快速列車

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JR東日本中央線の快速列車

快速列車(かいそくれっしゃ)とは、鉄道において急行料金などの速度に対する対価としての料金は要しないが、途中の一部または全部を通過し、主要駅のみに停車することで目的地駅への速達サービスを提供する列車である[注 1]

ここでは特に断りがない限り、日本における快速列車を主題として解説している。また、「通勤快速」など「快速」の名がつく派生種別についても扱う。

JR

JRグループの旅客営業規則においては普通列車の一種であり、急行料金が必要となる急行列車(優等列車)に対して料金不要で乗車できる種別である[1]

快速列車であっても、各駅に停車する区間においては「普通」と案内される場合がある。例えば、京阪神地区東海道山陽本線琵琶湖JR京都神戸線)や、常磐線中距離列車(普通列車)の快速は、快速運転区間においては「快速」、各駅停車となる区間は「普通」として案内されている。これらの快速は市販の時刻表では「快速」の表記がなく、普通列車の扱いである[2][注 2]。変わった例として、湘南新宿ラインでは、横須賀線( - 宇都宮線)系統の列車が停車する西大井駅新川崎駅保土ヶ谷駅東戸塚駅東海道本線( - 高崎線)系統の列車が通過するため、後者は東海道本線の普通列車に相当する停車駅ながら「快速」として運転される。

このような列車は比較的長い距離を運転するものが多いものの、末端区間では各駅停車となる場合も多い。ただ、直通列車や速達列車の存在自体が重宝される場合もある。例えば、兵庫県相生市赤穂市は「京阪神まで新快速1本」で行けることをアピールして観光や定住促進活動を行ってきたが、2016年3月26日のダイヤ改正で日中の新快速の乗り入れがなくなり、区間運転の普通列車に代替された。これらの沿線では通過運転は行っていないので減便となったわけではないが、沿線自治体から懸念されるほどの事態となった[3]。また、速達列車が昼間のみの運転であっても、その列車が存在することで不動産広告などに所要時間を掲載できるといったメリットもある[4](通勤時間帯の所要時間が増える場合や速達列車の運転がない場合はその旨を付記する必要があるが、その付記は小さい)。

車両

特急列車や急行列車とは異なり[注 3]、使用する車種は基本的に定められていないが、通常は普通列車用車両(一般形車両近郊形車両通勤形車両)が使用される。運用上の兼ね合いで特急形車両が使用される場合もあり、この例としてJR北海道の「エアポート」が挙げられる。かつて「エアポート」の一部列車は札幌駅 - 旭川駅間を運行する特急「スーパーカムイ」が種別変更していた[注 4]。JR東日本では、「ホリデー快速」に代表される首都圏の臨時快速列車の一部に特急形車両(185系E257系等)を使用している。

また、格下げの形で特急形車両をそのまま充当する列車も存在した。例えばJR東日本では特急「北越」廃止後に新設された新潟駅 - 糸魚川駅間を2017年3月4日ダイヤ改正まで運行していた快速列車は485系が使用されていた。2015年3月14日のダイヤ改正までは「あいづライナー」や「くびき野」にも485系が使用されていたが、列車廃止に伴い充当を終了した。過去には急行形車両を使用した列車も存在しており、間合い運用はもとより、格下げの形としては京阪神地区の新快速や中京地区の快速には117系に置き換わるまでは153系が使用されていたほか、快速「みえ」にはキハ58系・キハ65形が使用され、「ムーンライトえちご」には165系が使用されていた。

一部の車両、または全車を指定席車とし、乗車券のほかに指定席券を必要とする列車や、グリーン車を連結する列車もある。

愛称

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列車愛称がある快速列車の例:マリンライナー

特急や急行とは違い、列車愛称がつけられないことがほとんどである[2]が、「とっとりライナー」(山陰本線)・「アクティー」(東海道本線)・「シーサイドライナー」(大村線など)・夜行列車の「ムーンライト○○」などのように愛称付きの快速が運転されているケースもある。

エアポート」・「マリンライナー」・「はまゆり」・「みえ」・「セントラルライナー」・「ホームライナー」など座席指定席を設定している列車は、指定席発券システムの管理に際しては、列車番号ではなく、列車愛称ごとに番号を振り分けていることから2本以上運行される場合、号数(例:「マリンライナーXX号」)が付与されている。

