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{{出典の明記|date=2014年9月}}
 
[[File:Molotovin cocktail.jpg|thumb|200px|[[冬戦争]]で[[フィンランド]]が使用した火炎瓶]]
 
'''火炎瓶'''(かえんびん、'''火焔瓶'''とも表記)は、[[瓶]](主に[[ガラス]]製)に[[ガソリン]]・[[灯油]]などの可燃性の液体を充填した、簡易な[[焼夷弾]]の一種である。「'''モロトフ・カクテル'''(Molotov Cocktail)」とも呼ばれる(「[[モロトフ火炎手榴弾]]」の項目を参照)。
 
  
原始的な[[爆弾]]の一種とも言われるが、[[炎上]]はしても[[爆発]]はしない。そのため現在の[[日本法|日本の法律]]では爆弾とはみなされず、「'''火炎びん'''」という独自の[[カテゴリ]]になっている。
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'''火炎瓶'''(かえんびん、'''火焔瓶'''とも表記)
  
== 構造 ==
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ガラスびんその他の容器にガソリン、灯油その他引火しやすい物質を入れ、その物質が流出し又は飛散した場合にこれを燃焼させるための発火装置又は点火装置を施した物で、人の生命、身体又は財産に害を加えるのに使用されるもの。「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」(昭四七法一七)により、その使用、製造、所持等が処罰されることとなった。
[[投擲]]された火炎瓶は着地した衝撃で[[瓶]]が割れ、[[燃料]]が飛散するとともに発火する。つまり、着発式の投擲[[武器]]である。
 
 
 
瓶に[[ガソリン]]などを入れ、[[布]]などで栓をするだけでも火炎瓶として機能する。この場合、火種(栓にした布に火をつけるのが一般的)をつけてから投擲する必要がある。密封が甘いと投擲時に詰めた布が外れてしまう事故が起きることがあり、投擲者自身に火がつく恐れがある危険な武器である。この素朴な方式の火炎瓶は身近な材料だけで製造できるため、急造[[兵器]]としてよく見られる。
 
 
 
これに対して[[塩素酸塩]]や[[クロム酸塩|重クロム酸塩]]と[[硫酸]]の[[化学反応]]を利用して発火させる方式は点火の必要がなく、安全性でも優れている。具体的には片方の物質を火炎瓶の外側に塗布し、もう片方を燃料に混入して火炎瓶が割れたときに混ざるようにするものである。
 
 
 
== 使用例・法解釈 ==
 
[[File:2010 0515 rama 4 and sathorn 26.JPG|thumb|left|[[タイ王国|タイ]]におけるデモで火炎瓶を投げる参加者([[2010年]])]]
 
[[軍]]用としては[[手榴弾]]に比べて殺傷力が劣り、[[梱包爆薬]]ほどの破壊力もないため、専ら急造の[[対戦車兵器]]として使われる。敵[[装甲戦闘車両|装甲車両]]を炎上させて[[戦闘]]能力を低下させる。特に[[ガソリンエンジン]]の車両は[[燃料]]に引火して[[爆発]]炎上しやすい。
 
 
 
本格的に使用された初の戦争は[[1936年]]からの[[スペイン内戦]]とされる。[[1939年]]の[[ノモンハン事件]]の際には[[大日本帝国陸軍|日本軍]]の対戦車兵器として使用され、[[サイダー]]瓶を使った[[手投火焔瓶|急造火炎瓶]]を肉薄して戦車に投げつけ対抗した。[[赤軍|ソ連赤軍]]の主力であった[[BT戦車]]は[[ガソリンエンジン]]だった上、車体の塗装に使われた[[ペンキ]]に[[引火性]]があり、火炎瓶で攻撃すると容易に動力部まで引火し炎上した。しかし肉薄攻撃を強いられるために損害も大きく、赤軍が戦車を無塗装にするなどの対策を取り始めると戦果は落ちていった。そもそもソ連側の損害は主に[[九四式37mm速射砲]]によるものであり、火炎瓶は擱座した戦車に止めを差す形で使用されることが多かった。日本軍の使用する[[対戦車地雷|地雷]]や[[手榴弾]]、火炎瓶は梯形隊形で攻撃するソ連戦車には大きな脅威とはならなかったとされる<ref>{{Cite book|和書|author=マクシム・コロミーエツ、鈴木邦宏(監修)、小松徳仁(翻訳)|title=ノモンハン戦車戦―ロシアの発掘資料から検証するソ連軍対関東軍の封印された戦い(独ソ戦車戦シリーズ)|year=2005|publisher=[[大日本絵画]]|isbn=978-4-499228-88-6|page=127}}</ref>。ノモンハンの戦訓から、以後赤軍の開発する戦車は[[ディーゼル機関]]化され、のちの第二次世界大戦に役立つことになる。
 
