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'''超宗・法の華三法行''' (ちょうしゅうほうのはなさんぽうぎょう) は、かつて[[静岡県]][[富士市]]に本部を置いていた[[新宗教]]団体。[[教祖]]の[[福永法源]](本名:福永輝義、国司院常照とも称する)以下幹部が[[霊感商法]]に関わる[[詐欺罪]]で摘発された事により解散した。しかし、その後も残党が「'''よろこび家族の和=天華の救済'''」と名を変え活動を続けていたが、2014年3月には福永法源が模範囚として刑期を短縮され出所<ref>[https://taishu.jp/articles/-/44825 最高ですかー?”福永法源が警鐘!! 「老後マネー」最高な防衛術] 日刊大衆 2015年7月7日</ref>、2015年には「復活祭」が大々的に行われ、実質的な活動が再開された<ref>[http://dailycult.blogspot.jp/2015/04/blog-post_9.html "最高ですか~!" 元法の華・福永法源の反省なき"復活祭”] やや日刊カルト新聞 2015年4月9日</ref>。福永らは出所後も「天声は天法大師法源法師さまを通して、私たち人類に伝えられています」などと主張している<ref name="kito">[http://homepage1.nifty.com/kito/hounohana.jouhou.htm 法の華情報 弁護士紀藤正樹のLINC!]</ref>。
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== 概要 ==
 
=== 創始 ===
 
法の華三法行は、昭和55年(1980年)1月6日に[[東京都]]で福永法源により創始された<ref name="hounohana">富士市、『富士市史』通史編(行政)昭和六十一年~平成二十八年、2018年</ref>。その後[[埼玉県]][[川口市]]で、「億万長者養成道場」「右脳塾院」「人間社長塾」等の看板を掲げて[[自己啓発セミナー]]事業を本格化させた。参加者を肉体的・精神的に疲労させ「最高です!」など単純な[[スローガン]]を連呼させる[[マインドコントロール]]手法を用い、[[週刊誌]]にタイアップ記事を打ったり、[[ワイドショー]]の取材を受けるなどして教勢を拡大した。
 
 
 
=== 天声村設立 ===
 
昭和59年([[1984年]])11月には静岡県富士市伝法にプレハブを作り、同地で布教活動を行うようになる。これを契機として同教団は富士市の地を拠点とするようになった。昭和62年([[1987年]])[[3月20日]]には、静岡県知事の[[宗教法人]]認証を受けた<ref name="hounohana" />。法人登記の目的欄には次のように記載されていた。
 
{{quotation|『南無天法地源如来行』を本尊とし、『法の華三法行』の教義をひろめ、儀式行事を行い、信徒を教化育成することを目的とし、その目的を達成するために必要な業務を行う。}}
 
 
 
その後法の華三法行は同市厚原字大石に本部移転を行い「'''天声村'''」という本部研修場の建設を進めるようになった。天声村は昭和63年([[1988年]])建設の「天地堂」(1,483.16㎡)、平成元年([[1989年]])建設の「天行堂」(933.86㎡)、平成3年([[1991年]])建設の「寄宿舎」(668.96㎡)などからなり、平成5年(1993年)には社務所(1,521㎡)・温行館(842.30㎡)が建設された<ref name="hounohana" />。法の華三法行の関連施設は本部所在地の富士市内だけでも相当な規模であり、平成7年時点で計21,120.64㎡(本部の所在する富士市のみ)にも上ったという<ref name="hounohana" />。また[[渋谷区]]の[[世界基督教統一神霊協会|統一教会]]本部に隣接する[[渋谷区]][[松濤]]にも豪華な施設を構えた。「宗教を超えるもの」だとして「超宗」を自称し、[[東京都区部|都内]]の[[東海道新幹線]]や[[首都高速道路]]沿いに「天行力」の大看板を掲げ、テレビやラジオで放送枠買い取り番組を流したり、著書の広告を四大新聞に打つなどして知名度を上げ、[[東京ドーム]]で「天行力大祭」を挙行した平成7年([[1995年]])の最盛期には、公称信徒数10万人を豪語した。また[[1995年]]の[[オウム真理教事件]]以降、福永は'''法師'''と呼ばせていたという<ref name="kito/hounohana">[http://homepage1.nifty.com/kito/hounohana.syoutai.htm 弁護士紀藤正樹 宗教法人法の華三法行とは?]</ref>。平成13年にかけては「天声村ユートピア完成計画」が練られ、天声大門(23m×10m×14.6m)が建設され毎夜ライトアップされた上に、蓮池金堂等も設けられる予定であった。しかしこの段階になると富士市の住民より苦情が相次ぐようになっていた。騒音・交通渋滞・修行者の徘徊、無造作な教団施設拡大計画が問題視されていたという<ref name="hounohana" />。そのため平成8年には教団側は蓮池金堂の建設中止を決定した。
 
