杉山佳寿子
すぎやま かずこ 杉山 佳寿子 | |
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プロフィール | |
本名 |
渋川 佳寿子 しぶかわ かずこ |
性別 | 女性 |
出生地 | 日本・愛知県名古屋市 |
生年月日 | 1947年4月9日(77歳) |
血液型 | AB型 |
身長 | 153 cm |
職業 | 声優、ナレーター、舞台女優、大学教員 |
事務所 | 青二プロダクション |
活動 | |
活動期間 | 1966年 - |
デビュー作 | 1967年:『冒険ガボテン島』トマト役 |
杉山 佳寿子(すぎやま かずこ、1947年4月9日[1] - )は、日本の声優、ナレーター、舞台女優、大阪芸術大学教授(放送学科声優コース)[2]。本名は渋川 佳寿子(しぶかわ かずこ)[1]。青二プロダクション所属。シンガーソングライター、俳優、声優の渋川チワワは息子[3]。
Contents
来歴
愛知県名古屋市出身。少女時代は無口で周りから自閉症かとも思われ、学校では放課後に1人で木にもたれかかって遊んでる児童を眺めていた[4]。図工の授業では白黒の暗い色彩の絵ばかりを描いて先生から心配され、父と一緒に呼び出されて「もっとコミュニケーションをとるように」と言われた[4]。地元にあった話し方教室へ通うことになり、話ができなかった自分は発声練習や早口言葉のトレーニングが楽しかった[4]。そこで講師をしていたのはNHK名古屋放送児童劇団の顧問で、自分のところの試験を受けないかと言われ、合格した[5]。NHK名古屋のラジオやテレビで活動を始め、『中学生時代』に出演した[5]。市邨学園名古屋女子商業高校(現・名古屋経済大学市邨高等学校)に入学。高校時代は生徒会の委員を務める。1966年に卒業して上京[6]、劇団テアトル・エコーに研究生として入団する[7]。入団して3年ほどは俳優業だけで生計を立てられず、アルバイトをしていた[8]。1967年に『冒険ガボテン島』のトマト役で声の仕事を始める[9]。
タカラのリカちゃん人形のテレホンサービス、リカちゃん電話のリカちゃん役は発売当初の1967年から担当して、25年以上続けた[10]。
1969年に『ウメ星デンカ』のデンカ、1970年に『魔法のマコちゃん』のマコと主役を演じる[11]。
1972年には戦うヒロインのはしりである『科学忍者隊ガッチャマン』白鳥のジュンを演じ[12]、この頃にグラフィックデザイナーと結婚した[13][14]。
1974年には、『アルプスの少女ハイジ』で主人公のハイジを演じて一世を風靡、自身の代表作となった[15][16]。
1975年頃、9年間在籍したテアトル・エコーを離れて、青二プロダクションへ移籍[1]。
1981年にファーストアルバムをリリース[17]。1983年に長男(渋川チワワ)を出産[18]。
代役や交代を何度か経験しており、1989年につかせのりこの死後『つるピカハゲ丸くん』のハゲ丸役を引き継いだ[19]。1990年にも『キテレツ大百科』のコロ助を小山茉美から引き継ぎ、6年にわたって演じた。
2000年代からはおばあさん役や大人の女性の役もこなす事が多く、『満月をさがして』の神山文月や、『ふしぎ星の☆ふたご姫』のキャメロットなどといった役を演じている。
「杉山佳寿子のプライベートクラス」を1998年頃より開催し、10年目を迎えた2008年からはワークショップ形式の「杉山佳寿子のワークショップ」に改める[21]。2011年度から大阪芸術大学学放送学科声優コース主任教授に就任[22]。デジタルアーツ東京・仙台両校における講師も務めるなど、後進の指導に当たっている[23]。
人物
エピソード
『デジモンフロンティア』で共演した竹内順子に子猫を譲ったことがある。子猫は「殿下」と名づけられた。
ハイジ
