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'''糞'''('''くそ'''、'''ふん'''。※「くそ」の別表記:'''屎''')
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{{複数の問題
 
|出典の明記 = 2007年8月
 
|独自研究 = 2013年5月
 
}}
 
[[ファイル:Elephant feces in the wildlife.jpg|thumb|210px|[[ゾウ|象]]の糞]]
 
  
[[ファイル:Dogs excrements can (prague).jpg|thumb|210px|[[イヌ|犬]]の糞入れ/[[チェコ]]の[[プラハ]]にて。]]
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'''糞便'''(ふんべん)、'''大便'''(だいべん)
'''糞'''('''くそ'''、'''ふん'''。※「くそ」の別表記:'''屎''')とは、[[動物]]の[[消化管]]から排泄される[[固体]]状の[[排泄物]]([[屎尿]])。'''糞便'''(ふんべん)、'''大便'''(だいべん)、俗に'''うんこ'''、'''うんち'''<ref group="*">一説に、固いものは「うんこ」、柔らかいものは「うんち」、さらに柔らかいものを「うんにょ」「うんにゃ」などと呼ぶとされる。ほかにも「うんぴ」「うんび」などという語もある。[[村上八千世]]「うんぴ・うんにょ・うんち・うんご―うんこのえほん」(ISBN 978-4593593521)。</ref>、'''ばば'''や、大便から転じ'''大'''などとも呼ばれる。しかし、硬さや大きさ、成分などの違いで呼び名を使い分けている訳ではない<ref>[http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1607/18/news029.html 「うんち」と「うんこ」の定義に違い? 「確証のない情報」だったと新潟県立自然科学館が謝罪]</ref>。
 
  
[[人間]]の[[文化]]において、糞は大抵の場合、[[禁忌]]されるべき[[不浄]]の存在として扱われる。特に[[衛生]]面から見た場合、[[伝染病]]の病原体を含んだ糞は典型的かつ危険な感染源である。このことから、糞便を指す語彙やそれを含む[[成句]]は、しばしば、取るに足らない物、無意味な物、役立たない物、侮蔑すべき物などを形容するのに用いられる場合もある。
+
肛門からの排出物。その内容は,食物の吸収されなかった部分,消化液の残りと剥離した消化管上皮細胞,腸内微生物の残骸,大腸粘膜からの排泄物で,鉄,水銀などの重金属を含む。また色は胆汁色素によって褐色調。臭気はインドール,スカトール,硫化水素,メルカプタンの存在による。日本人の1日総量は平均 200g前後,水分は 70~80%。
 
 
しかし一方で、地域や時代によっては、糞便は[[肥料]]や[[飼料]]、[[医薬品]]などとして利用されてきた。近年{{いつ|date=2018-01}}では生物学的な[[リサイクル|循環]]において排泄物を[[資源]]として捉え、例えば、[[宇宙ステーション]]などの[[閉鎖環境]]において有効に活用する手段などの研究も広く行われている。また、一部の動物では自分や親の糞を食べたり、他の動物の糞を栄養源とすることが見られる。
 
 
 
糞便に関する研究・興味分野は、[[スカトロジー]](糞便学)という。
 
 
 
== 生物学的側面から見た糞 ==
 
糞便の内容物は、水分、[[新陳代謝]]によってはがれた[[腸]]内[[細胞]]、[[大腸菌]]などの腸内細菌、[[胆汁]]などの体内分泌液、摂取した[[食物]]のうち[[消化]]しきれなかったもの([[食物繊維]]など)、または体内に蓄積していた[[毒素]]などである。未消化物の組成は摂取した食物により左右される。
 
 
 
人間の場合、便を構成する成分のうち、食べ物の残滓はおよそ5%に過ぎない。大半は水分(60%)が占め、次に多いのが腸壁細胞の死骸(15%〜20%)である。また、細菌類の死骸(10%〜15%)も食べ物の残滓より多く含まれる。
 
 
 
糞の量・形・色・臭い等は動物種、また個体によって様々であり、体調によっても大きく変化する。人間の場合、1日に平均して100〜250gほどを排出するが、体調の関係で、大量に出たり、何日も出ないこともある。水分が多い場合は液状になることもあり、その場合は[[下痢]]といわれる。長期間出ない状態は[[便秘]]([[宿便]])と呼ばれ、[[中毒]]症状を起こすこともあり、極めて稀ではあるが、便秘による死亡例もある。下痢や便秘、[[血便]]等の便の異常は、特に長期間続く場合、[[病気]]の兆候として注意される。
 
 
 
===形状===
 
人間の場合、[[楕円]]形から棒状で、その太さや長さは体調などによっても変化する。[[食物繊維]]、[[炭水化物]]を多く摂取すると便は太く大きくなり、高カロリー、高脂肪の割に食物繊維や微量栄養素の少ない[[ジャンクフード]]を食べていると、便は細くなる傾向がある。また、幼少時は[[括約筋]]の調節が利きにくいために、体格に対して便は太く形成され、年齢を重ねると括約筋の弛緩により、相対的に便は細くなる傾向がある。
 
 
 
人のものと似た便を出す動物種に、[[イヌ]]・[[ネコ]]・[[サル]]・[[ウシ]]・[[ウマ]]などがある。[[クマ]]などではより液体のような便をする。これらとは異なった特徴の便をするものに、[[ウサギ]]や[[ヤギ]]、[[シカ]]などがあり、いずれも[[ペレット]]状の糞をする。ウサギは円盤状、シカは楕円形とその形にも特徴がある。[[草食性]]の[[昆虫]]も多くがペレット状の糞をする。
 
 
 
糞は単独で存在するとは限らず、ある程度固まって排出されることが多い。そのまとまりを糞塊(ふんかい)という。例えば[[カモシカ]]は両手の掌いっぱいくらいの糞塊を作る。個々の糞ではシカとカモシカの区別は非常に困難であるが、糞塊があればそれはカモシカと判断できる。これはシカが歩きながら糞をするのに対して、カモシカは立ち止まって一気に糞をするためである。
 
 
 
なお、[[鳥類]]・[[爬虫類]]・[[昆虫]]の糞の中に白い粘液が混じることがあるが、これは[[尿]]である。彼らは[[アンモニア]]を[[尿酸]]の形で排出するため、糞の中にそれが区別できる。
 
 
 
===色===
 
{{Main|便の色・尿の色}}
 
人間の便の色は、通常時の場合は[[黄土色]]から[[茶色]]のあいだで、これは[[胆汁]]によるものである。人の大便の茶色のもとは胆汁中の[[ビリルビン]]が[[腸内細菌]]により最終的に[[代謝]]され生成された[[ステルコビリン]]によるものである。摂取した食物の種類、体調などにより、色調の濃淡に変化を起こす。食生活も関係しており、一般に肉食など動物性タンパク質のものを多く食すると褐色がかり、反対に穀物、豆類、野菜類を多く食するとpHの関係で黄色がかる。
 
 
 
黒色の便(特にタール状のもの)は上部消化管([[胃]] - [[十二指腸]])での出血を示唆し、[[出血性潰瘍]]もしくは[[癌]]を疑うべき所見である<ref group="*">ただし、[[貧血]]などの治療で鉄剤を服用している場合、吸収されなかった鉄分が酸化されて便に混ざって排出されるため、黒っぽくなることがある。</ref>。肉眼的に赤い[[血液]]が確認できる便([[血便]])は下部消化管([[大腸]]以下)での出血によるものであることが多い。胆道閉塞の結果として胆汁の分泌量が少ないと、白っぽい便が出ることもある(その前に黄疸等の症状が出ることも多いが)。この場合は胆汁の脂肪親和作用が得られないため脂肪便となることが多い。また、[[ロタウイルス]]などの[[感染症]]では白色の下痢が特徴である。
 
 
 
===臭い===
 
一般に大便の臭いは食物の残滓が腐敗して発すると思われがちだが、一緒になって放出される細菌類の排泄物によって臭いが放たれる。臭いの原因としては、[[インドール]]、[[スカトール]]、[[硫化水素]]などがあげられる。
 
 
 
