「火の鳥 (漫画)」の版間の差分

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{{Infobox animanga/Header
 
| タイトル = 火の鳥
 
| 画像 =
 
| サイズ =
 
| 説明 =
 
| ジャンル = [[サイエンス・フィクション|SF]]
 
}}
 
  
{{Infobox animanga/Manga
+
『'''火の鳥'''』(ひのとり)
| タイトル =
 
| 作者 = [[手塚治虫]]
 
| 作画 =
 
| 出版社 = [[学童社]]<br />[[講談社|大日本雄辨會講談社]]<br />虫プロ商事<br />[[朝日ソノラマ]]<br />[[KADOKAWA]]
 
| 他出版社 =
 
| 掲載誌 = [[漫画少年]](黎明編)<br />[[少女クラブ]](エジプト編・ギリシャ編・ローマ編)<br />[[COM (雑誌)|COM]](黎明編、他複数<ref>黎明編・未来編・ヤマト編・宇宙編・鳳凰編・復活編・羽衣編・望郷編・乱世編</ref>)<br />[[マンガ少年]](望郷編・乱世編・生命編・異形編)<br />[[小説野性時代|野性時代]](太陽編)
 
| レーベル =
 
| 発行日 =
 
| 発売日 =
 
| 開始号 =
 
| 終了号 =
 
| 開始日 = [[1954年]]
 
| 終了日 = [[1986年]]
 
| 発表期間 =
 
| 巻数 = 全11巻<ref>手塚治虫文庫全集 『火の鳥』 11巻 「火の鳥」解説、2012年、p404 - p405</ref>
 
| 話数 =
 
| その他 =
 
| インターネット =
 
}}
 
  
{{Infobox animanga/RadioDrama
+
手塚治虫による漫画作品。その血を飲めば永遠の命を得られるという火の鳥を中心に、古代から未来まで、地球から宇宙を舞台に、生命の本質を描いたシリーズ長編。『漫画少年』1954年7月号~1955年5月号、『少女クラブ』1956年5月号~1957年12月号、『COM』1967年1月号~1978年3月号、『マンガ少年』1978年4月号~1981年4月号、『野生時代』1986年1月号~1988年2月号に連載。最新版は講談社手塚治虫文庫全集全11巻+少女クラブ版全1巻。第1回(1970年)講談社出版文化賞児童まんが部門受賞。1978年市川昆監督により実写映画が、1980年と1986年に劇場用アニメが公開され、2004年にはNHKでアニメが放映された。
| メディア =
 
| タイトル =
 
| 原作 = 火の鳥 黎明編・未来編・鳳凰編・乱世編
 
| 制作 =
 
| 脚本 =
 
| 演出 =
 
| 放送局 = [[NHKラジオ第1放送]]
 
| 番組 = 連続ラジオ小説
 
| 書籍 =
 
| 発売元 =
 
| 販売元 =
 
| レーベル =
 
| 発売日 =
 
| 開始 = 1977年3月21日
 
| 終了 = 1980年3月21日
 
| 売上本数 =
 
| レイティング =
 
| 収録時間 =
 
| 話数 =
 
| 枚数 =
 
| その他 =
 
}}
 
 
 
{{Infobox animanga/RadioDrama
 
| メディア =
 
| タイトル =
 
| 原作 = 火の鳥 生命編
 
| 制作 =
 
| 脚本 =
 
| 演出 =
 
| 放送局 = [[ニッポン放送]]
 
| 番組 = [[オールナイトニッポン|手塚治虫のオールナイトニッポンスペシャル]]
 
| 書籍 =
 
| 発売元 =
 
| 販売元 =
 
| レーベル =
 
| 発売日 =
 
| 開始 = 1987年1月1日
 
| 終了 =
 
| 売上本数 =
 
| レイティング =
 
| 収録時間 =
 
| 話数 =
 
| 枚数 =
 
| その他 =
 
}}
 
 
 
{{Infobox animanga/Movie
 
| タイトル =
 
| 原作 = 火の鳥 黎明編
 
| 総監督 =
 
| 監督 = [[市川崑]]
 
| 脚本 =
 
| キャラクターデザイン =
 
| メカニックデザイン =
 
| 音楽 =
 
| 制作 =
 
| 製作 = 火の鳥プロダクション
 
| 配給 = 東宝
 
| 封切日 = 1978年8月12日
 
| 上映時間 = 137分
 
| その他 =
 
}}
 
 
 
{{Infobox animanga/Movie
 
| タイトル = 火の鳥2772 愛のコスモゾーン
 
| 原作 =
 
| 総監督 = 手塚治虫
 
| 監督 = 杉山卓
 
| 脚本 =
 
| キャラクターデザイン =
 
| メカニックデザイン =
 
| 音楽 =
 
| 制作 =
 
| 製作 =
 
| 配給 = [[東宝]]
 
| 封切日 = 1980年3月15日
 
| 上映時間 = 122分
 
| その他 =
 
}}
 
 
 
{{Infobox animanga/Movie
 
| タイトル = 火の鳥 鳳凰編
 
| 原作 = 火の鳥 鳳凰編
 
| 総監督 =
 
| 監督 = [[りんたろう]]
 
| 脚本 =
 
| キャラクターデザイン =
 
| メカニックデザイン =
 
| 音楽 =
 
| 制作 = プロジェクトチーム・アルゴス<br />マッドハウス
 
| 製作 =
 
| 配給 = [[東宝]]
 
| 封切日 = 1986年12月20日
 
| 上映時間 = 60分
 
| その他 =
 
}}
 
 
 
{{Infobox animanga/Game
 
| タイトル = 火の鳥 鳳凰編 我王の冒険
 
| ゲームジャンル = [[横スクロールアクション]]
 
| 対応機種 = [[ファミリーコンピュータ]]
 
| 必要環境 =
 
| 推奨環境 =
 
| ゲームエンジン =
 
| 修正パッチ =
 
| 開発元 =
 
| 発売元 =
 
| 開発・発売元 = [[コナミ]]
 
| 総監督 =
 
| プロデューサー =
 
| ディレクター =
 
| キャラクターデザイン =
 
| プロジェクト起案・原案 =
 
| メカニックデザイン =
 
| シナリオ =
 
| 音楽 =
 
| メディア =
 
| ディスクレス起動 =
 
| アクチベーション =
 
| プレイ人数 =
 
| 発売日 = 1987年1月4日
 
| 稼動時期 =
 
| 出荷本数 =
 
| 売上本数 =
 
| レイティング =
 
| インタフェース =
 
| コンテンツアイコン =
 
| 基板 =
 
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| エンディング数 =
 
| セーブファイル数 =
 
| セーブファイル容量 =
 
| コンテニュー =
 
| 画面サイズ =
 
| 全画面表示モード =
 
| 音楽フォーマット =
 
| キャラクターボイス =
 
| 通信機能 =
 
| デバイス =
 
| その他 =
 
}}
 
 
 
{{Infobox animanga/Game
 
| タイトル = 火の鳥 鳳凰編
 
| ゲームジャンル = [[シューティングゲーム]]
 
| 対応機種 = [[MSX2]]
 
| 必要環境 =
 
| 推奨環境 =
 
| ゲームエンジン =
 
| 修正パッチ =
 
| 開発元 =
 
| 発売元 =
 
| 開発・発売元 = [[コナミ]]
 
| 総監督 =
 
| プロデューサー =
 
| ディレクター =
 
| キャラクターデザイン =
 
| プロジェクト起案・原案 =
 
| メカニックデザイン =
 
| シナリオ =
 
| 音楽 =
 
| メディア =
 
| ディスクレス起動 =
 
| アクチベーション =
 
| プレイ人数 =
 
| 発売日 = 1987年4月5日
 
| 稼動時期 =
 
| 出荷本数 =
 
| 売上本数 =
 
| レイティング =
 
| インタフェース =
 
| コンテンツアイコン =
 
| 基板 =
 
| キャラクター名設定 =
 
| エンディング数 =
 
| セーブファイル数 =
 
| セーブファイル容量 =
 
| コンテニュー =
 
| 画面サイズ =
 
| 全画面表示モード =
 
| 音楽フォーマット =
 
| キャラクターボイス =
 
| 通信機能 =
 
| デバイス =
 
| その他 =
 
}}
 
 
 
{{Infobox animanga/RadioDrama
 
| メディア = オーディオドラマ
 
| タイトル = 火の鳥 永遠の生命
 
| 原作 =
 
| 制作 =
 
| 脚本 =
 
| 演出 =
 
| 放送局 = [[文化放送]]
 
| 番組 =
 
| 書籍 =
 
| 発売元 =
 
| 販売元 =
 
| レーベル =
 
| 発売日 =
 
| 開始 = 1999年10月
 
| 終了 = 2000年3月
 
| 売上本数 =
 
| レイティング =
 
| 収録時間 =
 
| 話数 =
 
| 枚数 =
 
| その他 =
 
}}
 
 
 
{{Infobox animanga/TVAnime
 
| タイトル =
 
| 原作 =
 
| 総監督 =
 
| 監督 = [[高橋良輔]]
 
| シリーズディレクター =
 
| シリーズ構成 =
 
| 脚本 =
 
| キャラクターデザイン =
 
| メカニックデザイン =
 
| 音楽 =
 
| アニメーション制作 = [[手塚プロダクション]]
 
| 製作 =
 
| 放送局 = [[日本放送協会|NHK]]
 
| 放送開始 = 2004年4月4日
 
| 放送終了 = 2004年6月27日
 
| 話数 = 13話
 
| その他 =
 
| インターネット =
 
}}
 
 
 
{{Infobox animanga/Footer
 
| ウィキプロジェクト =
 
| ウィキポータル =
 
}}
 
『'''火の鳥'''』(ひのとり)は、火の鳥([[フェニックス|不死鳥]])を物語の中心にした一連の編より成り立つ[[手塚治虫]]による[[漫画]]である。また、それを原作とした[[映画]]、[[アニメ]]、[[ラジオドラマ]]、[[ビデオゲーム]]が作成されている。手塚治虫の代表作の一つである。
 
 
 
== 概要 ==
 
手塚治虫が[[漫画家]]として活動を始めた初期の頃から晩年まで手がけられており、手塚治虫がライフワークと位置付けた漫画作品<ref>雑誌「マンガ少年」連載時の望郷編の扉絵には既に『手塚治虫のライフワーク』と銘打たれていた。</ref>。[[古代]]からはるか未来まで、[[地球]]や[[宇宙]]を舞台に、生命の本質・人間の業が、手塚治虫自身の独特な思想を根底に壮大なスケールで描かれる。物語は「火の鳥」と呼ばれる鳥が登場し火の鳥の血を飲めば永遠の命を得られるという設定の元、主人公たちはその火の鳥と関わりながら悩み、苦しみ、闘い、残酷な運命に翻弄され続ける。
 
 
 
雑誌「[[COM (雑誌)|COM]]」以降の連載作品では過去・未来・過去・未来と交互に描き、手塚本人が死亡した瞬間に作品が完結するという構想で描かれていた<ref name="角川">角川書店ニュータイプ100%コレクション 火の鳥 1986年刊行</ref>。
 
 
 
この作品に多くの漫画家が影響を受け、数多くの映像化・アニメ化・ラジオドラマ化が行われた。
 
 
 
== 作品の構成 ==
 
火の鳥は「○○編」と名の付く複数の編から成り立っている。
 
 
 
最初に連載されたのは[[1954年]](昭和29年)、[[学童社]]の『[[漫画少年]]』の「黎明編」だったが、学童社はその後約1年ほどで倒産し、この「黎明編」は未完に終わる。 その後、[[1956年]]に雑誌『[[少女クラブ]]』に「エジプト編」・「ギリシャ編」・「ローマ編」が連載された、そこから期間を空け、[[1967年]]に雑誌『[[COM (雑誌)|COM]]』に新しく書かれた「黎明編」から複数の編が連載され、同誌は休刊になる。[[1976年]]には、雑誌『[[マンガ少年]]』で「望郷編」から「異形編」が連載されたが、同誌も休刊して[[1986年]]に『[[小説野性時代|野性時代]]』で「太陽編」が連載された。
 
 
 
多数ある「○○編」はどれも1つの物語として完結しているため、朝日ソノラマ出版版や角川版などの一部では、どの作品から読んでも楽しめるよう、「第○巻」とせずに「○○編」とだけ付けて販売している。「○○巻」と表記されていない単行本については、過去から未来まで順番を並べ替えて読むこともできる。順番を入れ替えると過去だと思っていた編が全て未来になり、未来だと思っていた編が全て過去になる仕掛けが施されている。手塚の生前は巻数表記の無い単行本が主流であった。
 
 
 
手塚本人が描いたものとしての『火の鳥』は「野性時代」連載の「太陽編」が完結したことにより終了しているが、実際には「太陽編」の後も構想が練られていた。『火の鳥』は過去、未来、過去、未来、と交互に「現代」に近付いて描かれるが、手塚は「自分の死亡時刻」を現代としており、「現代編」を死ぬ瞬間に1コマ程度描くと公言していたが<ref name="角川" />、手塚は実際に死ぬ直前に何かを描こうとするもそれは叶わなかった。
 
 
 
しかし、『火の鳥』を1つの長編作品として捉えた場合の最終的な結末は「未来編」で先に全て描かれており、[[日本放送協会|NHK]]でアニメ化された時は最終的な結末を「未来編」で見せ、物語の幕を閉じる。また、「未来編」は物語の始まりである「黎明編」に続くため、作品自体が無限に繰り返すような作りにもなっている(「未来編」はシリーズ中、一番過去としても一番未来としても受け取れるため、最初に読んでも最後に読んでも物語がつながるという、あまり他の漫画には使われていない特殊な形態を取っている。巻数表記のない単行本を入れ替えて読む場合、第1巻の役割にも最終巻の役割にもなる)。
 
 
 
[[1980年]]の手塚存命中、彼が手がけた映画に『[[火の鳥2772 愛のコスモゾーン]]』が存在する。これは漫画の映像化ではない個別に完結した物語であり、火の鳥全体を総括するような内容になっている。本作は火の鳥の世界の結末の一つが描かれている。
 
 
 
手塚死去のために描かれなかった内容は、セガから発売された2003年のゲーム『[[ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密-]]』や2006年の『[[ブラック・ジャック 火の鳥編]]』などに一部着想が生かされている。
 
 
 
手塚治虫の代表作の1つに『[[ブッダ (漫画)|ブッダ]]』が存在するが、これは雑誌『COM』の休刊時に「火の鳥 東洋編」として出版社から企画されたものであった<ref>株式会社金の星社「手塚治虫物語―アニメの夢1960~1989 」2009年、P.156</ref>。そのため、作風やテーマ性が共通し、鼻が大きな人物(猿田彦)など共通の登場人物が数人出てくる。
 
 
 
さらに漫画作品ではないが、手塚が死を目前にした病院のベッド上で手がけたものに[[舞台劇]]『火の鳥』が存在する<ref>[http://tezukaosamu.net/jp/about/1980.html 手塚治虫公式サイト 年譜1980年代]</ref>。これは西暦[[2001年]]の時代設定であり、個別に完結したストーリーである。火の鳥をまったく知らない人でも楽しめる作りになっているが、今までの火の鳥の登場人物と同姓同名のキャラクターが多く登場したり、今までの作品のキーワードが随所に散りばめられていて、知っている人はさらに楽しむことができる。
 
本作は1989年2月8日に[[スペース・ゼロ]]にて公開されたが、翌2月9日に手塚が亡くなったため、公開2日目にして追悼公演として上演されるようになった<ref>1989年の2月8日報知新聞 1989年2月10日「ミュージカル火の鳥追悼公演」</ref>。手塚の訃報を知ったスタッフが午後7時の公演時間に合わせてお悔やみの場内アナウンスを流すと、観客席からは嗚咽が漏れ、舞台の最中にも止まらなかったという。その後、この舞台劇版は講談社から発売されている『[[手塚治虫漫画全集]] 386巻 別巻手塚治虫シナリオ集』や[[朝日新聞社]]から発売されている『ぜんぶ手塚治虫!』、樹立社の『手塚治虫SF・小説の玉手箱』等でシナリオ原稿を読むことができる。この舞台劇版は手塚存命中に発表された作品としては最後のものであり、彼の遺作の1つになった(手塚治虫はいくつか遺作を遺しているが、生前に発表したという枠組みで考えれば全手塚作品で最後になる)。
 
 
 
[[手塚治虫記念館]]には1階の入り口近くに壁を利用した巨大な手塚治虫の作品年表があるが、その中でも最終作として書かれているのはこの舞台劇版の火の鳥である。
 
 
 
