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'''物価'''(ぶっか、{{Lang-en-short|prices}}あるいはcommodity prices)とは、
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'''物価'''(ぶっか、{{Lang-en-short|prices}}あるいはcommodity prices)
*(経済学)経済全体での一般的な[[物価水準]]<ref>世界大百科事典第二版「物価」</ref>。種々の商品やサービスの価格を、ある一定の方法で総合した[[平均値]]<ref>日本大百科全書「物価」</ref>。
 
*「ある[[家庭]]が1年間[[生活]]していく上で必要な、さまざまな[[財]]・[[サービス]]の[[値段]]を合計したもの」のこと<ref>[[飯田泰之]] 『歴史が教えるマネーの理論』 ダイヤモンド社、2007年{{要ページ番号|date=2014年5月}}。</ref>。
 
  
== 概説 ==
+
品物の値段。種々の財・サービスの平均的な価格。
「物価」という概念は、文字どおりには「ものの[[価格]]」のことであるが、経済学で「物価」と言う場合は、一般に「物価水準」のことを指している<ref>世界大百科事典第二版「物価」</ref>。
 
 
 
学問・行政・市民運動など、分野ごと、視点ごとにいくつかの概念のとらえかたがありうるが、経済学的な「物価」ひとつをとっても、もともと具体的なひとつの「物価」の数値が絶対的に存在するわけではなく、あくまで[[統計]]的な指数(多くの財の価格の平均)によってとらえられるものであり、どのような財の価格を指数に取り入れるかという判断次第で変わるものであり、「[[消費者物価指数]]」「[[卸売物価指数]]」「[[GNPデフレーター]]」等がある。これらの異なった「物価」は、その目的に応じて使い分けられている<ref>世界大百科事典第二版「物価」</ref>。日本大百科全書によると、卸売物価・[[小売物価]]、[[輸出物価]]・[[輸入物価]](国内物価・国際物価)、[[都市物価]]・[[農村物価]]などがある、とのことである<ref>日本大百科全書「物価」</ref>。(さまざまな物価指数については、下の章で解説する。)
 
 
 
「物価」とは、いいかえれば、商品やサービスが貨幣に対してもつ「交換価値」のことであり、貨幣の「購買力」とは[[逆数]]の関係となる<ref>日本大百科全書「物価」</ref>。つまり、「物価」が高くなると、同一量の貨幣で購入できる商品やサービスの量は少なくなる、という関係にある。
 
 
 
なお物価は、「[[景気]]」が上向くと商品・サービスの需要が高まり上昇し、経済が低迷すると低下することから「経済の[[体温計]]」と呼ばれている<ref>第一勧銀総合研究所編 『基本用語からはじめる日本経済』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2001年、96頁。</ref>。
 
 
 
==一般物価と相対価格==
 
[[経済学者]]の[[クヌート・ヴィクセル]]は、名目価格('''一般物価''')の変動が、'''相対価格'''の変動とは根本的に異質な現象であることを発見した<ref>日本経済新聞社編 『経済学の巨人 危機と闘う-達人が読み解く先人の知恵』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2012年、35頁。</ref>。
 
 
 
{{main|価格#相対価格と一般物価}}<!--==品質変化について==
 
物価は、[[品質]]の向上も考慮に入れている。例えば、[[テレビ]]の値段が同じままで、画質が上がったりしたとする。この場合、価格は下がったと見られる。なぜなら、旧型テレビと新型テレビが並存している場合、旧型テレビが同じ価格のままなら、新型テレビは価格がより上になるはずである。だから、旧型テレビから新型テレビへと市場が入れ替わって、なお価格が同じであれば、旧型テレビの価格は下がるだろうから、テレビは実質値下がりを起こしたと見られるのである。
 
-->
 
 
 
== 物価指数 ==
 
'''物価指数'''(ぶっかしすう、{{Lang-en-short|price index}})とは、物価の変動を[[指数]]にしたもの。価格の情報だけをもとにして計算するのではなく、[[財]]・[[サービス]]の量と価格をもとに計算される。[[消費者]]が日常購入する商品やサービスの価格を指数化した'''[[消費者物価指数]]'''、企業間での商品取引価格を指数化した'''企業物価指数'''、名目[[GDP]]を実質GDPで割った'''[[GDPデフレーター]]'''がある。
 
 
 
また日本では、[[東京大学]]と[[日本経済新聞]]デジタルメディアが算出している'''東大日次物価指数'''がある<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF08H0D_Y4A700C1EE8000/ 東大・日経の物価指数 脱デフレ検証の一助に]日本経済新聞 2014年7月8日</ref>。
 
 
 
==物価指数の計算方法==
 
物価指数を計算するには、種々の[[財]]・[[サービス]]が消費された数量の推移のデータと、それぞれの[[財]]・[[サービス]]の価格の推移のデータが必要である。物価指数の計算方法には以下のものがある。
 
 
 