一般的に、[[草食動物|草食獣]]などの弱い[[動物]]ほど糞の臭いは少なく、逆に[[肉食動物|肉食獣]]の糞は臭気が強い。これは弱い動物が臭い糞をすると、[[天敵]]を集めてしまう危険が高くなるために、臭い糞をする草食獣は[[自然淘汰|淘汰]]された結果だともといわれているが、逆に肉食獣などの糞は、[[脂質]]や[[タンパク質]]を[[消化]]するためにさまざまな消化分泌系が発達し、より臭いが強い傾向がある。人間の場合、健康な便からは露骨な悪臭は発せず、発酵臭に似た臭いが放出される。これは一般に善玉といわれる[[ビフィズス菌]]や[[乳酸菌]]の代謝によって排泄される臭いである。反面、[[ウェルシュ菌]]などの悪玉菌はスカトール、[[チオール|メルカプタン]]、硫化水素など毒性のある臭いを放つ。
 
 
 
[[口臭]]が[[屁|腸内ガス]]由来の場合がある。これは便秘している[[腸]]から[[気体|ガス]]が吸収され血管内を運ばれ、[[肺]]から放出され[[口腔]]に至るためである。
 
 
 
== 糞の利用 ==
 
糞はさまざまな利用がなされている。
 
 
 
=== 動物の栄養源・食用 ===
 
{{See also|食糞}}
 
様々な生物で、栄養源、あるいは食用として糞が利用されている。排泄物には、その動物が消化吸収できなかった成分が含まれるが、それを再吸収するために食う場合もあれば、その動物が利用できない成分を、他の動物が食う例もある。さらに、糞にはもとの食物に含まれていた成分だけでなく、[[酵素]]・[[細菌]]の働きなどにより、その動物の腸内で添加されたり、分解によって生じた成分が含まれたりすることもあり、それが重要な意味を持つ例もある場合がある。
 
 
 
例えば[[ウサギ]]などは、自分の糞を食べる。コロンビア川渓谷の[[ナキウサギ]]は、栄養価の乏しい[[コケ]]類を食べているが、排出した[[盲腸糞]]はナキウサギの胃腸の微生物によって、コケの6倍もの栄養素を有しており、食糞によって栄養を得ている<ref>[http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/8683/?ST=m_news ナキウサギ、“食糞”で温暖化に適応]</ref>。また、[[コアラ]]など、親が子に栄養分を豊富に含む未消化の便を与える動物もある。これは[[初乳]]に近い役割を果たしている。[[草食動物]]の場合は、[[腸内細菌]]の働きによって草木を消化するが、腸内細菌の発生が弱い場合は[[下痢|消化不良]]を起こす。そのようなときに草食動物は、腸内細菌の補充のために、好んで自分や仲間の糞を口にする。
 
 
 
[[哺乳類]]の中には、子育て期間中に子供の糞を食べてしまう種もあるが、これは子供の消化能力が弱くて、未消化分が多いこともあるが、それ以上に天敵から身を守るために、糞をできるだけ[[巣]]の周辺に残さないようにする合理的な行動である。イヌや人間などでは、生理的合理性がない食糞行為も観察される。特に人間の糞尿摂取については文化的側面も強い([[#文化面から見た糞]]参照)。
 
 
 
糞が別種の動物に利用される場合もある。野性において動物の糞は、よくほかの動物の餌になる。代表的なのは、[[昆虫]]の中で、[[糞虫]]といわれる[[コガネムシ]]類である。[[フンコロガシ]]([[スカラベ]])がよく知られる。
 
 
 
また、糞は分解を進める[[微生物]]の働く場でもある。糞が排出されると、すぐに細菌類や[[菌類]]がどんどん分解をはじめる。菌類の側から見ると、たとえば草食動物の糞には、その材料である植物よりはるかにチッ素の含有量が多く、基質としてより有用である。糞に生じる菌類は[[糞生菌]]と呼ばれ、古くから研究の対象となってきた。糞だけに出現する、あるいは糞での生活に特化したと見られる菌類は[[ミズタマカビ]]など様々な群の菌類に見られる。ハエの[[蛆|ウジ]]などは、むしろ細菌を餌にしている可能性もある。細菌や菌類による分解が進めば、糞は土に同化してゆく。
 
 
 
人糞が[[ブタ|豚]]や[[犬]]、[[魚類]]の餌として使用される場合もある。そのために[[便所]]はそれらの生物の飼育場所に隣接して作られることがある。さらに手の込んだものでは、人の便所の下に豚小屋を、豚小屋の下の方に養魚池を造る。これなどは、自然の仕組みを巧く利用した例と言えよう。
 
 
 
アフリカ東部に暮らす[[マサイ族]]などは、乾期のゾウの糞を元に象糞[[茶]](サバンナティー)を作る。また、象の糞をライオンにあたえると、獰猛なライオンが一瞬にしておとなしくなってしまうという。
 
 
 
[[コーヒー]]栽培においては、[[ジャコウネコ]]の一種が、特に出来の良いコーヒーの実を好んで食べることから、この糞に含まれている未消化のコーヒー種子を取り出したもの([[コピ・ルアク]])が高値で取引されている。動物の消化[[酵素]]の働きで、コーヒー自身の風味が玄妙に変化し、独特の味わいがあるという。
 
 
 
なお、食糞行為について、便秘ではない個体が排泄してすぐの糞便は空気に触れていないため、衛生上それほど問題はないとされているが、排便後1時間以上経った物や、便秘をしている個体の糞は、有害[[細菌]]の働きによって腐敗しており、健康に悪影響を与える[[毒素]]が発生するので、食糞してはいけないといわれている。特に排便後空気に触れて一時間経過したものは[[毒素]]を多く含み、人間が食すると急性中毒を起こし、強制的に体外排出しない限り死に至ることが多いとされる{{要出典|date=2015年4月}}。
 
 
 
=== 植物の栄養源・肥料 ===
 
糞には、[[窒素]]・[[リン酸]]などが含まれており、[[生態系]]の[[循環]]の中で[[植物]]の栄養源となる。また、人間の手によって、鶏糞、牛糞、人糞などが[[肥料]]として利用されている。
 
 
 
==== 動物・家畜の糞 ====
 
鶏や牛などの家畜の糞の肥料としての活用は、多くの場合、自然に放牧することによってなされる。家畜の放牧地は交代で畑として利用され、放牧地であったときの家畜の糞が、そのまま肥料となる。放牧が乏しい今日の日本では、おがくずや藁と混ぜて、専用の発酵施設で臭気を抑えつつ、発酵させ利用する。これらの[[有機質肥料|有機肥料]]を使った農作物は、自然回帰の[[流行|ブーム]]などにより、近年{{いつ|date=2018-01}}の[[無農薬栽培]]や[[低農薬栽培]]などと並んで、高価な値段で出回っており、栄養豊富で味も良いと好評を博している。
 
 
 
[[ペルー]]などでは、[[19世紀]]中ごろまで、海岸沿いに生息する[[グアナイウ]]という海鳥の糞が[[堆積]]し化石化してできた[[グアノ]]が、[[窒素]]や[[リン]]資源として大いに利用され、[[ヨーロッパ]]に輸出され、国の収入源になっていた。しかし、[[ナウル]]など一部の産地では、海鳥由来の良質なグアノは採掘し尽くされ資源として枯渇してしまった。近年{{いつ|date=2018-01}}では、洞窟などに密集して居住する[[コウモリ]]の糞のグアノ化したものが、「バット・グアノ」などの名称で、観葉植物用高級肥料として利用されている。
 
 
 
==== 人糞 ====
 
人糞を肥料として用いるのは、世界的に見ると一般的なものではない。多くの国・民族において、人糞を人間の食料を生産する畑に投下することは忌避されてきた。例えば明治期に[[アイヌ]]民族がなかなか農業に馴染まなかったとされるが、その最大の問題は人糞を肥料に用いることであったといわれる。
 
 
 