== 登場人物 ==
 
ここでは複数の編にまたがり登場する人物等を紹介する。
 
; 火の鳥
 
: 人智を超えた存在である超生命体。炎をまとった鳥の姿をしている。100年に一度自らを火で焼いて再生(幼体化)する事で永遠に生き続ける。人語を解し、未来を見通す。火の鳥の血を飲めば永遠の命を得る事ができるため、多くの人間がその生き血を求める。呼称は[[鳳凰]]・火焔鳥・[[フェニックス]]・不死鳥などとも呼ばれる。時空を超えて羽ばたく超生命体として描かれる。その身体は宇宙生命(コスモゾーン)で形成されており、関わった人々の魂をも吸収して体内で同化し生かし続ける事も可能。話によっては人間との間に子供をもうけていたりもする。『エジプト編』の設定では元々は天上界にいたが人間界に降りたことになっている。火の鳥は一羽だけではなく、『ギリシャ編』ではチロルと呼ばれる火の鳥の娘が登場する。チロルはややわがままな性格をしており、他の編の火の鳥がチロルかどうかは不明。
 
:手塚治虫は[[ストラヴィンスキー]]のバレエ「[[火の鳥 (ストラヴィンスキー)|火の鳥]]」を見て、その中の火の鳥の精を演じるバレリーナの魅力に心を奪われたのが本作の漫画「火の鳥」を描くきっかけだったとしている<ref>COM名作コミックス「火の鳥 未来編」1968年</ref>。また手塚はソ連の映画「[[せむしの仔馬]]」のファンでもあり、この映画にも「火の鳥」は登場する。
 
; 猿田
 
: 『黎明編』から『未来編』まで多くの物語に関わってくる共通の特徴を持つ人物の総称。作品ごとに[[サルタヒコ|猿田彦]]、猿田博士、我王([[鞍馬]]の[[天狗]])、八儀家正(八百比丘尼の父)など個別の名前が付けられていることが多い。共通して大きな鼻の持ち主と運命づけられているが、性格や何ゆえにそのような大きな鼻を持ったのかの由来が少しずつ異なる。猿田彦、八儀家正は「元々醜い顔で、さらに鼻が大きくなった」、猿田博士は「元よりそのような顔と鼻」、我王は「病で醜くなると同時に鼻も大きくなる」、宇宙編の猿田は「元より鼻は大きく、さらに醜くなる」、生命編/太陽編の猿田は「鼻が大きいだけ」など、作品ごとで異なる。鼻が大きい理由も、猿田彦は蜂の群れに刺されたことによるもの、八儀家正は鼻癌であるが、それ以外は原因不明。
 
: 始祖である猿田彦の犯した数々の悪行を清算する為に酷い目に遭う宿命にある。「鳳凰編」では我王が「未来編」の猿田として生まれ変わり人類の最期を看取ることが描写されている。基本的には猿田の人物の殆んどはその醜さから女性との縁が無い事が多いが、一部にはその容姿とは関係無しに純粋に正反対の美女に惚れられた者もおり(例えば、猿田彦はウズメに惚れられた)、その女性は後の猿田の名がつく者に繋がるとされる子孫を身籠っている。この事も含めて、猿田と名が付く者は先述の女性と縁がない一方で何らかの形で子孫は受け継がれているとみられる(生まれ変わりとする説もある)。ただし未来編の猿田博士のみは、その容姿ゆえに女性に縁が無い事が明確に描写され、子孫も残していない。生命編の猿田も鼻が奇形になってから女性に縁のないままで命を絶っているため子孫を残したかは不明。歴代の猿田は才能を持つ者が多く、科学者や指導者といった立場にいる者もいるが、彼らもまた心に弱さを持ち、悪行を行うこともある。
 
; クマソタケル
 
: 「黎明編」と「ヤマト編」に登場する[[熊襲]]の族長。
 
: 「黎明編」終盤で主人公ナギの姉ヒナクと邪馬台国の医師グズリの跡取り息子として登場。火山噴火で出来たクレーターの中で生まれ育ち、外界への憧れと[[近交弱勢]]への懸念から外界への脱出を決意。火の鳥の激励を受けてクレーターの絶壁を登り切り、外界へ旅立ち配偶者を得る。後に妻と協力してクレーターから両親と弟妹を脱出させる事に成功し、熊襲の復興を成し遂げる。
 
: 「ヤマト編」では年老いた初代タケルとその後継者である川上タケルが登場。後者は武勇を尊ぶ熊襲としては珍しく外交と文化に重きを置くインテリで、九州の諸部族の連合とヤマト政権の自己美化を糾弾する歴史書の制作で侵略してくるであろうヤマト政権に対抗しようとしていた。王妹カジカ(少女ながらも単身で[[ツキノワグマ]]を狩る戦士にして狩人である)に文弱を責められているが、本気を出せば妹の稽古相手7人を同時に相手にして完勝する武術の達人でもある。熊襲討伐指令を受けてヤマトからやってきた「ヤマト編」の主人公オグナ([[日本武尊]])にもその人格と器量の大きさを感服されるも、初代タケルの葬儀の際に最後まで墓前に残っていた処を女装したオグナに暗殺されてしまう。
 
: 川上タケルの記していた熊襲史は暗殺の時点でほぼ完成(全25巻のうち最終巻が書き掛け)しており、「鳳凰編」にも登場している。
 
; 山之辺マサト
 
: 「未来編」の主人公。タマミと出会うまでは教条主義者であったとのこと。猿田と共に人類の最期を見届け、なお数十億年の時を経て新たな人類の誕生を待つことを運命づけられる人間。「[[わらび座|劇団わらび座]]」によるミュージカル「火の鳥 鳳凰編」では「鳳凰編」に登場する茜丸がその生まれ変わりとする解釈をした。ただし、これは「鳳凰編」中において茜丸が死亡するシーンで「茜丸は二度と人間に転生することはない」と火の鳥が告げていることと明らかに矛盾している。手塚の遺作である1989年の舞台劇「火の鳥」では主人公の名前がこの「山辺マサト」と同姓同名である。
 
; ムーピー
 
: いかなる厳しい環境にも耐えうる生命力を持つ不定形宇宙生物。変身能力を有し、人型をとり人間の社会に溶け込むことができるが、その能力から人気が高く人に狩られてしまうため、どこかの星でひっそりと暮らしている。「未来編」では一種の[[テレパシー]]能力を用いた「ムーピー・ゲーム」が人類を堕落させるとして、保有を禁止されたペットであり、[[メガロポリス]]ヤマトでは1匹残らず殺すよう命令が出されている。「未来編」の主人公山之辺マサトの恋人タマミがそのムーピーだった。寿命は人間より遥かに長く、500年位は生きられる。「望郷編」では人間とムーピーのハーフが登場する。ハーフ達は視力と耳朶(聴力)が無く、代わりに触角が生え、これで感覚を認識している。
 
; [[ロック・ホーム|ロック]]
 
: 「未来編」などに登場。「未来編」では35世紀における都市国家メガロポリスヤマトの中央本部に勤務する1級人類戦士。エリートで、同期でありながら総合審査によって自分の部下(2級人類戦士で宇宙飛行士)となった「未来編」の主人公マサトに対して辛く当たるが、[[戦争]]を嫌い「未来編」において人間の愚かさを見事に演じ切ったキャラクターでもある。[[試験管ベビー]]として誕生したので両親はわからず、強いて言えば自分を生み出した[[精子]]と[[卵子]]を選んだ中央コンピュータ「[[ハレルヤ]]」が親である。「火の鳥2772」では科学センターの長官として登場。1989年の舞台劇「火の鳥」では主人公の兄であり、恋敵の設定。 未制作の映画「火の鳥(第二部)」では地球連邦の移民局の長官として登場予定だったことがシナリオで残されている。プロットのみの「大地編」では主人公の一人として登場する予定だった。
 
; ロビタ
 
: 初出は「未来編」。同時代には人間、あるいは自然動物と何ら変わらぬ外見のロボットも存在するが、ロビタは二本指で、足もなく臀部で滑って移動するなど、構造は非常に単純で「旧式ロボット」とされるが、まるで人間のように感情がこもった会話をし、猿田博士にしばしば諫言するなど、ロボットらしく無い行動を取る。猿田脱出用のロケット整備をしていたところ、ロックにロケットを貸すよう脅迫され、断ったところ銃で破壊されてしまう。
 
: 「復活編」において、その誕生と理由が描写される。主人公のレオナとチヒロが結ばれて誕生したロボット。電子頭脳が大きくなりすぎて重心が頭部に偏ってしまったためバランスが悪く、二足歩行を断念し両脚は取り外され、「[[摩擦]]よけの車」と表現される臀部のベアリングで滑るように動く事となった。一方でレオナの[[精神転送|精神と記憶を受け継いだ為]]、普通のロボットと違い人間臭い感情を持つ。稼動限界の後に業者が引き取って、その構造を模して記憶をコピーした物が量産される。その後、技術の発展でより精巧なロボット(ロビタや前身のチヒロと違い、人間に極めて近い構造)が作られても、ロビタはその人間臭い感情によって多くの人間に好まれ数世紀に亘って量産される。その一方でロボットを人間の道具と考える人間にとっては極めて不快な存在でもあった。
 
: 31世紀頃、ある子供が親や家政婦よりも懐いているロビタに会いに放射能農場に迷い込んだために死亡。ロビタが殺したという冤罪を受けるが、数十年間裁判を繰り返しついに、裁判官が[[シリアルナンバー|個体ナンバー]]を特定できなかったという理由から、事件発生時に農場で働いていたロビタ全員が溶解処分される。同胞をそのような形で失った世界中のロビタは集団自決を行い、稼動可能な物は全て溶鉱炉に身を投じる。しかし月面にいて集団自決に参加できず、エネルギー回路切断による自決を選んだ最後の一体のロビタは、35世紀に猿田博士に救助され、「未来編」へとつながる。
 
; 牧村五郎
 
: 「宇宙編」「望郷編」で登場するアストロノーツ([[宇宙飛行士]])。生まれた時からアストロノーツとなる事を宿命づけられ、外宇宙に地球由来の細菌を持ち込まないために、無菌室で成長する。初恋の女性に裏切られた事がトラウマとなり、女性に手が早くかつ冷酷である。その初恋の女性の幻に惑わされる形で異星人を虐殺し、その罪により火の鳥から、若返っては赤ん坊に戻り、再び成長して大人に戻っては若返るというサイクルを繰り返し、永遠に生き続けなければならない罰を受けている。赤ん坊に戻っている間は、「ケース」と呼ばれる自身の姿を模した等身大の人型ロボットに乗り込み操縦をしている。時系列的に見て恐らく罰を受ける前である「望郷編」において、地球に帰郷する途中のロミと出会う。映画「火の鳥(第二部)」のシナリオでは主人公の名前が「牧村壮吾」であるが関連性は不明。
 
; チヒロ
 
: 精密機械局で作られた量産型の事務ロボット。2545号は「望郷編」にて地球に不法侵入したロミとコムを助け、61298号は「復活編」でチヒロが美少女に見える主人公レオナと出会い愛の感情を得る。「望郷編」時のチヒロ2545号の発言によれば、チヒロ型の仲間は13,692,841体、他の型も合わせると世界に1,277,554,539体の仲間がいる。映画「火の鳥(第二部)」のシナリオでは同名の人間が登場しており、レオーナと言う男性と娘(ヒロイン)をもうけている。二人は「エデン17」という惑星で暮らした。
 
; [[八百比丘尼]]
 
: 「異形編」「太陽編」に登場。その正体は[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]の女性・八儀左近介である。彼女は成り上がりの領主である父・八儀家正から虐待を受けつつ「跡継ぎの男子」として育てられた。やがて彼女は家老の息子と恋愛関係になるが、家正は彼を討ち死にに追いこんでしまう。父を恨む左近介は家正が致死性の鼻の病に罹患したと知り、その治療を行わせないため、万病を癒すと評判の八百比丘尼を始末すべく山の庵に向かう。比丘尼は己の運命を受け入れ、笑いながら斬られ死ぬ。その折、庵を包んだ暴風雨(時空の乱れ)で道が閉ざされ、左近介は比丘尼の庵に閉じ込められる。やがて、比丘尼の治療を請う村人らが何も知らずに訪れ始めた。左近介はやむなく比丘尼になりすまして、火の鳥の羽で人々を癒して日々を送る。やがて己が比丘尼を殺めた罪で過去の世界に流されたこと、そしていずれ来訪する「左近介」に殺される定めを永遠に繰り返すのだと悟る。左近介は取り乱して嘆くが、やがてこの理不尽な罪と罰を受け入れ、人のみならず異形の妖怪までもを癒す寛大さを持つようになり、名実ともに八百比丘尼として己の死をも笑って受け入れた。
 
: 「太陽編」で、霊界の戦いで傷ついた神々の手当てを行っているのは、負った罪を清算する方法であると語られている。
 
 
 
== 火の鳥の各編のあらすじ ==
 
=== 執筆された作品 ===
 
上述してある通り、火の鳥という作品は読む順番を入れ替えることも可能であり、多くの出版社から単行本が発売されているが収録順は出版社によってさまざまである。現在までに手塚治虫が描いたとおりの順番で収録された単行本は一冊も無い。下記では手塚治虫が描いた順番で紹介する。
 
 
 
; {{anchor|黎明編(漫画少年版)}}
 
:* 初出:『漫画少年』([[1954年]]7月号 - [[1955年]]5月号)未完
 
: 主人公のナギの父親は重病に罹患していた。もし上空にある「血の星」という星が沈むまでに父の病が完治しなければ、村のしきたりにより父親は村人たちに食べられてしまう。悩みぬいたナギが長老に相談すると、父親の病気を治すには「火の鳥」という鳥の生き血が必要と教えられる。ナギは火の鳥を訪問し、運良く生き血を貰う。しかし、ナギが村に帰る頃には「血の星」はすでに沈み、父親は村人に食べられてしまっていた。行き場を失った火の鳥の生き血は仕方がないのでナギと妹のナミが飲むことになった。やがて村はさらに豊かな土地へと引越しするために船を出すが、嵐のためナギとナミは難破し知らない島国に流れ着く。その知らない土地は原住民が住んでおり、火の鳥の生き血を飲んでいて死なない体の二人は彼らに神様と崇められる。主人公の[[イザナギ|イザ・ナギ]]と妹の[[イザナミ|イザ・ナミ]]は原住民から[[天照大御神]](あまてらすおおみかみ)の名前を貰う。その後、二人は原住民の長である[[卑弥呼]]に出会うが、卑弥呼が岩戸の中に入るところで雑誌休刊のため未完に終わった。
 
 
 
; {{anchor|エジプト編}}
 
:* 初出:『少女クラブ』([[1956年]]5月号 - 10月号)
 
: 紀元前1000年頃。主人公の[[エジプト]]の王子クラブは、父親の命令により飲めば3000年の命が貰えるという火の鳥の血を求めて旅に立つ。しかし、その間に王家を乗っ取ろうと考えていた王女(クラブの継母)は王と王子を殺そうと計画する。旅に出たクラブは、もう一人の主人公である奴隷のダイアと出会う。ダイアの国はクラブのいるエジプト軍に滅ぼされ奴隷として育てられていた。やがてクラブとダイアは恋に落ち火の鳥を探す旅を続ける。そして二人は火の鳥の卵を洪水から救い、代わりに火の鳥の生き血を貰う。しかしクラブは王女の部下に殺され、ショックを受けたダイアも後を追って自殺する。
 
 
 
; {{anchor|ギリシャ編}}
 
:* 初出:『少女クラブ』(1956年11月号 - [[1957年]]7月号)
 
: エジプト編の続き。
 
: 殺されたクラブとダイアの死体は300年経ち[[ナイル川]]に流され、[[ギリシャ]]の海を彷徨っていた。そしてダイアの死体は[[トロヤ]]軍の船に引き上げられ、クラブの死体は[[スパルタ]]の海岸に打ち上げられた。火の鳥の血を飲んでいた二人はそこでそれぞれ目覚める。クラブとダイアはスパルタの宮殿で偶然出会うが、二人は記憶をなくしていた。しかし、二人の心は何故か惹かれ合い「きっと前世では兄妹だったのだろう」と決め兄妹として愛するようになった。やがて二人はトロヤとスパルタという敵同士の国に運命を引き裂かれ、[[トロイア戦争]]に巻き込まれる。そして悲劇が起き、[[トロイの木馬]]によってダイアは潰され死亡する。クラブは悲しみのあまりダイアの死体を抱え海に飛び込み死亡する。
 
