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← 第51回全国高等学校野球選手権大会決勝

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'''第51回全国高等学校野球選手権大会決勝'''（だい51かいぜんこくこうとうがっこうやきゅうせんしゅけんたいかいけっしょう）は、{{By|1969年}}[[8月18日]]と[[8月19日]]に[[阪神甲子園球場]]で行われた、北四国代表・[[愛媛県立松山商業高等学校|松山商]]（[[愛媛県|愛媛]]）と北奥羽代表・[[青森県立三沢高等学校|三沢]]（[[青森県|青森]]）による[[第51回全国高等学校野球選手権大会]]の決勝戦である。決勝戦初の引き分けとなった18日の試合は4時間16分におよび、特に延長15回裏の三沢の猛攻に対し、サヨナラ負けの再三のピンチを松山商が紙一重でしのぐという攻防が展開し、全国の視聴者を釘づけにした。 == 試合経過 == 8月18日 {{Linescore |Road=松山商 |RoadAbr=松 |Home=三沢 |HomeAbr=三 |R1=0|R2=0|R3=0|R4=0|R5=0|R6=0|R7=0|R8=0|R9=0|R10=0|R11=0|R12=0|R13=0|R14=0|R15=0|R16=0|R17=0|R18=0|RR=0|RH=12|RE=2 |H1=0|H2=0|H3=0|H4=0|H5=0|H6=0|H7=0|H8=0|H9=0|H10=0|H11=0|H12=0|H13=0|H14=0|H15=0|H16=0|H17=0|H18=0|HR=0|HH=10|HE=0 |Note1=（延長18回・大会規定により引き分け） |RSP=井上（18回） |HSP=太田（18回） |PU=[[郷司裕|郷司]] |BU=小西・三宅・山川 |Note2=試合時間：4時間16分 }} {{野球打順一覧 |チームa=松山商 |打順a1=1|守備a1=[捕]|選手a1=大森光生（3年） |打順a2=2|守備a2=[二]|選手a2=福永純一（3年） |打順a3=3|守備a3=[遊]|選手a3=樋野和寿（3年） |打順a4=4|守備a4=[三]|選手a4=[[谷岡潔]]（3年） |打順a5=5|守備a5=[左]|選手a5=久保田俊郎（3年） |打順a6=6|守備a6=[投]|選手a6=[[井上明]]（3年） |打順a7=7|守備a7=[一]|選手a7=西本正夫（3年） |打順a8=8|守備a8=[右]|選手a8=平岡孝史（3年） |打順a9=9|守備a9=[中]|選手a9=田中茂（3年） |チームb=三沢 |打順b1=1|守備b1=[遊]|選手b1=[[八重沢憲一]]（3年） |打順b2=2|守備b2=[捕]|選手b2=小比類巻英秋（3年） |打順b3=3|守備b3=[投]|選手b3=[[太田幸司]]（3年） |打順b4=4|守備b4=[三]|選手b4=桃井久男（3年） |打順b5=5|守備b5=[一]|選手b5=菊池弘義（3年） |打順b6=6|守備b6=[中]|選手b6=高田邦彦（3年） |打順b7=7|守備b7=[右]|選手b7=谷川義彦（3年） |打順b8=8|守備b8=[二]|選手b8=滝上哲（2年） |打順b9=9|守備b9=[左]|選手b9=立花五雄（3年） }} 速球派の[[太田幸司]]と制球力重視の[[井上明]]の投げ合いとなり、0-0のまま延長に突入。 延長15回、三沢が一死満塁のチャンスを迎える。9番打者立花に対し井上は[[スクイズプレイ]]を警戒し3球連続でボールを出しカウント0-3となり、押し出し寸前となる。これに投じた4球目はストライク。5球目は山なりの投球の為に低めに外れそうで微妙だったが、振る気の無い打者に捕手大森はとっさに少し前に出て捕球。立花は歩きかけたが、郷司球審の判定はストライクでフルカウント。6球目は投手横にワンバウンドで打球が飛ぶ。井上はボールに飛びついたが弾く。だが、ライナーに見えたため三塁走者菊池の飛び出しが遅れ、ショート樋野が冷静に本塁へ転送し三塁走者は本塁フォースアウト。次打者はセンターフライで松山商がしのぎ0点に抑える。 続く延長16回も同様の1死満塁の展開になるも、スリー[[バント]]スクイズ失敗で併殺に終わり無得点。両チーム無得点のまま延長18回引き分け、翌日に再試合となった。 === 再試合 === 8月19日 {{Linescore |Road=松山商 |RoadAbr=松 |Home=三沢 |HomeAbr=三 |R1=2|R2=0|R3=0|R4=0|R5=0|R6=2|R7=0|R8=0|R9=0|RR=4|RH=9|RE=1 |H1=1|H2=0|H3=0|H4=0|H5=0|H6=0|H7=1|H8=0|H9=0|HR=2|HH=4|HE=1 |RSP=井上（0回2/3）、中村（5回2/3）、井上（0回2/3）、中村（2回） |HSP=太田（9回） |RoadHR=樋野（1回・2ラン） |PU=郷司 |BU=小西・三宅・山川 |Note2=試合時間：2時間6分 }} {{野球打順一覧 |チームa=松山商 |打順a1=1|守備a1=[捕]|選手a1=大森光生（3年） |打順a2=2|守備a2=[二]|選手a2=福永純一（3年） |打順a3=3|守備a3=[遊]|選手a3=樋野和寿（3年） |打順a4=4|守備a4=[三]|選手a4=[[谷岡潔]]（3年） |打順a5=5|守備a5=[左]|選手a5=久保田俊郎（3年） |打順a6=6|守備a6=[投]右投右|選手a6=[[井上明]]（3年） |打順a7=7|守備a7=[一]|選手a7=西本正夫（3年） |打順a8=8|守備a8=[右]|選手a8=平岡孝史（2年） |打順a9=|守備a9=投右投|選手a9=中村哲（3年） |打順a10=9|守備a10=[中]|選手a10=田中茂（3年） |チームb=三沢 |打順b1=1|守備b1=[遊]|選手b1=[[八重沢憲一]]（3年） |打順b2=2|守備b2=[捕]|選手b2=小比類巻英秋（3年） |打順b3=3|守備b3=[投]|選手b3=[[太田幸司]]（3年） |打順b4=4|守備b4=[三]|選手b4=桃井久男（3年） |打順b5=5|守備b5=[一]|選手b5=菊池弘義（3年） |打順b6=6|守備b6=[中]|選手b6=高田邦彦（3年） |打順b7=7|守備b7=[右]|選手b7=谷川義彦（3年） |打順b8=|守備b8=打|選手b8=河村真（3年） |打順b9=8|守備b9=[二]|選手b9=滝上哲（2年） |打順b10=9|守備b10=[左]|選手b10=立花五雄（3年） }} 疲労の目立つ太田は初回樋野に2点本塁打を打たれた。松山商は疲れのある井上を休ませ中村を救援させ、松山商の優勝。 == 疑惑の判定 == 延長15回裏のカウント1-3からの5球目は誤審ではないかとの認識が試合中から存在。さらには試合後優勝した松山商の監督と球審を務めた審判が同じ[[明治大学硬式野球部|明治大学野球部]]の先輩後輩の間柄だったことから球審が松山商に有利な判定を下したのではとの疑惑も存在し、一部では両者の出身大学をもじって「明大ストライク事件」と呼ばれている<ref>疑惑の名勝負大全　86、87ページ　ミリオン出版社</ref>。当時、[[産経新聞]]の記者だった[[片岡宏雄]]はコラムの中で両者の間柄に触れ「誤解を招くような審判構成はあらかじめ避けるべきではないか」と綴っている<ref>疑惑の名勝負大全　87ページ　ミリオン出版社</ref>。実際、審判は都道府県の高野連から推薦され出場しているため日本高野連は審判団が中立に判定できるようにと審判の出身高校や出身都道府県の高校の試合には出場できないようにルールで定められている。しかし、出身大学や先輩後輩などの関係についてはルールで定められていない。 ただ、その試合で捕手を務めた大森光生は「あのボールは、少なくても自分のミットに入った時点では間違いなくストライク。」と主張している。その一方で「どうせならストライクに判定してもらえる可能性を最大限に広げたくて、ミットをど真ん中に構えて、キャッチャーボックスの一番前、ほとんど線上にしゃがんで、ミットをベース上に差し出した。そして、意識して体を傾けて、球審に見やすいようにしたのがよかったと思う。でも、これだけ思い切ったことができたのは、打者に全く打つ気が感じられなかったから。打者が打ってきたら間違いなく打撃妨害になっていただろう。」と振り返っている<ref>高校野球珠玉の名勝負＆名場面ベスト100　32ページ　ベースボール・マガジン社</ref>。 == その後 == 引き分けの決まった時、街頭テレビでそれを見届けたひとりの男性のこぼした言葉が、この試合を象徴するものとして報じられた――「良かった、どっちも負けなかったんだな」 *36個0を並べた名勝負 *半分に分けれぬものか優勝旗 などの川柳が、この試合について詠まれた。三沢ナインは5人が幼少から同じチームで野球を始め、駐留米軍の子弟相手に練習試合を行い力をつけていた。三沢高校ではこの試合を顕彰する記念碑を建てることになったが、この碑に野球部員たちの名を刻むことには、当時の校長が反対した。「それでは、あの延長18回の、という重荷をこれからずっと彼らに負わせてしまうことになる」という判断からだった。三沢高校の校庭に建つ同碑には、詩人[[サトウ・ハチロー]]による三沢ナインをたたえる詩が刻まれているが、当時のナインの名前は入っていない。 1999年11月6日に当時のメンバー達が甲子園に集まり試合を行った。結果は13-8で松山商OBが勝利した。 2012年は[[東奥義塾高等学校|東奥義塾高]]OBの[[陸羯南]]と松山市出身の俳人[[正岡子規]]に親交があった縁、そして同校創立140周年を記念し、6月3日に両校の現役野球部員の対戦が弘前運動公園野球場で実現した。結果は9-3で松山商が勝利した。 2014年、両試合を実況したNHKの[[羽佐間正雄]]アナウンサーにより、モノクロの家庭用ビデオで収録された両試合のすべての映像テープがNHKへ提供された<ref>[http://www.nhk.or.jp/archives/hakkutsu/news/detail019.html NHK番組発掘プロジェクト通信 No.19 伝説の甲子園決勝!引き分け再試合、全中継を発掘!（2014年8月8日）]、NHK番組発掘プロジェクト</ref>。 == 脚注 == {{Reflist}} ==参考資料== *ホームラン　2016年9月号臨時増刊、歴代春夏甲子園メンバー表大全集　9ページ、111ページ　廣済堂出版 {{DEFAULTSORT:せんこくこうとうかつこうやきゆうせんしゆけんたいかいけつしよう1969}} [[Category:全国高等学校野球選手権大会の試合|けつしよう1969]] [[Category:1969年の野球]] [[Category:1969年の日本のスポーツ]] [[Category:1969年8月]]

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