===ラスパイレス指数===
 
[[ラスパイレス指数]]の計算式は、次の通り。基準年をいつにするかは、計算式の中では決められておらず、任意である。
 
 
 
::(ある年の)ラスパイレス指数 (%) = (Σ([[財]]・[[サービス]]のある年の価格 × [[財]]・[[サービス]]の基準年の購入数量)) / (Σ([[財]]・[[サービス]]の基準年の価格 × [[財]]・[[サービス]]の基準年の購入数量)) × 100
 
 
 
種々の[[財]]・[[サービス]]のそれぞれの購入数量をセットにまとめたものを[[バスケット]]と呼ぶ。基準年の[[財]]・[[サービス]]の購入数量のバスケットは、年を経るごとに少しずつ変わっていくのは必然である。そのため、ラスパイレス指数の数値が基準年から離れるほど、物価指数としての目的を果たさなくなる。例えば今から50年前を基準年だと決めた場合、50年前に人々がどんな物をどのくらいの数量買っていたのか、つまり50年前のバスケットは、今年のバスケットとは大きく違うであろう。そのような場合、最近の2~3年のラスパイレス指数の数値は、物価を的確に表す指数とはいえないものになってしまう。
 
 
 
[[財]]・[[サービス]]の今年の購入数量がわからなくても計算できるので、パーシェ指数よりも速報性が高い。
 
 
 
計算方法としてラスパイレス指数が採用される物価指数の例は、次のようなものがある。
 
*[[消費者物価指数]]
 
*[[物価#企業間物価指数|企業物価指数]]
 
 
 
===パーシェ指数===
 
[[パーシェ指数]]の計算式は、次の通り。基準年をいつにするかは、計算式の中では決められておらず、任意である。
 
 
 
::(ある年の)パーシェ指数 (%) = (Σ([[財]]・[[サービス]]のある年の価格 × [[財]]・[[サービス]]のある年の購入数量)) / (Σ([[財]]・[[サービス]]の基準年の価格 × [[財]]・[[サービス]]のある年の購入数量)) × 100
 
 
 
もし今から50年前を基準年だと決めた場合、現在なら購入できる商品でも50年前には売られていなかったような商品がある。そのため、基準年をあまり昔にしすぎると、物価を的確に表す指数とはいえないものになってしまう。もし今年を基準年だと決めた場合は、今年のパーシェ指数は常に100%になり、また基準年を毎年変えることになるが、これでは具合が悪い。
 
 
 
[[財]]・[[サービス]]の今年の購入数量がわからないと計算できないため、ラスパイレス指数よりも速報性に劣る。
 
 
 
計算方法としてパーシェ指数が採用される物価指数の例は、次のようなものがある。
 
*[[GDPデフレーター]]([[経済成長#概要]]を参照)
 
 
 
===フィッシャー指数===
 
'''フィッシャー指数'''を計算するには、パーシェ指数とラスパイレス指数を掛け合わせたものの平方根を求める。
 
 
 
==物価指数の種類==
 
[[経済学者]]の[[スティーヴン・ランズバーグ]]は「多くの価格が個別に変化する世界では、偏向の無い正確・単一の指標を作成することはできない。アメリカ政府はいくつかのインフレ指標を発表しており、それぞれ固有の偏りがあるため、エコノミストは目的に沿った適切な指標を慎重に選ぶように努めている」と指摘している<ref>スティーヴン・ランズバーグ 『ランチタイムの経済学-日常生活の謎をやさしく解き明かす』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2004年、205頁。</ref>。
 
 
 
=== 企業物価指数 ===
 
国内の企業間取引の価格を対象とした国内企業物価指数(CGPI)と、海外に輸出される価格を対象にした[[輸出物価指数]](EPI)、海外から輸入される価格を対象にした輸入物価指数(IPI)とに分かれる。
 
 
 
日本での調査機関は[[日本銀行]]。1887年より調査を開始しており、[[日本]]で最も古い[[統計]]。2000年基準に改定されるまでは、卸売物価指数として発表されていたが、生産者段階での価格調査の割合が高くなったことから企業物価指数に名称が変更された。
 
 
 
==== 調査方法 ====
 
* '''国内企業物価指数'''は、かつては主に第一次[[卸売]]業者の販売価格を調査していたが、次第に価格決定に対する生産者の影響力が拡大したことや、生産者からユーザーへの直売が増加したことなどによって、生産者段階での価格が調査されるようになった。国内企業物価指数では、生産者段階の価格を採用しているもののウエイトが約85%(2002年現在)となっている。
 
* '''輸出・輸入物価指数'''は、輸出物価指数が日本から積み出される段階の価格(FOB価格)、輸入物価指数が日本へ入着した段階の価格(CIF価格)を調査<ref>調査価格が外貨建ての場合には、調査対象月における[[銀行]]の対顧客電信直物相場により円換算する</ref>。
 
 
 