 
 
; {{anchor|ローマ編}}
 
:* 初出:『少女クラブ』(1957年8月号 - 12月号)
 
: ギリシャ編の続き。
 
: 海に飛び込み溺死したクラブとダイアは[[オデュッセウス|ユリシーズ]]によって死体を回収され長い間ギリシャの宝物庫に保管されていた。しかし、300年経ちローマの[[シーザー]]がギリシャを制圧すると、シーザーの部下・アンドロクレスによって2人の死体は引き取られた。[[ローマ]]へと渡った死体は火の鳥の生き血のおかげで生き返り、アンドロクレスに兄妹として育てられた。2人の暮らしは平和そのものであったが、そんな暮らしも長く続かず、ダイアはローマの暴君ネボケタスによって無理矢理妻にされそうになる2人は抵抗するが、代わりに死刑を宣告され、闘技場に追い込まれて[[ライオン]]の餌食となりかける。
 
 
 
; {{anchor|黎明編(COM版)}}
 
:* 初出:『COM』([[1967年]]1月号 - 11月号)
 
: [[3世紀]]の倭(日本)、ところは[[熊襲]]。主人公のナギの姉ヒナクは[[破傷風]]にかかり、生死の境をさまよう。ヒナクの夫であるウラジは妻を助けるため火の鳥の生き血を求めて火の山に入るが、火の鳥の炎に包まれ死んでしまう。そんな折、村の海岸に漂着した異国の医師グズリが現れ、最新の医学知識でヒナクを救う。やがてグズリとヒナクは恋に落ちる。ところが婚礼の夜、グズリの手引によって、多数の軍船から[[猿田彦]]率いる[[防人]]の軍団が上陸。グズリは[[邪馬台国|ヤマタイ国]]のスパイであった。村人は虐殺され、ひとり行き残ったナギは猿田彦を襲撃するも捕えられる。猿田彦はナギの勇気を称え奴隷としてヤマタイ国に連れ帰る。ヤマタイ国がクマソを侵略した裏には、老いた卑弥呼が火の鳥の血を欲していたという事情があった。
 
: 本作は未完に終わった「漫画少年」版の黎明編を基に大幅に内容を変え連載したもの。大和朝廷の成立については、定説ではなく本作品執筆時に話題になった[[江上波夫]]の[[騎馬民族征服王朝説]]を採用している。その後何度か描き直されており、後年の版では主人公たちを襲う様々なスタイルの狼の中に、「[[ファミリーコンピュータ|ファミコン]]型」や「[[赤塚不二夫]]型」等も登場する。また日食の場面では太陽の欠け方が間違っており、手塚本人によって単行本では正しい日食の欠け方へと修正されている。今では、黎明編といえば普通は漫画少年版ではなくてCOM版のことをさす。
 
: TVアニメ版では幼少期の猿田彦のシーンが追加され、卑弥呼に忠誠を誓った経緯が分かるようになっている。
 
 
 
; {{anchor|未来編}}
 
:* 初出:『COM』(1967年12月号 - [[1968年]]9月号)
 
: 西暦3404年。時間軸で考えた場合の火の鳥の結末にあたる作品。人類は25世紀を頂点として衰退期に入り、文明も芸術も進歩が少しずつ停止、人々は昔の生活や服装にばかり憧れを抱くようになり、すでに30世紀には文明は21世紀頃のレベルまで逆戻りしていた<ref name="発展">『未来編』では25世紀を頂点に人類文明は衰退したと解説されるが、『復活編』では科学技術は進んだ事が記述される。例えば復活編においては、技術の発達によってより精巧なロボットが制作された事が記述される(それでも旧式なロボットであるロビタが普及したとされる)。また放射線に冒された子供を、医師が「30世紀の医療技術をもってしても治療不可能」と説明するくだりがあり、「25世紀より退歩しているから」という言及は無い。なお未来編においても、25世紀以降の衰退は、民衆が古いものを懐かしがったとされており、決して科学技術が退歩したとは記述されていないので、一応は矛盾はしていない。</ref>。地球人類は滅亡の淵にあり、他惑星に建設した植民地を放棄し、地上は人間はおろか生物が殆ど住めない世界となっていた。人類は世界の5箇所に作った地下都市“永遠の都”ことメガロポリス「レングード」([[サンクトペテルブルク|レニングラード]]:[[ソビエト連邦|ソ連]])「ピンキング」([[北京]]:[[中華人民共和国|中国]])「ユーオーク」([[ニューヨーク]]:[[アメリカ合衆国|アメリカ]])「ルマルエーズ」([[マルセイユ]]:[[フランス]])「ヤマト」([[大和]]:[[日本]])に移り住み、超巨大[[コンピュータ]]に自らの支配を委ねていた。しかし、そのコンピュータも完璧な存在ではなく、コンピュータ同士で争いが起き、メガロポリス「ヤマト」と「レングード」の対立<ref>山之辺マサト及びムーピーのタマミをめぐる論争が原因である。当初はコンピュータの指示を受けたロック(ヤマト)とモニタ少佐(レングード)同士による[[テレビ電話]]での話し合いであったが、らちがあかないことからハレルヤとバミューダの直接討論となった。しかし、お互いの主張が反目しあいまとまることはなく交渉は決裂。お互いが相手を消滅させようと目論み戦争の道を選択するに至る。</ref>から[[核戦争]]が勃発した。その結果、対立関係とは無縁だった残りの3都市までもが超水爆で爆発し、地球上に5つあった全ての地下都市が消滅。人類が滅亡してしまう<ref>ヤマトとレングード以外のメガロポリスも同時に核爆発が起きているが、核爆発の原因など詳細への言及はなされていない。アニメ版ではロックの「どこか一つでも残ればそこが勝利者となるからな」と漏らしており、暗に無関係のメガロポリスでの核爆発はヤマトとレングードのどちらかが関与している事を示唆している。</ref>。生き残ったのはシェルターに居た主人公の山之辺マサト達数人であった。その後、山之辺マサトの意識は体外離脱し、火の鳥により、宇宙の構造と、人類の滅亡が生命の歴史のリセットを目的として実行されたことを告げられ、生命を復活させ正しい道に導くために永遠の命を授かる。仲間達が次々と放射能や寿命により死んでいく中で、山之辺マサトだけは永久に死ねない体のまま苦しみ、悶えながら生き続ける。途方も無い時間をたった一人で過ごす中で、マサトは地球の生命の復活を追究し続け、やがて一つの答えにたどり着く。
 
: 本作は結末が黎明編へ繋がるような展開となっており、読む順番を最初にしても、最後にしても問題が無いような作りになっている。また雑誌版では第一話の最後でマサトとムーピーが火の鳥に会うというシーンがあったが、単行本ではカットされている<ref>[http://natalie.mu/comic/pp/hinotori/page/2 火の鳥につて萩尾望都インタビュー] コミックナタリー</ref>。
 
: なお、NHKアニメ版では本作が最終エピソードとされたが、尺の都合及び倫理的理由のため内容が大幅に削除・変更されている(マサト達がドームに来る以前の物語はカットされ、後半もナメクジのエピソードを全カットなど大幅に内容を変更している)。
 
 
 
; {{anchor|ヤマト編}}
 
:* 初出:『COM』(1968年9月号 - [[1969年]]2月号)
 
: 4世紀頃の倭(日本)。[[古墳時代]]。主人公のヤマト国の王子、ヤマトオグナは父である大王からクマソ国の[[酋長]]川上タケルを殺すことを命じられる。その理由は川上タケルが真実を書いた歴史書を作ろうとしているからであった。大王は、自分たちは神の末裔であるとする嘘の歴史書を作ろうとしていたため、川上タケルがやろうとしていたことは不都合であった。オグナは川上タケルの妹であるカジカと出会い恋に落ちるが、迷いながらも父の言いつけ通りに川上タケルを殺す。タケルは死に際に「わしの名前をやろう。これからは[[ヤマトタケル]]と名乗るがいい」と名前を譲る。愛したカジカに、仇として命を狙われる事となったタケル。二人の愛はやがて悲劇へと向かって行く。
 
: 本作は『[[古事記]]』・『[[日本書紀]]』の日本武尊伝説と、日本書紀の垂仁紀にある埋められた殉死者のうめき声が数日にわたって聞こえたという[[殉死]]の風習と[[埴輪]]にまつわるエピソードを下敷きにしている。殉死者が死ななかったのは火の鳥の血の効果であるとし、期間も1年にわたっての事とした。[[石舞台古墳]]造営にまつわるエピソードがあるが、史実ではもっと後代の古墳であり、殉死者が埋められているという事も無い。オグナは神話のヤマトタケルがモデル(『倭男具那命』-『やまとをぐな』はヤマトタケルの別名)で、川上タケルは川上梟帥がモデル。本作に登場するクマソの国の長老は黎明編の最後で崖を登り切った青年であり、彼の子孫が繁栄しクマソ国へと発展している。
 
: 雑誌掲載版と単行本版では、手塚により細かな修正が行われている。ヤマト編は時事ネタが多かったため単行本ではセリフの手直しが多い。作中で川上タケルは、"長島"なる部下に「王」と呼ばれている。これは初出時には川上タケル=[[川上哲治]]として、クマソを[[読売ジャイアンツ|巨人軍]]に見立て、その部下の長島=[[長嶋茂雄]]という洒落であったが、川上が監督を引退したので、川上タケルを[[王貞治]]に見立てる内容に改稿したためである。雑誌版では川上タケルがオグナを出迎えた場面で、手塚の学生時代の体験談である「日本とアメリカが都合のいい様に相手国を中傷していた」という2ページに渡った内容があったが単行本時に省かれている。
 
: OVA版はほぼ原作に準じているが、原作の時代設定を無視したギャグや歴史書に関するくだりは削除されている。
 
 
 
; {{anchor|宇宙編}}
 
:* 初出:『COM』(1969年3月号 - 7月号)
 
: 西暦2577年。主人公達5人は、[[ベテルギウス]]第3惑星から地球へ向かうために宇宙船で人工冬眠を行いながら宇宙を航海していた。しかし宇宙船は操縦者である牧村五郎の自殺によって事故に遭う。その事故により船は大破、乗員は今すぐに宇宙船から離れないと危険な状態であった。乗員は人工冬眠から目覚め宇宙救命艇で脱出する。しかし、救命艇は一人乗りの小さな緊急用の物で4人はバラバラに宇宙に投げ出されるような形になった。救命艇にはそれぞれ無線通信機が付いており、彼らは宇宙に漂いながら会話を始める。その内容は過去に起きた、自殺した牧村五郎に関するものであった。やがて彼らの乗る4つの救命艇に謎の救命艇が近づいていく。はたしてその救命艇には誰が乗っているのか。
 
: 本作では、どうして猿田が過去から未来へと延々と苦しみ続けているのか、その理由が語られている。
 
: また本作がOVA化された時には、牧村とナナと奇崎が出会うシーンが追加され、隊長の死亡理由の変更、牧村がラダを殺す動機の変更、牧村が不老不死になる過程の変更など、全体的にストーリーは変えないまでも細かな演出がより現実的になっている。また、オリジナルのラストシーンが追加されている。
 
 
 
; {{anchor|鳳凰編}}
 
:* 初出:『COM』(1969年8月号 - [[1970年]]9月号)
 
: [[奈良時代]]。主人公の一人、我王は誕生直後に片目と片腕を失っており、心に影を持ちながら殺戮と強奪を繰り返しながら生活していた。もう一人の主人公である[[仏師]]の茜丸は、我王に利き腕を傷つけられ仏師としての生命の危機に追い込まれる。その後、我王は速魚という女性と出会い、愛を知るが、彼女を信じることができず殺してしまう。しかし彼女の正体を知った時、激しい後悔に襲われることとなる。後悔の中、彷徨い続ける我王は良弁僧正と出会い、怒りを糧としながら仏師としての才能を開花させる。
 
: 一方、茜丸もまた負傷して以来、彼を慕う少女ブチとの出会い、御用仏師としての栄達などを経て少しずつその心と運命が変化していく。そして、それぞれに変わった二人は、国を挙げて建立されていた[[東大寺]]の[[鬼瓦]]製作という大勝負の場で再会する。
 
: 本作は、生まれながらに苦しみ続けるがその中で次第に悟りを得ていく我王と権力の庇護を得て慢心し堕落していく茜丸の対比、東大寺大仏建立の真相、輪廻転生といった深い題材を取り上げている。火の鳥は茜丸が鳳凰の像の制作を命じられることで物語に関わってくる。しかし、史実では橘諸兄によって重用されている吉備真備が政敵として対立する、良弁僧正が即身仏となるなど、史実と改変された点も多々見られる(良弁については作中でギャグ的にではあるが、帝がその死を隠す様に指示しているというフォローがなされた)。一方で作中で我王と茜丸が作った鬼瓦は、同じ意匠のものが東大寺に実在する。
 
: 雑誌掲載版では、我王が泥を壁に投げて[[ヒョウタンツギ]]の絵を作るというお遊びのシーンがあったがストーリーに無関係なため、単行本では手塚本人により省略されている。
 
: 劇場アニメ化された時は60分という尺の短さから大幅に内容を短縮され、我王は速魚を殺した後は最後の対決までほとんど登場しない。また原作では比重の大きかった良弁僧正が一切登場せず、二人の心理変化もあまり描かれず、主人公の一人がもう一人の主人公のお墓を彫る(弔う)というラストシーンもカットされている。
 
 
 
; {{anchor|復活編}}
 
:* 初出:『COM』(1970年10月号 - [[1971年]]9月号)
 
: 西暦2482年。主人公の少年レオナはエアカーから墜落した。レオナは科学の治療で生き返るが、人工細胞で脳を補うという方法のため認識障害を起こす。具体的には、有機物(生命体)が無機物(人工物)に見え、無機物(人工物)が有機物(生命体)に見えるようになった。そのため、彼には人間が奇妙な無機物の塊にしか見えなくなってしまった。そんな中である日、レオナは街で美しい少女を見かける。彼にとって唯一生き生きとした人間に見えるその少女に心ひかれ、追いかけるが、彼女の正体は人間とは似ても似つかぬ旧式ロボットであった。やがて認識障害は改善されていき、過去の記憶を辿るうちに、墜落死の原因がかつてアメリカにおいてレオナがフェニックス(火の鳥)の血を入手したという過去がからんでいる事も判明した。だが、ロボットのチヒロを人間の女性と認識し愛する事に変わりは無く、ついにレオナはチヒロと駆け落ちしてしまう。そして再び瀕死の重傷を負ったレオナは、ある決断をする。
 
: 一方西暦3030年、旧式ながら通常のロボットとは異なる奇妙な人間味を持つロボットロビタが、集団で暴走して溶鉱炉へ飛び込んで『集団自殺』するという異常事態が発生した。それはなぜなのか、そして月面の貨物施設で酷使される最後のロビタの運命は。二つの物語は、やがて意外な形で収束する。
 
: 本作では「未来編」に登場するロビタの誕生が描かれ、ラストシーンにおいて繋がるようになっている<ref name="発展"/>。また雑誌掲載版と単行本版では2484年から3009年、さらに3030年へと行き戻りする物語の順番が手塚により一部修正されている。
 
: NHKのテレビアニメ版では大幅に内容を変更し、主人公の設定を変え、新キャラや新ヒロインを登場させ、さらにロビタが登場するパートを全カットして、ほぼ別物語に仕立てている。
 
 
 
; {{anchor|羽衣編}}
 
:* 初出:『COM』(1971年10月号)
 
: [[10世紀]]、[[三保の松原]]。主人公の漁師のズクは家の前にある松の木に、薄い衣が引っかかっているのを見つける。すぐさまそれを手に入れ売ろうとするが、衣の持ち主である女性・おときが現れ、ズクは彼女を天女だと思い込む。ズクは衣を返すことを引き換えに、3年間だけ妻として一緒に暮らすことを約束させる。
 
