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[[File:Grafton Elliot Smith Cultural Diffusion Map from Egypt.jpg|thumb|upright=1.35|エジプトからの文化伝播図(Grafton Elliot Smithによる) ]]
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'''文化伝播'''(ぶんかでんぱ、英語:Cultural diffusion)
[[文化人類学]]および[[文化地理学]]において、'''文化伝播'''(ぶんかでんぱ、英語:Cultural diffusion)とは、[[思想]]、[[観念]]、[[宗教]]、[[技術]]、[[言語]]などの[[文化]]的産物がが単一文化内あるいは複数文化間で伝播することである。[[:en:Leo Frobenius]]の著書『Der westafrikanische Kulturkreis』(1897/98)で概念化された。文化伝播の例として、[[チャリオット|戦闘用馬車]]や古代の[[鉄]][[製錬]]術、そして20世紀における[[自動車]]や西洋の[[スーツ|ビジネススーツ]]の普及が挙げられる。
 
 
 
==タイプ==
 
文化伝播には5タイプが存在するとみなされてきた。
 
 
 
* '''拡大的伝播'''(Expansion diffusion):発信地で強く存在し、他の地域まで拡散するもの。しばしば階層的普及、伝染的普及、刺激的普及を含む。
 
* '''移転的伝播'''(Relocation diffusion):発信地から消え、新たな地域に移転するもの。
 
* '''階層的伝播'''(Hierarchical diffusion): 広い場所から狭い場所へ、場所間の距離はほとんど関係なく、しばしば社会的上位階級の影響を受けて広がるもの。
 
* '''伝染的伝播'''(Contagious diffusion):ある集団内の、人と人との接触によって広がっていくもの。
 
* '''刺激的伝播'''(Stimulus diffusion):別の概念と結合することによって広がるもの。
 
 
 
==メカニズム==
 
文化間伝播は様々な方法で起こる。{{仮リンク|人の移動|en|Human migration}} は文化を運ぶ。思想は文化間を移動する訪問者(商人、探検家、兵士、外交官、奴隷、雇われ職人など)によって運ばれる。技術の伝播は、報酬や他の誘因をもって熟練した科学者または労働者を惹きつけるある1つの社会によって、しばしば起こってきた。近隣あるいは点在する2つの文化の間の婚姻はしばしば文化伝播を促進させる。文化的に成熟した社会では、普及は手紙や本、そして現代では電子メディアを通じても起こる。
 
伝播のメカニズムは3つのカテゴリーが存在する。
 
*'''直接伝播'''(Direct diffusion)は2つの文化が互いに非常に近く、互いの婚姻、貿易、福祉などによって起こるものである。例として[[アメリカ合衆国]]と[[カナダ]]の間であり、この2国の国境付近の人々はカナダ発祥の[[ホッケー]]およびアメリカで盛んな[[野球]]に勤しむことが挙げられる。
 
*'''強要伝播'''(Forced diffusion)は一方の文化がもう一方の文化を征服した際に、征服側が被征服側の人々に文化を強要するものである。例として、スペイン、フランス、イギリス、ポルトガルなどの支配によって、[[アメリカ先住民]]がキリスト教化したことが挙げられる。
 
*'''間接伝播'''(Indirect diffusion)はある特徴が媒介者を通じてある文化から別の文化(最初の文化と最後の文化は直接の接触はない)に渡ることである。例として、広大なアメリカ合衆国が間に存在するにもかかわらず、[[メキシコ料理]]がカナダに存在することがある。
 
 
 
直接伝播は、少人数の人々が隣接して定住する古代には普通のものであった。間接伝播はマスメディアやインターネットの普及によって、今日では普通のものである。アメリカの歴史家かつ評論家の[[:en:Daniel J. Boorstin]]は著書''[[The Discoverers]]''の中で、文明間の発明の拡散における探検家の役割について、歴史的な見地を与えている。
 
 
 
==モデル==
 
文化間の伝播について提唱されてきたモデルは以下がある。
 
*[[移住]] (Migration):漸進的または突発的な人々の移動による文化伝播。
 
*[[文化圏]]伝播モデル(Culture circle diffusionism (''Kulturkreise'')):世界の文化は、もとは少数の文化に由来するという仮説。
 
* 過文化伝播モデル([[:en:Hyperdiffusionism in Archaeology|Hyperdiffusionism]]):全ての文化は1つの文化に由来するという仮説。文化の[[平行進化]](同じ文化が独立に複数源で誕生すること)を否定し、全ての文化は1回しか獲得されないとする考え<ref>Legend and lore of the Americas before 1492: an encyclopedia of visitors, explorers, and immigrants, Ronald H. Fritze, 1993, p. 70</ref>。
 