しかし[[東アジア]]地域では、伝統的に人糞を肥料として利用している<ref>{{Citation|title=東아시아에서의 糞의 의미와 人糞의 實效性(東アジアにおける糞の意味と人糞の実効性)|last=崔|first=德卿|periodical=  중국사연구 | issue=68 | pages =65 -116 |year= 2010|month=10 | url=http://webbuild.knu.ac.kr/~china/CHR/chr2010/chr68/chr68-03ChoiDK.pdf}}</ref>。人糞を肥料として用いたことが確認される最初の例は、[[鎌倉時代]]の日本とも言われる<ref>[[樋口清之]]『梅干しと日本刀』([[祥伝社]])ISBN 978-4396312015</ref>。これ以降、都市部の人糞を農家が回収するシステムが生まれ、日本の都市は世界的にみて、清潔なものとなったと言う。
 
 
 
[[江戸時代]]には、その人糞を出す階層により、その価値が違い、栄養状態のよい階層(最上層は[[江戸城]])から出された人糞は、それより下の階層(最下層は罪人)が出す物より高い値段で引き取られた。江戸城から出る人糞は、[[葛西村]]の[[葛西権四郎]]が独占していた。長屋に併設された共同[[便所]]は、これらの肥料原料を効率良く収集するために設置され、ここから得られた肥料で[[城下町]]周辺部の農地は大いに肥え、町民に食糧を供給し続けた。江戸落語の中に[[店子]]が喧嘩した大家へ「二度とてめえの長屋で糞してやらねぇ!」と捨て台詞を吐く、やや分かりにくい描写があるがこういった背景を考えると分かりやすい。明治期においても人糞は貴重な肥料であり、高値で引き取られた。そのため、学生などが下宿する場合においては、部屋を複数人以上(具体的人数はその時の取引相場で異なる)で共同で借りた場合は、部屋の借り賃が無料になることもあった。
 
 
 
肥料として用いる人糞は、そのまま使うと作物が[[根腐れ]]するため、たいていは[[肥溜め]]に溜めて[[発酵]]させて利用する。ちなみに発酵中の物は非常に臭いが強く、さらに[[衛生害虫]]になる[[クロバエ]]類や[[ニクバエ]]類、また[[カ]]の中でも最も富栄養状態に適応した[[オオクロヤブカ]]の発生源となるなどの問題があった。また、人糞肥料を媒介とした[[寄生虫]]の流行も問題となった。
 
 
 
農民が直接人糞を引き取る形態は、[[バキュームカー]]や[[下水道]]が普及したことや、前述の肥溜めや寄生虫等の衛生上の問題もあり、昭和後期以降において廃れることになった。しかし、現在も下水の汚泥を醗酵処理した肥料が製造販売(自治体によっては無償提供)され、人糞などを原料とした肥料は利用されている。
 
 
 
=== マーキング・行動調査等 ===
 
動物の[[習性]]によっては、糞を[[マーキング]]に利用する。方法としては、巣から一定距離の場所にばら撒いたり、[[縄張り]]主張のために[[木]]などに擦り付けたり、決まった場所に排泄するなどさまざまである。
 
 
 
また、そのことから[[狩り]]や動物の生態研究などにおいては、糞便は重要な資料である。まず、糞を発見・調査することによってその近辺にいる動物を知ることができる。マーキングの習性を調べることも有効である。また、糞を分析することによって動物がどのようなものを食べているかを知ることができる。例えば[[タヌキ]]の糞はたいていの場合[[甲虫]]の羽根を含む。[[テン]]の糞は果実の皮や種子を含むことが多い。[[沖縄]]では[[マングース]]の糞から[[オキナワトゲネズミ]]の毛が発見され、マングースの生態系に及ぼす危険性が強く指摘された。
 
 
 
[[古生物学]]や[[考古学]]においては、糞が[[化石]]化した[[糞石]](coprolite、コプロライト、糞化石)が人間や[[恐竜]]などの[[古生物]]の食性を示す資料となっており、糞石に含まれる残留物や[[寄生虫]]、[[細菌]]類などから食性をはじめとしたさまざまなことが調べられている。また、考古学においては[[トイレ遺構]]のように、[[遺跡]]のトイレ跡から得られる残留物が、当時の生活を推察する資料ともなっている。
 
<!--これはこの記事に必要な記述なのでしょうか?-->なお、日本の[[古墳時代]]の出土品として「[[米粒状土製品]]」や「[[擬似米]]」と呼ばれ、五穀豊穣や子孫繁栄を願うために、米の代用品として使われたと推測されてきた土粒があるが、[[2005年]](平成17年)になって、実は[[カブトムシ]]か[[コガネムシ]]の幼虫の糞であったと解明された。これは、[[1999年]](平成11年)、[[奈良県]][[桜井市]][[教育委員会]]によって、[[カタハラ1号墳]]から発掘されたもので、3-8mmの3種類の大きさに分類できる、米に似た硬い土粒が横穴式石室の床面から大量に出土したが、2005年になって、2回脱皮して成長するコガネムシ科の幼虫の糞であると判明したものである。
 
 
 
=== 医療 ===
 
==== 検便 ====
 
糞は消化器系の働きを直接に反映するから、その状態は診療においても重視されることがある。これは人間でも家畜でも同様である。この目的のために糞を調べることを[[検便]]という。現代の[[医療]]現場では、[[検便]]で[[感染症]]・[[食中毒]]の原因[[菌]]・[[ウイルス]]や[[寄生虫]]卵、潜血などの検査を行なう。
 
 
 
[[中国]]の[[故事]]に、父親の病気を心配する[[親孝行]]の息子が父の便を嘗めてその状態を知ったというものがあり、これを由来とする[[嘗糞]]という検便行為にまつわる逸話が[[李氏朝鮮]]などに見られる。
 
 
 
==== 医薬品・民間療法 ====
 
{{See also|ヒトに由来する生薬#排泄物およびその関係品に由来する生薬}}
 
古来、糞は[[中医薬]]や[[漢方薬]]<!--※漢方と漢方薬は中国影響下で発達した日本の伝統医学とその薬。中国の伝統医学とその薬は中医学と中医薬です。-->のための[[生薬]]として利用されてきた。例えば、[[明]]代中国で[[李時珍]]が編纂した『[[本草綱目]]』の巻52「人部」には、「人糞」「[[虫糞茶]]」「黄龍湯({{lang|zh|[[:zh:黃龍湯]]}})」「糞清」「[[人中黄]]」などといった、糞を原料とする中医薬が記されている。あるいは、[[李氏朝鮮]]時代の王たちの疾病と治療法を研究した[[ソウル大学校]][[大学院]]医学科の金正善によると、[[中宗 (朝鮮王)|中宗]]は解熱剤として「野人乾」(人糞)の水を飲んだという<ref>{{cite news | url=http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2005082232258 | accessdate=2009-08-08 | date=2005-08-22 | publisher=[[東亜日報]] | title=「世宗大王は肉食がお好き…肥満に糖尿病」}}</ref>。日本では、中国の[[四川料理]]には[[カ|蚊]]の目玉の[[湯 (中華料理)|湯]]が珍味であるとする説が流布している。この原料は夜明砂という[[コウモリ]]の糞を洗いだした生薬である。
 
 
 
日本では[[ウマ|馬]]糞(まぐそ、ばふん)に薬効があると信じられ、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]には「馬糞治療」としての地位を確立していた。馬糞は傷口に塗る以外にも、直接食べるか水でといて飲むことによって[[銃創]](鉄砲傷)に効くとされた。これらは、[[武田信玄]][[家臣]]の[[甘利信忠|甘利昌忠]]が負傷した部下に糞便の薬を飲ませる際、嫌がる部下を前に自ら飲んで見せたという話が、[[美談]]として有名である<ref>{{cite news | url=http://www.wdic.org/w/CUL/%E7%94%98%E5%88%A9%E6%98%8C%E5%BF%A0 | accessdate=2011-08-21 | publisher=文化用語の基礎知識 | title=甘利昌忠}}</ref>。また、傷の痛みが酷いときには温めた人の小便を飲ませることもあった<ref>{{Cite book |和書 |author=歴史の謎研究会(編集) |title=戦国時代の舞台裏 ここが一番おもしろい! |publisher=[[青春出版社]] |page={{要ページ番号|date=2017年6月}} |date=2006-10-01 |isbn=4-413-00859-6}}</ref>。
 
 
 
