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{{国際化|領域=日本|date=2016年4月17日 (日) 05:16 (UTC)}}
 
'''株価'''(かぶか、米:stock prices 英:share prices)とは、当該の[[株式]]に関して、[[株式市場]]において実際に[[約定]]があった[[価格]]のこと。出来値<ref>大辞泉「株価」</ref>。
 
  
なお、「売り注文」または「買い注文」として、売り手や買い手から希望の値段が一方的に提示されたものの、実際には[[約定]]に至らない値段のことは「気配値(けはいね)」と言い、一般に「株価」とは区別されている。
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'''株価'''(かぶか、米:stock prices 英:share prices)
  
株価は一般に、株式市場が開いている間は、様々なものごとの影響を受けて変動する。基本的には、長期的にも短期的にも、また1日の内でも株価は変動しうる。
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 株式につけられた価格。出来値ともいう。一般に上場銘柄の株式の価格であって、その株価は証券市場における需要と供給によって形成される。上場銘柄以外の株式(店頭有価証券)は取引所外売買によって価格が形成され、証券会社ごとに異なることが多いので、出来値とは区別される。株価は一般の商品と同じように基本的には需要と供給によって決まるが、株式は経済的にも法律的にも多くの要素をもっているから、株価の形成過程は非常に複雑で、その分析はきわめてむずかしい。これまで、株価の形成に関して、大別して理論的アプローチと実証的アプローチ(証券市場的アプローチ)が行われてきた。
  
以前は基本的には、「株価は[[市場原理]]で決まる」(自由で一般的な市場参加者の売・買の希望値が折り合った場合に約定(売・買が成立)し株価が形成される)、と初心者向けの教科書などでは解説されたものであるが、実際には純粋な市場原理で株価が決まっていない場合もある。市場によっては[[国家]]が[[株式市場]]に介入し、株価に介入(操作)したり、しようと試みている場合がある。例えば、近年の[[中国]]や最近の(自民党政権下の)日本などにおける株式市場などがそうである。株価を意図的に操作することは「[[株価操作]]」や「[[株価操縦]]」と言う。特定の政権やそのコントロール下に入った[[中央銀行]]だけでなく、一組織や一個人が様々な手法を用いて株価を操作することがある。例えば、[[M&A]]に着手したり、あるいはそうすると見せかけたり、競合他社を使って[[敵対的買収]]をしかけたり、あるいはそうするつもりだと公言したり、また、株式を実際に買う気はないのに(約定しないような価格で)大量に買い注文だけ出して市場参加者の印象を操作したり、あるいは当該企業に関して事実とは全然異なった噂を意図的に流す([[風説の流布]])など、適法/違法、様々な段階のものがある。
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 理論的アプローチとしては第一に理論株価があげられる。株式は株主権という法律上の各種権利が付与されており、もっとも基本的かつ具体的な権利としては果実所得(配当)が得られることである。そこで、不確定ではあるが、この果実所得を客観的には一般利子率で、主観的、実践的には期待利子率で資本還元したものが株価であり、これを理論株価とよんでいる。この場合、果実所得の中心である配当に対する予想、いいかえれば企業収益の変動に関する予測によって評価が変わってくること、さらに一般利子率や期待利子率の変動によっても株価の騰落が影響されるなど、株価の理論的な測定方法は簡単であっても、その実践的な評価測定となると、きわめて複雑多岐な問題が生じてくる。
 
