るロープウェイもあったが、2011年2月28日に廃止された。

  • 重慶索道1號線(長江ロープウェイ)長安寺〜上新街

道路

ファイル:轨道交通三号线列车正在穿过菜园坝长江大桥前往南岸区.jpg
市内中心部に架かる菜園壩長江大橋。下部を重慶軌道交通が通る鉄道道路併用橋である
ファイル:Chaotianmen Yangtze River Bridge.JPG
アーチ橋で主径間長世界一を誇る朝天門長江大橋。南岸区と江北区を結ぶ

市内中心部から高速道路が放射状に伸び、環状の高速道路が三重に形成されている。また国道はG210国道、G212国道、G319国道の3本が市内中心部を通る。市内を流れる長江、嘉陵江には複数の橋が架けられ、道路交通の一端を担っている。

水運

  • 朝天門埠頭から市内の長江沿い各県行き、及び武漢上海行きの定期船や長江下りの客船が発着する。
  • 市内を流れる長江に建設されたコンテナターミナルは中国内陸部最大規模を誇る。

市内公共交通

  • CRT Logo.svg.png重慶軌道交通
    • 1号線(重慶メトロ)が2011年7月28日に開通済み。現在小什字駅〜尖頂坡駅間が運営中。
    • 2号線(重慶モノレール)が2005年6月18日に開通済み。現在較場口駅〜魚洞駅間が運営中。
    • 3号線(重慶モノレール)が2011年9月29日に開通済み。現在魚洞駅〜江北空港駅、挙人壩駅間が運営中。
    • 5号線(重慶モノレール)が2017年12月28日に開通済み。現在園博中心駅~大竜山駅間が運営中。
    • 6号線(重慶メトロ)が2012年9月28日に開通済み。現在茶園駅〜北碚駅、悦来駅間が運営中。
    • 10号線(重慶モノレール)が2017年12月28日に開通済み。現在鯉魚池駅~王家荘駅間が運営中。
  • 路線バス
  • エスカレーター・エレベーター
    坂を歩いて登り下りしないで済むように有料エスカレーターやエレベーターがある。
    • 皇冠エスカレーター(両路口〜重慶駅)
    • 凱旋路エレベーター(凱旋路〜較場口)

日本との関係

日本外務省は重慶市に総領事館をおいている。

重慶モノレール第一期工事では43億元の総投資額のうちODAによる円借款(10年据え置き、40年償還、年利0.7%)271億円(約20億元)、23億元の支援を実施。大学の廃棄物処理研修や老齢化していた天然ガス、火力発電所などに最新排煙脱硫装置を設置するなどを実施した。また、中国沿岸部に対して、内陸、西部の発展の中心的役割を担っている同市に対して、学校設備整備、乳児死亡率減少を目指して医療設備などの支援を実施した。

長江と嘉陵江に挟まれているという立地条件から市内と郊外を結ぶ交通は自ずと橋に集中することになるが、この橋の料金所がボトルネックとなり渋滞が頻発していた。1999年に市内に架かる重慶長江第一大橋、嘉陵江大橋、石門大橋の有料三橋の料金収受システムの国際競争入札において豊田通商及びデンソーが受注し、日本式のETC(自動料金収受システム)が設置されている。

内陸のため地の利が悪い(日本との物流的に不利)こともあり、日本人の常駐者は重慶市の総人口に比してかなり少ないが、近年はスズキ自動車の現地合弁企業である重慶長安鈴木汽車をはじめとした自動車関連企業や環境関連企業などが進出している。

スポーツ

名産

主要観光地

  • 洪崖洞
  • 解放碑
  • 龔灘古鎮
  • 長江三峡
  • 大足石刻1999年世界遺産(文化遺産)に登録された)
  • 武隆天坑(2007年に中国南方カルスト世界遺産(自然遺産)に登録された)
  • 朝天門
  • 重慶南温泉、重慶北温泉
  • 鵝嶺公園
  • 万州青龍瀑布
  • 豊都鬼城 三峡ダム工事によって半島になる
  • 合川釣魚城
  • 涪陵白鶴梁 三峡ダム工事によって水没
  • 忠県石宝砦 三峡ダム工事によって島になる
  • 奉節白帝城 三峡ダム工事によって島になる
  • 江津四面山
  • 万盛黒山谷
  • 長寿湖
  • 石柱黄水
  • 重慶人民大礼堂
  • 中国三峡博物館
  • 南浜路
  • 南川金仏山
  • 北碚金刀峡
  • 黔江小南海

友好都市

  • 重慶市江津区

脚注

外部リンク

公式

日本政府

観光

ブログ

掲示板

座標: 東経106度30分00秒北緯29.55度 東経106.5度29.55; 106.5 (重慶市)