「重心」の版間の差分

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{{otheruseslist|[[物理]]用語|[[クラウゼヴィッツ]]が提唱した戦場における力と運動の中心を指す概念|重心 (軍事)|重症心身障害を有する子供|重症心身障害児|人間の体の重心|尻軽#体の重心|数学|重心 (多角形)|天体力学|{{ill2|共通重心|en|barycenter}}}}
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[[ファイル:重心.jpg|サムネイル]]
{{出典の明記|date=2011年7月}}
 
 
'''重心'''(じゅうしん、center of gravity<ref>{{Cite book|和書
 
'''重心'''(じゅうしん、center of gravity<ref>{{Cite book|和書
 
|author = [[文部省]]編
 
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|isbn = 4-8181-8155-2
 
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}}</ref>)は、[[力学]]において、[[空間]]的広がりをもって[[質量]]が分布するような[[系 (自然科学)|系]]において、その質量に対して他の物体から働く[[万有引力]](重力)の[[合力]]の[[力点と作用点|作用点]]である。'''重力が一様であれば、質量中心(しつりょうちゅうしん、center of mass)と同じであるためしばしば混同されて'''おり、本来は異なるのだが、当記事でも基本的には用語を混同したまま説明する([[人工衛星]]の安定に関してなど、これらを区別して行う必要がある議論を除いて、一般にはほぼ100%混同されているためである)。
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}}</ref>
  
一様重力下で、質量分布も一様である(または図形の頂点に等質量が凝集している)ときの重心は幾何学的な意味での「重心」([[幾何学的中心]]、{{en|centroid}})と一致する。より一般の状況における重心は{{ill2|非一様場における重心|en|Centers of gravity in non-uniform fields}}の項を参照せよ。
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1 物事の中心となる点。均衡を保つはたらきをするもの。
  
== 概要 ==
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2 物体の各部に働く重力をただ一つの力で代表させるとき、それが作用する点。質量中心。
[[ファイル:center_gravity_2.svg|thumb|200px|吊り下げによる重心位置の関係]]
 
図形の「質量中心」は、そのまわりでの一次[[モーメント]]が 0 であるような[[点 (数学)|点]]である。[[数式]]を用いて書けば、図形 ''D'' に対して、点 '''g''' が ''D'' の重心であるとは、次が成り立つことである。
 
: <math>\int_D (\boldsymbol{g} - \boldsymbol{r})\,dV = \boldsymbol{0}.</math>
 
また、図形 ''D'' (およびその周辺)の各点 '''r''' が[[密度]] ''f''('''r''') を持つなら、その重心 '''g''' とは、
 
: <math>\int_D (\boldsymbol{g} - \boldsymbol{r})f(\boldsymbol{r})\,dV = \boldsymbol{0}</math>
 
を満たす点 '''g''' である(もちろん '''g''' が ''D'' 外の点であることもあり得る)。
 
  
密度が一定の場合は[[幾何中心]] (centroid) に一致する。これは[[単体 (数学)|単体]]に限って言うなら、全頂点の各座標の値の[[平均|算術平均]]をその座標の値として持つ点である。例として、三角形のそれぞれの頂点と対辺の[[中点]]を結ぶ[[線分]]([[中線]])の交点は、その[[三角形の中心|三角形の重心]]と一致する。
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3 数学で、図形上に一様に質量を分布させたときの質量中心。三角形では頂点と各対辺との中点を結ぶ3本の線分の交点。
 
 
この点の簡単な見つけ方としては、重力下において、物体の端点で吊り下げた場合には、吊り下げ軸線上に重心が通ることを利用する、といったものがある。
 
 
 
以上のような「質量中心」は、「その質量に対して他の物体から働く万有引力(重力)の合力の作用点」すなわち「重心」と、'''重力が完全に一様な場合に限り'''一致する。例えば、地球など天体の重力は完全には一様ではないので、[[人工衛星]]の安定について議論する場合は、質量中心に対して働く(ように見える<ref>遠心力は「見掛けの力」であるため</ref>)遠心力と、質量中心よりもごくわずかに地球寄りにある重心に対して働く重力によって、極く僅かだが作用点が違うことによって発生するトルクが考慮される。
 
 
 
== 天体力学 ==
 
{{main|{{ill2|共通重心|en|barycenter}}}}
 
[[天体力学]]的には、2つの球状天体の重心と軌道には次のようなパターンがある。
 
<gallery>
 
ファイル:Orbit1.gif|質量にあまり差がない2天体が共通の重心の周りを[[公転]]する(例えば、[[小惑星]][[アンティオペ (小惑星)|アンティオペ]]の系)。
 
ファイル:Orbit2.gif|質量にやや差がある2天体が共通の重心の周りを公転する(例えば、[[冥王星]]と[[カロン (衛星)|カロン]]の系)。
 
ファイル:Orbit3.gif|質量にかなり差がある2天体が共通の重心の周りを公転する(例えば、[[地球]]と[[月]]の系)。
 
ファイル:Orbit4.gif|質量に圧倒的な差がある2天体が共通の重心の周りを公転する(例えば、[[太陽]]と地球の系)。
 
ファイル:Orbit5.gif|質量にあまり差がない2天体が共通の重心の周りを異なる[[楕円軌道]]で公転する([[連星]]系など)。
 
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== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
<!-- == 参考文献 == -->
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Wiktionary}}
 
{{Commonscat|Center of gravity}}
 
* [[力 (物理学)]]
 
* [[人口重心]]
 
* {{ill2|航空機の重心|en|Center of gravity of an aircraft}}
 
 
 
<!-- == 外部リンク == -->
 
{{Physics-stub}}
 
  
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{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{デフォルトソート:しゆうしん}}
 
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[[Category:力学]]
 
[[Category:力学]]
 
[[Category:質量]]
 
[[Category:質量]]
 
[[Category:平均]]
 
[[Category:平均]]

2019/5/7/ (火) 20:44時点における最新版

重心.jpg

重心(じゅうしん、center of gravity[1]

1 物事の中心となる点。均衡を保つはたらきをするもの。

2 物体の各部に働く重力をただ一つの力で代表させるとき、それが作用する点。質量中心。

3 数学で、図形上に一様に質量を分布させたときの質量中心。三角形では頂点と各対辺との中点を結ぶ3本の線分の交点。



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  1. 文部省編 『学術用語集 地理学編』 日本学術振興会、1981年。ISBN 4-8181-8155-2。