[[朝鮮半島]]の[[民間療法]]でも、糞尿を塗布したり、摂取したりした<ref name=gnnews>{{cite web | url=http://www.gnnews.co.kr/index.html?section=KNJK&flag=detail&code=173716&cate1=KNJ&cate2=KNJK | date=2007-10-15 | accessdate=2009-08-08 | title=똥술 | language=韓国語 | publisher={{Lang|ko|경남일보}}(慶南日報)}}慶南警察庁警務課長カン・ソンジュのコラム</ref>。また[[トンスル]]という糞を原料とした薬用酒があるとも言われる。これは[[日本]]や[[中国]]の[[人中黄]]と酷似したものである<ref>[http://mayanagi.hum.ibaraki.ac.jp/LecRep/04/TextInterp2.html 2004年度後期木3限、中国科学史講読Ⅳ(李時珍『本草綱目』人部・乱髪項後半(52-9a)以下、万治2年刊本] 茨城大学 2004年10月15日</ref><ref>[https://kotobank.jp/word/%E4%BA%BA%E4%B8%AD%E9%BB%84-538410 人中黄 ジンチュウオウ] コトバンク</ref>。
 
 
 
インドにおいては[[牛]]の糞尿が医薬品から[[石けん]]、[[シャンプー]]、[[歯磨き粉]]などの衛生用品など非常に幅広く使われており、牛の尿から作ったソフトドリンク「牛の水」なども存在する<ref>{{cite news | url=http://www.afpbb.com/article/economy/2705730/5443742 | accessdate=2011-07-29 | date=2010-03-05 | publisher=[[AFPBB News]] | title=「ウシ排泄物で薬も開発、応用製品研究が活発 インド」}}</ref>。
 
 
 
=== 燃料 ===
 
[[ファイル:Drying cow dung.jpg|thumb|270px|おおよそ円盤状に成形したフレッシュな[[牛糞]]を陽当たりのよい斜面にたくさん並べて乾燥牛糞を作る[[インド人]]女性。[[インド]]南部は[[タミル・ナードゥ州]]の都市[[ティルッパランクンダム]]の近郊にて。]]
 
{{seealso|牛糞ケーキ}}
 
乾燥地帯で[[牧畜]]が行われている地域では、[[家畜]]である[[草食動物]]の未消化である植物性繊維を多く含む糞を乾燥させ燃料や壁材として利用されている。例えば[[インド]]では[[牛糞]]に藁などを加えて円形に乾燥させて[[牛糞ケーキ]]という燃料にする。また、防虫として壁や屋根に塗る。
 
 
 
糞を発酵させると[[メタンガス]]が発生するがこのメタンガスは燃やすと発電に使用できる。現在世界中で牧場の電力を糞発電により自給自足するなどして有効活用が広がっている。また、国内では家畜排せつ物管理の規制強化に伴い、鶏糞をボイラーの燃料とする火力発電所による発電事業が宮崎県などで行われている<ref>http://lin.alic.go.jp/alic/month/domefore/2010/aug/spe-01.htm</ref>。
 
 
 
=== 兵器・軍事利用 ===
 
糞便は、古より[[包囲戦]]の際に、攻撃側が敵の城内に投げ込むことによって城内の衛生環境を悪化させ、[[疫病]]を発生させたり、逆に守備側が城内で貯めたものを撒きつけて退散させるという目的で用いられた。ある種の[[細菌兵器]]である。近代の[[戦争]]で、[[赤痢]]などの伝染病を蔓延させるための兵器として使用されたこともある。
 
 
 
[[狼煙]]の語源は[[オオカミ|狼]]の糞を使用することからとされている。
 
 
 
=== その他 ===
 
[[ウグイス]]の糞は[[化粧品]]として利用される。これは、ここに含まれる多様な[[消化酵素]]の効果によるものとされる。
 
 
 
[[ゾウ|象]]の糞には未消化の[[食物繊維]]が多く含まれていることを利用して、[[紙]]が作られている。{{Main|ゾウの糞のリサイクル}}
 
 
 
[[ライオン]]の糞は、草食動物が嫌う臭いを出すため、野生動物からの農作物被害を減らすために、[[忌避剤]]としての研究が行われている。実際、JR[[紀勢本線]]では鹿との接触事故が多く、[[動物園]]から譲り受けたライオンの糞を線路沿いに蒔いたところ接触事故がなくなり、絶大な効果を上げている。しかしながらライオンに接したことのない鹿がなぜライオンの糞の臭いを恐れるのかは分かっていない。これは[[トリビアの泉]]でも紹介された他、[[おはスタ]]のクイズにも出題された。
 
 
 
== 文化面から見た糞 ==
 
[[ファイル:Gaki-Zoushi.jpg|thumb|320px|旧河本家本『[[餓鬼草紙]]』第3段「食糞餓鬼図」<!--※コモンズの概要に「京都国立博物館所蔵」とありますが、東京国立博物館蔵本(旧河本家本)です。-->
 
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主題こそ[[餓鬼]]であるが、[[平安時代]]と[[鎌倉時代]]の端境期にあたる[[12世紀]]後期中葉の日本の都市における[[庶民]]の[[排便]]の様子も反映していると考えられる。<br />描かれているのは、[[平安京]]域内([[洛中]])の小路で排便する人間達(庶民)と、人間の[[糞便]]を食いたくてたむろしている<ruby><rb>[[食糞]][[餓鬼]]</rb><rt>じきふんがき</rt></ruby>(<ruby><rb>伺便餓鬼</rb><rt>しべんがき</rt></ruby>とも称す)である。餓鬼は、髪が逆立ち、腹だけが膨れ上がり、四肢や胸などが酷く痩せこけた、浅黒い体の7匹。<br />人間は白っぽく描かれている5人で、まず、画面中央左寄りには、恥知らずなのか無警戒なのか古今の[[日本人]]に共通する[[うんこ座り]](ヤンキー座りと同様)で小路のおもてのほうを向いて用便中の若い女がいる。この女は餓鬼どもに好かれているようで、画面手前の2匹などは姿勢を低くして女の股を[[覗き見]]していると思われる。女の背後にも3匹が控えている。しかしそのうちの1匹は左側にいる<ruby><rb>[[翁]]</rb><rt>おきな</rt></ruby>が中腰のまま脱糞し始めたことにひどく驚いて腰を抜かしたようなコミカルな表情をしている。また画面中央には、服が汚れないように全裸で用便中の[[童子]]がいるが、傍らにいるほっかむりをした用便中の女のほうへ顔を向けている。言葉を交わしているのであろうか、恐らくは母子である。最後に、左端の[[網代]]壁<ref group="*">網代壁(あじろかべ)とは、枌板(へぎいた。[[竹]]材を加工した薄手の板)を主材とした網代編みの壁。</ref><ref>[http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/wp/tag/%E5%85%A8%E8%A8%B3%E8%AA%AD%E8%A7%A3%E5%8F%A4%E8%AA%9E%E8%BE%9E%E5%85%B8/page/9/ 第7回『年中行事絵巻』「毬杖」を読み解く - 絵巻で見る 平安時代の暮らし] - 三省堂</ref>の近くでは<ruby><rb>媼</rb><rt>おうな</rt></ruby>が用便中である。人間は全員が[[高下駄]]を履いているが、これは排便時の跳ね返りを防ぐためと考えられる<ref>[http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/wp/tag/%E5%85%A8%E8%A8%B3%E8%AA%AD%E8%A7%A3%E5%8F%A4%E8%AA%9E%E8%BE%9E%E5%85%B8/page/8/ 第10回『伴大納言絵巻』中巻「子どもの喧嘩(けんか)」を読み解く その2 - 絵巻で見る 平安時代の暮らし] - 三省堂</ref>。また、[[籌木]](用便中に体のバランスを取ったり、尻に着いた糞便を掻き落としたりするための道具)が、紙(反故紙か)と共に人々の足元に散乱している。童子は右手に持った籌木を地面に立てて転ぶのを防いでいる。]]
 
 
 
糞尿は人間の文化においても重要な位置を占める。
 
 
 