: 本作は[[羽衣伝説|天の羽衣の伝説]]が元になっており、舞台で演じられる芝居を客席から見たような視点で描かれている。また羽衣伝説を基に描いているが、おときの正体は天女ではなく未来人であり、羽衣の正体は未来の技術で作られた謎の物体である。最後はひとり残されたズクが、この物体を数千年後の未来へと託すために地面に埋めるところで終わっている。短い作品であるが、「放射能<ref>作中においては「毒の光」とされ「放射能」の言葉は無いが、続く望郷編において放射能である事が記述される。</ref>の影響で奇形で生まれた赤ちゃんを嘆いて殺そうとする」という表現についての問題や作者の意向があり、1980年まで描き直されるまで単行本化されなかった。本来は「望郷編(COM版)」と関連する話であるが、1980年に単行本化される際、全ての文章を手塚が書き直し独立した話になっている<ref>[http://tezukaosamu.net/jp/manga_syllabary_search/398.html マンガ作品紹介 火の鳥望郷編] 手塚治虫ワールド</ref>。そのため、本来ならば最後に埋めた物体の正体がCOM版「望郷編」で語られたはずが、そのままになっている。
 
 
 
; {{anchor|望郷編(COM版)}}
 
:* 初出:『COM』(1971年12月号)・『COMコミックス』([[1972年]]1月号)
 
: 城之内博士は人類の歴史をやり直すため、人間も植物も動物も全てクローンでまかなわれた「第二の地球」を創りだした。城之内博士の娘「時子」は、戦争から逃れるために4次元航空装置で「羽衣編(COM)」の時代へ逃げていた。時子の正体は実は羽衣編の「おとき」であり、本作は彼女が未来へと戻ってくるところから始まる。時子には放射能のせいで奇形で誕生した赤ちゃんがいた。しかし、時子に恋心を抱いていたジョシュアという男は城之内博士を殺し、4次元航空装置を奪い、奇形の赤ちゃんを池に投げ捨て、時子を連れ本当の地球へと旅立つ。赤ちゃんは生きており、クローン動物から「コム」と呼ばれるようになる。
 
: 本作はCOMの休刊によって<ref>中野晴行『そうだったのか手塚治虫』祥伝社、2005年、p169</ref>、未完のまま中断される。放射能障害を描いたCOM版「羽衣編」を前提としているため、「羽衣編」改稿に伴い、構想を新たに関連のない物語として『マンガ少年』版「望郷編」が描かれ<ref>[http://tezukaosamu.net/jp/manga_syllabary_search/398.html マンガ作品紹介 火の鳥望郷編] 手塚治虫ワールド</ref>、この版は未完のままで長く単行本に収録されることがなかった。復刻版でも絵と会話の内容が一部変えられている。放射能という単語が削除され、生まれた赤ちゃんであるコムの角は一角獣のようであったが復刻版ではメロンのような触覚に替えられた。また前後を大幅にカットした短縮版が『マンガ少年』に掲載されたこともあるが、そちらの短縮版はまだ一度も単行本化・書籍収録されたことはない。
 
 
 
; {{anchor|乱世編(COM版)}}
 
:* 初出:『COM』([[1973年]]8月号)
 
: 平安時代末期。主人公である猟師の「まきじ」は実の妹である「おぶう」と体も心も愛しあう関係であった。ある日、まきじは山で死にかけていた一匹の猿を救った。それはまきじが普段「赤坊主」と呼んでいたボス猿であった。どうやら赤坊主はハンニャとよばれる猿と争って負けボスの座を奪われたようである。まきじは瀕死の赤坊主を手当する。まきじは体の治った赤坊主と一緒に京都へ仕事に行くと、赤坊主をめぐり路上で役人と衝突。あやういところで名僧である明雲に助けられる。明雲の忠告もあり、まきじは赤坊主を山へ返そうとする。
 
: 本作は後の「乱世編」の元となる話であるが、『COM』が再び休刊したことにともない連載中断している。主人公の「まきじ」は後の「マンガ少年」版の弁太の原型であるがほっそりしている。また、まきじとおぶうは兄妹でない設定に変わった。猿と子犬のエピソードは「マンガ少年」版に流用されているが、二匹の名前が変えられており、天狗に育てられた話になっている。
 
 
 
; {{anchor|望郷編(マンガ少年版)}}
 
:* 初出:『マンガ少年』([[1976年]]9月号 - [[1978年]]3月号)
 
: 時代は宇宙時代。自然が失われ続ける地球に絶望した主人公ロミと恋人のジョージは、強盗で得た金で宇宙不動産会社から小さな惑星エデン17を買い、移住する。しかしそこは地震が頻発し、荒廃した惑星であった。悪徳業者に置き去りにされ、ジョージは事故で死に、ロミは残された息子と結ばれることで、生命を繋ぐ決断をする。しかし近親婚の影響で女児を得ることができず、ロミは唯一の女性として、息子と結婚して子供を産んでは[[冷凍睡眠]]を繰り返す事となった。やがて小さいながらも、ロミと息子たちのコミュニティが築かれていくが、兄弟同士の諍いから恐るべき計画がもちあがり、それを聞かされたロミは絶望して睡眠装置に閉じこもってしまう。彼女を憐れんだ火の鳥は、ロミの夢に呼びかけ、異星人との混血をすすめた。火の鳥の働きかけによりムーピーがエデン17へ訪れ、ムーピーとの混血の新しい種族が繁栄していく。ロミが数百年にわたる眠りから目覚めた時、エデンには心優しく素朴な人々の住む、平和な文明が育っていた。ようやく心の平安を得たロミは、エデンの女王として人々に慕われ、静かに老いていくが、次第に地球への望郷の想いを募らせ、コムという少年と共に地球を目指す旅に出る。その旅先で、ロミは宇宙パトロール隊員の牧村と出会う。しかし、牧村の任務は、地球に不法入国しようとする帰還者たちを阻止すること、すなわちロミたちを殺すことだった。
 
: 本作は『COM』版の「望郷編」(未完)との関連はほとんどなく、唯一、被爆した少年コムだけが、ムーピーと地球人との混血児という設定で再登場している。
 
: 手塚本人により何度も描き直されており、雑誌掲載版・[[朝日ソノラマ]]版・[[講談社]]版、[[角川書店]]版の各単行本では大きく内容が異なる。雑誌版では地球到達までのロミの顔は老婆のような状態だったが、朝日ソノラマ版では若く描き直されている。単行本ではフォックスと呼ばれるブラック・ジャックに似た男がロミを自然が残った場所へと連れて行くシーンが追加された。また雑誌版ではロミは牧村に撃ち殺されるが、単行本では若返りの副作用のため死んだことになっている。ラストシーンも牧村がロミのために[[星の王子さま]]を読むという場面が追加された。ロミとジョージの声が最後に聞こえるシーンも単行本で加筆されたもの。また角川版ではロミとジョージの出会いのシーンを冒頭に移動し、展開を早くするため宇宙船に他の宇宙人が搭乗する場面を省き、地球に向かう途中に立ち寄る星に違うものがあったりするなど内容が異なる。また、本作は火の鳥全シリーズ中で最も手塚による加筆・修正が多い編であり、雑誌掲載版、角川書店版、朝日ソノラマ版・講談社版では上記以外でも100ページ以上の変更がある。特にムーピーと人間との混血が生まれる場面はそれぞれ設定が異なる。今日では望郷編と云えば、普通はCOM版ではなくてマンガ少年版のことを指す。
 
 
 
; {{anchor|乱世編}}
 
:* 初出:『マンガ少年』(1978年4月号 - [[1980年]]7月号)
 
: 西暦1172年。[[平安時代]]末期。[[平安京]]近郊の山村に住む[[木こり]]の弁太は、恋人おぶうと愛を育んでいた。ある日、薪と猪の皮を売りに都へ行った弁太は役人とトラブルを起こすも高価な櫛を拾い、おぶうへとプレゼントする。ところが、それは[[藤原成親]]の持ち物であった。弁太一家は成親の一味と見なされて焼討に遭い、弁太の両親は斬られ、さらにおぶうの父も殺害された。弁太は連れ去られたおぶうを追って都へと出向くが、その先で[[源義経]]の仲間にされてしまう。義経は一見したところ美貌の英雄だが、その実は没義道なくせに臆病な男であった。一方おぶうは[[平清盛]]の侍女となる。悪名高い清盛は、実は世間の荒波と家中の乱暴狼藉の板ばさみに苦悩する小心な老家長であった。そしてその清盛には、大陸からもたらされた火の鳥を隠し持っているという噂があった。
 
: 本作は[[治承・寿永の乱|源平の抗争]]に巻き込まれた二人のすれ違いの運命を追っていき、源平の抗争や[[源頼朝]]・義経兄弟の相克には、火の鳥の争奪が関わっているという筋立て。弁慶伝説を下敷きとする。「鳳凰編」の我王も義経の師匠[[鞍馬天狗]]として登場している。本作では英雄として名高い義経が悪人として描かれるが、その悪行は文献に準ずるものもある(例えば民家への放火など)。清盛は悪人としての面も描かれるが、平家一門の身内の増長に対しては逆に叱責したり、また大仏の焼き討ちなど自らのやり過ぎを後悔するなど、悪人に徹しきれない面が描かれる。なお、この乱世編では手塚の実の先祖でもある[[手塚光盛|手塚太郎光盛]]が手塚の自画像と似せて登場する。
 
: 手塚により何度も描き直されており、雑誌掲載版、角川書店版、朝日ソノラマ版・講談社版では大きく内容が異なる。特筆すべき大きな変更は犬と猿のエピソードは本編の途中(天狗が死ぬ場面)に存在したが、朝日・講談社版ではラストに移動し、犬と猿が義経と清盛の転生後という設定になっている。その中では犬と猿が人間だった頃の思い出(義経と清盛だった頃)を思い出すという内容が追加された。また角川版では犬と猿のエピソードは冒頭に移動され、物語の序章として扱われている。さらに弁太が義経を丸太で自慢の顔を潰して殺す場面は角川版では[[藤原泰衡]]軍の弓矢で死ぬ場面に変えられている。この他、細かな変更も多い。
 
 
 
; {{anchor|生命編}}
 
:* 初出:『マンガ少年』(1980年8月号 - 12月号)
 
: 2155年。主人公のテレビプロデューサー青居は[[クローン]]人間を使った殺人番組を考案する。クローンを使えば法律の抜け穴をついて合法的な殺人が行え、それを番組にすれば視聴率が取れると考えたためである。青居はクローン技術の工場がある[[ペルー]]に向かうが、なんと自分自身が大量生産されてしまう。そして日本に連れて帰られた大量の青居は、皮肉なことに自分自身が他のクローンとともに企画した殺人番組の標的にされることになった。青井は番組初回に駆り出され、大量の青井が殺される中で左腕を失いながらも追手から逃れたのち、逃亡中に出会った少女と生活を始める。
 
: 本作は雑誌掲載版と単行本では、手塚による修正が入っている。まずサイボーグのおばあちゃんは雑誌掲載版では本当に生きたおばあちゃんであったが、朝日・講談社版では見るからにロボットの姿へと変更された。また鳥の顔をした女性は、雑誌掲載版では本当に火の鳥の顔をしていたが、単行本版では人間と火の鳥の中間的な顔つきへと修正されている。エンディングも全く異なり、雑誌掲載版では青居はテレビ番組内で殺されるのに対して、単行本版では青居がクローン人間培養工場を爆破するエピソードが追加されている。また雑誌版では主人公の青井は最後にはっきりとクローンと断定されるのに対して、単行本ではクローンではなく失った指から本物の青井であったと思えるような描写になっている。
 
 
 
; {{anchor|異形編}}
 
:* 初出:『マンガ少年』([[1981年]]1月号 - 4月号)
 
: [[戦国時代 (日本)|戦国の世]]([[室町時代]])。主人公の左近介は本来は女であったが、幼少の頃より父に男として暴力をもって育てられた。その左近介の父は[[応仁の乱]]の功績で名をあげた残虐非道の男であり、左近介は父を憎んでいた。ある日、左近介の父の鼻に「鼻癌」と思わしき症状が現れ苦しんでいたところ、それを治せるという尼「八百比丘尼」が現れた。左近介と父は、まるで老いた左近介のような八百比丘尼の姿に驚く。父に恨みを抱いていた左近介は、治療を阻止するために、寺を訪れ八百比丘尼を殺す。だが、殺害を終えた左近介は不思議な力に阻まれ、寺から出られないようになる。八百比丘尼の治療を求める近隣住民たち、さらには人外の異形の者たちが次々と寺を訪れ、左近介は心ならずも比丘尼の身代わりとして治療に従事する羽目になるが、そこから恐ろしい因果応報が左近介に巡ってくる。
 
: 本作は[[八百比丘尼]]伝説を下敷きにしている。雑誌掲載版と単行本とでは結末に大きく加筆がされ、主要登場人物が最後に切られるという大事な場面は単行本で追加されたもの。その他にコマの入れ替えやページの組み換えなど細かな修正が多い。雑誌版と初期の単行本では、治療に訪れる異形の患者は宇宙人(火の鳥が他の星の生き物である事と、その理由を説明する)だが、後の版では「太陽編」へと繋げるために、治療される対象は妖怪になり、絵も妖怪に近いデザインに改められている。
 
:NHKアニメ版では、唯一ほぼ変更なしにアニメ化されている(NHKアニメ版は父子関係の相克を重視する路線で製作されており、本作はその路線に適合していた)。
 
 
 
; {{anchor|太陽編}}
 
:* 初出:『[[小説野性時代|野性時代]]』([[1986年]]1月号 - [[1988年]]2月号)
 
: [[7世紀]]と21世紀([[2009年]])の2つの時代を交互に描いた物語。西暦663年、主人公の一人ハリマは[[百済]]の王族の血を引く存在であったが、[[白村江の戦い]]で敗れ、顔の皮を剥がされ、その上に狼の顔を被せられた。狼の皮はハリマの顔に張り付き、本来の皮膚と同化して取れなくなってしまった。ハリマが倒れているところを占い師のオババが助け、逃げるために将軍・[[阿部比羅夫]]と共に倭(日本)に渡る。ハリマは倭では犬上宿禰(いぬがみのすくね)と名乗り、狗(ク)族の少女マリモとの出会いを経て、やがて[[壬申の乱]]に巻き込まれてゆく。壬申の乱は世俗での権力闘争であると同時に、外来宗教である仏教と日本土着の神々との霊的な戦いでもあった。
 
: 一方、21世紀の日本は「火の鳥」を崇拝する宗教団体「光」一族に支配されていた。もう一人の主人公である坂東スグルは幼い頃から「光」によって地下街に荒廃した環境で生活させられ、スグルはその中の反「光」団体「シャドー」に属したテロリストとして冷酷な人殺しを繰り返していたが、ある作戦に失敗したことによって「光」のメンバーに捕らえられ洗脳するための施設に入れられ、狼の頭に似た洗脳ヘルメットを被せられる生活を送ることになる、そしてかつて任務で同い年という理由から殺さなかった少女兵士・ヨドミと施設で知り合い、惹かれ合っていく。
 
: 本作はハリマがスグルになった夢を見て、スグルはハリマになった夢を見るというように交互に物語が入れ替わる。過去と未来の宗教は双方とも火の鳥自身がご神体となっている。
 
: 単行本化の際は手塚自身により未来側のストーリーが大幅に変更され、火の鳥が登場したり、猿田が罰を受ける描写などかなりのカットがなされている。雑誌掲載版では回想シーンに猿田の兄として鉄腕アトムのお茶の水博士が登場する。
 
: また、NHKのテレビアニメ版では尺の都合で大幅カットされ未来側の物語は描かれなかった。
 
 
 
; {{anchor|休憩 INTERMISSION}}
 
:* 初出:『COM』(1971年11月号)
 
: 他の編と異なり手塚自身が登場するエッセイ風短編漫画。「なぜ火の鳥を描くのか」といったテーマになっている。
 
: 二種類が存在し、一つはCOMに掲載された『休憩 INTERMISSION 火の鳥 またはなぜ門や柿の木の記憶が宇宙エネルギーの進化と関係あるか』と、もう一つは1978年マンガ少年11月号に再録された『休憩 INTERMISSION 火の鳥 というタイトルでなくともよいというわけ』である。
 
: 後者は前者の「再録」という形ではあるが、前者は6ページあるのに対し、後者は3ページに削られた上、文章が全て書き換えられている。なぜ後半3ページが削除されて、文章が全て書き換えられたかは不明であるが、削られた3ページには「火の鳥の正体(火の鳥とはどういった存在か)」など核心を突く内容が描かれていた。
 
 
 
このほか、手塚以外の作家により作画された連載作品として、アニメ映画『[[火の鳥2772 愛のコスモゾーン]]』をの内容を元にコミカライズした[[御厨さと美]]による漫画(初出:『マンガ少年』(1980年2月号 - 4月号)がある。詳細については当該項目を参照。
 
 
 
=== 執筆されなかった作品 ===
 
; 大地編(シノプシスのみ)
 