全車自由席の快速列車において愛称が付与される列車は以下のものが挙げられる。

北海道旅客鉄道(JR北海道)
きたみ」など、大半の快速に愛称が付与[注 5]されている。
東日本旅客鉄道(JR東日本)
JR発足間もない頃に新設された快速列車には列車愛称を付与していたが、2000年代以降列車愛称の整理を実施しており、「うみかぜ」・「仙山」・「ばんだい」・「マリンドリーム」などのように愛称が廃止・削減される傾向にあり、東北地方(特に仙台・秋田支社管内)の快速列車にこの傾向がある[注 6]。一方、首都圏では上野東京ライン経由の快速列車は快速運転区間においては「アクティー」「アーバン」「ラビット」が付与されるが、通勤快速や湘南新宿ライン経由の快速・特快には愛称が付与されないなど、列車愛称付きの列車と愛称なしの列車が混在している例があり、横須賀線・総武快速線の「エアポート成田」は上りと下りで列車愛称の付与が区別されており、2002年12月のダイヤ改正までは成田空港発の列車にも「エアポート成田」という愛称を付与していたが、成田空港行の列車も2018年3月17日のダイヤ改正で愛称は廃止され、他の横須賀線・総武線快速電車と同じ扱いとなった(停車駅に変更なし)[6]
2013年3月16日のダイヤ改正前においては京葉線の快速は方面によって停車駅が異なっていたことから、蘇我方面の快速列車を「京葉快速」、武蔵野線直通の快速列車を「武蔵野快速」として案内していた。ただし京葉線・武蔵野線系統とも正式な種別は「快速」であることから、「京葉快速」および「武蔵野快速」は、あくまでも愛称としての位置づけであった。
東海旅客鉄道(JR東海)
自由席のみで組成される快速列車には列車愛称は基本的に付与されないが、例外的に飯田線とJR東日本中央本線篠ノ井線を直通運転する快速列車には「みすず」という愛称が付与されている。飯田線内では快速運転を行うが、この内の1本は中央本線・篠ノ井線では普通列車として運行される。
西日本旅客鉄道(JR西日本)
中国地方の快速列車は「◯◯ライナー」という愛称が付与される(「サンライナー」・「通勤ライナー」・「シティライナー」「とっとりライナー」など)。
津山線で運行している快速列車「ことぶき」は運行開始当初は指定席が設定されていたため、列車愛称が付与されたものである。
四国旅客鉄道(JR四国)
予讃線高松駅 - 坂出駅間を快速運転を行い、坂出駅を境に各駅停車する列車には「サンポート」が付与されている。
九州旅客鉄道(JR九州)
鹿児島本線荒尾駅以北で運行している快速列車(区間快速を含む)や福北ゆたか線筑豊本線篠栗線)で運行している快速列車ように列車愛称がつけられないケースがある一方で[注 7]、地方で運行している快速列車には「なのはな」(指宿枕崎線)や「シーサイドライナー」(大村線など)、「日南マリーン号」(日南線)のように愛称が付与されている。この他にも肥薩おれんじ鉄道から直通運転を行っている快速列車には「スーパーおれんじ」「オーシャンライナーさつま」が付与されている。

快速電車

電車特定区間を中心に、通過駅を伴う電車により運転されている列車を「快速電車」と呼ぶ。これは主に各駅停車に対する速達の意味合いであるものの、中距離列車(普通列車)と並走する場合に齟齬を来すことがある。

上記にある、常磐線やJR京都線・神戸線の普通列車が電車特定区間内において「快速」と案内されるのは、別に運行される各駅停車との区別や、既にある圏外を結ぶ中距離列車である(電車による)「普通列車」との停車駅の統一によるものである。

常磐線では、通勤五方面作戦による増強計画で複々線計画から外れた三河島駅南千住駅や大幅に遅れた天王台駅には快速電車が停車していたものの、普通列車は通過していた(過去はそれ以外にも通過駅があった)。2004年3月13日の改正で停車駅が統一され、そして10月16日の改正で案内が「快速」に統一された。

元々は、中央線において速達種別として「急行電車」が運転されるようになったが、有料の急行列車が運転されるようになると、紛らわしさから快速電車に改称されたという経緯がある。中央線でも、快速電車よりも普通列車の方が停車駅が少なかったことがある。

その他

通過駅を持たせたまま、あるいは特別通過する形態で「普通」扱いにする列車もある[注 8]。また旧国鉄時代には、地方の路線において朝晩の時間帯に乗降客の少ない駅やホームの短い駅を通過する設定があったが、快速とはせず単に普通列車として扱われていた。高山本線では2017年時点でも高山駅 - 岐阜駅間を運行する始発および最終列車は「普通」であるが、下呂駅 - 岐阜駅間は各駅に停車し、高山駅 - 下呂駅間は久々野駅飛騨小坂駅飛騨萩原駅のみに停車する。


