白河市

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白河市(しらかわし)は、福島県中通り南部に位置する。奥州三関の一つ白河の関が置かれ、みちのくの玄関口として知られる。

概要

東京・仙台といった大都市のほぼ中間点に位置する。 近年、ヤフーデータセンター、三菱ガス化学などの大規模企業の進出があった。 首都圏通勤者も若干見受けられる。

地理

那須高原に面し、低地の白河盆地にかけて市街地及び農耕地が広がっている。夏涼しく、冬は寒冷であるものの市街地の積雪は少ない気象環境である。

隣接している自治体

福島県の旗福島県
栃木県の旗栃木県

気候

  • 最高気温 - 36.0℃(2012年(平成24年)7月17日
  • 最低気温 - -13.6℃(1967年(昭和42年)2月15日
  • 最大降水量 - 266.5ミリ(1998年(平成10年)8月27日
  • 最大瞬間風速 - 47.0メートル(1965年(昭和40年)1月9日
  • 最深積雪 - 76センチ(2014年(平成26年)2月15日)→平成26年豪雪
  • 夏日最多日数 - 108日(2013年(平成25年))
  • 真夏日最多日数 - 49日(2012年(平成24年))
  • 猛暑日最多日数 - 3日(2014年(平成26年)、2012年(平成24年))
  • 熱帯夜最多日数 - 1日(1952年(昭和27年))
  • 冬日最多日数 - 141日(1984年(昭和59年))
  • 真冬日最多日数 - 23日(1945年(昭和20年))

人口

白河市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

統計

  • 総人口 - 65,707人(2005年)
  • 世帯数 - 22,320世帯(2005年)
  • 年少(15歳未満)人口率 - 15.7%(2005年)
  • 高齢(65歳以上)人口率 - 20.9%(2005年)
  • 昼間人口 - 66,803人(2000年)
  • 労働力人口 - 34,983人(2000年)
  • 第1次産業就業者数 - 2,740人(2000年)
  • 第2次産業就業者数 - 13,648人(2000年)
  • 第3次産業就業者数 - 17,146人(2000年)
  • 農業産出額 - 9,540百万円(2004年)
  • 製造品出荷額等 - 281,310百万円(2004年)
  • 商業年間商品販売額 - 115,130百万円(2003年)

[1]

歴史

古代、白河は奥州の要として重要視され文献にも登場していた。それは陸奥国最大の面積を有していたこと、延喜式神名帳において建国の大祖神として奥州三ノ宮の一つに挙げられていたことからも要衝の地であったことが伺われる。 平安時代には能因法師が「都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関」と詠んでいる。能因法師以外にも「白河の関」を詠んだ歌は数多く、後年、松尾芭蕉おくのほそ道の中でそれらの歌や散文をもとにして、白河到着時の情景を詠っている。下記は「おくのほそ道」(岩波文庫)よりの引用である。

心許なき日かず重るまゝに、白川の関にかゝりて旅心定りぬ。「いかで都へ」と便求しも断也。中にも此関は三関の一にして、風ソウ(馬偏に躁の旁。騒と同字)の人心をとゞむ。秋風を耳に残し、紅葉を俤にして、青葉の梢猶あはれ也。卯の花の白妙に、茨の花の咲そひて、雪にもこゆる心地ぞする。古人冠を正し衣装を改し事など、清輔の筆にもとゞめ置れしとぞ。                  卯の花をかざしに関の晴着かな   曾良   

「おくのほそ道」では、有名な書き出しの部分にも「春立てる霞の空に白河の関越えんと…」とある。また、芭蕉に同行した河合曾良随行日記には、おくのほそ道本文よりも詳しい記述があり、そこに記されている街並みや、宗祇もどしの逸話にまつわる碑が今も市内に残る。同随行日記は上掲岩波文庫版「おくのほそ道」に所載されている。

江戸時代まで

古代には白河の関が置かれ広くその名は知られていた。江戸時代、城主松平定信が候補地を比定して、現在公園として整備されている辺りを関跡としたのが有力とされている。

中世期には、小山氏の流れをくむ結城氏白河結城氏)の所領となった。長く二つの結城家(白河氏と小峰氏)が比較的平和裏に所領を分割統治していたとされ、両家の居城が今も白川城搦目城)、白河城として市内に残っている。伊達氏をもしのぐ力を有していたとされるが、戦国時代には両結城家による抗争が起こり、さらには佐竹氏の攻撃を受けるなどがあった。 江戸時代最初期、丹羽氏によって城下町が整備され、それ以降は、譜代中藩(一時期親藩)で老中を輩出した名門白河藩城下町として栄えた。奥州街道五街道の一つ)起点の地でもあった。

その後(榊原氏、諸松平氏本多氏阿部氏)と名門・有力大名が藩主として赴き、幕末には藩主阿部正外が江戸老中として諸外国との折衝役にあたる難局を担った。結局、阿部の神戸港開港の判断が攘夷派の反発を招くこととなり、棚倉藩へと移封され白河藩領は天領とされた。こうした藩不在という状況にも関わらず、戊辰戦争において白河の地は東西両軍にとって要衝の地と目されたため、一大激戦地になるという悲劇を生むこととなった。

