洗い越し

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国道352号・奥只見湖岸の洗い越しを福島県方面へ向かう自動車。

洗い越し（あらいごし）は、川に橋を架けずに道路と川が平面交差している構造のことである。大規模な河川に対する横断路は、渡し、川越（かわごし）などとかつて呼ばれていた。現在では、渡渉点等とも呼ばれる。

名残り

徒歩での渡渉が可能な場所は旅のみならず、交易や戦争にとって重要であり、世界各地でこうした場所のそばに城や関所、町や市が建ってきた。英語の「ford」（フォード、「オックスフォード」などのフォード）、ドイツ語の「Furt」（フルト、「フランクフルト」などのフルト）をはじめとして、河の洗い越しのそばに立った町であることを示す地名は各国に存在する。日本でも、大河に対する渡り場は、渡り、渡し、川越、河越と呼ばれ、今も各地にそのような地名が残る。「川越し人足」による「徒歩渡し、輩台渡し、馬渡し」を行っていた東海道の大井川の渡しは有名である。

現代の洗い越し

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公園内の舗装された洗い越しを渡るピックアップトラック。
（アメリカ合衆国イリノイ州）

現在では大河や都心部の川には橋がかけられるのが普通であるため、洗い越しが見られるのは、橋を架けることが費用対効果に見合わない山岳部や農村地帯に限られている。また自然公園などでは、景観や自然保護のため、あえて洗い越しにしておくことがある。しかし、大抵の洗い越しは前後の道路が砂利道の場合でも、川底だけはコンクリート舗装や石畳にして、自動車のタイヤが埋もれないような処置がなされている。

現在の日本では洗い越しは少なく、それのある国道や県道が、いわゆる「酷道」や「険道」として名所になっているところもある。

降雨時及びその後は、水量が増すため通行禁止になることもあり、通行出来る場所（場合）でも細心の注意が必要である。

主な洗い越し箇所

国道

• 国道157号（国道418号重複）（岐阜県本巣市根尾黒津 - 温見峠間）
• 国道352号（奥只見湖沿い）

県道

• 滋賀県道34号多賀永源寺線
• 香川県道・徳島県道3号志度山川線

市町村道

• 秋田県大仙市大神成・太田町の市道（斉内川）
• 三重県菰野町竹成・榊の町道（朝明川と焼合川の合流点）潜水橋と表示
• 徳島県美馬市道脇町390号線（曽江谷川）

林道

• 林道経ヶ岳線（旧国道361号、権兵衛街道）
• 富津市宇藤原の林道（高宕川）

農道

• 大多喜町大戸の農道（夷隅川）

洗い越しでの代表的な戦い

以下に、有名な洗い越しで起きた戦いを記述する。

• 川中島の戦い
• バッフィントン島の戦い
• チャンセラーズヴィルの戦い
• アッサイェの戦い

フィクション

• 愚者の渡しの防御 - 1904年に発行された兵法書。周囲で唯一車両が渡河できる「愚者の渡し」の防衛を小説仕立てで説明している。

関連項目

• 平面交差
• 酷道
• 沈下橋 - 増水時には水面下に沈む様に設計された橋。
• もぐり橋
• 飛び石 (橋)
• 渡し船
• 川口浩探検隊シリーズ - 番組内にてジープで渡渉するシーンがたびたび登場した。