:* 初出:『[[月刊ニュータイプ]]5月号付録「手塚治虫MEMORIAL BOOK」』([[角川書店]]/1989年刊行)、その他にも証言複数あり。
 
: 大地編は二種類が存在する。「[[日中戦争]]が舞台の物語」と「[[幕末]]から[[明治維新]]が舞台の物語」である。
 
: 一つは西暦[[1938年]](昭和13年)の1月が時代背景。日中戦争時の[[上海市|上海]]を舞台に、[[関東軍]]の戦意高揚のため、中国大陸に伝説の仙鳥の探索を計画する。[[シノプシス]]には間久部緑郎(ロック)、その弟の間久部正人、猿田博士が登場。
 
: 1989年の舞台劇『火の鳥』の原作として、上記内容で新作描き下ろしを連載をする予定だったが、よりSF的な内容にとの希望があったためペンディングとなった。『野性時代』に1989年春から掲載されるはずだったとも言われるが<ref>中野晴行『そうだったのか手塚治虫』祥伝社、2005年、p176</ref>、手塚が病に倒れたことから執筆されることはなかった。ただし、『野性時代』の編集部は『火の鳥』の続編ではなく『[[シュマリ]]』の続編を望んでいことから内容の構想を変えたという。シノプシスの内容はナツメ社から発売されている「火の鳥公式ガイドブック」や朝日ソノラマから出版されている「太陽編・下(B5版)」などで確認できる。文章量は原稿用紙2枚と5行。日中戦争を舞台とした火の鳥大地編は舞台劇火の鳥のシナリオへと書き直された。
 
: また『野性時代』に連載予定だった大地編は日中戦争が舞台ではなく、シュマリと同じような時代に合わせて幕末から明治維新を舞台に構想されていた。手塚プロダクションの[[松谷孝征]]社長は「構想など手塚が残した骨子はあるので、次作が実現すれば、手塚プロ出身者など“身内”の誰かに描いてもらいたい」「舞台は幕末から明治維新。シュマリみたいな主人公が大陸に渡る話です」と語っている<ref>[http://www.daily.co.jp/gossip/2014/01/28/0006667829.shtml デイリースポーツ「手塚治虫さん原画展、仏で初開催」](2014年1月28日)</ref><ref>[http://www.sanspo.com/geino/news/20140128/oth14012805020009-n1.html サンスポ「パリ初!手塚治虫さん原画展、松谷社長「火の鳥」続編に意欲」](2014年1月28日)</ref>。 
 
 
 
; 再生(アトム?)編(構想のみ)
 
:* 初出:『雑誌「COM」火の鳥黎明編第5回』(1967年5月号)、その他にも証言複数あり。
 
: 火の鳥に鉄腕アトムが登場するという構想が存在し、複数の証言が得られている。
 
: 火の鳥黎明編の雑誌掲載版では猿田彦の鼻が大きくなる所のナレーション解説が入る場面で「この物語の中では、猿田彦は、ただの防人ではあるが、お茶の水博士の先祖ということになっている」と書かれてあった。単行本では「この物語の中では、猿田彦は、ただの防人ではあるが、彼の子孫は、物語全体を通じていずれも重要な役割を持つようになるのである」に変更された。
 
: 1974年の新聞「赤旗」の1月22日のコラム中に手塚は「火の鳥は、太古から、超未来までえんえんと運ばれる叙事詩です。(中略)じつは、これはまだ先の話ですが、二十一世紀の部分のエピソードで、アトムの物語がでてきます。アトムもじつは火の鳥の一挿話だったというオチです。」と語っている<ref>手塚治虫『ぼくのマンガ道』新日本出版社 2008年 P.48</ref>。
 
: また連続ラジオ小説「火の鳥 乱世編」([[NHKラジオ第1放送]] 1980年3月21日)でもその内容が語られている[https://www.youtube.com/watch?v=3Ypn1gEc4YU%20%20]。本編[[オンエア|OA]]後に手塚治虫自身が21世紀が舞台であるので『鉄腕アトム』の外伝を描いてみたいと構想を語っている。具体的な構想があったわけではないが、断片的なアイデアとして、「アトムはロボットであり、不死の存在と言える。その魂は、最終的には、火の鳥に救われるのではないか」と言うことと、「意識していたわけではないのだが、お茶の水博士はその容貌からして、猿田の血を引いていると思う。彼はアトムの最期を見届けることになるだろう」と語っている。(このことからアトムの最後の物語は火の鳥で語られた可能性が推測できる。)
 
: 長く手塚のチーフアシスタントを務めた[[福元一義]]によれば「(手塚治虫は)日中戦争を扱った大地編というのをやりたいと。それからアトムのオールキャストみたいな格好で火の鳥を締め括ろうというお話でした」と語る<ref>文藝別冊「総特集 手塚治虫」河出書房新社1999年 P.123  </ref>。
 
: 手塚治虫の息子である[[手塚眞]]はある時、火の鳥の最終話について編集者にそっと耳打ちしたという。編集者は「あれは過去、未来と話が行ったり来たりして、最後に現代に近いところで終わるんだよ。そう、アトムが誕生する頃にね。」と語ったという<ref>手塚眞『「父」手塚治虫の素顔』誠文堂新光社 2009年 P.43 </ref>。
 
: 火の鳥が連載していたマンガ少年の編集者である松岡博治は「あの完結編の話でしょ?直接、先生から聞いていました。過去未来、過去未来、過去未来ってきてですね、2003年、アトムの誕生の年に過去と未来がクロスして完結するという。アトムも、[[ブラック・ジャック]]も、[[三つ目がとおる|三つ目]]も、先生の[[キャラクター]]が何もかも出てきて…」と雑誌のインタビューで語る<ref>小学館「神様の伴走者 手塚番13+2」2010年。P.210</ref>。
 
: (ただし、上記の証言では再生編(仮)を火の鳥の完結と語っているが下記で解説する現代編の内容とは異なる。手塚は最終作である現代編を上記の後、死ぬ直前に描くことを生前にほのめかしていた。上記のアイデアはゲーム「ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密-」や小説「火の鳥アトム編」等に生かされている。)
 
 
 
; 現代編(構想のみ)
 
:* 初出:『「火の鳥」と私』(1968年12月)、その他にも証言複数あり。
 
: 手塚治虫は雑誌「COM」以降の火の鳥の全体構成を、黎明編と未来編を発表した後、過去、未来、過去、未来、と時間を現代に収束させる予定で描いた<ref name="火の鳥と私">「『火の鳥』と私」1968年12月20日発行 火の鳥未来編巻末より</ref>(太陽編は2つの時代が描かれているが最終的に過去側は未来側の物語に組み込まれる)。
 
: 1968年の虫プロ商事から発行された火の鳥未来編の単行本のあとがきでは手塚は次のように語っている「私は、新しいこころみとして、一本の長い物語をはじめと終わりから描き始めるという冒険をしてみたかったのです。」「最後には未来と過去の結ぶ点、つまり現代を描くことで終わるのです。それが、それまでの話の結論に結びつき、それが終わると、黎明編から長い長い一貫したドラマになるわけです。したがって、そのひとつひとつの話は、てんでんばらばらでまったく関連がないように見えますが、最後にひとつにつながってみたときに、はじめてすべての話が、じつは長い物語の一部にすぎなかったということがわかるしくみになっています<ref name="火の鳥と私" />。」
 
: 後に『ニュータイプ100%コレクション 火の鳥』(角川書店/1986年刊行)の[[角川春樹]]との対談の中で、手塚治虫自身が「現代編」の構想を明かしている。手塚は「現代」というものは常に浮遊しており、読者から見た「現代」と作者が描いている時点の「現代」のズレが生じる問題を角川に伝えている。火の鳥という作品は1950年代から描かれているがこの対談時ですら1950年代は「現代」ではなくはるか「過去」になっている。
 
:そこで手塚は「現代」というものの解釈を「自分の体から魂が離れる時」だとしていた(手塚にとってそれ以降の未来がなく、そこから以前は全て過去であるため。「未来も無く過去しかない=現代」)。
 
: そして、その時こそ「現代編」を描く時だと語った。
 
: それを聞いた角川は手塚に対して「死ぬ時ですからね。描けませんよ(笑)」と語り、手塚は「いや、僕は描いて見せますよ」「一コマでもいいんですよね。それが一つの話になっていればいいんですから」と死ぬ直前に一コマでも物語を描くことを約束している<ref>角川書店ニュータイプ100%コレクション 火の鳥 1986年刊行 P.67</ref>。
 
: 毎日新聞デジタル(2012年07月23日)でのインタビューにおいて[[聖悠紀]]は「手塚先生は『火の鳥で、過去の話を書いたら、未来の話を書いて、次の過去の話と、だんだん時代の間隔が短くなって、最後は原稿を書いている自分の部屋で終わりたい』とおっしゃっていた」と述べている<ref>[http://mantan-web.jp/2012/07/23/20120723dog00m200009000c.html 毎日新聞デジタル「超人ロック : 誕生から半世紀 聖悠紀が語る“長寿”の理由」](2012年7月23日)</ref>。
 
: 雑誌COM版の「火の鳥 休憩 INTERMISSION」の後に削られた3ページには、火の鳥はどういう存在かを語り、火の鳥の結末はいつ発表するかを語っていた。具体的には「火の鳥は生命から生命へと媒介するエネルギーのようなもの」「火の鳥の結末はぼくが死ぬ時に発表する」という内容等であった。手塚が「自分と似たシワクチャな年寄りの夢を見る」ということも意味深に明かし、鼻が手塚の似顔絵程度に大きいシルエットの人物も描かれている。
 
 
 
:また角川との対談で「僕の中にあるエネルギー体が"羽化"するときに現代編を描く」ということも語っている。削られた「休憩」の最後の一コマでは布団に頭から足まで包まれて横になった手塚から[[火の鳥|この漫画を象徴する存在]]が手塚と重なるように描かれていた。
 
 
 
火の鳥「現代編」との関係は不明だが、手塚は胃癌で死ぬ直前の昏睡状態の時でも「鉛筆をくれ…」とうわ言を言っており<ref name=SHIN>手塚眞「わが父 手塚治虫」朝日ジャーナル臨時増刊1989年4月20日号『手塚治虫の世界』所収</ref>、手塚の死に立ち会った手塚プロの松谷孝征社長によると手塚の最後の言葉は「頼むから仕事をさせてくれ」であったという。この時、手塚が死ぬ直前に何を描こうとしていたかは不明であるが、死ぬ直前に何か描こうとしていたということに関しては火の鳥「現代編」に関係している。手塚は息子である[[手塚眞]]がペンを渡すと握りしめるという動作までは行っている。
 
 
 
上記とは別に手塚が胃癌中の病院のベッドで手がけた作品「舞台劇 火の鳥」が存在し、偶然にもこの舞台劇が公開された1989年2月8日の翌日に手塚は亡くなっている。
 
 
 
== 単行本 ==
 
2012年3月現在、入手可能な単行本は以下の通り。
 
 
 
* 1978年7月 - 1995年9月 [[講談社]] [[手塚治虫漫画全集]] B6判 全16巻 + 少女クラブ版 全1巻
 
* 1992年12月 [[角川書店]] [[角川文庫]] 文庫判 全13巻
 
* 2009年5月 - 10月 [[朝日新聞出版]] B5判 全11巻 + 別巻
 
* 2011年6月 - 2012年5月[[復刊ドットコム]] 《オリジナル版》復刻大全集 B5判 全12巻
 
* 2011年10月 - 2012年3月 講談社 手塚治虫文庫全集 文庫判 全11巻 + 少女クラブ版 全1巻
 
* 2013年11月 - 2014年4月 [[小学館クリエイティブ]] 四六判 全11巻
 
 
 
またコンビニ用のB6判コミックが、2011年2月から7月にかけて[[秋田書店]]と朝日新聞出版の共同企画で全7巻が発行され、2015年4月からは秋田書店から合本形式で全5巻が発売された。
 
 
 
手塚治虫は単行本を出すたびにそのつど内容や絵に手を加えており、現行の単行本でも大きく分けて3つの種類がある。[[朝日ソノラマ]](現・朝日新聞出版)版と角川書店版と復刊ドットコム版である。講談社の漫画全集及び文庫全集は朝日ソノラマ版である。小学館クリエイティブ社の版は角川版の内容に雑誌版の二色ページを再現、扉絵を収録したもの。そして、2011年版コンビニコミックは角川版、2015年版コンビニコミックは朝日ソノラマ版である。
 
 
 
手塚による加筆・修正の順番は、『雑誌掲載版』→『朝日ソノラマ版』→『角川書店版』 である。それぞれ編によってはストーリーが大きく違うものもある。『復刊ドットコム版』は手塚が手を加えてない雑誌連載時の状態がそのままが読める単行本である<ref>手塚治虫文庫全集 『火の鳥』 11巻 「火の鳥」解説、2012年、p404 - p405</ref>。(しかし、単行本時に直された設定ミスや絵の描き間違いもそのまま収録されている)
 
 
 
== 火の鳥で描かれる歴史上・神話上の人物・出来事 ==
 
{{col|
 
; 黎明編
 
:* [[イザナギ]]
 
:* [[邪馬台国]]
 
:* [[卑弥呼]](→[[天照大神|アマテラス]])
 
:* [[スサノオ]]
 
:* [[サルタヒコ]]
 
:* [[アメノウズメ|ウズメ]]
 
:* [[ニニギ]]
 
:* [[天岩戸]]
 
:* [[魏志倭人伝]]
 
:* [[漢委奴国王印]]
 
:* [[騎馬民族征服王朝説]]
 
|
 
; ヤマト編
 
:* [[ヤマトタケル]]
 
:* クマソタケル
 
:* [[大王 (ヤマト王権)|大王(おおきみ)]]
 
:* [[石舞台古墳]]
 
:* [[天叢雲剣|草薙の剣]]
 
; 鳳凰編
 
:* [[良弁]]
 
:* [[橘諸兄]]
 
:* [[吉備真備]]
 
:* [[東大寺盧舎那仏像|奈良の大仏]]
 
|
 
; 羽衣編
 
:* [[三保の松原]]
 
:* [[承平天慶の乱#平将門の乱|平将門の乱(承平天慶の乱)]]
 
; 乱世編
 
:* [[鞍馬天狗]]
 
:* [[武蔵坊弁慶|弁慶]]
 
:* [[平清盛]]
 
:* [[源頼朝]]
 
:* [[源義経]]
 
:* [[源義仲|木曽義仲]]
 
:* [[明雲]]
 
:* [[手塚光盛|手塚太郎光盛]]
 
:* [[平氏政権]]
 
:* 源平合戦([[治承・寿永の乱]])
 
:* [[鳥獣戯画]]
 
|
 
; 異形編
 
:* [[人魚#八百比丘尼]]
 
:* [[応仁の乱]]
 
:* [[百鬼夜行絵巻]]
 
; 太陽編
 
:* [[扶余豊璋]]
 
:* [[阿倍比羅夫]]
 
:* [[天智天皇]]
 
:* [[天武天皇|大海人皇子]]
 
:* [[弘文天皇|大友皇子]]
 
:* [[十市皇女]]
 
:* [[壬申の乱]]
 
:* [[白村江の戦い]]
 
}}
 
 
 
== その他・余談 ==
 
[[ファイル:宝塚市平和モニュメント 火の鳥.jpg|thumb|right|180px|[[宝塚市立手塚治虫記念館]]前に設置されている火の鳥の[[モニュメント]]]]
 
* [[テレビアニメ]]『[[ふしぎなメルモ]]』に登場するミラクルキャンディーは第1話で描かれる製造過程によると原料は火の鳥の卵である。エンディング場面では毎回火の鳥の卵からキャンディーが作られる工程が放送された。なお、[[ふくやまけいこ#福山けいこ|福山けいこ]]によるリメイク漫画『メルモちゃん』には、他の手塚キャラとともに火の鳥も出演している。
 
* 漫画『[[ブラック・ジャック]]』の「不死鳥」回は火の鳥にまつわる話である。しかし何故か手塚自身がこの作品を封印していたこともあり手塚の存命時には単行本に収録されなかった(「不死鳥」は手塚の死後アニメ化もされている)。
 
* テレビアニメ『[[アストロボーイ・鉄腕アトム]]』(2003-2004年)に手塚作品の[[スター・システム (小説・アニメ・漫画)|スター・システム]]の一環でゲストキャラクターとして登場、声優はNHKのTVアニメ版と同じ竹下景子。
 