逆に、全運転区間で通過駅が1駅しかないにもかかわらず「快速」を名乗る場合もある。例えば、2013年3月16日改正時点では、山陰本線舞鶴線播但線といった北近畿地区を運行する一部の快速などにこの事象が見られる。また、中央線快速武蔵小金井駅立川駅豊田駅 - 高尾駅大月駅間のみを運転する快速電車に至っては、通過駅が1駅も存在しない(ただし、案内上は各駅停車である)。

民鉄事業者

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京王の快速列車
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専用の車両で運行していた東武伊勢崎線の快速列車

私鉄第三セクター鉄道においても、快速という列車種別が設定されている鉄道会社があり、JRグループと異なり、特急や急行・準急等と共に優等列車として扱われることもあるが[7]、料金不要列車も優等列車の範疇に含めるかどうかは事業者によって相違しており、国鉄・JRと同様に「優等列車」として扱わない鉄道会社もある。例として東武鉄道伊勢崎・日光線において2017年4月まで運行していた快速・区間快速は当該列車で運用することを目的としたセミクロスシート車両である6050系で運行していたが、同社では料金不要列車には速達種別であっても優等列車という表現を用いず、一般列車と表現している[8]。京王電鉄においても各駅停車を除く列車は優等列車ではなく、急行系列車と表現している[9]

準急・急行などの列車種別との上下関係は鉄道会社によって異なり、下表のように3パターンに分けられる。

首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス東京地下鉄(東京メトロ)東西線など、優等列車として「快速」および「通勤快速」などの快速の派生種別のみ設定されている[注 9]路線も存在する。

快速の種別を設定している私鉄は東日本の事業者が多く、関東地区の大手私鉄では小田急電鉄以外の各社で設定されたことがある。その一方、西日本の事業者での設定は少なく、大手私鉄では阪急電鉄京阪電気鉄道のみに留まっている。

使用する車両は特急列車や一部の急行列車とは異なり、専属で使用する車種が定められていないことがほとんどであり、基本的に一般車両(大手私鉄では通勤形車両)が使用される。例外的に専用の車両を使用する事例として、東武鉄道では伊勢崎・日光線では6050系を使用することは前記した。過去には前身車種である6000系や特急から格下げされた5700系が使用されていた。鹿島臨海鉄道ではかつて運行していた「マリンライナーはまなす」は専用車両として7000系が使用されていた。このほかに北近畿タンゴ鉄道宮津線では2007年3月17日まで「特急用車両を使用している」というだけの理由で、宮津駅→西舞鶴駅間の22時台に通過駅のない「各駅停車の快速」を設定していたことがあった。

一部の私鉄で運行している快速列車には運賃の他に料金を徴収するものもあり、2016年時点ではあいの風とやま鉄道およびIRいしかわ鉄道が運行しているあいの風ライナーは運賃の他にライナー券300円を必要とする。過去の例ではしなの鉄道の「しなのサンライズ・しなのサンセット」(2015年3月以降は全席自由席に変更して運行継続)と鹿島臨海鉄道が運行していた「マリンライナーはまなす」は運賃のほかに乗車整理券200円が必要であった。この他に東武鉄道と伊豆箱根鉄道では一部座席指定の快速列車を運行していた。

JR以外の事業者における列車種別の類型
類型及びその説明 路線 列車種別の序列
(速達順)
詳細
1 JRと同じく、急行と各駅停車普通との間に位置する 京王線 特急
準特急
急行
区間急行
快速
井の頭線を除く「京王線系統」で実施されている種別区分。なお、井の頭線には快速という列車種別自体が運行されていない。
相鉄本線 特急
急行
快速
2 快速が急行・準急の間となるもの 西武池袋線 特急
S-TRAIN
快速急行
急行・通勤急行
快速
通勤準急
準急
阪急京都本線 特急・通勤特急
快速急行
快速
準急・堺筋準急
詳細は阪急京都本線#快速および阪急京都本線#旧・快速を参照。
3 快速が急行よりも上位となっているもの 東武東上線 快速急行
快速
急行
準急
2013年3月16日より現行の運行種別となるが、東上線の場合は快速より上位の料金を徴収しない列車種別として快速急行が存在する。
神戸電鉄有馬線
三田線粟生線
特快速
快速
急行
準急
快速は一度急行に統合され廃止されたが、2009年3月20日のダイヤ改正で復活した。
ただし、方向幕上での快速の英語表記は快速急行を意味するRAPID EXP.(特快速はSPECIAL RAPID EXP.)となっている。
なお、新設当時、神戸高速鉄道新開地駅ホームに掲出されていた時刻表には“快速急行”と誤記されていた。