 
 
=== 摘発から逮捕まで ===
 
平成11年([[1999年]])[[11月19日]]、[[栃木県警]]が信者らを摘発した。同年[[12月1日]]、[[強制捜査]]に着手。[[12月7日]]には関東在住の[[被害者]]5人が教祖である福永をはじめ13人を告訴した<ref name="kito"></ref>。平成12年([[2000年]])[[4月28日]]、[[福岡]]で法の華に対し初めての[[損害賠償]][[判決]]が下る。そして[[5月9日]]に福永法源は逮捕された。[[5月29日]]の起訴後[[9月1日]]に刑事裁判が開始され、[[12月25日]]に東京法の華第1次訴訟で被害者らが全面勝訴した<ref name="kito"></ref>。教団は'''足裏診断'''と称する個人面談において、「前世の悪い因縁を放っておくとガンになる」「このままでは2001年に人類は滅亡する」等マニュアル化された脅し文句で信者の不安を煽り、[[仏舎利]]と称する物や福永の手形色紙等を売りつけていた。また「法納料」の名目で多額の金銭を巻き上げた行為が[[詐欺罪]]に問われ、教組の福永と実質的経営者だった福永の実母の[[井本房子]]、教団ナンバー2の星山康天こと[[李康天]]を含む幹部のほぼ全員にあたる12名が摘発された。被害総額は600億円以上に達し、事件発生当時の平成12年(2000年)では[[豊田商事事件]]に次ぐ大型詐欺事件であった。翌平成13年([[2001年]])[[3月29日]]に教団は[[破産宣告]]を受け<ref>官報 2001年4月18日 号外79号 47ページ</ref>、宗教法人としても解散処分を受けた。平成15年(2003年)4月23日に破産手続終結<ref>官報 2003年5月13日 号外104号 118ページ</ref>の決定をもって解散した<ref name="kito"></ref>。
 
 
 
=== 逮捕後 ===
 
福永は平成17年([[2005年]])7月15日、[[東京地方裁判所]]で[[懲役]]12年([[求刑]]懲役13年)の実刑を言い渡された。平成18年([[2006年]])12月1日[[東京高等裁判所]]の控訴審で原審維持の決定、[[最高裁判所 (日本)|最高裁判所]]第二[[小法廷]]も[[2008年]]8月29日上告棄却したため、有罪判決が確定し収監された。公判においては教団の[[組織犯罪]]行為が認定され、その他の元幹部に対しても各々有罪が確定した。平成23年([[2011年]])1月に一部幹部が大元の流れを汲んだ団体「天華の救済」を立ち上げ活動を行っており、天華の救済公式サイトで法の華三法行との関係性を認めている<ref>[http://universal-joy.net/public/kyuusai.html 「法の華三法行」と当団体との関係性について -天華の救済 公式ホームページ-] (2018年4月現在、団体名は「第3救済 慈喜徳会」に改称されている)</ref>。
 
 
 
== 勧誘手法 ==
 
#多くは法の華三法行の教祖福永法源の著書に接することに始まる。株式会社アースエイドから『病苦を超える最後の天行力』ほか多数の著書を書店の目立つ箇所に山積みさせさも人気があるやに見せかけ、その他、街頭の[[看板]]、[[電車]]の中吊広告などを利用し[[宣伝]]を行うほか、街頭、駅周辺、[[病院]]周辺などで、著書の無料配布も行う。福永が複数の[[ディプロマミル]]から名誉博士号を購入して以降、[[環境問題]]専門家の『エコロジスト』とも名乗り出し、著名人([[マザー・テレサ]]、[[ビル・クリントン]]、[[サティヤ・サイ・ババ|サイババ]]、[[アグネス・チャン]]、[[吉村作治]]ら)との会談を、[[機関紙]]の『ゼロの力学』『さくら新聞』『アースエイド』『エコボイス』等に連載、売名活動に勤しんだ他、『マルタカ』等の実業部門も運営した。
 
#有名人([[英国]]元首相[[サッチャー首相]]、[[クリントン大統領]]など)との対談の様子を演出して交友関係があるかのように装い<ref>[https://www.dailyshincho.jp/article/2015/08080815/?all=1 【詐欺師の素顔】足裏診断の怪僧「福永法源」十八番の嘘は「ローマ法王に後を頼むと3度言われた」] デイリー新潮 2015年8月6日</ref>、テレビ出演なども行う。
 
