無機化学

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無機化学(むきかがく、英語:inorganic chemistry)とは、研究対象として元素単体および無機化合物を研究する化学の一分野である。通常有機化学の対概念として無機化学が定義されている為、非有機化合物を研究対象とする化学と考えて差し支えない。

概要

無機化学では炭素以外の全周期表の元素を取り扱い、炭素を含む化合物であっても有機化合物とは見なされない炭素の同素体や一酸化炭素などの化合物も含まれる。有機化合物はおよそ地表にのみ存在するのに対して、地球はほとんどが無機物質で構成されているといっても過言ではない。工業的にも鉄鋼やセメント、ガラスなどの無機工業製品は生産トン数で考えた場合には有機工業製品を圧倒している。しかし、その多様性と複雑性のため、すべての元素の性質を簡単な理論で説明できるわけではない。

有機化合物以外の物質を研究する化学は無機化学の範疇に含まれるため、研究対象により細分化された錯体化学有機金属化学生物無機化学(無機生化学)、地球化学鉱物化学岩石化学温泉化学海洋化学大気化学宇宙化学放射化学ホットアトム化学なども広義には無機化学である。

歴史

錬金術の成果が書物として中世ヨーロッパに伝えられ、その博物学知識集合近代化学の礎となったがそのほとんどは無機化合物についての知見であったし、化学自身を研究対象により分類し区別することもなかったため、18世紀以前は化学と無機化学とは同義であった。

18世紀終わり頃から19世紀初頭にかけて、発見されるいわゆる有機化合物の種類が増加するにつれ、起源による物質の分類と研究対象による研究領域の区分が試みられるようになった。1806年頃、スウェーデンイェンス・ベルセリウスは、有機体を意味する "organ" から有機化学 (organicchemistry) や有機化合物 (organic compound) という語を初めて使用した。それが学術語や学問領域として定着するにつれて、有機化学および有機化合物に相対する学問領域として無機化学と無機化合物という概念が生じた。

有機化学においてはにより反応性あるいは特性が大きく異なることから、無機化学に比べて早い段階から、基の研究を通じて構造論反応論が展開していった。一方、近代無機化学においては周期律をはじめとする組成論を中心とした研究が中心であった。無機化学における構造論の起源となるのは、1883年ドイツアルフレッド・ウェルナーが提唱した配位子理論(配位説)である。その後は金属錯体を中心に無機化学は展開し、錯体化学において無機構造化学が確立された。20世紀後半に入ると電子顕微鏡X線構造解析などサブミクロンサイズの物理計測が可能になることで構造論は飛躍的な発展を見せることになる。今日の無機化学においては高温超伝導物質のペロブスカイト相など構造論を中心とした研究が主流となっている。

無機化学の主要項目・関連項目

次に無機化学の主要項目を示す。またそれぞれの項目の関連項目を~の後に連結して示す。

研究対象

関連項目