藤並駅
藤並駅(ふじなみえき)は、和歌山県有田郡有田川町大字明王寺(みょうじ)にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)紀勢本線(きのくに線)の駅である。
2008年3月15日のダイヤ改正により特急停車駅に昇格し、現在は特急「くろしお」の一部が停車する。かつては有田鉄道有田鉄道線が当駅から出ていた。
歴史
藤並には元来有田鉄道が走っていたが、当駅は1926年(大正15年)8月に、紀勢西線の紀伊宮原駅から当駅までの延伸に伴って開業した。有田鉄道は紀勢西線との接続を図って同時に藤並駅を紀勢西線の駅の隣に開設、当駅は開業当初から有田鉄道との接続駅であった。
戦争が始まると、二つの鉄道が湯浅と藤並の間で並存しているという状況が好ましくないとされ、1944年(昭和19年)12月、有田鉄道の藤並駅から湯浅駅を経て海岸駅までが「不要不急線」として休止になり、その後1959年(昭和34年)4月に廃止された。なお、有田鉄道はこの後1950年(昭和25年)4月に、当駅から紀伊湯浅駅(現在の湯浅駅)までの紀勢線乗り入れを開始している。
その後、紀勢本線の全通や国鉄分割民営化を経たのち、有田鉄道が2003年(平成15年)に廃止された。2007年(平成19年)頃から駅舎の建て替え及びホームの延長、改良工事が行われ、翌年春のダイヤ改正より新駅舎を使用開始した。
年表
- 1926年(大正15年)8月8日 - 鉄道省紀勢西線の駅が開業[1]。有田鉄道も既設線に駅を新設[1]。
- 1927年(昭和2年)8月14日 - 紀勢西線が当駅から紀伊湯浅駅(現在の湯浅駅)まで延伸[1]。
- 1944年(昭和19年)12月10日 - 有田鉄道の当駅 - 海岸駅間が休止となる。
- 1959年(昭和34年)4月3日 - 有田鉄道の当駅 - 海岸駅間を廃止。
- 1959年(昭和34年)7月15日 - 亀山駅 - 和歌山市駅間全通による線路名称改定により、紀勢本線所属となる[1]。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、国鉄駅は西日本旅客鉄道が承継[1]。
- 2003年(平成15年)1月1日 - 有田鉄道当駅 - 金屋口駅間が廃線となる[1]。
- 2007年(平成19年)6月1日 - 陸橋が御坊方から和歌山方に変更される。同時に御坊方の陸橋撤去作業が始まる。
- 2008年(平成20年)3月15日 - ダイヤ改正により特急「オーシャンアロー」・「スーパーくろしお」・「くろしお」(2012年3月改正で「くろしお」に名称統一)の一部の列車の停車駅となり、橋上駅化された。
- 2016年(平成28年)12月17日 - ICカード「ICOCA」の利用が可能となる[2]。
駅構造
相対式ホーム2面2線を有する地上駅。分岐器や絶対信号機を持たないため、停留所に分類される。2008年に橋上駅となり、東西に出入り口ができた。それ以前は和歌山方面行きホーム側(現在の西口側)に木造平屋建ての駅舎があり、反対側の御坊方面行きホームへは跨線橋で連絡していた。
御坊駅が管理し、ジェイアール西日本メンテックが駅業務を受託する業務委託駅。東口2階部分にみどりの窓口と新型タッチパネル式券売機1台および改札口が設置されている。東西両側の1階に待合室が、東口2階にも展望待合スペースがある。東口の1階部分には有田川町観光案内所がある。西口2階にはちいさな駅美術館 Ponte del Sognoが有り、主に童話絵本の原画を1ヶ月区切りで展示している。入館は無料。東西両口は自由通路で連絡している。
有田鉄道のレールが放置された状態だったが改良工事で撤去された。その後、切符売り場・ホーム・安全確認用ミラーも撤去された。現在跡地は東口の駅前広場、駐輪場、有田鉄道線跡を利用したサイクリングロードの一部などに活用されている。
のりば
のりば | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1 | W きのくに線 | 和歌山・天王寺・新大阪方面 |
2 | 御坊・白浜・新宮方面 |
- 上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。
- 1・2番線ともに簡易自動放送が使用されている。
利用状況
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1998年 | 1,328 |
1999年 | 1,295 |
2000年 | 1,263 |
2001年 | 1,261 |
2002年 | 1,277 |
2003年 | 1,280 |
2004年 | 1,262 |
2005年 | 1,221 |
2006年 | 1,221 |
2007年 | 1,178 |
2008年 | 1,243 |
2009年 | 1,227 |
2010年 | 1,278 |
2011年 | 1,267 |
2012年 | 1,340 |
2013年 | 1,397 |
2014年 | 1,334 |
2015年 | 1,357 |
2016年 | 1,384 |
駅周辺
駅の近くに蒸気機関車(D51 1085)が置かれていたが、2010年2月に有田川町鉄道公園に移設された。
路線バス
- 有田鉄道 美山線
- 和歌山市駅行き/金屋口・川原河行き
- 土休運休、1日2往復。
- 川原河にて御坊南海バス日高川線・日高川町コミュニティバス寒川線・同町乗合タクシー初湯川線・龍神住民バス龍神日高川線に接続している(運行曜日注意)。参考:日高川町コミュニティバス路線図時刻PDF
- 有田川町施設巡回バス
- 土休および行楽時期に運行。1日2往復。
- 運賃は無料であるが、各停留所付近の施設(当駅の場合は観光案内所)で配られる整理券が必要。
隣の駅
- 西日本旅客鉄道
- W きのくに線(紀勢本線)
- 特急「くろしお」一部停車駅
かつて存在した路線
脚注
関連項目
外部リンク
- ■ 紀勢本線(新宮 - 和歌山 - 和歌山市)(きのくに線 : 新宮 - 和歌山 W)
- (亀山方面<<)新宮 - 三輪崎 - 紀伊佐野 - 宇久井 - 那智 - 紀伊天満 - 紀伊勝浦 - 湯川 - 太地 - 下里 - 紀伊浦神 - 紀伊田原 - 古座 - 紀伊姫 - 串本 - 紀伊有田 - 田並 - 田子 - 和深 - 江住 - 見老津 - (双子山信号場) - 周参見 - 紀伊日置 - 椿 - 紀伊富田 - 白浜 - 朝来 - 紀伊新庄 - 紀伊田辺 - 芳養 - 南部 - 岩代 - 切目 - 印南 - 稲原 - 和佐 - 道成寺 - 御坊 - 紀伊内原 - 紀伊由良 - 広川ビーチ - 湯浅 - 藤並 - 紀伊宮原 - 箕島 - 初島 - 下津 - 加茂郷 - 冷水浦 - 海南 - 黒江 - 紀三井寺 - 宮前 - 和歌山(>>天王寺方面) - 紀和 - 和歌山市