かつては京成電鉄や、臨時列車でのみの運転ではあったが、京阪電気鉄道と近畿日本鉄道でも急行よりも上位種別である快速が設定されていた。

JR以外で快速列車を運行する事業者・路線を下表に示す。「通勤快速」など快速の派生種別を運行する事業者・路線については派生種別の項を参照。

JR以外の事業者において運行中の快速列車
運行事業者 運行線区 他の優等列車 備考
通過駅あり 各駅に停車 快速の
派生
種別
その他の
優等種別
青い森鉄道 青い森鉄道線 なし なし 2018年3月17日ダイヤ改正で、線内完結列車が廃止され、野辺地駅からJR大湊線へ直通する「しもきた」のみとなる。なお、同日ダイヤ改正で、青森発八戸行の始発列車は、普通列車ながら西平内駅と狩場沢駅を通過する[注 10]
秋田内陸縦貫鉄道 秋田内陸線 なし あり
仙台空港鉄道 仙台空港線 なし なし 仙台駅までJR線との相互直通運転。
会津鉄道 会津線 区間快速 なし 会津鉄道会津線#運行形態を参照。
東武鉄道 東上線 なし あり
関東鉄道 常総線 なし なし 詳細は関東鉄道常総線#快速列車を参照。
首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス 区間快速
通勤快速
なし 通勤快速は2012年10月15日ダイヤ改正日から。平日ラッシュ時間(朝は上り・夕・夜間は下り)に運転。通勤快速運転時間帯は快速の運転はない。
いすみ鉄道 いすみ線 なし あり 快速は、土休日朝の大多喜大原行の1本のみ運行。なお、上位種別である急行列車も、土休日のみの運行。
東葉高速鉄道
東京地下鉄
(東京メトロ)
東日本旅客鉄道
(JR東日本)
東西線 東葉高速線
総武線
中央線
通勤快速 なし
京成電鉄
芝山鉄道
東京都交通局
京浜急行電鉄
本線
押上線
東成田線
芝山鉄道線
浅草線
京急本線
なし あり 京急線内は泉岳寺 - 品川間のみ。
京王電鉄
東京都交通局
京王線 新線
相模原線
高尾線
新宿線
なし[注 11] あり 新宿線の種別としては2013年2月22日のダイヤ改定で廃止となった。
(事業者の境界駅である新線新宿駅で種別変更を行うようになった。)
西武鉄道
東京地下鉄
(東京メトロ)
池袋線 狭山線
西武有楽町線
有楽町線
なし あり 有楽町線の種別としては2008年6月14日のダイヤ改正で廃止となった。
(事業者の境界駅である小竹向原駅で種別変更を行うようになった。)
2001年12月までは新宿線系統にも設定されていた[10]
相模鉄道 本線 いずみ野線 なし あり 本線の通過運転区間は横浜駅 - 鶴ヶ峰駅間のみ。いずみ野線内と本線鶴ヶ峰駅 - 海老名駅間は各駅に停車。
横浜市交通局 ブルーライン なし なし 2015年7月18日ダイヤ改正日から、日中のみに運転。
北越急行 ほくほく線 JR信越本線[注 12] 超快速 なし 2015年3月14日のダイヤ改正で、特急「はくたか」が廃止され、代わりに「超快速・スノーラビット」(線内は十日町駅のみ停車)が新設。
しなの鉄道 しなの鉄道線 なし あり
ホームライナー
えちごトキめき鉄道
あいの風とやま鉄道
日本海ひすいライン
妙高はねうまライン
あいの風とやま鉄道線 なし あり
(ホームライナー)
JR信越本線新潟駅からの直通列車。なお、日本海ひすいライン内には、線内完結の列車も運行されている他、日本海ひすいライン直江津駅からあいの風とやま鉄道線まで乗り入れる列車もある(あいの風とやま鉄道線内は各駅停車)。
えちぜん鉄道 勝山永平寺線
三国芦原線
なし なし 勝山駅→福井駅間と三国港駅→福井駅間のみ運行。
近江鉄道 八日市線 なし なし かつては本線にも設定されていた。
WILLER TRAINS
(京都丹後鉄道)
宮福線
宮豊線
宮舞線
なし あり
阪急電鉄 京都本線 なし あり 2001年に「急行」に統合され廃止されたが、2007年より臨時列車の種別として復活、2010年3月のダイヤ改正時には定期列車で復活。
神戸電鉄 有馬線
粟生線
特快速 あり かつて三田線にも設定されていた。一度急行に統合され廃止されたが、2009年3月20日のダイヤ改正で復活[11]。ただし英語表記は「快速急行」を意味する「RAPID EXP.」が使用されている。
土佐くろしお鉄道 阿佐線 なし なし JR線高知駅まで直通運転
肥薩おれんじ鉄道 肥薩おれんじ鉄道線 なし なし 快速は土休日のみの運行。なお、全線通し運行される列車は、鹿児島中央発新八代行の「オーシャンライナーさつま4号」[注 13]以外に無く、JR鹿児島本線鹿児島中央駅から出水駅[12]まで乗り入れる「オーシャンライナーさつま号(1~3号)」と、JR鹿児島本線熊本駅から出水駅まで乗り入れる「スーパーおれんじ号(全車)」がある。