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 ついで、証券市場分析方法による株価形成の理論があげられる。すなわち、株価は需要供給の市場心理説とよばれる法則によって決定されるとする説で、需給関係を動かす要因として、まず市場の人気をあげ、副次的要因としては、(1)利子率、(2)政治経済の変化、(3)企業収益、(4)景気変動、(5)国内企業の労働事情、(6)国民経済の推移、(7)人口問題などの項目をあげている。
株価は一般に、長期的にも、短期的にも、また1日の内でも変動し、様々な値をとる。理論的には売買が成立したすべての価格の数値が株価であり、(現代では、市場の[[サーバ]]のデータベースに残された記録の形で存在し)大量の数字の羅列となりうるもので、変動を続けるその株価を、数字の羅列を避けて視覚的に表す場合は一般に、複雑に波打った[[グラフ]]の形で表現されることになる。
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 以上のような考え方に対して、株式のもつ本質的な価値にその評価の基盤を求める証券分析論がある。証券市場的アプローチでは、多くの株価形成の影響要因をあげているが、それらはまったく過去の関係をもって将来への波及効果を予測しているため、この方法には科学性が乏しいとする指摘がある。そこで、証券分析論に基づく株価論は、企業の収益力を中心に、経済界の今後の推移を予測したうえで、企業の財務分析によって株価を決定しようとするものである。このほか、成長株価論がある。これは、配当が企業の唯一の株価決定要素とみるには、配当が企業の配当政策によってきわめて恣意(しい)的になりがちであり、また表面的配当のみをもって判断することは当を得ないとして、企業収益重視の立場から出されてきたものである。すなわち、株価収益倍数の考え方がそれである。これは、株式市価と1株当りの企業収益との関係から構成され、両者の比率から個々の株価を算定する。その場合、今後の予想収益の測定、1株当りの利益の成長の予測が重要になってくるのはいうまでもない。このほか、確率論の考え方に基づいて株価を予測しようとするランダム仮説などがある。
ある一日の株価に焦点を当てた場合は、当該日に市場が開いてから最初に取引された株価は'''始値'''(はじめね、opening price)、最後に取引された株価は'''終値'''(おわりね、closing price)、[[立会時間]]中で最も高い株価は'''高値'''(たかね、high price)、最も安い株価は'''安値'''(やすね、low price)と呼ぶ。これら四つの値は('''四本値'''(よんほんね))と呼ばれている。
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 以上のように、株価は多くの要因によって変動するので、その予測はきわめて困難であるが、実際に株価がその会社の業績や全体の株価水準からみて適当かどうかを判断するために、日本では株式利回り、アメリカでは株価収益率が用いられる。利回りは、年間の配当金を株価で割ったもので、会社の配当力や投資資金の効率性をみるうえでは適しているが、会社の収益力や成長性などについての考慮はまったく払われていない。これに対して株価収益率は、株価を1株当りの税引き利益で割ったもので、利回りよりも企業の実力が反映されていることから合理的に株価の評価ができるとされ、近年日本でも利用度が高い。なお一部では、過去の株価の動きをグラフ化した罫線(けいせん)が用いられている。これら個々の株価の評価とは別に、株式市場全体の動向をみるためには、平均株価(日経平均株価など)や株価指数(東証株価指数など)が利用される。
なお、[[証券取引所]]内で売買取引をする際の株価を[[呼び値]]とも表現する。株価は、[[呼び値単位]]を[[最小単位]]として変動する。
 
 
 
もともとは株価は上方にも下方にも自由に変動しうるものだったが、株式市場の運営者によっては、「あまりにも急速な変動は好ましくない」「市場参加者にパニックが起きることは防止したほうが良い」などと考え、一日に変動できる株価が一定の範囲に制限している市場もある。この場合の制限が[[値幅制限]]で、株価が[[値幅制限]]の限界まで急騰・[[暴落]]することをそれぞれ[[値幅制限|ストップ高]]・[[値幅制限|ストップ安]]という(ただし、株式が上場された初日において、始値が決定されるまでの間には[[値幅制限]]がない)。
 
 
 
日本の株式市場における株価の決定方式は、大きく二つに分けることができる。一つはオークション方式といい、売買当事者が希望する価格と数量を[[証券取引所]]に告げることにより、証券取引所側で約定を行うもので、日本では一般に使用されている決定方式である。もう一つは[[マーケットメイク]]方式といい、[[マーケットメイカー]]となった証券会社が、確実に成立する気配値を出して売り方と買い方を募るもので、日本ではごく一部の[[銘柄]]において採用されている方式である。
 