糞便や排便行為に対する意識や作法は、時代や地域、文化圏によって大きく異なる。現代では、多くの文化圏において排泄は[[プライベート]]な行為とされ、他人の排便行為を窺い見ることは、[[成人]]のあいだでは忌避されることが多い。例えば、現代の[[公衆便所]]では、男性用の小便器を別として、他人に見られないように個室に仕切られているものが大半である。しかし、[[古代ローマ]]の公衆便所には、たくさんの穴が開いた長い石の板があるだけで、まったくプライバシーはなく、市民らは並んで腰かけて用を足しながら談笑していた<ref>Alberto Angela「古代ローマ人の24時間」</ref>。21世紀の中国でも、個室で仕切られておらず、同時に入った利用者は互いの排便を見る形態の公衆便所が広く見られる。
 
 
 
また、排泄した糞尿の処理も、時代や地域によって大きく異なる。例えば、18世紀以前の[[フランス]]・[[パリ]]の街は糞尿まみれだったと言われる。当時のフランスでは[[便所|トイレ]]が普及しておらず、[[貴族]]も[[庶民]]も[[おまる]]で用を足し、その汚物を道端に捨てていた。「Gare à l'eau!(水に気をつけて!)」と聞こえたら、窓から糞尿が降ってくるという意味であり、通行者は逃げた。王室も同じことで、[[ヴェルサイユ宮殿]]の庭で人々はところ構わず糞を垂れていた。当時の上流夫人の[[パニエ]](釣鐘形のスカート)は、一説には他人の目を余り気にせずに楽に[[排便]]できるためであったとされる。この状況を変えるため、[[1608年]]に国王[[アンリ4世 (フランス王)|アンリ4世]]が「家の窓から糞尿を夜であっても投げ捨てない」という[[法律]]を制定した。その後[[1677年]]、初代[[パリ警察]]警視総監{{仮リンク|ニコラ・ド・ラ・レニー|fr|Nicolas de La Reynie}}が「1ヶ月以内に街中の家の中にトイレを設置すること」という命令をトイレ業者に勧告した。しかし状況は改善されず、100年後の[[1777年]]に[[ルイ16世 (フランス王)|ルイ16世]]は「窓からの汚物の投げ捨てを禁止する」という[[法令]]を再度制定した。しかし、これも効果は薄く、パリの街が腐敗臭から逃れたのは、[[19世紀]]半ばの[[ナポレオン3世]]の時代になってからとされる<ref>『[[トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜]]』</ref>。
 
 
 
こういった糞尿に関する意識や習慣の違いは、[[文化人類学]]や[[社会学]]、[[歴史学]]などの考察の対象でもある。
 
 
 
同じ文化圏内においても、年齢や性別によって便に対する意識は異なる。[[哲学]]や[[心理学]]においては、[[人格]]形成や、人間心理における排便行為や糞尿の意味付け、機能等が主要な考察の主題の一つとなっている。一般に乳幼児は成人より忌避意識や羞恥心が弱く、例えば糞尿を題材にした発言をすることが成人よりも多く見られる。
 
 
 
糞尿は、[[汚物]]として忌避の対象である故に、[[反社会的行動|反社会的行為]]や嫌がらせ、派閥の離脱などのために利用される例もある。例えば、『[[古事記]]』上巻及び『[[日本書紀]]』第七段には、[[スサノオ|建速須佐之男命]]が姉の[[天照大神]]を訪ねた[[高天原]]で行った乱行のひとつとして、御殿に糞を撒き散らしたとの記載がある。あるいは[[カイ通|蒯通]]が[[韓信]]のもとを離れる際、発狂したと思わせるために、彼は大便を入れた器を皆に見せて廻ったとの伝説がある。また、『[[源氏物語]]』の桐壺の巻では、帝の寵愛を一手に受けた桐壺の更衣に対する嫌がらせとして、渡殿(渡り廊下)に糞尿が撒き散らされた。<!--{{独自研究範囲|現実の話では[[バブル経済|バブル期]]において、[[地上げ屋]]が汚物の詰まった[[バキュームカー]]で乗り付け、汚物を撒き散らして[[事故]]だと言い張る事件が在ったとか無かったとかいう話もあるが、実際問題として、[[痴情]]絡みの[[怨恨]]で、汚物を他人の家の郵便受けに投げ込む輩は後を絶たないようである。また、[[2005年]](平成17年)中頃には[[東京都]][[中野区]]の住宅地で自らの糞を庭にて加熱し異臭を放ち続けるという事件が取り上げられて問題となっている。さらに大阪では、大手電機メーカーの元社員が通りがかりの女性に糞尿を投げつけ、傷害の容疑で逮捕された。あるいは、いわゆる[[特殊浴場]]の接客に立腹した客が後日バキュームカーで乗り付け店内に汚物を撒き散らした事件もある。[[2001年]](平成13年)に起きた[[刑務官#暴行事件の実例|名古屋刑務所放水死事件]]も、きっかけはその受刑者による、自らの糞を投げつける行為であった。それに対して、懲罰と自らの糞で汚れた受刑者の身体の清掃のために、刑務官が放水したのである。|date=2013年5月}}
 
 
 
{{誰範囲2|前出の糞と人格形成上の問題から見ても、少々興味深いこれらの事件は、実質的に精神的な被害も然る事ながら、汚損された敷地・設備の清掃にも費用が掛かり、広義の器物破損罪にも問われる行為ではある。|date=2013年5月}}-->
 
 
 
また、糞を占いの対象とする事例や、不運や病気、あるいは逆に富貴や幸運の予兆や象徴とする例もある。中世の日本では、鳥獣に糞をかけられた際に、[[陰陽師]]に占わせていたことが『[[吾妻鏡]]』に見られる。例えば、[[安貞]]2年[[2月7日 (旧暦)|2月7日]]([[ユリウス暦]]換算:[[1228年]][[3月14日]])条、将軍の衣に[[トビ|鳶]]の糞がかかったため、陰陽師に占わせたところ、病事に注意がいると伝えられたと言う。また、[[寛喜]]元年[[5月21日 (旧暦)|5月21日]](ユリウス暦[[1229年]][[6月14日]])条には、犬の糞が御所の常御座の[[畳]]の上にかかったため占わせた、と記されている。
 
 
 
[[ファイル:PEO-shit.svg|thumb|120px|記号化された糞([[うんこマーク]])]]
 
一方で、糞尿は[[笑い]]や[[文学]]・[[芸術]]の題材・対象でもある。糞尿に関する説話などは『[[糞尿譚]]』と呼称され、[[火野葦平]]は[[糞尿譚 (小説)|それをタイトルとした短編小説]]で[[芥川龍之介賞|芥川賞]]を受賞している。演芸において、糞尿を題材にしたものは[[下ネタ]]と分類される。[[漫画]]や[[アニメ]]などのサブカルチャーメディアのうちには、糞便を主題としたり、主題としないまでも決まりネタとして登場する作品も多く、[[ソフトクリーム]]のように[[円錐]]状にとぐろを巻いた「記号化された糞」が用いられることもある。{{要出典|糞を模した美術品や、芸術活動の一環として糞そのものを使った創作活動も存在する|date=2015年12月}}。
 
 
 
糞便は[[愛着]]や[[性的嗜好]]の対象でもあり、このような興味を「スカトロジー」や、「糞便愛好」や「糞尿愛好」と言う。排泄する姿、排泄物は一般に他人に見せることが無いため、特殊な性的嗜好を持った者にとって人糞は鑑賞の対象となる。太さや硬さ、香り、色などを鑑賞する。排泄物だけでなく排便行為や肛門の動きも愉しむ。また、人糞を食す事に性的興奮を覚える者も稀に存在する。{{Main|糞尿愛好症}}
 
 
 
== 言語表現における糞 ==
 
[[日本語]]の「くそ」という語は、[[記紀]]に見られる古い言葉である<ref>「送糞此云'''倶蘇'''摩屡」(『[[日本書紀]]』)等</ref>。「臭し」「腐る」と同系と考えられているが、語の成立の先後関係は不明とされる<ref>「くそ」『[[日本国語大辞典]]』小学館、第2版、2000〜2002年。</ref>。
 
 
 