* "''Kulturkugel''" (ドイツ語で「文化弾丸」"culture bullet"という意([[:en:J. P. Mallory]]により命名)):侵略、漸進的移住、伝播の程度をモデル化するためMalloryにより提唱された<ref>In the context of [[Indo-Aryan migration]]; Mallory, "A European Perspective on Indo-Europeans in Asia". In ''The Bronze Age and Early Iron Age Peoples of Eastern and Central Asia''. Ed. Mair. Washington D.C.: Institute for the Study of Man (1998)</ref>。このモデルによると、物質文化と社会組織によって形成された地域的コミュニティーは、言語的コミュニティに比べ強い。よって、文化接触あるいは限定的な人の移動は恒常的に、物質文化や社会組織の変化を伴わずに、言語に変化をもたらす<ref>The term is a 'half-facetious' mechanical analogy, imagining a "bullet" of which the tip is material culture and the "charge" is language and social structure. Upon "intrusion" into a host culture, migrants will "shed" their material culture (the "tip") while possibly still maintaining their "charge" of language and, to a lesser extent, social customs (viz., the effect is a [[diaspora]] culture, which depending on the political situation may either form a [[substratum]] or a [[superstratum]] within the host culture).</ref>。
 
 
 
==関連==
 
*{{仮リンク|文化流用|en|Cultural appropriation}}
 
*{{仮リンク|人口拡散|en|Demic diffusion}}
 
*{{仮リンク|発明の伝播|en|Diffusion of innovations}}
 
*[[ミーム]]
 
 
 
==脚注==
 
{{reflist|2}}
 
 
 
==参考==
 
*Frobenius, Leo. ''Der westafrikanische Kulturkreis. Petermanns Mitteilungen 43/44'', 1897/98
 
*Kroeber, Alfred L. (1940). "Stimulus diffusion." ''American Anthropologist'' 42(1), Jan.–Mar., pp.&nbsp;1–20
 
*Rogers, Everett (1962) ''Diffusion of innovations''. New York: Free Press of Glencoe, Macmillan Company
 
*[[John L. Sorenson|Sorenson, John L.]] & Carl L. Johannessen (2006) "Biological Evidence for Pre-Columbian Transoceanic Voyages." In: ''Contact and Exchange in the Ancient World''. Ed. Victor H. Mair. [[University of Hawaii Press]], pp.&nbsp;238–297. {{ISBN|978-0-8248-2884-4}}; {{ISBN|0-8248-2884-4}}
 
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==外部リンク==
 
* [http://www.as.ua.edu/ant/Faculty/murphy/diffusion.htm "Diffusionism and Acculturation"] by Gail King and Meghan Wright, ''Anthropological Theories'', M.D. Murphy (ed.), Department of Anthropology, College of Arts and Sciences, The University of Alabama.
 
 
 
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文化の変化・発展は文化の要素の伝播 (でんぱ) に基づくものであると主張する諸理論。 1890年代に現れ 1920年代に栄えた。ドイツの地理学者 [[F.ラッツェル]]らは文化特質の要素的研究によって,いかに慣習や技術的発明の借用が行なわれているかを示し,単純な単系進化論に対し活発な反論を加えた。 F.グレープナーは諸文化圏を歴史的な前後関係である文化層へ再構成するための基準を考え,[[W.シュミット]]は壮大な規模の原始文化史再構成の図式を発展させた。彼らの文化圏説は文化史学派とも呼ばれる。伝播主義は文化の伝播という重要な事実を指摘したという点における貢献はあったが,文化要素間の構造・機能的連関を無視している点や実証性に乏しい図式性に陥っている点が批判された。一方,[[F.ボアズ]]は伝播・歴史主義的立場をとったが,早急な一般化や要素主義に反対し,おもに北米先住民の文化の分布・伝播を現地調査に基づいて綿密に研究した。
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文化伝播(ぶんかでんぱ、英語:Cultural diffusion)

文化の変化・発展は文化の要素の伝播 (でんぱ) に基づくものであると主張する諸理論。 1890年代に現れ 1920年代に栄えた。ドイツの地理学者 F.ラッツェルらは文化特質の要素的研究によって,いかに慣習や技術的発明の借用が行なわれているかを示し,単純な単系進化論に対し活発な反論を加えた。 F.グレープナーは諸文化圏を歴史的な前後関係である文化層へ再構成するための基準を考え,W.シュミットは壮大な規模の原始文化史再構成の図式を発展させた。彼らの文化圏説は文化史学派とも呼ばれる。伝播主義は文化の伝播という重要な事実を指摘したという点における貢献はあったが,文化要素間の構造・機能的連関を無視している点や実証性に乏しい図式性に陥っている点が批判された。一方,F.ボアズは伝播・歴史主義的立場をとったが,早急な一般化や要素主義に反対し,おもに北米先住民の文化の分布・伝播を現地調査に基づいて綿密に研究した。



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