 
 
[[Image:Molotov bread basket.jpg|right|thumb|「モロトフのパン籠」ことソ連の収束爆弾コンテナ]]
 
同年末の[[冬戦争]]の際にも[[フィンランド国防軍|フィンランド軍]]が対戦車兵器として使用した。当時のソ連外相[[ヴャチェスラフ・モロトフ|モロトフ]]は、[[国際連盟]]でソ連の[[絨毯爆撃|無差別爆撃]]について追及された際に「[[資本主義]]に搾取されるフィンランド人民のために[[赤軍|ソ連軍]]は[[パン]]を投下している」と強弁したことがあった。このため、ソ連軍の収束焼夷弾コンテナが「モロトフのパン籠」と揶揄された(写真)。そして、火炎瓶は「パン籠」に対するフィンランド人民からのお礼の[[カクテル]]の意味で「モロトフ・カクテル」と名づけられ、以降火炎瓶の代名詞となった。
 
 
 
[[File:Kaenbin.jpg|thumb|[[成田国際空港|新東京国際空港]]の[[成田空港問題|反対運動]]([[三里塚闘争]])でも火炎瓶は用いられた([[成田空港 空と大地の歴史館]])]]
 
[[戦後]]の[[日本]]においては[[1950年代]]に[[日本共産党]]が組織した[[山村工作隊]]や[[中核自衛隊]]による[[武装闘争]]で多用され、[[爆発物取締罰則]]違反でもっての公判が行われたが、[[1956年]][[6月27日]]の[[最高裁判所 (日本)|最高裁判所]][[判決 (日本法)|判決]]において「同法の規制対象となる『爆発物』とは、その爆発作用そのものによって公共の安全を攪乱し、または、人の身体や財産を傷害・損壊するに足る破壊力を有するものであり、……(火焔瓶は)いわゆる爆発物に該当しない」として退けられた<ref>[http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51376 昭和29(あ)3956,爆発物取締罰則違反,昭和31年6月27日,最高裁判所大法廷,最高裁判所判例]</ref>。[[刑法 (日本)|刑法]]は国が人を罰するという性質上、慎重な解釈が求められるため[[罪刑法定主義]]にもとづき、類推解釈が禁じられているからである。
 
 
 
その後、[[1971年]][[11月19日]]、[[沖縄返還協定]]反対[[デモ活動|デモ]]が[[日比谷公園]]内で激化し、その中で[[過激派]]の学生の投じた火炎瓶が[[松本楼]]を直撃し、2代目の建物を焼失させるなど、[[1970年代]]の[[学生運動]]などでよく使われたが、当時の[[日本法|法律]]では火炎瓶自体については規制することができなかった。そのため、火炎瓶を「ガラスびんその他の容器にガソリン、灯油その他引火しやすい物質を入れ、その物質が流出し、又は飛散した場合にこれを燃焼させるための発火装置又は点火装置を施した物で、人の生命、身体又は財産に害を加えるのに使用されるもの」と定義して規制する「[[火炎びんの使用等の処罰に関する法律]]」を制定し、[[1972年]][[5月14日]]施行した。
 
 
 
比較的作成が容易で、さらに昨今では[[インターネット]]などで簡単に作り方を調べることができるようになり、[[未成年者]]が興味本位で作成し、悪戯に使用する[[事件]]も起きた<ref>
 
{{cite news
 
| title = 「日本人の彼女が手伝った」 日本大使館火炎瓶事件の男が明かす
 
| url = http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2012011016078
 
| newspaper = 東亜日報
 
| date = 2012-01-10
 
| accessdate = 2012-01-10
 
| language = 日本語
 
| quote = 火炎瓶の作り方は、オンライン上の百科辞典サイト、ウィキペディアを検索して知った。
 
}}
 
</ref>ほか、[[抗争事件|暴力団抗争]]にも用いられている<ref>{{Cite web |date= 2016-07-01|url= http://www.sankei.com/west/news/160701/wst1607010063-n1.html|title= 組事務所に火炎瓶 投げた疑いで暴力団員ら逮捕 富山県警|publisher= 産経新聞WEST|accessdate=2018-04-01}}</ref>。
 
 
 
== 登場作品 ==
 
=== 漫画 ===
 
; 『[[滝沢聖峰#漫画|ウクライナ混成旅団]]』
 
: 単行本「幻の豹 The Panther in Ukraina 1950」または「独立戦車隊」収録作品。[[ラーゲリ]]で[[暴動]]が起こった際に[[ウクライナ蜂起軍|UPA]]が使用し、警備隊の[[T-34]]を1両[[撃破]]する。
 
; 『[[フリテンくん]]』
 
: 会社員が久しぶりに行った[[スナックバー (飲食店)|スナック]]で、「キープしたボトルがあるわよ」といって出されたのが火炎瓶。
 
 
 