なお、排泄を意味する古語の動詞は「まる」で、「くそまる<ref>「送糞此云'''倶蘇摩屡'''」(『[[日本書紀]]』)</ref>」(排便する)「ゆまる<ref>「尿此云'''愈磨理'''」(『[[日本書紀]]』)</ref>」(排尿する)のように用いられた。これは、[[おまる]]という語に今も残るほか、[[長野県]]、[[愛知県]]など、一部の地域の方言として現在でも使われる<ref>「まる」『[[日本国語大辞典]]』小学館、第2版、200〜2002年。</ref>。子音交替によりバ行に転じた「ばる」になると、さらに多くの地方で方言として残っている<ref>『[[日本国語大辞典]]・電子版』「ばる」の項方言欄参照</ref>。たとえば、[[肥筑方言]]の「'''ばりかぶる'''=排便する(なお、「かぶる」は広く九州地方で排泄を意味する語。「'''しかぶる'''」は小便を漏らす、失禁するの意<ref>『[[日本国語大辞典]]・電子版』「しかぶる」の項方言欄参照</ref>)」など。「ばば」の語源にも関係があるともといわれる。また、男児名に付く「麻呂」、「麿」、「丸」も、もとは「糞」、あるいはおまるに由来するという説がある。これは、名にわざと醜悪なものをつけ、幼児が魔物などに魅入られず力強く成長することを祈ったものであるという<ref>『[[和句解]]』・『[[続無名抄]]』における説</ref>。
 
 
 
糞はまた、さまざまな[[慣用句]]に用いられる。例えば、現代[[日本語]]では、強い憤りやののしり、自分を鼓舞するときに、「くそ」、「くそっ」、「くそう」などと言うことがある。また接頭語・接尾語的に「くそ」を付け、侮蔑や、程度のはなはだしいことを否定的に表現する意図で用いることがある(くそ[[坊主]]・くそ[[子供|ガキ]]・くそまじめ・下手くそ、など)<ref group="*">「くそ」「くそっ」『[[日本国語大辞典]]』小学館、第2版、200〜2002年。この意味での古い用例としては18世紀後半の文献を挙げている。</ref>。同様の例は、欧米諸語にも見られ、[[シット|Shit!]]([[英語]])、Scheiße!([[ドイツ語]])、[[メルド (フランス語)|Merde!]]([[フランス語]])、¡Mierda!([[スペイン語]])、Merda!([[イタリア語]])といったののしりや侮蔑の意を持って「糞」に相当する語を用いる慣用表現が存在している。英語のShit!は下品とされるので、Shoot! やSheesh!など、発音が似た語をかわりに用いることがある。スペイン語でも、女性などはmierda(糞)という単語を直接口にするのを嫌い、最初のほうの発音が同じ単語である{{Lang|es|miércoles}}(水曜日)をその代わりにいうことがある。
 
 
 
=== 糞と名の付く食べ物 ===
 
; 食材名
 
本来忌避されるはずの糞の名を含む語が名称となっている[[食材]]がある。[[日本語]]では、よく獲れる食用[[ウニ]](海胆)の代表的な2[[属 (分類学)|属]]に「馬糞(ばふん、まぐそ)」の名が付いており、[[海鮮料理]]や[[江戸前寿司]]の[[ネタ]]として供されることの多い高級・高額の[[海産物]]におよそ相応しくない名称として、人々が疑問に思うようなこととなっている。具体的には、「[[バフンウニ]](馬糞海胆)」とその古名である「マグソガゼ(馬糞甲贏)」、そして「[[エゾバフンウニ]](蝦夷馬糞海胆)」がそれであり、これらの名は、「バフンウニ」と「マグソガゼ」は形状が馬糞を[[連想]]させるウニ(ガゼはウニの古名)であることから、「エゾバフンウニ」はバフンウニに似た[[蝦夷]]([[北海道]])で多産の近縁属であることから、大昔の[[庶民]]によって誰彼となく呼ばれ始めたか、あるいは、[[江戸時代]]の[[博物学#本草学|本草学]]者もしくは近代の[[分類学]]者によって[[命名]]されたものと考えられる。
 
 
 
[[タイ王国]]では、[[トムヤムクン]]などに用いられる大小さまざまな葉[[唐辛子]]が売られているが、その中でも一番小さく世界有数の辛さを誇る青唐辛子の一[[品種]]は、色・形が似ていることから「プリック・キー・ヌー(Prik Kee Noo. 他の日本語音写形:プリッキーヌー、プリッキーヌ。意:[[ネズミ|ねずみ]]のうんこ)」と呼ばれている。世界でも稀なケースである。
 
 
 
; 商品名
 
[[奈良市]]では、野生の[[ニホンジカ]]で溢れかえる[[奈良公園]]を中心とした地域で、「[[シカ|鹿]]のフン」あるいはそれに類する名称の[[菓子]]を[[土産]]物として販売している。これは、奈良市出身の[[お笑いタレント]]・[[明石家さんま]]が、[[1986年]](昭和61年)にテレビの[[バラエティ番組]]『[[森田一義アワー 笑っていいとも!|笑っていいとも!]]』や『[[オレたちひょうきん族]]』の中で面白おかしく紹介しながら[[ギャグ]]にも取り入れて広めたたことが[[ブーム]]につながった[[吉永小百合]]の[[歌謡曲]]「[[奈良の春日野]]」の[[歌詞]]内容に因んで開発・発売された[[商品]]である。テレビ発のブームは去って久しく、この菓子とその名の直接的由来が吉永の歌謡曲にある事実を知らない世代も増えたが、鹿の糞を模した形状の菓子というのはそれ自体が面白く、しかも安価で、かつ、本物の鹿の糞がそこここにある地域を擁する如何にも奈良らしい土産物であるため、[[修学旅行]]生や若年層を中心に人気があり、すっかり奈良土産として定着している。わざわざ糞に似せた食品を作って販売している例の一つである。
 
 
 
[[沖縄県]]では、「[[イリオモテヤマネコ]]の<ruby><rb>運幸</rb><rt>ウンコ</rt></ruby>」「[[ヤンバルクイナ]]の<ruby><rb>運幸</rb><rt>ウンコ</rt></ruby>」「[[シーサー]]の<ruby><rb>運幸</rb><rt>ウンコ</rt></ruby>」という“<ruby><rb>運幸</rb><rt>ウンコ</rt></ruby>”シリーズ展開をする一連の菓子(小球形の[[黒糖]]入り[[チョコレート]]菓子)を、[[八重山列島|八重山]]地方発の土産物として販売している。
 
 
 
[[鳥取県]][[倉吉市]]の銘菓「天女のわすれもの」は、商品名に糞のことを婉曲的に採用している一つの例である。これは、同市が「[[トイレ]]からのまちづくり」を謳って推し進める[[地域おこし]]の[[コンセプト]]に適う商品として開発されたもので、[[天女]]が[[現世|浮世]]に忘れていった物とは、すなわち「うんこ」である。ちなみに、ビデオゲームの『[[妖怪道中記]]』にも、「天女のフン」と呼ばれる謎のアイテムが登場する。
 
 
 
=== 糞と関連する生物名 ===
 
* [[糞虫]]
 
* [[フンセンチュウ]](糞線虫) - [[学名]] {{snamei||Strongyloides stercoralis}}。[[線形動物門]][[双腺綱]]{{仮リンク|カンセンチュウ目|en|Rhabditida}}に分類される[[寄生虫]]。
 
* [[クソミミズ]](糞蚯蚓) - 地表にたくさんの糞塊を積み上げる習性をもつ[[ミミズ]]。
 
[[ファイル:Cyrtarachne.inaequalis.female.-.tanikawa.jpg|thumb|170px|トリノフンダマシ]]
 
[[ファイル:Strongylocentrotus intermedius.jpg|thumb|170px|エゾバフンウニ]]
 
* [[トリノフンダマシ]](擬鳥糞蜘蛛) - [[コガネグモ科]]に属する[[クモ]]類。鳥の糞に[[擬態]]する個体が多いことからその名がある。
 
* クソバエ(糞蠅) - [[キンバエ]]の別名(俗称)。
 
* フンバエ(糞蠅) - [[フンバエ科]]の[[昆虫]]の総称。
 
* [[フンコロガシ]](糞転がし)
 