*「火の鳥2772」については手塚自身が講談社[[手塚治虫漫画全集]]で描き下ろしをして再漫画化する予定もあったが、実現しなかった。
 
* 手塚の死後に作られたオリジナルストーリーでは[[二階堂黎人]]による小説『火の鳥アトム編』、創作舞踊劇『火の鳥 転生編』、プラネタリウム用アニメ映画『火の鳥-絆編-』、音楽劇『NINAGAWA火の鳥』、宝塚歌劇花組公演『火の鳥』、短編アニメ『火の鳥アースキーパーズ編』など様々なものが作られている。
 
* [[鈴木英史]]による吹奏楽曲「[[鳳凰〜仁愛鳥譜]]」は、鈴木のお気に入りである「未来編」のイメージで作曲されたものである。
 
* [[イギリス]]の[[環境音楽|アンビエント]]・[[テクノ]]・[[バンド (音楽)|バンド]]の[[システム7 (バンド)|システム7]]が、シングル「Hinotori」を含むアルバム『Phoenix』を2007年に発表。これは、手塚治虫の長女・[[手塚るみ子]]の呼びかけによるもの。『火の鳥』の内容に触発されて制作された。
 
* 火の鳥は[[阪神・淡路大震災]]復興活動のシンボルマークとして使われていた。これは悦子夫人が兵庫県に「火の鳥」のイラスト使用権を10年間無償提供した事による。
 
* 2010年8月6日に[[全国農業協同組合中央会]]は、[[2010年日本における口蹄疫の流行]]で被害を受けた畜産農家の復興支援を目的に、火の鳥をデザインしたマークを作成している<ref>[http://www.sankeibiz.jp/business/news/100806/bsd1008061703014-n1.htm 宮崎口蹄疫復興“火の鳥”マークを作成 JA、手塚プロがタッグ]{{リンク切れ|date=July 2014}}サンケイビズ 2010年8月6日</ref>。
 
* 2011年8月7日開催の[[ロック・フェスティバル]]「[[ワールド・ハピネス|WORLD HAPPINESS 2011]]」において、[[東日本大震災]]からの復興・再生をテーマに掲げ、火の鳥を“再生”のシンボルとしてキービジュアルに起用<ref>{{Cite web|url=http://www.iloud.jp/special/world_happiness_2011.php|title=WORLD HAPPINESS 2011 特集|work=ロック&クラブ・ウェブマガジン:iLOUD|date=2011-07-08|accessdate=2017-09-27}}</ref>。同イベントでは、[[イエロー・マジック・オーケストラ]]が火の鳥をモチーフにした新曲「Fire Bird」を初披露した<ref>{{Cite web|url=http://natalie.mu/music/news/73957|title=YMO、昨年ワーハピで初披露した「Fire Bird」を配信開始|work=[[ナタリー (ニュースサイト)|音楽ナタリー]]|date=2012-08-01|accessdate=2017-09-27}}</ref>。
 
* [[バレーボール全日本女子]]チームの愛称は「火の鳥NIPPON」であり、ロゴ等のデザインは手塚プロダクションが担当している<ref>[http://www.jva.or.jp/information/20090518001.html 全日本女子チームの愛称決定]{{リンク切れ|date=July 2014}} 日本バレーボール協会プレスリリース 2009年5月18日閲覧</ref><ref>[http://www.jva.or.jp/japan/women/senior/nickname.html 火の鳥NIPPON]{{リンク切れ|date=July 2014}} 日本バレーボール協会プレスリリース</ref>。
 
* 火の鳥の実写映画は本来はアニメとの[[二部]]構成であった。シナリオまで作られていたが未制作に終わった。内容は火の鳥の世界の結末の一つが描かれている。(シナリオの内容は'''後述''')
 
* 手塚生前時における掲載誌は廃刊・休刊する事が多く、陰ながら「本作が掲載されると廃刊になる」などと囁かれた<ref>[[矢口高雄]]「愛蔵版 マタギ」(1990年 [[中央公論社]])前文『「マタギ」の思い出』より。表題作が掲載誌を変えて書き継がれたことを、「火の鳥」と出版業界事情を引き合いに出して説明している。</ref>。ただし、これは実際には火の鳥のせいではなく、火の鳥が月刊誌のみに連載していたことが原因である。火の鳥は1950年代から連載してきたが、週刊漫画雑誌が登場し主流になり、1950年代からある月刊漫画誌が全て廃刊していったため。なお、火の鳥太陽編が連載していた「野性時代」は1996年に休刊した後、2003年に新創刊し、2016年現在「小説 野性時代」として刊行中である。
 
* 元手塚のアシスタントの[[石坂啓]]は乱世編で見開きで村祭りのシーンがあった時に、それが最後まで仕上げられていなかったので、「これは時間がかかるから、後でアシスタントにやらせるのだろう」とアシスタント全員で思っていたら、手塚治虫が下描き無しで、踊る村人たちを全部書き始めたが、火を囲んでいる大勢の人の輪と、一人ひとりの影をちゃんと角度を変えて驚異的な速さで仕上げたので、「まるで魔法を見ているようだった」と語った<ref>『[[ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜]]』3巻52ページコラムより</ref>。
 
* 本作品をオマージュした(影響を受けた)作品は少なくない。
 
** 全体を元にしたもの
 
***[[浦沢直樹]]のマンガ『[[BILLY BAT]]』
 
*** [[谷甲州]]の小説『[[航空宇宙軍史|終わりなき索敵]]』は、火の鳥との関連性が指摘されている<ref>[[巽孝之]] 「超光速涅槃で待つ」(谷甲州 『終わりなき索敵〔下〕』に収録。[[早川書房]]、1996年、359頁、ISBN 978-4-15-030570-3)。</ref>。
 
** 一部を元にしたもの
 
*** [[藤木稟]]の小説『旅立ちの時』は、復活編との類似点が指摘されている<ref>[http://www47.tok2.com/home/leon/teduka.html 手塚治虫と藤木稟の作品を比較するサイト]</ref>。
 
*** 『[[沙耶の唄]]』、『[[セイバーマリオネット]]』はどちらも復活編を元にしている。
 
* 旧ソ連の映画「せむしの仔馬」には火の鳥が登場し、これは手塚治虫が漫画「火の鳥」を描くきっかけとの一つとなった。手塚が胃癌の最中に病院のベットで手がけたアニメに「[[青いブリンク]]」があるがこれは「せむしの仔馬」の手塚風のリメイク作品である。「青いブリンク」はアニメでの手塚の遺作の一つになった。
 
* 手塚治虫がまだ漫画家になるか医者になるか迷っていた時に、母親とアニメーション映画を見に行き、開演までの時間にロビーの椅子で母親に相談すると「好きな方を択ぶように」と言われ漫画家になった。その時のアニメーションが「せむしの仔馬」である<ref>角川文庫「火の鳥13 ギリシャ・ローマ編」 あとがきの手塚治虫の妹である宇都美美奈子の寄稿より</ref>。
 
 
 
== 他のメディア ==
 
一連の作品の一部は[[ラジオドラマ]]化、[[アニメ]]化、[[テレビゲーム]]化、または実写[[映画]]化された。
 
=== ラジオ ===
 
* 連続ラジオ小説「火の鳥 黎明編」([[NHKラジオ第1放送]] 1977年3月21日 - 3月28日)
 
** 声の出演 - [[羽佐間道夫]]、[[沢たまき]]
 
* 連続ラジオ小説「火の鳥 未来編」(NHKラジオ第1放送 1977年3月29日 - 4月2日)
 
** 声の出演 - [[風間杜夫]]、[[高木均]]、沢たまき
 
* 連続ラジオ小説「火の鳥 鳳凰編」(NHKラジオ第1放送 1978年1月4日 - 1月15日)
 
** 声の出演 - [[ささきいさお]]、[[石田太郎]]、[[萩尾みどり]]、[[米倉斉加年]]
 
** 主題歌「傷だらけの翼」 / イメージソング「名も知らぬ星」(CK-502、[[日本コロムビア]])
 
:: 作詞 - [[長坂秀佳]] / 作曲・歌 - ささきいさお / 編曲 - [[高田弘]]
 
* 連続ラジオ小説「火の鳥 乱世編」(NHKラジオ第1放送 1980年3月3日 - 3月21日)
 
** 声の出演 - [[東野英心]]、[[西村晃]]、[[市毛良枝]]、[[岸田森]]、[[森山周一郎]]
 
* 「火の鳥 生命編」([[ニッポン放送]] 1987年1月1日 [[オールナイトニッポン|手塚治虫のオールナイトニッポンスペシャル]]内ミニドラマ)
 
** 声の出演 - [[小泉今日子]]
 
* オーディオドラマ「火の鳥 永遠の生命」([[文化放送]] 1999年10月 - 2000年3月)
 
** 声の出演 - [[土井美加]]
 
 
 
=== 実写映画 ===
 
{{Infobox Film
 
| 作品名 = 火の鳥
 
| 原題 =
 
| 画像 =
 
| 画像サイズ =
 
| 画像解説 =
 
| 監督 = [[市川崑]]
 
| 脚本 = [[谷川俊太郎]]
 
| 原案 =
 
| 原作 = [[手塚治虫]]
 
| 製作 = 市川喜一<br />[[村井邦彦]]
 
| 製作総指揮 =
 
| ナレーター =
 
| 出演者 = [[若山富三郎]]<br />[[尾美としのり|尾美トシノリ]]<br />[[高峰三枝子]]
 
| 音楽 = [[深町純]]
 
| 主題歌 = [[松崎しげる]]「火の鳥」(本編未使用)
 
| 撮影 = [[長谷川清 (撮影監督)|長谷川清]]
 
| 編集 = 長田千鶴子<br />[[池田美千子]]
 
| 製作会社 =
 
| 配給 = [[東宝]]
 
| 公開 = {{flagicon|JPN}} [[1978年]][[8月12日]]([[TOHOシネマズ有楽座|有楽座]]で先行上映)<br />1978年[[8月19日]](全国公開)
 
| 上映時間 = 137分
 
| 製作国 = {{JPN}}
 
| 言語 = [[日本語]]
 
| 製作費 =
 
| 興行収入 =
 
| 配給収入 = 7億1800万円<ref>{{Cite journal|和書|year=1979|title=1978年邦画四社<封切配収ベスト5>|journal=[[キネマ旬報]]|issue=[[1979年]]([[昭和]]54年)[[2月]]下旬号|page=124|publisher=[[キネマ旬報社]]}}</ref>
 
| 前作 =
 
| 次作 =
 
}}
 
{{Portal 映画}}
 
『'''火の鳥'''』(ひのとり)は[[1978年]][[8月19日]](1978年8月12日には、[[TOHOシネマズ有楽座|有楽座]]にて先行公開)に公開された[[日本]]の[[特撮]]・[[アニメ映画]]。製作は[[東宝]]・火の鳥プロダクション。配給は[[東宝]]。[[イーストマンカラー]]、[[ビスタビジョン]]。上映時間は137分。第1部である黎明編([[COM (雑誌)|月刊COM版]])を映画化。
 
 
 
劇場映画での主演歴(厳密にトップクレジットに限定して)を持つ出演者12人、監督以下、谷川、コシノ、山城、ルグランら世界的知名度の高いメンバーを結集したスタッフ陣と超豪華な顔ぶれで話題を集めたが、興行成績は都市部ロードショーの盛況に反し地方興行が惨敗。トータルの配給収入7億は{{要出典範囲|date=2016年5月|2010年代の興行収入に換算すれば二十数億に相当する中ヒット}}といったところだったが、製作費の高さに見合わず、初期構想では実写「第1部」と、フルアニメーション「第2部」の二部構成で<ref>1999年「手塚治虫絵コンテ大全6 火の鳥2772」河出書房新社 P713</ref>出足好調だったことから一部では決定と報じられシナリオも完成していた続編『宇宙編』はお蔵入りすることになった。[[尾美としのり]]のデビュー作であり、表記は「尾美トシノリ」としている。
 
 
 
[[ピンク・レディー]]を踊る狼、瞳の中に燃えあがる怒りの炎といった遊びの過ぎたアニメ合成が多く、「壮大なテーマが結実しないうちに映画がさっさと出来上がってしまった印象」(佐藤忠男)など批評も芳しくなかった。市川監督自身も同年にNHKラジオ番組「日曜喫茶室」で、「ラッシュを見て、こんな映画を撮った監督はどこのどいつだと思った」と冗談まじりに失敗作を示唆している。
 
 
 
現在のところ本作はCSでの放送は行われており、2015年10月から<ref>[http://streaming.yahoo.co.jp/p/y/00799/v08839/ GYAOストア 火の鳥]</ref>配信も行われているが、未だ[[ビデオグラム|映像ソフト]]は発売されていない。東宝特撮封印作品を販売するドラマCD発売会社'''グリフォン'''は『[[ノストラダムスの大予言 (映画)|ノストラダムスの大予言]]』と『[[獣人雪男]]』のドラマCDの広告の下に東宝特撮封印作品ドラマCDシリーズ第2弾として、『[[緯度0大作戦]]』と本作のドラマCDの発売を予告していたが<ref>{{Cite book|和書 |date = 1998-04-10 |title = 宇宙船YEAR BOOK 1998 |series = [[宇宙船 (雑誌)|宇宙船]]別冊 |publisher = [[朝日ソノラマ]] |page = 34 |id = 雑誌コード:01844-04 }}</ref>、実現せずに未発売に終わった。
 
 
 
キャッチコピーは、'''はばたけ! 永遠の鳥よ 燃える炎の中に愛の宇宙が見えるまで'''。
 
 
 
==== キャスト ====
 
* 猿田彦 - [[若山富三郎]]
 
* ナギ - [[尾美としのり|尾美トシノリ]]
 
* 天弓彦 - [[草刈正雄]]
 
* タケル - [[田中健 (俳優)|田中健]]
 
* ヒナク - [[大原麗子]]
 
* ウズメ - [[由美かおる]]
 
* グズリ - [[林隆三]]
 
* スサノオ - [[江守徹]]
 
* ウラジ - [[沖雅也]]
 
* マツロ王 - [[潮哲也]]
 
* [[丹古母鬼馬二]]
 
* ヤマタイ国親衛隊長 - [[小林昭二]]
 
* オロ - [[風吹ジュン]]
 
* 女官ヌサ - [[池畑慎之介☆|ピーター]]
 
* 女官シメ - [[カルーセル麻紀]]
 
* 女官サヨ - [[木原光知子]]
 
* カマムシ - [[加藤武]]
 
* スクネ - [[大滝秀治]]
 
* まじない師 - [[伴淳三郎]]
 
* イヨ - [[草笛光子]]
 
* ヒミコ - [[高峰三枝子]]
 
* ジンギ - [[仲代達矢]]
 
 
 
==== スタッフ(実写映画) ====
 
* 原作・アニメーション総指揮 - 手塚治虫
 
* 監督 - [[市川崑]]
 
* チーフ助監督 - 橋本伊三郎
 
* 特技監督 - [[中野昭慶]]
 
* 脚本 - [[谷川俊太郎]]
 
* 音楽 - [[深町純]]
 
* テーマ音楽 - [[ミシェル・ルグラン|ミッシェル・ルグラン]]
 
* 演奏 - [[ロンドン交響楽団]]、[[新日本フィルハーモニー交響楽団]]
 
* サントラ盤 - [[アルファレコード]]
 
* イメージソング(本編未使用) - 「火の鳥」
 
** 作詞 - 谷川俊太郎
 
** 作曲・編曲 - ミッシェル・ルグラン
 
** 歌 - [[松崎しげる]]([[ビクターエンタテインメント|ビクターレコード]])
 
*** このイメージソングについては[[ハイ・ファイ・セット]]版と[[サーカス (歌手)|サーカス]]版も存在する
 
* 撮影 - [[長谷川清 (撮影監督)|長谷川清]]
 
* 美術 - 阿久根巌
 
* 照明 - [[佐藤幸次郎 (照明技師)|佐藤幸次郎]]
 
* 振付 - [[西野皓三]]
 
* 衣裳 - [[コシノジュンコ]]
 
* 古代民族音楽・作曲考証 - 山城詳二([[芸能山城組]])
 
* 原画 - 小林準治、中村和子、岩崎治彦、堀治、八木大、三輪考輝、勝井千賀雄
 
* 作画演出 - [[鈴木伸一]]
 
* 編集 - 長田千鶴子、[[池田美千子]]
 
* アニメーション制作 - [[手塚プロダクション]]
 
* 製作 - 市川喜一、[[村井邦彦]]
 
 
 