各駅に停車する線区は、いずれも通過する線区と直通運転を行う。

JR以外の事業者における廃止された快速列車
運行事業者 運行線区 備考
弘南鉄道 弘南線大鰐線 大鰐線は本数の削減により、弘南線は2007年6月に平賀駅構内で発生した脱線事故の影響から、それぞれ廃止。
IGRいわて銀河鉄道 いわて銀河鉄道線 2015年3月14日のダイヤ改正で、青い森鉄道線からの直通列車、及びJR花輪線から乗り入れる「八幡平」が廃止。
鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線 1998年12月のダイヤ改正で廃止。料金不要の「はまなす」と有料の「マリンライナーはまなす」を運行していた。
東武鉄道 スカイツリーライン
日光線
鬼怒川線
2017年4月のダイヤ改正で廃止。2006年以降は急行より上位の種別であった。それ以前では現行の急行電車とは異なる有料急行列車「ゆのさと」・「しもつけ」・「きりふり」が存在したため、快速はその下位であった(類型2に近い形)。快速が料金を徴収しない列車種別としては最上位種別となっている点は以前と変わりがない。1964年から1976年までは一部座席指定であった。
東京モノレール モノレール羽田線 2010年時点では「空港快速」・「区間快速」に再編され、「空港快速」が最上位に位置している。
東京急行電鉄 田園都市線 「急行」に統合され廃止。なお2007年から運転されている準急は停車駅がほぼ同じで、実質的には当時の快速の後継列車となっている。[注 14]
のと鉄道 七尾線能登線 1988年3月25日に快速「のと恋路」号として運行開始。1991年9月1日からは「のと恋路」号が急行に昇格し、快速の愛称が無くなる。1999年廃止[13]
伊豆箱根鉄道 駿豆線 1988年頃から1998年3月まで運行。一部座席指定であった。
静岡鉄道 駿遠線
静岡清水線清水市内線
駿遠線は1958年5月20日から1967年10月16日まで、静岡清水線と清水市内線(港橋方面)は1953年11月24日から1958年3月9日まで存在(静岡清水線の快速は翌日以降「急行」に変更)[14]
天竜浜名湖鉄道 天竜浜名湖線 1996年3月16日ダイヤ改正より運行開始。
愛知環状鉄道 愛知環状鉄道線 2005年3月1日から9月30日まで、東海旅客鉄道(JR東海)中央本線名古屋駅から高蔵寺駅経由で愛知環状鉄道線万博八草駅(現・八草駅)まで快速「エキスポシャトル」が運行されていた。
京阪電気鉄道 本線 かつて行楽期や京都競馬場重賞競走開催日に臨時列車として運転されていたが、2010年時点では運転されていない。
京阪本線#臨時列車」参照。停車駅は列車によって異なる[注 15]
神戸新交通 ポートライナー 神戸空港駅までの延伸開業とともに2006年2月2日より運行開始。空港系統でのみ運行され、三宮駅を出発後、中公園駅みなとじま駅市民広場駅医療センター駅京コンピュータ前駅の順に停車。朝夕ラッシュ時を除いた時間帯に1時間あたり2本運行されており、三宮駅 - 神戸空港駅間を16分半で結んでいた。2016年3月28日のダイヤ改正で廃止。
神戸市交通局 西神・山手線 西神ニュータウンの開発に伴う人口増加による利用需要増に備え、1993年7月に運転を開始。
停車駅は、西神中央駅名谷駅新長田駅三宮駅新神戸駅で、神戸総合運動公園野球場(グリーンスタジアム神戸)や神戸総合運動公園ユニバー記念競技場でイベントが開催される際には総合運動公園駅にも臨時停車していた。
1995年に発生した阪神・淡路大震災の影響により休止となっていたが、各駅停車との所要時間の差がわずか6分だったこともあり実質廃止となった。

快速の派生種別

いくつかの路線で、「特別快速」「準快速」といった快速列車の派生種別が存在する。各線区における列車の位置づけは、一覧の「詳細ページ」の項を参照。なお、近鉄で運転されていた区間快速は、正式には区間快速急行という快速急行の派生種別のためここでは記載しない。