* ムシクソハムシ(虫糞金花虫) - 学名 ''Chlamisus spilotus''。[[ハムシ科]]の昆虫。
 
* [[バフンウニ]](馬糞海胆) - 形状が馬糞に似た[[ウニ]]。
 
* マグソガゼ(馬糞甲贏) - バフンウニの別名(古名)。
 
* [[エゾバフンウニ]](蝦夷馬糞海胆) - バフンウニの近縁種。
 
* クソトビ(糞鳶/糞鴟) - [[ノスリ]]の別名。
 
* フンタマカビ(糞玉黴) - [[フンタマカビ綱]]に分類される[[カビ]]。
 
* [[マグソタケ]](馬糞茸) - 学名 {{snamei||Panaeolus fimicola}}。[[ハラタケ目]][[ヒトヨタケ科]]の[[キノコ]]。馬糞を菌床として発生することが多いため、その名で呼ばれる。
 
* [[ヘクソカズラ]](屁糞葛/屁糞蔓) - [[アカネ科]]のつる性多年草。葉や茎に悪臭がある。
 
* クソウリ(糞瓜) - [[キカラスウリ]]の別名。
 
* [[クソニンジン]](屎人参/糞人参) - [[キク科]]の一年草。[[薬用植物]]であることから、[[中国語]]名「糞胡蘿蔔」で表記される場合もある。
 
* カナクソイモ(金糞薯) - [[ヤマノイモ科]]のつる性多年草。[[ツクネイモ]]の別名。「[[#糞に関連する地名]]」節で詳説しているように、「かなくそ」は鉱石の溶錬過程で生じる[[スラグ]](かなくそ)を意味する可能性が高い。従って「カナクソイモ」は、その名の印象に反して生物の糞とは無関係と考えられる。
 
* ネズミノフン(鼠糞) - [[モクセイ科]]の常緑低木。[[ネズミモチ]]の別名。
 
* クソクサギ(糞臭木) - [[スイカズラ科]]の落葉低木。[[カンボク]]の別名。
 
* クソツキ(糞木) - スイカズラ科の落葉小高木。[[ムシカリ]]の別名。
 
* ヨグソミネバリ(夜糞峰榛) - [[カバノキ科]]の落葉高木。[[ミズメ]]の別名。枝を折ると独特の匂い/臭いを発散する。実際は悪臭というより一種独特の[[芳香]]である。
 
 
 
=== 糞と関連する地名 ===
 
[[地名]]においては、「糞」の名を含むからといって「(生き物の)糞」に由来しているとは限らない。例えば「かなくそ(金糞)」という構成要素を持つ地名は日本に数多くあるが、これらの名は[[鉄]]鋼石や[[砂金]]に代表される[[鉱石]]を溶錬する際に生じる[[スラグ]]を指す「かなくそ(金屎、鉄屎)」から来ているという説が有力である。
 
* 糞置(くそおき) - 古代日本の[[越前国]][[足羽郡]]にあった地名。
 
:* 糞置村(くそおきむら) - 越前国足羽郡糞置にあった[[集落]]。
 
:* [[糞置荘]](くそおきのしょう) - 越前国足羽郡糞置村にあった[[東大寺]]領の古代[[荘園]]。現在の[[福井市]]の二上町および帆谷町地域に[[比定]]される。天平宝字3年(759年)と天平神護2年(766年)の開田地図が残存する。[[平安時代]]中期には荒廃していた。
 
* 糞尿に由来する地名
 
:* [[糞谷]](くそんど) - [[大阪府]][[南河内郡]][[千早赤阪村]]桐山 (座標:北緯34度26分54秒 東経135度38分2秒) に所在する。地名は、元弘3年(1333年)の[[千早城の戦い]]において、[[上赤坂城]]に立て籠もる[[楠木正成]]軍の[[平野重吉]]と[[楠木正季]]が奇策の一つとして下方から押し寄せる[[鎌倉幕府]]の大軍に向けて糞尿をばらまいたとされることに由来する。
 
* 馬糞に由来する地名
 
:* [[馬糞森山]](ばふんもりやま) - [[青森県]][[平川市]]碇ヶ関久吉と[[秋田県]][[鹿角郡]][[小坂町]]に跨る山。
 
:* [[馬糞ヶ岳]](ばふんがだけ) - [[山口県]][[周南市]]と[[岩国市]]錦町高木屋に跨る山。地名は、山容が馬糞に似ていることに由来する。
 
* [[牛糞]]に由来する地名
 
:* 牛糞の鼻(ぎゅうふんのはな) - [[大隅諸島]]の[[馬毛島]]にある[[岬]]。行政上は[[鹿児島県]][[西之表市]]馬毛島に属する。後述の「鵜糞鼻」も同様であるが、ここでの「[[鼻]]」は「岬」を意味する。
 
* 鳥の糞に由来する地名
 
:* 鳥糞島(とりふんじま) - [[太平洋]]の[[無人島]]。行政上は[[岩手県]][[下閉伊郡]][[山田町]]に属する。
 
:* 鳥糞岩(とりくそいわ) - 太平洋の無人島。行政上は岩手県[[釜石市]]両石に属する。
 
:* 鳥糞岩(とりくそいわ) - [[日本海]]の無人島。行政上は[[福井県]][[丹生郡]][[越前町]]に属する。
 
:* 鵜ノ糞島(うのくそしま) - [[芸予諸島]]の一部である[[上島諸島]]に属する、[[瀬戸内海]]([[津波島]]の沖合)の無人島。行政上は[[愛媛県]][[越智郡]][[上島町]]に属する。[[ウ科]]鳥類(鵜)の糞に由来する地名。
 
:* 鵜の糞島(うのふんしま) - [[壱岐島]]の沖合、[[対馬海峡]]にある無人島。行政上は[[長崎県]][[壱岐郡]][[芦辺町]]に属する。[[ウ科]]鳥類(鵜)の糞に由来する地名。
 
:* 鵜の糞島(うのふんじま) - 行政上は長崎県[[壱岐市]][[石田町]]筒城仲触<sup>(つつきなかふれ)</sup>に属する。
 
:* 鵜糞鼻(うのくそばな) - [[大分県]][[佐伯市]]蒲江[[大字]]森崎浦にある岬。
 
:* 鵜糞鼻(うくそばな) - 大分県[[速見郡]][[日出町]]大神にある岬。
 
* 金糞([[かなくそ]])関連地名
 
:* [[金糞岳]](かなくそだけ、きんふんだけ) - [[伊吹山地]]に属する[[山]]。山域は、[[滋賀県]][[長浜市]]上草野地区(旧・[[東浅井郡]][[上草野村]])と[[岐阜県]][[揖斐郡]][[揖斐川町]]に跨る。滋賀県第二の高峰。滋賀県での読みは「かなくそだけ」。岐阜県での読みは「きんふんだけ」か。
 
:* 金糞(かなくそ) - [[滋賀県]][[高島市]]鵜川(旧・[[滋賀郡]][[志賀町 (滋賀県)|志賀町]]鵜川。[[江戸時代]]における[[近江国]]滋賀郡鵜川村〈[[幕藩体制]]下の[[淀藩]][[地方知行|知行]]鵜川村〉)にある地名([[小字]])。
 
:* 金糞(かなくそ) - [[比良山地]]に属する[[武奈ヶ岳]]と[[堂満岳]]の間を繋ぐ地域にある一地名。その名を冠する金糞峠(かなくそとうげ)は、行政上、[[滋賀県]][[大津市]]の南比良と北比良の境界に所在する(座標:北緯35度14分51秒 東経135度54分23秒)<ref>{{Cite web |url=http://pdb.the-orj.org/view.php?no=5608 |title=金糞峠 |work=峠データベース |publisher= |accessdate=2018-01-12}}</ref>。また、金糞滝(かなくそのたき)は、当地にある「正面谷の滝<sup>(しょうめんだにのたき)</sup>」を構成する[[滝]]の一つである。落差は8メートル。
 
:* 金糞(※読み不詳) - [[愛知県]][[一宮市]]浅井町江森(旧・[[葉栗郡]][[浅井町 (愛知県)|浅井町]]江森。[[江戸時代]]における[[尾張国]]葉栗郡江森村〈[[幕藩体制]]下の[[尾張藩]][[地方知行|知行]]江森村〉)にある地名([[小字]])。
 