=== アニメ映画 ===
 
==== 火の鳥・第2部(未制作) ====
 
前述の実写映画『火の鳥』は本来は二部構成であった。しかし、実写版は独立した作品となり、本作はシナリオが作成されていたにもかかわらず制作には移らなかった<ref>1999年「手塚治虫絵コンテ大全6 火の鳥2772」河出書房新社 P711</ref>。結果的に本作の計画は『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』へとつながった。本作は『火の鳥』の世界の結末の一つが描かれており、実写「第1部」と作品が輪廻する予定であった(第1部で始まりを見せ、第2部で終わりを見せ、終わりは始まりにつながる予定だった)。現在、この『火の鳥』(第2部)の内容は[[河出書房新社]]の『手塚治虫絵コンテ大全6 火の鳥2772』で読むことができる。内容は「未来編」「宇宙編」「復活編」「望郷編」を総括したような作品になっている。
 
 
 
===== あらすじ=====
 
西暦23xx年。人類はスペース・リープ航法という手段を発明し、自由に宇宙を移動していた。主人公は牧村壮吾、29歳、一流の宇宙ハンター。牧村は試験管で生まれた人物であり、家族はオルガと呼ばれるロボットしかいなかった。牧村にとってオルガはアシスタントであり、妻であり、娘であり、かけがえのない存在であった。ある日、牧村は地球連邦移民局の局長であるロック長官に呼ばれる。そこで永遠の命を持つ「火の鳥」という生物を捕獲することを命じられた。牧村はレオーナとチヒロという2人の男女と出会い、一緒に旅に出ることになった。レオーナとチヒロは旅の途中で「エデン17」という惑星に降り立ち、仲間から外れる。牧村はレオーナから火の鳥が住んでいる惑星について聞き出し、そこへ向かった。その惑星は鳥人が人間のように生活している惑星であった。牧村は火の鳥の情報を聞き出すために、ポポヨラという鳥人の娘と接触した。ある日、オルガが突然ポポヨラこそが火の鳥であると語りだす。牧村はそれを知り、ポポヨラと戦い、正体を現した火の鳥から血を貰う。牧村は地球に帰ろうとするが、地球の周辺まで近づくと地球から攻撃を受けるようになった。それは地球の人口増加、食糧危機、宇宙民の反乱などを防ぐために宇宙民を地球に入れないとするロックの判断であった。宇宙民は移民連合を組み、地球と対抗する突撃隊を組織した。牧村は移民の中でレオーナとチヒロの娘である「ロミ」を見つける。ロミは両親であるレオーナとチヒロを亡くし、15歳になり、美しい地球に憧れるようになり移民連合に参加した。牧村はそんなロミに恋をするようになった。牧村は愛するロミのためにロックと戦うことを決意する。移民連合で沢山の人間が亡くなったが、牧村達は地球へと潜り込むことができた。牧村とロミとオルガは、荒れ地に巨大なドームのような建物を発見する。その建物には「猿田彦」という博士が住んでおり、そのドームには世界中の動物・植物が冷凍保存され集められていた。その時、地球は連鎖爆発を起こし、滅びてしまう。猿田博士も死に、オルガも牧村をかばって破壊。地球上で生き残ったのは牧村とロミだけであった。そして二人は…。
 
 
 
===== スタッフ(予定されていた内容) =====
 
* 制作、総指揮、監督 - 手塚治虫
 
* 監修 - 市川崑
 
* 脚本 - 手塚治虫、谷川俊太郎
 
1時間45分-2時間
 
 
 
==== 火の鳥2772 愛のコスモゾーン ====
 
[[1980年]]公開の映画作品。手塚治虫が原案・構成・総監督を務めた。
 
 
 
{{main|火の鳥2772 愛のコスモゾーン}}
 
 
 
==== 火の鳥 鳳凰編 ====
 
{{Infobox Film
 
| 作品名 = 火の鳥 鳳凰編
 
| 原題 =
 
| 画像 =
 
| 画像サイズ =
 
| 画像解説 =
 
| 監督 = [[りんたろう]]
 
| 脚本 = [[高屋敷英夫]]<br />[[金春智子]]
 
| 原案 =
 
| 原作 =
 
| 製作 = りんたろう<br />[[丸山正雄]]<br />岩瀬安輝
 
| 製作総指揮 = [[角川春樹]]
 
| ナレーター =
 
| 出演者 = [[堀勝之祐]]<br />[[池田昌子]]
 
| 音楽 = 石川光<br />[[宮下富実夫]]
 
| 主題歌 = [[渡辺典子]]「[[火の鳥 (渡辺典子の曲)|火の鳥]]」<br />(作詞:[[阿久悠]]、作曲:宮下富実夫、編曲:[[瀬尾一三]])
 
| 撮影 = 石川欽一
 
| 編集 = 尾形治敏
 
| 制作会社 = プロジェクトチーム・アルゴス<br />[[マッドハウス]]
 
| 製作会社 =
 
| 配給 = [[東宝]]
 
| 公開 = {{flagicon|JPN}} [[1986年]][[12月20日]]
 
| 上映時間 = 60分
 
| 製作国 = {{JPN}}
 
| 言語 = [[日本語]]
 
| 製作費 =
 
| 興行収入 =
 
| 配給収入 = 2億3000万円<ref>[[中川右介]]『角川映画 1976-1986 日本を変えた10年』[[KADOKAWA]]、2014年、283頁。ISBN 978-4-04-731905-9。</ref>
 
| 前作 =
 
| 次作 =
 
}}
 
[[1986年]]公開。同時上映は[[真崎守]]監督の『[[時空の旅人]]』。
 
 
 
ストーリーについては、[[#執筆された作品]]を参照。
 
 
 
===== 声の出演 =====
 
* 我王 - [[堀勝之祐]]
 
* 茜丸 - [[古川登志夫]]
 
* 速魚 - [[麻上洋子]]
 
* ブチ - [[小山茉美]]
 
* [[吉備真備]] - [[大塚周夫]]
 
* 火の鳥 - [[池田昌子]]
 
* ナレーション - [[城達也]]
 
* その他(役名表示なし) - [[塩沢兼人]]、[[田中和実]]、[[屋良有作]]、[[松井摩味]]、[[池水通洋]]、[[平野正人]]、[[田中康郎]]、[[柳沢三千代]]
 
 
 
===== スタッフ =====
 
* 監督:[[りんたろう]]
 
* 製作:[[角川春樹]]
 
* プロデューサー:[[丸山正雄]]、りんたろう、[[岩瀬安輝]]
 
* 脚本:[[高屋敷英夫]]、[[金春智子]]
 
* 作画監督:[[さかいあきお]]
 
* 美術監督:[[椋尾篁]]
 
* 撮影監督:[[石川欽一]]
 
* 編集:[[尾形治敏]]
 
* 音響監督:[[宮下富実夫]]
 
* 音楽プロデューサー:[[石川光]]
 
 
 
=== OVA ===
 
==== 火の鳥・ヤマト編 ====
 
1987年8月1日発売。ストーリーについては、[[#執筆された作品]]を参照。
 
 
 
===== 声の出演 =====
 
* オグナ - [[井上和彦 (声優)|井上和彦]]
 
* カジカ - [[鶴ひろみ]]
 
* 川上タケル - [[屋良有作]]
 
* イマリ - [[塩屋浩三]]
 
* 第一王子 - [[徳丸完]]
 
* ヤマトの王 - [[岸野一彦]]
 
* 火の鳥 - [[池田昌子]]
 
 
 
===== スタッフ =====
 
* 監督:[[平田敏夫]]
 
* 製作:[[角川春樹]]、[[植村伴次郎]]
 
* 企画:田宮武、[[中川真次]]
 
* プロデューサー:[[りんたろう]]、[[丸山正雄]]
 
* 脚本:[[高屋敷英夫]]、[[金春智子]]
 
* キャラクターデザイン・作画監督:[[さかいあきお]]
 
* 撮影:山口仁、[[松村康弘]]
 
* 美術監督:松岡聡
 
* 撮影監督:[[石川欽一]]
 
* 編集:[[尾形治敏]]
 
* 音楽監督:[[宮下富実夫]]
 
* 音響監督:[[明田川進]]
 
* 音楽プロデューサー:[[石川光]]
 
* 制作スタジオ:[[マッドハウス]]、[[プロジェクトチーム・アルゴス]]
 
 
 
==== 火の鳥・宇宙編 ====
 
1987年12月21日発売。ストーリーについては、[[#執筆された作品]]を参照。
 
 
 
===== 声の出演 =====
 
* 猿田 - [[堀勝之祐]]
 
* 牧村 - [[神谷明]]
 
* ナナ - [[戸田恵子]]
 
* 城之内 - [[玄田哲章]]
 
* 奇崎 - [[塩沢兼人]]
 
* 隊員 - [[大倉正章]]
 
* 火の鳥 - [[池田昌子]]
 
 
 
===== スタッフ =====
 
* 監督:[[川尻善昭]]
 
* 製作:[[角川春樹]]、[[植村伴次郎]]
 
* 企画:田宮武、[[中川真次]]
 
* プロデューサー:[[りんたろう]]、[[丸山正雄]]
 
* 脚本:[[高屋敷英夫]]、[[金春智子]]
 
* 作画監督:[[野田卓雄]]
 
* メカニカルデザイン・設定デザイン:[[稲垣賢吾]]
 
* 美術監督:[[池田祐二]]
 
* 撮影監督:[[石川欽一]]
 
* 編集:[[尾形治敏]]
 
* 音楽監督:[[宮下富実夫]]
 
* 音響監督:[[明田川進]]
 
* 音楽プロデューサー:[[石川光]]
 
* 制作スタジオ:[[マッドハウス]]、[[プロジェクトチーム・アルゴス]]
 
 
 
=== テレビアニメ ===
 
[[2004年]]に手塚プロダクション制作、[[日本放送協会|NHK]]-[[NHKデジタル衛星ハイビジョン|BSハイビジョン]]([[NHK総合テレビジョン|総合テレビ]])にて本放送された。火の鳥を演じた[[竹下景子]]はアニメ映画『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』以来24年ぶりの火の鳥での出演である。
 
 
 
放送エピソードは「黎明編」・「復活編」・「異形編」・「太陽編」・「未来編」。内容は一貫して愛憎両面での父子関係ないしは擬似父子関係を重視したものに大幅に短縮・改編され、編によってはほぼ別物語に近いものもある。また、原作漫画の実験的表現はほぼ完全に排されている。
 
 
 
[[ハイビジョン]]制作、[[5.1chサラウンド]]音声作品。
 
 
 
NHKでは様々なチャンネルで何度も放送されている。
 
 
 
ストーリーについては、[[#執筆された作品]]を参照。
 
 
 
* BSハイビジョン
 
** [[2004年]]3月に先行放送開始。同年4月より毎週金曜19時30分からレギュラー放送。
 
** [[2005年]]元旦に全編再放送。
 
** [[2009年]]3月31日より「ハイビジョン アニメシリーズ」枠内にて毎週火曜19時25分から放送。
 
* 総合テレビジョン
 
** 2004年4月 - 6月 [[NHKアニメ劇場]]枠にて毎週日曜19時30分から放送。
 
** 2005年4月、[[ミッドナイトチャンネル]]枠内で土曜深夜24時50分から25時15分に放送された。
 
 
 
==== 声の出演 ====
 
* 火の鳥 - 竹下景子
 
* ナレーション - [[久米明]]
 
{{col|
 
* '''黎明編'''
 
** ナギ - [[竹内順子]]
 
** 猿田彦 - [[小村哲生]]
 
** グズリ - [[中尾みち雄]]
 
** ヒナク - [[玉川砂記子|玉川紗己子]]
 
** [[卑弥呼|ヒミコ]] - [[来宮良子]]
 
** 弓彦 - [[てらそままさき|寺杣昌紀]]
 
** スサノオ - [[津田英三]]
 
** 族長 - [[大塚明夫]]
 
** ウズメ - [[中谷ゆみ]]
 
** カマムシ - [[飯塚昭三]]
 
** ウラジ - [[屋良有作]]
 
** おばば - [[瀬畑奈津子]]
 
** おじじ - [[依田英助]]
 
** 呪術師 - [[宮田光]]
 
** 長老 - [[西川幾雄]]
 
** タケル - [[浪川大輔]]
 
** フキ - [[中川亜紀子]]
 
** ヤズチ - [[野島裕史]]
 
** 田力男 - [[土屋利秀]]
 
** 侍女 - [[出口佳代]]
 
** 侍女 - [[中川亜紀子]]
 
** 兵 - [[木村雅史]]
 
** 兵 - [[近藤孝行]]
 
** 侍従 - [[辻村真人]]
 
** 兵士 - [[長嶝高士]]
 
** 兵士 - [[松本大 (声優)|松本大]]
 
** 兵士 - [[小谷津央典]]
 
** 兵の声 - [[秋元羊介]]、小谷津央典
 
 
 
* '''復活編'''
 
** レオナ - [[佐々木望]]
 
** チヒロ - [[小林美佐]]
 
** ランプ - [[広瀬正志]]
 
** ニールセン - [[小川真司]]
 
** レイコ - [[大坂史子]]
 
** 猿田博士 - 小村哲生
 
** ロビタ - [[牛山茂]]
 
** レオナの父 - [[岩尾万太郎]]
 
** レオナ(子供時代) - [[高木礼子]]
 
** 少年 - [[久保田恵]]
 
** 職員 - 岩男万太郎、[[麻生智久]]、[[田中完]]
 
** 声 - 近藤孝行
 
|
 
* '''異形編'''
 
** 左近介 - [[浅野まゆみ]]
 
** 八百比丘尼 - [[久保田民絵]]
 
** 可平 - [[島田敏]]
 
** 家正 - 小村哲生
 
** 家老 - [[岸野一彦]]
 
** 村長 - 長嶝高士
 
** 老婆 - [[定岡小百合]]
 
** 母 - [[平辻朝子]]
 
** 村人 - 松本大、[[上田陽司]]、[[保村真]]
 
 
 
* '''太陽編'''
 
** 犬上(ハリマ、クチイヌ) - [[松本保典]]
 
** マリモ - [[内川藍維]]
 
** おばば - [[巴菁子]]
 
** 猿田 - 小村哲生
 
** ルベツ - [[菅生隆之]]
 
** [[天武天皇|大海人皇子]] - [[内田直哉]]
 
** 大王天智 - [[池田勝]]
 
** 法弁 - [[大木民夫]]
 
** 蘇我果安 - [[藤本譲]]
 
** 蘇我安麻呂 - [[柳沢栄治]]
 
** 月壇 - [[楠見尚己]](その二)、[[江川央生]]
 
** 火檀 - 楠見尚己
 
** 木檀 - [[廣田行生]]
 
** 大友皇子 - [[神谷浩史]]
 
** 韓国 - [[渡部猛]]
 
** 高市皇子 - [[野島健児 (声優)|野島健児]]
 
** 日壇 - [[岩崎ひろし]]
 
** 大后 - [[小金沢篤子]]
 
** 伊吹丸 - [[郷里大輔]]
 
** 将軍 - [[坂口候一]]
 
** 村長 - 麻生智久
 
** 国司 - [[仲野裕]]
 
** 兵士 - 服巻浩司、小谷津央典
 
** 農夫 - 宮田光
 
** 男 - [[最上嗣生]]
 
** 女 - [[茂呂田かおる]]
 
** 役人 - [[西脇保]]、[[中嶋聡彦]]
 
** 従者 - 保村真
 
** 里人 - 上田陽司、小谷津央典
 
** 子ども - [[樋口あかり]]
 
** 側近 - 服巻浩司
 
** 側近 - 小谷津央典
 
** 農民 - [[土屋利秀]]
 
** 村人 - 上田陽司
 
|
 
* '''未来編'''
 
** 山之辺マサト - 浪川大輔
 
** タマミ - [[冬馬由美]]
 
** ロック - [[桐本琢也]]
 
** 猿田博士 - 小村哲生
 
** ロビタ - 牛山茂
 
** アダム - [[水島大宙]]
 
** フィメール - [[夏樹リオ]]
 
** マサト(老人) - [[阪脩]]
 
** 少年 - [[佐藤ゆうこ (声優)|佐藤ゆうこ]]
 
** 少女 - 中川亜紀子
 
** 赤ん坊 - 樋口あかり
 
** 原人 - [[幸田昌明]]
 
}}
 
 
 
==== スタッフ ====
 
* 原作 - 手塚治虫
 
* 監督 - [[高橋良輔 (アニメ監督)|高橋良輔]]
 