 
 
株価の変動を、視覚的に把握するための図のことを[[罫線表]]([[:en:chart]] チャート)と呼ぶ。米国ではもともとは主として[[スティックチャート]](縦長の棒に小さな横線が入ったもの)ばかりが用いられていた。(が、後に日本のロウソク足の存在やその利便性がアメリカ人にも広く知られるようになり、米国ではそれも広まった。)日本では、四本値を[[ローソク足]](ある期間内で、始値に対して終値が相対的に上げたか下げたかが色で直感的に分かるもの)が最も普及しており、スティックチャートはほとんど用いられない。各国の投資家が株価を上手く予想しようと、ある期間内の四本値だけでなく、前後の値の影響も組み込んだ様々なチャートを開発した。例えば[[一目均衡表]]などである。
 
 
 
特定の市場全体の動向を把握するために、その市場で売買される複数の銘柄の株価を元に算出した値が[[株価指数]]である。特に著名なものとしては、米国の[[ダウ平均株価]]、英国の[[FTSE100種総合株価指数]]、[[ドイツ株価指数]]等々が挙げられる。日本国内市場の指数としては[[東証株価指数]](TOPIX)や[[日経平均株価]](225)などが有名である。
 
 
 
株価の予測に関しては、教科書的には、「個々の銘柄(企業)の株価については長期的に見れば企業の経営内容を反映したものになる傾向がある」「経営内容を反映することが多い」、などと説明されることがある。その意味では、基本的な方法としては、当該企業の事業の将来性や[[リスク]]、関わる市場(産業)での競合状態([[コンペティター]]、競合他社の状況)、当該企業の経営に携わる経営者の 経営者としての力量、[[貸借対照表|BS]]・[[損益計算書|PL]]、[[キャッシュフロー]]などの地道な把握、およびその将来の変化を予測することで、株価の長期の具体的な予想をしたり、あるいは変動域を想定しておく、というオーソドックな方法がある。様々なファンドの担当者やいわゆる「機関投資家」は、一般に、そうした基本的なことの把握には努めている。
 
 
 
だが、常に最新の情報を把握し各企業を再評価することに努めていることが多い[[機関投資家]]であっても値動きの予測を外す事が多々あることから、投資家の間では確実な値動きの予測は難しいとされている。
 
 
 
また昔から、多くの理論家が、理論だけで株価を予想できるような、そんな理論を構築したい、と夢を見て、もがいてきたが、実際にはあまりうまくいっていない歴史がある。
 
最近でも、確率微分方程式を用いて、株価の大まかな将来予測を行おうとする研究も進められている。が、実際には株価には、(理論で予想された株価とは異なった結果にしようと)現実の人間的、[[政治]]的な力が影響・介入したり、また現実世界での個々の[[事故]]・[[天災]] 等の影響も受けるので、結局のところ、株価は純理論だけでは予想できないものになっている。
 
 
 
== 株価にまつわる[[モデル]]や理論 ==
 
*[[ランダムウォーク]] - 以前はしばしば理論を研究しようとする学者などにより「株価はランダムウォークとして動き、短期・中期・長期に関わらず常に予測不能な動きを示す」とも説明(主張)されていた。現実的には人間の心理(心情、[[感情]])により動くため、完全なランダムウォークではないし、様々な株価に対する介入や操作も行われている。
 
*[[フラクタル]] - 大局的にも局所的にも同じような動き方をする。
 
*[[カオス理論|カオス]] - 時間が経過するに連れて観測誤差の影響が増大し、未来予測が成り立たなくなる。
 
 
 
==脚注==
 
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== 関連項目 ==
 
*[[投資顧問会社]]
 
*[[株式相場]]
 
*[[株価操縦]]
 
*[[テクニカル分析]]
 
*[[大数の法則]]
 
*[[罫線表]]
 
*[[株式]]
 
*[[為替]]
 
*[[外国為替]]
 