調査した個別の品目価格から個別の指数を作成し、ウェイトと加重平均する統合化で全体の指数を作成している。
 
 
 
==== 品質変化への対応 ====
 
[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]などの技術進歩による機能の高機能化が進む品目については、[[ヘドニック・アプローチ]]という手法によって品質変化が指数に盛り込まれている。これは1年前と今とでパソコンの値段は同じでも、処理速度が倍になっていれば実質の指数は半分になるという考え方。
 
 
 
日本では日銀調査統計局が試験的に導入している(企業物価指数・卸売物価指数)いっぽうで総務省統計局は慎重な姿勢である(消費者物価指数)<ref>「消費者物価指数の精度について-日本銀行の要望について」総務省統計局[http://www.stat.go.jp/data/cpi/3.htm]</ref>。
 
 
 
パソコンについては消費者物価指数ではPOSデータを使った「全機種連鎖指数」が採用されており、パソコン全体としての品質調整済み価格の低下を的確に把握できるかに依存している。ヘドニック法による試算値を下回っており下方バイアスがあると指摘されている<ref>「消費者物価指数を巡って」白塚重典[http://www.imes.boj.or.jp/japanese/kouen/ki0103.htm]</ref>。
 
 
 
卸売物価指数では、パソコンとデジタルカメラ、ビデオカメラの3商品について同アプローチを適用している。企業物価指数ではビデオカメラ(2009.6)、複写機(2009.9)、印刷装置(2009.11)、デジタルカメラ(2009.12)、パーソナルコンピュータ(2010.3)、汎用コンピュータ・サーバ(2010.3)に適用されている。
 
 
 
=== 消費者物価指数 ===
 
{{Main|消費者物価指数}}
 
 
 
日本のでの調査機関は[[総務省]]。1946年8月より調査開始。
 
 
 
==== 調査方法 ====
 
小売物価統計調査(総務省調査)の小売価格の平均から個別の指数を作成し、[[家計調査]](総務省調査)を元に個別の指数を統合して全体の指数を作成している。
 
 
 
* 小売価格調査:全国から167市町村を選び、小売価格はその中で代表的な[[小売|小売店]]やサービス事業所約30,000店舗、家賃は約25,000世帯、宿泊料は約530事業者を対象として調査している。価格は実際に販売している小売価格(特別セール売り等は除外)。
 
 
 
=== GDPデフレーター ===
 
{{Main|GDPデフレーター}}
 
 
 
 
 
 
 
== 物価と中央銀行の役割 ==
 
{{see also|金融政策#目標}}
 
 
 
日銀は一般人向けのサイトなどで、物価の安定は、経済が安定的かつ持続的成長を遂げていく上で不可欠な基盤であり、[[中央銀行]]はこれを通じて「国民経済の健全な発展」に資するという役割を担う、と謳い、中央銀行の[[金融政策]]の最も重要な目的は「物価の安定」を図ることにある、と謳う<ref>「教えて!にちぎん」[http://www.boj.or.jp/oshiete/outline/01101001.htm]</ref>。なお、[[資産|資産価格]]の金融政策運営上の位置付けを考えた場合、資産価格の安定そのものは金融政策の最終目標とはなり得ないというのが、各国当局、学界のほぼ一致した見方である<ref>「資産価格と金融政策運営」植村・鈴木・近田(日本銀行ワーキングペーパー1997-7)[http://www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/wps/kako/cwp97j03.htm]</ref>。
 
 
 
==日本の米価==
 
[[日本]]においては、国民の主食である[[米]]の価格('''[[米価]]''')が全ての物価の基準と考えられ、[[江戸時代]]には、米以外のその他全ての価格('''[[諸色]]''')はこれに連動すると考えられてきた。また、その後も米価は「物価の王様」と呼ばれて[[高度経済成長期]]の消費低迷によって米価と一般の物価の間に乖離が見られるようになるまで物価を見る上で重要視されていた。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
<references/>
 
 
 
==関連項目==
 
* [[価格]]
 
* [[貨幣数量説]]
 
* [[指数]]
 
* [[基準改定]]
 
* [[フィリップス曲線]]
 
* [[家計調査]]
 
* [[消費者物価指数]]
 
* [[基準改定]] - 物価指数は、5年ごとに基準改定を行って[[産業構造の転換]]などに対応している。
 
* [[物価統制令]]
 
* [[生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律]]
 
* [[国民生活安定緊急措置法]]
 
* [[米価の変遷]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.boj.or.jp/statistics/pi/index.htm/ 物価関連統計 :日本銀行 Bank of Japan]
 
* [http://www.stat.go.jp/data/cpi/ 統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI)]
 
* [http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0601.html 図1 物価/早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)]
 
  
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[[category:経済指標]]
 
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2018/10/7/ (日) 02:27時点における最新版

物価(ぶっか、: pricesあるいはcommodity prices)

品物の値段。種々の財・サービスの平均的な価格。



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