JR

JR(旧国鉄)における快速列車の派生種別を下表に示す。

特筆すべきは、JR西日本京阪神地区(アーバンネットワーク)では運行線区に応じた愛称が与えられているものがある。基本的には通常の快速と同じ位置づけの種別であるが、例えば、「みやこ路快速」は同じ線区で運行する快速より停車駅を少なくしており、その他の列車も停車駅は通常の快速と同じではあるものの、JR発足後に新規製造した車両のみを使用し高速度運転するダイヤを組んでおり、通常の快速よりも到達時間を短くしているものが多い。

また、休日にのみに運転されるものの中にはホリデー快速の名称を与えるものもある。しかし、運行路線が多く、いわゆる「休日運行」の快速列車格であったホリデー快速「おくたま」・「あきがわ」のような列車から、「ホリデー快速富士山」のように臨時列車の扱いで運行されるものもある。

  • 各線区ごとにその位置づけは異なるため、詳細については表の「詳細ページ」の項から各線区についての説明を参照。
  • ×」表記はすでに廃止されている線区・種別などを示す。
一部区間は快速と同じ停車駅に、他は各駅に停車するもの
種別名 運行系統 詳細ページ 備考
区間快速

R.Rapid

函館本線(小樽 - 札幌 - 岩見沢) いしかりライナー 新千歳空港快速「エアポート」快速「ニセコライナー」との差違による名称。
武豊線 - 東海道本線 武豊線#運行形態
および東海道線 (名古屋地区)#運行形態
 
関西本線 関西線 (名古屋地区)#区間快速 2009年3月14日のダイヤ改正で昼間時間に停車駅を減らした「快速」が設定されたことによりこの種別が登場した。それ以前の「快速」(みえとは異なる)の停車駅が引き継がれている。
奈良線関西本線大和路線 奈良線#区間快速  
大和路線 - 大阪環状線 大和路線#区間快速 一部和歌山線桜井線直通
阪和線 阪和線#区間快速  
大和路線・片町線(学研都市線)
- JR東西線
片町線#区間快速 JR宝塚線・JR神戸線の直通列車の場合、尼崎方面行きは京橋駅、四条畷方面行きは尼崎駅で種別・列車番号を変更する。
鹿児島本線(門司港 - 八代) 鹿児島本線#区間快速 一部長崎本線直通
佐世保線 - 大村線 - 長崎本線(佐世保 - 長崎) シーサイドライナー
×B快速 ×阪和線 阪和線#B快速 天王寺駅 - 熊取駅間で快速運転を行い、熊取駅 - 和歌山駅間は各駅停車していた。末期は早朝の1本のみに運行される大阪環状線・梅田貨物線経由新大阪行きのみの運行であった。
停車駅案内[15]や市販の時刻表では「快速」と表記するものがある。
×仙石線 仙石線#快速列車 仙石線快速において停車駅が2種類あった時代、あおば通駅 - 多賀城駅間を各駅停車する快速列車で使用していた[16][17]。ただし市販の時刻表では「快速」と表記[18]
×準快速

SemiRapid

×鹿児島本線 鹿児島本線#準快速 2004年3月13日のダイヤ改正で折尾駅 - 赤間駅間を各駅停車する快速列車で使用していた。2011年3月12日のダイヤ改正で門司港駅 - 福間駅間各駅停車となったのち、2018年3月16日で区間快速に変更され名称は消滅。
快速より停車駅を少なくしたもの
種別名 運行系統 詳細ページ 運行本数・時間 備考
特別快速

S.Rapid

石北本線「きたみ」 きたみ_(列車) 1日1往復のみ 下位となる「快速」がないことから事実上快速格であるが、特急並みに停車駅が絞られていることから(現在は遠軽駅 - 北見駅間では生野駅西留辺蘂駅を除く各駅に停車)、登場時以来この列車種別を用いている。
仙石東北ライン
東北本線仙石線
仙石東北ライン 1日1往復のみ  
常磐快速線 常磐快速線
特別快速#常磐線
日中のみ 全列車上野駅以南上野東京ライン直通、東海道線品川駅まで運行。
湘南新宿ライン
(東海道線 - 高崎線系統)
湘南新宿ライン
特別快速
  湘南新宿ラインの「快速」に対する上位種別であり、東海道線快速「アクティー」高崎線快速「アーバン」と同格である。
東海道本線
(JR東海・名古屋圏)
東海道線 (名古屋地区)   快速・普通列車として運行区間では最速達種別
×指宿枕崎線「なのはなDX」 指宿枕崎線#快速「なのはな」 2004年から
2011年まで運行
この場合、快速「なのはな」との差別化を図る意味合いがあるとされ、速達化とは必ずしも一致しない。
×成田線・総武本線・
横須賀線「エアポート成田」
総武快速線 1995年まで運行 横須賀線内は大船駅までの運行で、現行の快速「エアポート成田」同様、普通「エアポート成田」扱い。
中央特快 中央線(快速)青梅線 特別快速#中央線・青梅線 下り平日夕方
ラッシュ時以外
毎日運行
 