#著書の中に[[アンケート]]はがきを入れ、回答者には小冊子を[[プレゼント]]すると記載し、回答すると法の華に所属する者から勧誘の電話等が入る。アンケートの内容は、回答者の抱える悩みなど心理状態が分かるよう工夫されている。勧誘では、回答を利用し「足裏診断」へ誘いだす。
 
 
 
== 足裏診断 ==
 
「天の気は頭から入って足から抜ける」との独自仮説により、足の裏を見ればその人の健康状態から仕事の悩み・家庭の悩みなど全てが判ると説いた。「足裏」にはツボがあり健康との関係が広く知られていることを悪用したとされる。
 
 
 
足裏診断の手法や相談者への説得手法を記載した「足裏診断マニュアル」を作成し、教団関係者に教育徹底するなど、他の団体から'''[[霊感商法]]'''のノウハウを学んだと指摘されている。
 
 
 
== 教団の用語 ==
 
福永には[[生長の家]]や[[自然の泉]]の信者だった時期があり、教義や用語に関連性が見られるとされる。
 
* 天声 研修終了後に要求される高額な金銭に対する言葉<ref name="hounohana" />
 
* 天行力(生きとし生けるものに等しく降り注ぐ生命活性エネルギー)
 
* 頭を取る(「アタマを取る」とも書く。目の前の現象に振り回されない自分に成ること)
 
* 「最高ですか~!?」「最高です!」(現在この瞬間が最高と思えるようにならねば、決して幸せは来ないとの教え)
 
* 足裏診断(「足裏鑑定」とも)
 
* 没我
 
* 七観行
 
* 天声村(教団本部)
 
* 三法行(法唱、法筆、法座をする行)
 
* '''般若天行'''
 
:釈尊教典の最も優れたとされる「[[般若心経]]」を単に心で拝むお経や知識としてにとどまらず、さらには人間本来の内なるものを引き出す実践に徹するために、般若心経を生活に活かす「心の行」として繰り返す実践法としてできた。「天華天行力三法行」は、276文字の「般若天行」を、願わず、求めず、繰り返し唱え、書くことにより、大自然のリズムと調和し、人間の意識を超越した「行」となり、いつしか人間本来のよろこびを毎日の生活の中で味わうことができるのだ、と説明<ref name="universal-joy">[http://universal-joy.net/outline/about_hannya/ 天下の救済公式サイト](2018年4月現在、団体名は「第3救済 慈喜徳会」に改称されている)</ref>。
 
 
 
* 法唱(七観行・般若天行を唱えること)
 
* 法筆(般若天行を写経すること)
 
* 法座
 
* 人間完成
 
* 天納金(信者から集めた金銭)
 
* 生態哲学博士(教祖が「学位」と称するもの)
 
* アースエイド(出版事業を行う教団関連会社。2001年、破産)
 
* 超宗
 
* ゼロの力学
 
* 右脳塾院
 
 
 
== 脚注・出典 ==
 
<references />
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* 『新宗教 教団・人物事典』([[井上順孝]]、[[対馬路人]]、[[西山茂]]、[[孝本貢]]、[[中牧允]]、[[弘文堂]]、[[1996年]])ISBN 4335160283
 
* [[別冊宝島]]編集部編 『「カルト」の正体。』 ISBN 4796616853
 
* 別冊宝島編集部編 『[[「救い」の正体]]。』(ISBN 4796694617)  改訂文庫版
 
* [[米本和広]] 『教祖逮捕―「カルト」は人を救うか』 ISBN 4796617191
 
* [[須賀一郎]] 『福永法源の解剖―法の華はなぜ批判されるのか』 (批判書のようだが最後は擁護) ISBN 4434001078
 
* [[蓮見恵司]] 『もう、がまんできない―法の華事件の真相』 (信者側からの反批判) ISBN 4876935181
 
* [[行者]]一同 『私たちはなぜ法の華を信じたのか』 (信者たちによる反批判) ISBN 4872572262
 
* [[段勲]] 『宗教か詐欺か その見分け方―“神”一重の現場を歩く』 ISBN 4898001394
 
* [[吉田司]] 『新宗教の精神構造』 ISBN 4048838458
 
* 吉田司 『宗教ニッポン狂騒曲』 ISBN 4163446508 増補改訂版
 
* 藤田庄市『宗教事件の内側―精神を呪縛される人びと』岩波書店 ISBN 4000234579
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://hougen-official.com/ 福永法源公式ホームページ]
 
* [http://universal-joy.net/ 第3救済 慈喜徳会] (旧称「天華の救済」)
 
 
 
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