* 作画監督・キャラクターデザイン - [[杉野昭夫]]、内田裕、[[西田正義]]、大下久馬
 
* 美術監督 - [[河野次郎]]、[[西田稔]]、斉藤雅巳、柴田正人
 
* 色彩設定 - 箕輪綾美、小林美代子
 
* 撮影監督 - 中村圭介
 
* 音楽 - [[内池秀和]]、[[野見祐二]]
 
* 音響監督 - [[小林克良]]
 
* アニメーションプロデューサー - 清水義裕、宇田川純男
 
* 制作統括 - [[貴志謙介]]、冨永慎一
 
* アニメーション制作 - [[手塚プロダクション]]
 
* 国際共同制作 - [[:en:WNET|Thirteen/WNET New York]]
 
* 共同制作 - [[NHKエンタープライズ]]
 
* 制作・著作 - NHK
 
 
 
==== 主題歌 ====
 
; オープニングテーマ「火の鳥」
 
: 作曲 - [[内池秀和]] / 編曲 - [[野見祐二]] / 演奏 - [[チェコ・フィルハーモニー管弦楽団]]、[[チェン・ミン]]、[[諫山実生]]
 
: オーケストラによる演奏。諫山実生によるコーラスがあるが、歌詞はない。
 
; エンディングテーマ「[[火の鳥 (中島美嘉の曲)|火の鳥]]」
 
: 作詞 - [[湯川れい子]] / 作曲 - [[内池秀和]] / 編曲 - [[冨田恵一]] / 歌 - [[中島美嘉]]
 
: エンディングの映像は宇宙空間をバックに、きらめく火の鳥を映したものとなっている。
 
 
 
==== 各話リスト ====
 
{| class="wikitable" style="font-size:small"
 
|-
 
!話数!!放送日!!サブタイトル!!脚本!!絵コンテ!!演出!!作画監督!!美術監督
 
|-
 
|第1話||'''2004年'''<br />4月4日||黎明編 その一||rowspan="4"|[[鈴木良武|五武冬史]]||[[寺田和男]]||吉村文宏||[[杉野昭夫]]||rowspan="2"|[[河野次郎]]
 
|-
 
|第2話||4月11日||黎明編 その二||吉村文宏||津田義三||杉野昭夫<br />高橋直樹
 
|-
 
|第3話||4月18日||黎明編 その三||colspan="2" style="text-align:center"|[[竹内啓雄]]||杉野昭夫||河野次郎<br />安原稔
 
|-
 
|第4話||4月25日||黎明編 その四||colspan="2" style="text-align:center"|[[青山弘]]||杉野昭夫<br />垪和等<br />大下久馬||河野次郎
 
|-
 
|第5話||5月2日||復活編 その一||rowspan="2"|[[長谷川圭一]]||[[波多正美]]||吉村文宏||内田裕||rowspan="2"|斉藤雅巳
 
|-
 
|第6話||5月9日||復活編 その二||鈴木卓夫||萩原露光||内田裕<br />渡辺章
 
|-
 
|第7話||5月16日||異形編||colspan="2" style="text-align:center"|[[杉井ギサブロー]]||大下久馬<br />水野健太郎||大下久馬||河野次郎
 
|-
 
|第8話||5月23日||太陽編 その一||rowspan="4"|[[野崎透]]||竹内啓雄||伊藤幸松||西田正義<br />清水恵蔵||rowspan="4"|柴田正人
 
|-
 
|第9話||5月30日||太陽編 その二||colspan="2" style="text-align:center"|[[桑原智]]||西田正義
 
|-
 
|第10話||6月6日||太陽編 その三||colspan="2" style="text-align:center"|竹内啓雄||西田正義<br />瀬谷新二
 
|-
 
|第11話||6月13日||太陽編 その四||colspan="3" style="text-align:center"|西田正義
 
|-
 
|第12話||6月20日||未来編 その一||rowspan="2"|[[小林弘利]]||colspan="2" style="text-align:center"|吉村文宏||rowspan="2"|杉野昭夫||rowspan="2"|[[西田稔]]
 
|-
 
|第13話||6月27日||未来編 その二||波多正美||鈴木卓夫
 
|}
 
 
 
=== プラネタリウム用アニメーション映画 ===
 
{{Infobox Film
 
| 作品名 = 火の鳥 -絆編-
 
| 原題 =
 
| 画像 =
 
| 画像サイズ =
 
| 画像解説 =
 
| 監督 = [[河口俊夫]]
 
| 脚本 =
 
| 原案 =
 
| 原作 =
 
| 製作 =
 
| 製作総指揮 =
 
| ナレーター =
 
| 出演者 =
 
| 音楽 =
 
| 主題歌 =
 
| 撮影 =
 
| 編集 =
 
| 製作会社 =
 
| 配給 =
 
| 公開 = {{flagicon|JPN}} [[2012年]][[7月]]([[プラネタリウム]]専用映画)
 
| 上映時間 = 25分
 
| 製作国 = {{JPN}}
 
| 言語 = [[日本語]]
 
| 製作費 =
 
| 興行収入 =
 
| 前作 =
 
| 次作 =
 
}}
 
『'''火の鳥 -絆編-'''』(ひのとりきずなへん)は2012年に公開されたプラネタリウム専用アニメーション映画である。秋田県能代市・能代市子ども館 、宮城県大崎市パレットおおさき(大崎生涯学習センター)、茨城県つくば市つくばエキスポセンターで上映<ref>[http://tezukaosamu.net/jp/mushi/201208/special2.html 虫ん坊「火の鳥絆編 河口俊夫監督インタビュー」](2012年8月号)</ref>。
 
 
 
主人公の平凡な地球人の少年カイは、宇宙へ飛びだったまま連絡が途絶えた父の帰りをずっと待っていた。しかし、父は10年経っても帰ってこなかった。ある日、そんなカイの前に炎に包まれた不思議な鳥が現れる。カイはその鳥と宇宙へと旅立つ。そしてカイは父の愛を知る。
 
 
 
=== 舞台 ===
 
* [[青二プロ]]シンフォニックドラマ『火の鳥-黎明編』(1979年)
 
* オペラ『火の鳥-黎明編』(1985年) [[青島広志]]作曲
 
* オペラ『火の鳥-ヤマト編』(1985年) 青島広志作曲
 
* 舞台『スペースファンタジー「火の鳥」』アスペクタ(グリーンピア南阿蘇)落成記念フェスティバルで上演。(1987年)
 
* 舞台劇『火の鳥』(1989年)
 
** [[スペース・ゼロ|全労済ホールスペース・ゼロ]]開館記念として[[杮落とし]]公演。2001年の近未来を舞台にしたオリジナルストーリー。手塚治虫の遺作の一つ。
 
** 出演:[[沖田浩之]]、[[五十嵐いづみ]]、[[隆大介]]、岡本舞、[[湯浅実]]、[[木ノ葉のこ]]
 
* [[宝塚歌劇団|宝塚歌劇]][[花組]]公演『[[火の鳥 (1994年の宝塚歌劇)|火の鳥]]』(1994年)
 
** [[宝塚市立手塚治虫記念館]]開館記念公演。
 
* 松竹音楽劇『火の鳥』(1994年)
 
** 出演:[[岡本健一]]、[[藤真利子]]、[[赤坂晃]]、[[つみきみほ]]、[[笹野高史]]
 
* 舞台『火の鳥』神戸オリエンタル劇場で上演。(1996年)
 
* 舞台『火の鳥・羽衣編』[[劇団民話芸術座]]が全国の学校・ホールで上演(1997年)
 
* ABCミュージカル『火の鳥』(2000年)。演出:[[マキノノゾミ]]、音楽:[[財津和夫]]
 
** 出演:[[萩原流行]]、[[牧瀬里穂]]、[[村井国夫]]、[[鈴木綜馬]]、[[森山未來]]、[[庄野真代]]
 
* 音楽劇『NINAGAWA火の鳥』(2000年)
 
** [[さいたまスーパーアリーナ]]開館記念公演。脚本:[[横内謙介]]、演出:[[蜷川幸雄]]
 
** 出演:[[今井絵理子]]、[[越中睦|MAKOTO]]、[[いかりや長介]]
 
* 民話芸術座『火の鳥・羽衣編』(2004年、再演)
 
* 創作舞踊劇場公演『火の鳥 転生編〜炎のむこうにあなたがいた〜』(2004年)
 
* 音舞劇『火の鳥』東京芸術劇場中ホールで上演(2005年)
 
* [[わらび座]]ミュージカル『火の鳥 鳳凰編』(2008年 - 2009年)
 
** 手塚治虫生誕80周年記念公演
 
** 演出:[[栗山民也]]、脚本:齋藤雅文、音楽:[[甲斐正人]]、美術:[[妹尾河童]]
 
** 出演:[[パク・トンハ]] / [[三重野葵]] / 渡部徹 / 平野進一 / 上野哲也(我王)、戎本みろ(茜丸)、[[碓井涼子 (女優)|碓井涼子]]、[[椿千代]](速魚)
 
* [[人形劇団クラルテ]]『手塚治虫生誕80周年 劇団結成60周年記念公演 火の鳥-黎明編』(2008年-各地を巡演)<ref>同劇団の代表 [[高平和子]]と秋田文庫版の手塚治虫作品集の表紙イラストを手掛けたイラストレーターの[[西口司郎]]は夫婦であり、生前に豪華版単行本のイラストを手掛けた事から手塚とも交流があった。</ref>
 
 
 
=== 小説 ===
 
* 角川書店『火の鳥〈鳳凰編〉』(1986年、著者:山崎晴哉)
 
* 角川書店『火の鳥〈乱世編 上〉大魔王之巻』(1986年、著者:山崎晴哉)
 
* 角川書店『火の鳥〈乱世編 下〉美麗悪魔之巻 』(1987年、著者:山崎晴哉)
 
* 角川書店『火の鳥〈黎明編〉卑弥呼・群狼之巻』(1987年、著者:山崎晴哉)
 
* 講談社『火の鳥2772 (マガジン・ノベルス・スペシャル)』(1995年、著者:並木敏)
 
* ポプラ社『小説 火の鳥 黎明編 (小説火の鳥 1)』(2006年、著者: 大林憲司)
 
* ポプラ社『小説 火の鳥 ヤマト編 (小説火の鳥 2)』(2007年、著者: 大林憲司)
 
* ポプラ社『小説 火の鳥 鳳凰編 (小説火の鳥 3)』(2008年、著者: 大林憲司)
 
* 『火の鳥アトム編』
 
** 二階堂黎人により『SF Japan VOL.3 冬季号 手塚治虫スペシャル (2001年 徳間書店)』の中にて書きおろし。文庫『手塚治虫COVER タナトス篇(2003年 徳間書店)』にも収録。
 
 
 
=== TVゲーム ===
 
* [[火の鳥 鳳凰編 我王の冒険]]([[ファミリーコンピュータ]]、[[コナミ]]、1987年)
 
* [[火の鳥 鳳凰編 (MSX)|火の鳥 鳳凰編]]([[MSX2]]、コナミ、1987年)
 
2作品とも、アニメ映画『火の鳥 鳳凰編』とのメディアミックス作品。パッケージやマニュアルの表紙に映画のイメージ画像が使われているほか、手塚治虫に加えて映画の製作元である角川書店がクレジット表記されている。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{reflist|2}}
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* 漫画
 
** [http://tezukaosamu.net/jp/manga/397.html 手塚治虫公式サイト内作品ページ(マンガ『火の鳥(鳳凰編)』)]
 
** [http://tezukaosamumagazineclub.com/modules/library/library.php?title=%B2%D0%A4%CE%C4%BB 手塚治虫マガジン倶楽部 - 火の鳥]
 
* テレビアニメ
 
** [http://www6.nhk.or.jp/anime/program/detail.html?i=hinotori NHKアニメワールド]
 
* 実写映画
 
** {{Allcinema title|86178|火の鳥}}
 
** {{Kinejun title|18868|火の鳥}}
 
** {{Amg movie|95235|Hi no tori}}
 
** {{IMDb title|0077673|Hi no tori}}
 
* アニメ映画
 
** [http://tezukaosamu.net/jp/anime/16.html 手塚治虫公式サイト内作品ページ(アニメ『火の鳥(鳳凰編)』)]
 
** [http://www.kadokawa-pictures.jp/official/hinotori_hououhen/ 火の鳥 【鳳凰編】 : 角川映画] - [[KADOKAWA]]の紹介ページ
 
** {{Allcinema title|149987|火の鳥 鳳凰編}}
 
** {{Kinejun title|17770|火の鳥 鳳凰編}}
 
** {{Movie Walker|mv17591|火の鳥 鳳凰編}}
 
** {{Eigacom title|41162|火の鳥 鳳凰編}}
 
** {{IMDb title|0185359|Hi no tori: Hôô hen}}
 
 
 
{{前後番組
 
|放送局=[[NHK総合テレビジョン|NHK総合]]
 
|放送枠=日曜19:30 - 19:55枠
 
|番組名=火の鳥<br />(2004年4月4日 - 6月27日)<br />【本作より[[NHKアニメ劇場]]枠】
 
|前番組=[[お宝映像クイズ 見ればナットク!]]<br />※19:20 - 20:00
 
|次番組=[[アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル]]<br />(2004年7月4日 - 2005年5月15日)
 
}}
 
{{手塚治虫}}
 
{{市川崑}}
 
{{マッドハウス}}
 
{{りんたろう監督作品}}
 
{{高橋良輔監督作品}}
 
{{川尻善昭監督作品}}
 
{{講談社出版文化賞児童まんが部門}}
 
  
 +
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{デフォルトソート:ひのとり}}
 
{{デフォルトソート:ひのとり}}
 
[[Category:火の鳥|*]]
 
[[Category:火の鳥|*]]
 
[[Category:手塚治虫の作品]]
 
[[Category:手塚治虫の作品]]
 
[[Category:漫画作品 ひ|のとり]]
 
[[Category:漫画作品 ひ|のとり]]
[[Category:漫画のシリーズ]]
 
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[[Category:児童・幼年雑誌掲載漫画作品]]
 
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[[Category:文芸雑誌掲載漫画作品]]
 
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[[Category:未完の漫画作品]]
 
[[Category:NHKラジオ第1のドラマ]]
 
[[Category:文化放送のラジオドラマ]]
 
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[[Category:仏教を題材とした映画作品]]
 
[[Category:漫画を原作とする映画作品]]
 
[[Category:1978年の映画]]
 
[[Category:市川崑の監督映画]]
 
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[[Category:手塚治虫の実写作品]]
 
[[Category:アニメ作品 ひ|のとり]]
 
[[Category:日本のアニメ映画]]
 
[[Category:1986年のアニメ映画]]
 
[[Category:奈良時代を舞台とした映画作品]]
 
[[Category:りんたろうの監督映画]]
 
[[Category:1987年のOVA]]
 
[[Category:NHK BShiの番組]]
 
[[Category:NHK BSのテレビアニメ]]
 
[[Category:2004年のテレビアニメ]]
 
[[Category:手塚プロダクション]]
 
[[Category:漫画を原作とするミュージカル]]
 
[[Category:日本の小説のシリーズ]]
 
[[Category:歴史を題材とした作品]]
 
[[Category:仏教を題材とした漫画作品]]
 
[[Category:宇宙を舞台としたSF作品]]
 
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[[Category:滋賀県を舞台とした作品]]
 
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[[Category:飛鳥時代を舞台とした作品]]
 
[[Category:奈良時代を舞台とした作品]]
 
[[Category:平安時代を舞台とした作品]]
 
[[Category:治承・寿永の乱を題材とした作品]]
 
[[Category:鎌倉時代を舞台とした作品]]
 
[[Category:室町時代を舞台とした作品]]
 

2018/12/28/ (金) 00:41時点における最新版

火の鳥』(ひのとり)

手塚治虫による漫画作品。その血を飲めば永遠の命を得られるという火の鳥を中心に、古代から未来まで、地球から宇宙を舞台に、生命の本質を描いたシリーズ長編。『漫画少年』1954年7月号~1955年5月号、『少女クラブ』1956年5月号~1957年12月号、『COM』1967年1月号~1978年3月号、『マンガ少年』1978年4月号~1981年4月号、『野生時代』1986年1月号~1988年2月号に連載。最新版は講談社手塚治虫文庫全集全11巻+少女クラブ版全1巻。第1回(1970年)講談社出版文化賞児童まんが部門受賞。1978年市川昆監督により実写映画が、1980年と1986年に劇場用アニメが公開され、2004年にはNHKでアニメが放映された。



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