青梅特快
新快速

S.Rapid

東海道本線
(JR東海・名古屋圏)
東海道線 (名古屋地区)
新快速#JR東海
  特別快速の下位種別である
アーバンネットワーク
東海道本線(JR西日本)・山陽本線
琵琶湖線JR京都線神戸線
北陸本線・湖西線・赤穂線
京阪神快速
新快速#JR西日本
  快速・普通列車として運行区間では最速達種別
×阪和線 新快速#阪和線 1972年から
1978年まで運行
 
ラッシュ時のみに運転されるもの
種別名 運行系統 詳細ページ 運行本数・時間 備考
通勤快速 東海道本線東京近郊区間 東海道線 (JR東日本) 平日夜間下り3本のみ 遠距離速達目的のため、川崎駅横浜駅戸塚駅通過(それ以外は「アクティー」と同一)。品川駅の次の停車駅は大船駅となる。土曜・休日ダイヤでは日中時間帯運行の快速「アクティー」として運行。
総武本線(快速)・成田線 総武快速線 平日1日2往復のみ
土曜・休日ダイヤでは快速として運行。総武快速線から乗り入れる横須賀線では各駅に停車。扱いも普通列車になる。
高崎線・上越線両毛線 高崎線 平日夕方ラッシュ時のみ 登場時には快速「タウン」の愛称があった。土曜・休日ダイヤでは昼間時運行の快速「アーバン」として運行。
東北本線
(宇都宮線)
宇都宮線 平日夕方ラッシュ時のみ 登場時には快速「スイフト」の愛称があった。土曜・休日ダイヤでは昼間時運行の快速「ラビット」として運行。
中央本線・青梅線五日市線八高線 中央線快速 平日夕方下りのみ 通勤快速が運行される時間帯には中央特快・青梅特快が運行されないことや、土曜・休日ダイヤでは中央特快・青梅特快が代替として運行されることから、事実上特別快速と同等の扱いを受ける。
京葉線 - 内房線外房線 - 東金線 京葉線 平日朝上り内房線・外房線直通各2本、
夕方下り内房線・外房線直通各1本
土曜・休日ダイヤでは快速として運行。
内房線・外房線 - 東金線直通列車のみとなる。
埼京線・川越線 埼京線 平日朝・夕および夜間 土曜・休日ダイヤでは快速として運行。直通先の川越線・東京臨海高速鉄道りんかい線内では各駅停車。通勤快速の運行時間帯には快速は運行されない。
×常磐線 常磐線 2007年3月17日まで朝上り3本、夜下り1本 上りは平日のみ運転。特別快速よりも上位格。
通勤特快 中央本線・青梅線 中央線快速 平日朝上りのみ。  
直通快速

D.Rapid

×東北本線 - 石巻線 東北本線 上下朝1本、夕1本 (2012年3月16日までは朝の上りと夕方の下りのみで土休日運休、翌17日からこれについては毎日運行となり、増発分が土休日運休) 仙台駅~石巻駅間途中停車駅なし。東日本大震災において仙石線が被災したため、2015年度予定の復旧までの暫定的な運行。仙石線の代替のため、定期券・回数券は仙石線経由のものが利用可能となっていた。
大阪環状線 -
阪和線紀勢本線関西空港線
阪和線#直通快速 平日朝ラッシュのみ 環状線内では各駅停車。この区間で通過運転を行う関空快速・紀州路快速や快速列車と区別するために設定された。休日は関空・紀州路快速と快速列車が代替。
JR東西線 - 片町線(学研都市線) -
おおさか東線 - 関西本線(大和路線)
片町線#直通快速 朝夕ラッシュ時に運行(朝は奈良駅→尼崎駅間、夕方は尼崎駅→奈良駅間のみ) 土曜・休日にも運行される
京阪神地区の路線別に名称が与えられている列車
種別名 運行系統 詳細ページ 運行本数・時間 備考
みやこ路快速 奈良線・関西本線(大和路線) 奈良線#運行形態 日中のみ運行  
大和路快速 大阪環状線
関西本線大和路線)・和歌山線
大和路快速 休日は運行時間を拡大。土曜・休日の一部列車は、和歌山線直通。
関空快速 大阪環状線・阪和線関西空港線 関空快速・紀州路快速#関空快速 平日朝ラッシュ時の上り以外運行 早朝・夜間を除き日根野駅 - 大阪方面間は紀州路快速と併結運転。
紀州路快速 大阪環状線・阪和線 関空快速・紀州路快速#紀州路快速 一部を除き日根野駅 - 大阪方面間は関空快速と併結運転。
×関空特快
「ウイング」
×大阪環状線・阪和線・関西空港線 関空快速・紀州路快速#関空特快ウイング 日中1時間1本(当時) 現在は運行されていない
丹波路快速 東海道本線(JR神戸線)・
福知山線(JR宝塚線)
福知山線#運行形態 停車駅は快速と変わらない。
2012年3月17日から223・225系使用の篠山口駅・福知山駅発着列車に設定を拡大。
その他
種別名 運行系統 詳細ページ 備考
×A快速 ×仙石線 仙石線#快速列車 上位種別がないことから事実上快速格であるが、仙石線快速において停車駅が2種類あった時代、仙台駅 - 多賀城駅間を速達運転する快速列車で使用していた[16][17]。ただし市販の時刻表では「快速」と表記[18]