『アルプスの少女ハイジ』のハイジは放送当時に高い人気を博し、2000年代以降においてもCMなどに使用されているため、杉山が演じた代表的な役柄として紹介されることが多い。本人にとっても最も思い入れの深い役柄であり、特定のシーンに話が及んだ際にも、すぐに思い出せるのはハイジのみと語っている。
演出を務めた高畑勲は、杉山をハイジに選んだ理由として、2年前の1972年に高畑監督作品『パンダコパンダ』シリーズで杉山が演じたミミ子役のイメージが強くあったからとしている。音響監督の浦上靖夫は「隣に住んでいる、身近な女の子みたいな声だったのがよかった」と杉山に教えている[25]。
ハイジ役はオーディションにより決まったものだが、その当日に杉山は風邪で38度近い熱を出しており、声がかすれて高音が出せなかったという。しかし、従来のヒロイン調とは違った作っていない声として却って気に入られ、選ばれたという[26][27]。
ハイジ役を獲得した後も、ハイジと同年齢の女の子を一日中観察したり声を聞いたりして役作りをし、杉山にとってハイジはアニメをやり続けている原点と語っており[26]、ビデオや関連商品を送ってもらえないため自腹で購入しているという[28]。
後に「ハイジのイメージがあまりにも強烈過ぎて、他の仕事が全く来ない時が暫くあった」と語ったことがある。
うる星やつらのテン
杉山は当初、ヒロインであるラム役のオーディションを受けていた。しかし、本人としてはラムの従兄弟であるテンをどうしても演じたかったため、自ら願い出てオーディションに参加し、熱望していたテン役を勝ち取ったという[29]。同作のオーディションは参加者が多かったため全員終わってから演技を見てもらったが、音響監督の斯波重治は一言出しただけで「あ、これはカコで決まりだな」と思った[30]。
コロ助の引継ぎ
コロ助#声優の交代も参照
『キテレツ大百科』の放送決定時にオーディションに参加。コロ助役は自分だと思ったが不合格となる。しかし番組開始2年後の1990年、コロ助役を担当していた小山茉美が渡米のため休業することになり、再オーディションを経てコロ助役を引き継ぐことになった。この際、視聴者に極力違和感を与えないようにと考え、小山が演じたコロ助の声をウォークマンに録音して毎日聴き込んでは、小山の演技を真似た自分の声も録音して比較を行っていたという。ある程度キャラクターを把握し、スタッフのOKが出た4ヶ月後からは、役を掘り下げ、自分なりのコロ助を見つけていった[31]。
出演
太字はメインキャラクター。
テレビアニメ
劇場アニメ
OVA
Webアニメ
- イナズマイレブン アウターコード(2017年、キヨ)
ゲーム
吹き替え
- 奥さまは魔女(ラルフ #243、子供になったラリー #247)
- 悲しみよこんにちは(セシル〈ジーン・セバーグ〉)
- キャプテンパワー(クリスチーン)
- グランド・クロス ドゥームズデイ・プロフェシー(ブルック・カルビン〈ジュエル・ステイト〉)
- 刑事コロンボシリーズ
- 二枚のドガの絵(トレイシー・オコナー〈ロザンナ・ハフマン〉)
- 黒のエチュード(オードリー〈ドーン・フレイム〉)※NHK版
- ゴーストハンターズ(グレイシー・ロウ〈キム・キャトラル〉)
- ジェシカおばさんの事件簿
- ダーティハリー3
- 大丈夫日記(マダム)
- タワーリング・インフェルノ(パティ・シモンズ〈スーザン・ブレイクリー〉)※フジテレビ版
- 地底王国(ディア〈キャロライン・マンロー〉)
- スヌーピーとチャーリーブラウン(チャーリー・ブラウン)
- スヌーピーとチャーリー(マーシー、クララ)
- テキサス(ロネッタ)※TBS版
- 逃亡者
- 暴走機関車(ルビー)※TBS版
- 魔王(ネスター〈マリアンネ・ゼーゲブレヒト〉)
- 招かれざる客(ジョーイ・ドレイトン)