=== ゲーム ===
 
; 『[[DARK SOULS|DARK SOULSシリーズ]]』
 
: アイテムとして入手可能。
 
; 『[[コール オブ デューティシリーズ]]』
 
:; 『[[コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア3|CoD:MW3]]』
 
:: プレイヤーは使用できないが、[[レジスタンス運動|レジスタンス]]が[[ロシア連邦軍|ロシア軍]]に対して使用する。
 
:; 『[[コール オブ デューティ ワールド・アット・ウォー|CoD:WaW]]』
 
:: [[赤軍|ソ連軍]]が使用する。
 
:; 『[[コール オブ デューティ ブラックオプス|CoD:BO]]』
 
:: 集団で[[脱獄]]する際にボルクタの[[囚人]]が使用する他、主人公も[[スリングショット]]で撃ち出す事ができる。他にも、[[ベトナム人民軍|北ベトナム軍]]が一部ステージで使用する。
 
:; 『[[コール オブ デューティ ブラックオプス2|COD:BO2]]』
 
:: 主人公が一部ステージで使用できる。
 
:; 『[[コール オブ デューティ ブラックオプス2|CoD:BO3]]』
 
:: 54イモータルズが建物に放火する際に使用する。
 
:; 『[[コール オブ デューティ ワールドウォーII|CoD:WWII]]』
 
:: 主にマルチプレイでスコアストリークとして使用可能
 
; 『[[バトルフィールド ハードライン]]』
 
: 犯罪者陣営の[[グレネード]]として使用可能。
 
; 『[[メタルギアシリーズ]]』
 
:; 『[[メタルギアソリッド4|MGS4]]』
 
:: マップ上に落ちているものを拾うかドレビンから購入することで使用可能。
 
:; 『[[メタルギアソリッドV|MGSV]]』
 
:: アイテムとして使用できる。
 
 
 
== 画像 ==
 
<gallery>
 
ファイル:A squad of Home Guard soldiers training to defend a street with 'Molotov cocktail' petrol bombs, March 1941. H8128.jpg|火炎瓶を使用した訓練を行うイギリスの民兵組織[[ホーム・ガード]]の隊員ら
 
ファイル:Protestas Terrazas del Ávila, 05Jul2014 (14561338626).jpg|2014年のベネズエラにおける抗議活動で投げられる火炎瓶
 
</gallery>
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{reflist}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Molotov cocktail}}
 
兵器・武器
 
* [[手投火焔瓶]] - [[大日本帝国陸軍]]の制式[[武器]]。
 
法令等
 
* [[火炎びんの使用等の処罰に関する法律]]
 
使用した組織
 
* [[極左暴力集団]]
 
* [[日本共産党]]
 
** [[山村工作隊]]
 
** [[中核自衛隊]]
 
* [[日本社会党]]
 
** [[日本社会主義青年同盟]]
 
* [[革命的共産主義者同盟全国委員会]]([[中核派]])
 
* [[マルクス主義青年同盟]] - [[ジェラルド・R・フォード|フォード]]来日に反対し、米ソ両[[大使館]]に火炎瓶を[[投擲]]した。
 
使用された運動等
 
* [[学生運動]]
 
* [[安保闘争]]
 
* [[三里塚闘争]]
 
* [[東大紛争]]
 
使用された事件
 
* [[東大安田講堂事件]]
 
* [[成田空港予定地の代執行]] - [[東峰十字路事件]]
 
* [[渋谷暴動事件]]
 
* [[ひめゆりの塔事件]]
 
* [[芝山町長宅前臨時派出所襲撃事件]]
 
* [[成田空港管制塔占拠事件]]
 
* [[10.20成田現地闘争]]
 
* [[テレクラ放火殺人事件]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S47/S47HO017.html 火炎びんの使用等の処罰に関する法律](法令データ提供システム)
 
* [http://courtdomino3.courts.go.jp/schanrei.nsf/VM2/672FF0CC6011C37D49256A850030D291?OPENDOCUMENT 1953年11月13日最高裁判所第2小法廷判決]
 
  
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{{デフォルトソート:かえんひん}}
 
[[Category:フィンランドの歴史]]
 
[[Category:フィンランドの歴史]]

2019/4/27/ (土) 18:04時点における最新版

火炎瓶(かえんびん、火焔瓶とも表記)

ガラスびんその他の容器にガソリン、灯油その他引火しやすい物質を入れ、その物質が流出し又は飛散した場合にこれを燃焼させるための発火装置又は点火装置を施した物で、人の生命、身体又は財産に害を加えるのに使用されるもの。「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」(昭四七法一七)により、その使用、製造、所持等が処罰されることとなった。



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