*[[システムトレード]]
 
*[[移動平均]]
 
*[[三尊天井]]
 
 
 
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2019/7/2/ (火) 09:57時点における最新版

株価(かぶか、米:stock prices 英:share prices)

 株式につけられた価格。出来値ともいう。一般に上場銘柄の株式の価格であって、その株価は証券市場における需要と供給によって形成される。上場銘柄以外の株式(店頭有価証券)は取引所外売買によって価格が形成され、証券会社ごとに異なることが多いので、出来値とは区別される。株価は一般の商品と同じように基本的には需要と供給によって決まるが、株式は経済的にも法律的にも多くの要素をもっているから、株価の形成過程は非常に複雑で、その分析はきわめてむずかしい。これまで、株価の形成に関して、大別して理論的アプローチと実証的アプローチ(証券市場的アプローチ)が行われてきた。

 理論的アプローチとしては第一に理論株価があげられる。株式は株主権という法律上の各種権利が付与されており、もっとも基本的かつ具体的な権利としては果実所得(配当)が得られることである。そこで、不確定ではあるが、この果実所得を客観的には一般利子率で、主観的、実践的には期待利子率で資本還元したものが株価であり、これを理論株価とよんでいる。この場合、果実所得の中心である配当に対する予想、いいかえれば企業収益の変動に関する予測によって評価が変わってくること、さらに一般利子率や期待利子率の変動によっても株価の騰落が影響されるなど、株価の理論的な測定方法は簡単であっても、その実践的な評価測定となると、きわめて複雑多岐な問題が生じてくる。  ついで、証券市場分析方法による株価形成の理論があげられる。すなわち、株価は需要供給の市場心理説とよばれる法則によって決定されるとする説で、需給関係を動かす要因として、まず市場の人気をあげ、副次的要因としては、(1)利子率、(2)政治経済の変化、(3)企業収益、(4)景気変動、(5)国内企業の労働事情、(6)国民経済の推移、(7)人口問題などの項目をあげている。

 以上のような考え方に対して、株式のもつ本質的な価値にその評価の基盤を求める証券分析論がある。証券市場的アプローチでは、多くの株価形成の影響要因をあげているが、それらはまったく過去の関係をもって将来への波及効果を予測しているため、この方法には科学性が乏しいとする指摘がある。そこで、証券分析論に基づく株価論は、企業の収益力を中心に、経済界の今後の推移を予測したうえで、企業の財務分析によって株価を決定しようとするものである。このほか、成長株価論がある。これは、配当が企業の唯一の株価決定要素とみるには、配当が企業の配当政策によってきわめて恣意(しい)的になりがちであり、また表面的配当のみをもって判断することは当を得ないとして、企業収益重視の立場から出されてきたものである。すなわち、株価収益倍数の考え方がそれである。これは、株式市価と1株当りの企業収益との関係から構成され、両者の比率から個々の株価を算定する。その場合、今後の予想収益の測定、1株当りの利益の成長の予測が重要になってくるのはいうまでもない。このほか、確率論の考え方に基づいて株価を予測しようとするランダム仮説などがある。

 以上のように、株価は多くの要因によって変動するので、その予測はきわめて困難であるが、実際に株価がその会社の業績や全体の株価水準からみて適当かどうかを判断するために、日本では株式利回り、アメリカでは株価収益率が用いられる。利回りは、年間の配当金を株価で割ったもので、会社の配当力や投資資金の効率性をみるうえでは適しているが、会社の収益力や成長性などについての考慮はまったく払われていない。これに対して株価収益率は、株価を1株当りの税引き利益で割ったもので、利回りよりも企業の実力が反映されていることから合理的に株価の評価ができるとされ、近年日本でも利用度が高い。なお一部では、過去の株価の動きをグラフ化した罫線(けいせん)が用いられている。これら個々の株価の評価とは別に、株式市場全体の動向をみるためには、平均株価(日経平均株価など)や株価指数(東証株価指数など)が利用される。



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