- わんワンロード 全米横断5500キロの旅(ヒリー・ラドクリフ〈リリアン・ギッシュ〉)※旧ソフト版
- ロックフォードの事件メモ
特撮
- ウルトラマンティガ(TPC隊員の声)
- がんばれ!!ロボコン(ロボチャンの声)
- ミラーマン(人形の声)
人形劇
CD
- Dr.スランプ アラレちゃんの挿入歌「パパパーマのうた」
- ひらけ!ポンキッキの曲「どうぶつえんにいったなら」、「サンド1!2!3!」
- 魔女っ子メドレー(浦島マコ)
テレビドラマ
- 中学生日記(NHK名古屋放送児童劇団時代)
舞台
- 呪夢千年(1975年、老婆) ※この逸話は稲川淳二の「生き人形」でも話されている
- 劇団岸野組 くるしゅうない(2012年)
テレビ番組
- 着信御礼!ケータイ大喜利(NHK、2007年4月7日放送)
- トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜(ハイジ及びコロ助の声、2006年3月29日放送分後半より副音声ナレーター)(スタッフロールでは「影のナレーター:???」となっていた)
- 笑っていいとも!(2008年4月8日/フジテレビ)
- ワンツー・どん(どん君〈2代目〉)
- Let's天才てれびくん(こめくるりん〈おせんべくるりん、おむすびくるりん〉)
CM
- 伊藤園 ジャスミン茶(ハイジの声で出演)
- 家庭教師のトライ「教えて!トライさん」(ハイジの声で出演)
- 金鳥 コンバット
- チューリッヒ自動車保険(ハイジの声で出演、2006年2月1日 - )
- PLランド(ハイジの声で出演、1974年) ※近畿全域
- 山形銀行やまぎんマイカーローンの紹介 ※山形ローカル番組
- 和白リハビリテーション学院(ハイジの声で出演) ※福岡ローカル番組
- ダスキン (モップくんの声)
- スーパーボンバーマン(ナレーション)
- ボンバーマン'94(ナレーション)
- スーパーボンバーマン2(ナレーション)
- ボンバーマンGB(ナレーション)
- ボンバーマン ぱにっくボンバー(ナレーション)
- スーパーボンバーマン ぱにっくボンバーW(ナレーション)
- スーパーボンバーマン3(ナレーション)
- ボンバーマンGB2(ナレーション)
- スーパーボンバーマン4(ナレーション)
- サターンボンバーマン(ナレーション)
- ボンバーマンビーダマン(ナレーション)
- 爆ボンバーマン(ナレーション)
- サターンボンバーマンファイト!!(ナレーション)
- ボンバーマンワールド(ナレーション)
その他
- アニメ明石市史・明石と時のこどもたち(時のわらし)
- 財団法人日本盲導犬協会 募金ダイヤル(終了)(モート)
- リカちゃん人形こと香山リカ(初代、1967年-1997年)
- 赤丸(1995年 誰がハドソン夢まつり'95)
- 銀曜日のおとぎばなし(ポー役、LP、1984年)
- ドラえもん&キテレツ大百科「コロ助のはじめてのおつかい」(コロ助)
- はれるん(気象庁マスコットキャラクター、2004年 - )
- ダイナ(しまじろうコンサート、2016年)
- 知ってるつもり?!(ナレーション)
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 アニメージュ編集部「杉山佳寿子 ハッピーな性格がつくる多彩な表情」『アニメ声優24時』徳間書店、1981年7月31日、91-96頁。
- ↑ 声優コース | 放送学科 | 学科案内 | 大阪芸術大学 2016年6月6日閲覧
- ↑ しっかり肉を、しっかり食べる 渋川チワワの ”そんなあなたもシンプルに” 2016年4月11日 2017年8月18日閲覧
- ↑ 4.0 4.1 4.2 『女の職業解体シリーズ3 アニメ声優 輝く「人」たちの魅力的な「仕事」が全部わかる』広美出版事業部、1996年、pp.161