歴史遺産や市街の多くを消失したが、それまでの藩域は現在の岩瀬郡、須賀川市にまで及んでおり、県内では会津藩に次ぐ大藩であった。日本初の公園といわれる南湖公園の造営や日本最古の百科事典集古十種を編纂し寛政の改革を主導した松平定信は今日でも広く市民に親しまれている。定信は藩士の子弟のための藩校立教館と共に、庶民のための郷校 敷教舎も設置し、民衆に学問への道を開いた。

歌枕の聖地、洪水と称されるほど古来多くの和歌が都人などにも詠われ残されている。

明治時代以後

行政区域変遷

  • 変遷の年表
  • 市制・町村制以前の変遷表
  • 市制・町村制以後の変遷表

行政

姉妹都市・提携都市

海外
国内

行田市と桑名市は、江戸時代に忍藩(現行田市)、桑名藩との間で、阿部氏と諸松平氏移封があった縁から(文政6年(1823年)の三方領知替え)。戸田市は、旧大信村との姉妹関係を合併後も引き継いだもの。

経済

企業

工場

商業施設

預金取扱金融機関

学校

高等学校

中学校

  • 白河市立白河中央中学校
  • 白河市立白河第二中学校
  • 白河市立東北中学校
  • 白河市立白河南中学校
  • 白河市立五箇中学校
  • 白河市立表郷中学校
  • 白河市立東中学校
  • 白河市立大信中学校

小学校

  • 白河市立白河第一小学校
  • 白河市立白河第二小学校
  • 白河市立白河第三小学校
  • 白河市立白河第四小学校
  • 白河市立白河第五小学校
  • 白河市立小田川小学校
  • 白河市立五箇小学校
  • 白河市立関辺小学校
  • 白河市立みさか小学校
  • 白河市立表郷小学校
  • 白河市立釜子小学校
  • 白河市立小野田小学校
  • 白河市立大屋小学校
  • 白河市立信夫第一小学校
  • 白河市立信夫第二小学校

交通

鉄道

バス

高速バス

東北自動車道の西郷バスストップからは下記の路線が利用可能。

道路

高速道路
国道
福島県道

観光

ファイル:Otohimezakura.jpg
妙関寺の乙姫桜
ファイル:Shirakawa Orthodox Church 01.JPG
白河ハリストス正教会

名産

キャラクター

著名人

出身者

ゆかりの著名人

  • 結城宗広 - 南朝方の武将。
  • 松平定信 - 白河藩主、老中首座として寛政の改革を行う。
  • 谷文晁 - 江戸三筆の一人。白河藩お抱え絵師で白河だるまの図案の考案者。
  • 亜欧堂田善 - 洋風画家、当時白河藩領須賀川の生れ。文晃の弟子。
  • 白雲 - 画僧、市内常宣寺住職。集古十種の編纂に携わる。
  • 高久隆古 - 大和絵師、領地替えで白河に住む。
  • 真田幸貫 - 松代藩主。名君と謳われ、水野忠邦と共に天保の改革を担う。定信の次男で江戸白河藩邸の生れ。
  • 阿部正外 - 白河藩主。幕末期江戸老中として諸外国との折衝にあたる。
  • 沖田総司 - 新撰組隊士。江戸白河藩邸の生れ。
  • 沢辺琢磨 - 日本最初の司教。白河ハリスト正教会司教を十年に渡り勤める。
  • 山下りん - 日本最初のイコン画家、白河ハリスト正教会に数点作品が残されている。
  • 小室翠雲 - 南画家。南湖十七景を描く。
  • 長谷部英一 - 家族が父の郷里白河へ移住。本人も大正期病気療養で長期滞在し数々の作品を制作。
  • 結城素明 - 画家。戦時中一時白河へ疎開。
  • 齋藤正夫 - 洋画家。馬の画家として知られる。父の郷里白河を故郷として慕い1600点余りを寄贈。
  • 伊東静雄 - 長崎の詩人。「白河」という散文のなかで当地への憧れを綴っている。
  • 酒井文徳 - 東京大学医学部学部長。旧制白河中学卒。
  • 河島英昭 - 東京外国語大学名誉教授。ピッコ・デーラ・ミランドラ賞受賞。幼少期に白河へ移住。白河高校卒。
  • 池谷薫 - 映画監督、少年期を白河市で過ごす。
  • 渡辺保 - 演劇評論家。戦時中、白河に疎開。
  • 千葉節子 - 詩人美術家、90年代後半より移住。
  • 新田祐大 - 競輪選手、ロンドンオリンピック出場。白河高校卒。
  • 鈴木郁洋 - プロ野球選手、シドニーオリンピック出場。小中学校が市内の学校。

作品

白河市が舞台となっている作品

映画

脚注

  1. 総務省統計局『統計で見る市区町村のすがた2007』2007年
  2. 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 7 福島県』、角川書店、1981年 ISBN 4040010701 より
  3. 日本加除出版株式会社編集部『全国市町村名変遷総覧』、日本加除出版、2006年、ISBN 4817813180 より

関連項目

外部リンク