:* 金糞平(かなくそたい) - [[青森県]][[三沢市]]に所在する地名<!--※場所の過去を全く辿れず。-->。[[出雲国]]の[[製鉄]]集団が[[江戸時代]]になって当地に根を下ろし、地産の[[砂鉄]]を材として[[製鉄所]]を営んだことに由来する。<ref>{{Cite web |date= |url=https://www.city.misawa.lg.jp/sp/index.cfm/23,9429,16,125,html |title=三沢市の地名あれこれ |work=公式ウェブサイト |publisher=三沢市 |accessdate=2018-01-12}}</ref>
 
:* 金糞平(かなくそだいら) - [[岩手県]][[上閉伊郡]][[大槌町]]小鎚に所在する地名<ref>{{Cite web |date= |url=http://www.town.otsuchi.iwate.jp/institution/shisetsu/event13/ |title=金糞平 |work=公式ウェブサイト |publisher=大槌町 |accessdate=2018-01-12}}</ref>。
 
* 星屑に近い「星の糞」という発想から来る地名
 
:* 星の糞(ほしのくそ) - [[静岡県]][[御前崎市]]白羽鳥居原(旧・[[榛原郡]][[白羽村]]鳥居原)にある地名。[[星の糞遺跡]]は、御前崎台地にある[[縄文時代]]前期から[[奈良時代]]にかけての[[遺跡]]で、昭和初頭<ref group="*">昭和2年刊行の考古学雑誌で報告されている。</ref>、白羽神社の[[宮司]]によって発見された。
 
:* 星糞(ほしくそ) - [[八ヶ岳]]の山腹を指す地名。その名を冠する[[峠]]である「[[星糞峠]]」は、[[長野県]][[小県郡]][[長和町]]大門に所在する。星糞峠の[[稜線]]一帯は[[黒曜石]]原石の[[露頭]]で、[[縄文時代]]草創期に始まる[[星糞峠#星糞峠黒曜石原産地遺跡|星糞峠黒曜石原産地遺跡]](国指定[[史跡]])<ref>{{Cite web |url=http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/218209 |title=星糞峠黒曜石原産地遺跡 |work=文化遺産オンライン |publisher=[[文化庁]] |accessdate=2018-01-12}}</ref>を擁する。地名「星糞」は、雨が降って地表に露出した黒曜石の破片を「空の星が落とした糞」とみなしたことに由来する。
 
 
 
== 糞害 ==
 
動物の糞は、糞害として社会問題化することがある。
 
 
 
=== 犬の場合 ===
 
現代の[[都市]]では、[[ペット]]の[[犬]]の糞の放置が社会問題となる事例が見られる。この問題への対応として、[[フランス]]の[[パリ]]市では、犬に糞をさせるための場所を路上に設置し、簡易バキューム機を搭載した[[オートバイ]]による清掃隊を配置して対応している。また、[[イギリス]]の[[ロンドン]]市では、[[公園]]などに飼い主が回収した糞を入れるための、専用の汚物入れを設けるなどしている。日本においては、一般的に犬の飼い主は、散歩の際にビニール袋やポケットティッシュを持参するなどして、飼い犬の糞を回収することが求められ、[[条例]]により、路上など公共性のある場所に、ゴミやタバコの吸殻と並んで、犬の糞を放置することに[[罰金]]などを設ける自治体もある。これに対し、便意を催した犬の後ろから宛がって、直接器具内に用便させる「犬用携帯トイレ」など、糞の回収を便利にするケア用品も販売されているほか、犬を訓練して、散歩前に用便を済まさせ、散歩中に催させない人も居る。
 
 
 
=== 猫の場合 ===
 
[[ネコ]]は習性として、柔らかい土を掘り返して排便し、終わった後は土を掛けて隠すことを好む。また、イヌとは異なり、放し飼いにされるほか、飼い主のいない[[野良猫]]もいるため、ネコが花壇や児童が遊ぶ[[砂場]]などに用便してしまい、衛生上の観点や心情的な観点から、地域の問題となっている例が見られる。[[子供]]の遊ぶ[[砂場]]では、ネコやイヌの持っている[[寄生虫]]([[猫回虫]]など)による被害を防止するため、児童の居ない時はビニールシートを被せたり、定期的に加熱消毒するなどの措置を行う所もある。
 
 
 
=== 鳥の場合 ===
 
[[カワラバト]]は[[食料]]さえ豊富なら、年5・6回の繁殖が可能で、また大きな[[群れ]]を作ることでも知られる。そのため、ハトの密集地では、糞害がしばしば問題となっている。糞害などの対処策として、ハトそのものの生息数の減少、特にエサやりが禁止される事例がある。例えば、[[広島平和記念公園]]では、[[1994年]](平成6年)より鳩エサの販売中止とエサやりの自粛を呼びかけ、環境省によると、その結果、ハトの生息数を五分の一に減少することに成功した<ref>[http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=2475 ドバト被害防止パンフレット「エサをあげないで!」の作成について]</ref>。また近年{{いつ|date=2018-01}}、[[ムクドリ]]が何千何万羽単位で大通りの[[街路樹]]をねぐらにすることによる糞害も深刻である。例えば、[[JR]][[新松戸駅]]周辺の[[ケヤキ|けやき]]通りではムクドリの糞害が深刻で、初夏から晩秋にかけてのムクドリのシーズンでは周辺の商店の客足が遠のくという<ref>[[フジテレビジョン|フジテレビ]]</ref>
 
 
 
公園の銅像も糞害に悩まされているものが多い中、ハトやカラスが全く寄り付かない銅像も存在することに気が付いた[[廣瀬幸雄]]はその銅像の化学成分を研究し、[[ヒ素]]の含有量が多いと鳥を忌避する効果があることを突き止めた。この研究業績に対して[[イグノーベル賞]]の[[2003年]]化学賞が授与された。
 
 
 
[[自動車]]の塗装面に付着した鳥の糞は、塗装表面を溶かし、光沢や色味が失われる原因となる。特に、塗膜が硬化し切っていない新車や、市中の板金塗装工場で施工されて間もない再塗装車などは、鳥の糞が付着したら速やかに除去することが望ましい。
 
 
 
== 関連書籍 ==
 
* うんち大全(作品社)<ref>[http://www.sakuhinsha.com/history/3054.html うんち大全]</ref>
 
* [[みんなうんち]]:[[五味太郎]]作・絵による日本の[[絵本]]
 
* [[うんちしたのはだれよ!]]:[[ドイツ]]の絵本
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
=== 注釈 ===
 
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=== 出典 ===
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{sisterlinks
 
| commons = Feces
 
| commonscat = Feces
 
| v = no
 
}}
 
* [[屎尿]]
 
* [[大腸菌]]
 
* [[屁]]
 
* [[浣腸]]
 
* [[失禁]]
 
* [[弄便]]
 
* [[天津罪]]
 
* [[うんこマーク]]
 
* [[うんこさん-ツイてる人にしか見えない妖精-]] - 日本の[[テレビアニメ]]。登場人物がすべて“うんこ”という設定。
 
* [[うんこ漢字ドリル]]
 
* [[カラドリオス]]
 
* [[ホムンクルス]]
 
* [[荒木村重]] - 「道糞(どうふん)」と名乗っていた。
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* {{Cite web |author=[[辨野義己]] |date=2004-02 |url=http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/publications/news/2004/rn200402.pdf |title=腸内細菌の全体像をつかみ、予防医学に役立てる |format=PDF |work=RIKEN NEWS No.272 |publisher=[[理化学研究所]] |accessdate=2018-01-14}}
 
  
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[[Category:動物学]]
 
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[[Category:廃棄物]]
 
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[[Category:侮蔑]]
 
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[[mg:Poopy]]
 

2018/10/27/ (土) 12:30時点における最新版

くそふん。※「くそ」の別表記:

糞便(ふんべん)、大便(だいべん)

肛門からの排出物。その内容は,食物の吸収されなかった部分,消化液の残りと剥離した消化管上皮細胞,腸内微生物の残骸,大腸粘膜からの排泄物で,鉄,水銀などの重金属を含む。また色は胆汁色素によって褐色調。臭気はインドール,スカトール,硫化水素,メルカプタンの存在による。日本人の1日総量は平均 200g前後,水分は 70~80%。



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