- ↑ 5.0 5.1 『女の職業解体シリーズ3 アニメ声優 輝く「人」たちの魅力的な「仕事」が全部わかる』広美出版事業部、1996年、pp.162-163
- ↑ 「VOICE TOPICS 卒業 杉山佳寿子」『アニメージュ』1982年4月号、p.150
- ↑ 『女の職業解体シリーズ3 アニメ声優 輝く「人」たちの魅力的な「仕事」が全部わかる』広美出版事業部、1996年、p.163
- ↑ 神谷明『みんな声優になりたかった 神谷明と25人の声優たち』オプトコミュニケーションズ、1994年、pp.134-135
- ↑ 『声優名鑑 アニメーションから洋画まで…』近代映画社、1985年、p.85
- ↑ 神谷明『みんな声優になりたかった 神谷明と25人の声優たち』オプトコミュニケーションズ、1994年、pp.126-127
- ↑ 神谷明『みんな声優になりたかった 神谷明と25人の声優たち』オプトコミュニケーションズ、1994年、p.127
- ↑ 神谷明『みんな声優になりたかった 神谷明と25人の声優たち』オプトコミュニケーションズ、1994年、p.137
- ↑ DARTS編『科学忍者隊ガッチャマン全書 増補改訂版 1972-2000』朝日ソノラマ、2000年、p.104。声優座談会より。
- ↑ アニメージュ編集部『アニメ声優24時』徳間書店、1981年、p.94
- ↑ 神谷明『みんな声優になりたかった 神谷明と25人の声優たち』オプトコミュニケーションズ、1994年、p.135
- ↑ 小川びい『こだわり声優事典'97』徳間書店、1997年、p.71
- ↑ 『アニメージュ』1982年1月号、p.177
- ↑ 『アニメージュ』1984年5月号、p.59
- ↑ 『女の職業解体シリーズ3 アニメ声優 輝く「人」たちの魅力的な「仕事」が全部わかる』広美出版事業部、1996年、p.156
- ↑ 第四回声優アワード受賞者 声優アワード公式サイト
- ↑ ワークショップ受講者募集! 杉山佳寿子のワークショップ 2008年9月11日 2017年8月18日閲覧
- ↑ ハイジ、コロ助の声でお馴染みの杉山佳寿子の2017年夏期集中ワークショップ参加者募集 杉山佳寿子のワークショップ 2017年7月29日 2017年8月18日閲覧
- ↑ 声優専門学校デジタルアーツ東京 進学ナビ内 2017年8月18日閲覧
- ↑ 神谷明『みんな声優になりたかった 神谷明と25人の声優たち』オプトコミュニケーションズ、1994年、p.125
- ↑ ハイジ役で今でも現役! 名優・杉山佳寿子の声優道
- ↑ 26.0 26.1 「アンケート特集 杉山佳寿子」『キネマ旬報臨時増刊 宮崎駿・高畑勲とスタジオジブリのアニメーションたち』キネマ旬報社、1995年、p.110
- ↑ 『女の職業解体シリーズ3 アニメ声優 輝く「人」たちの魅力的な「仕事」が全部わかる』広美出版事業部、1996年、p.168
- ↑ 『BSアニメ夜話Vol.07 アルプスの少女ハイジ』キネマ旬報社、2008年、p.123
- ↑ 『女の職業解体シリーズ3 アニメ声優 輝く「人」たちの魅力的な「仕事」が全部わかる』広美出版事業部、1996年、p.171
- ↑ 『うる星やつら』同窓会 実は杉山佳寿子はラム役を狙っていた?
- ↑ 『女の職業解体シリーズ3 アニメ声優 輝く「人」たちの魅力的な「仕事」が全部わかる』広美出版事業部、1996年、pp.154-159
外部リンク
- [1] - allcinema
- | sub | s=0000000837540 | -7 }}/ Kazuko Sugiyama - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- 杉山佳寿子 Movie Walker
- 公式プロフィール