JR以外の事業者

JR以外の事業者における快速列車の派生種別を下表に示す。「×」表記は廃止された事業者・路線を示す。

ラッシュ時間帯に運行する種別 - (A):快速より上位 (B):快速より下位
種別名 運行事業者 運行線区 備考・詳細ページ
通過駅あり 各駅に停車
通勤快速 ×京王電鉄 ×京王線 (A) ×京王新線
×高尾線
×相模原線
京王線#通勤快速
2013年2月22日改定で「区間急行」へ改称。
東京地下鉄(東京メトロ) 東西線 (B)
東葉高速鉄道 東葉高速線 (B)
首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス (B) 2012年10月15日ダイヤ改正で新設
つくばエクスプレス#列車種別
×松浦鉄道 ×西九州線 現在は単なる「快速」として運行
×東武鉄道 ×伊勢崎線×日光線 ×宇都宮線 1972年頃まで存在した[19]
×西武鉄道 ×池袋線 2001年12月15日廃止[10]
快速より下位の種別
種別名 運行事業者 運行線区 備考・詳細ページ
通過駅あり 各駅に停車
区間快速 ×東武鉄道 伊勢崎線
日光線
鬼怒川線 東武日光線#快速・区間快速
首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス つくばエクスプレス#列車種別
東京モノレール 東京モノレール羽田線
快速(急行)より上位の種別
種別名 運行事業者 運行線区 備考・詳細ページ
通過駅あり 各駅に停車
空港快速 東京モノレール 東京モノレール羽田線 東京モノレール羽田空港線#運行形態2016年現在、下位となる「快速」がないことから事実上快速格である。
超快速 北越急行 ほくほく線
JR信越本線
JR上越線
愛称は『スノーラビット』。
特快速 神戸電鉄 有馬線 - 三田線 神戸電鉄有馬線#列車種別
英語表記はSPECIAL RAPID EXP.
×かつて運行された種別
種別名 運行事業者 運行線区 備考・詳細ページ
通過駅あり 各駅に停車
準快速 東武鉄道 伊勢崎線
日光線
鬼怒川線 東武日光線かつての「準快速」
拝島快速 西武鉄道 新宿線 - 拝島線 西武新宿線#拝島快速
急行より上位の種別であった。
東葉快速 東葉高速鉄道・東京メトロ 東葉高速線 - 東西線 東葉高速線#東葉快速

接頭辞としての「快速」

いくつかの事業者において「快速特急」や「快速急行」など、特急や急行の頭に快速を付ける列車種別が運転されている。それらは、特急や急行より停車駅が少ない列車となっている。詳細は各項目を参照されたい。 かつて小田急電鉄では「快速準急」が設定されていた。日中の準急を速達化したもので、準急と急行の間の位置付けだった。この種別は1971年、急行に統合される形で廃止された[注 16]

各国での言語表記

快速の英訳には"Rapid (Service)"が当てられ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の快速列車ではRapid Service trainと表記される。

ただし英語圏では、"RAPID"は快速(列車)という意味ではなく[注 17]、「迅速な」という形容詞である(rapidsだと「急流」)。 停車駅が少ないことも含意するとは限らない。 またロマンス語圏においては、特急列車の種別名にRapidやそれと同じ語源の言葉を用いることがあった(フランス国鉄#列車の種類)。 ドイツ語圏では昔の"Eilzug"が日本の快速列車に近い。

派生種別の英語表記

派生種別については、区間快速はSection Rapid、特別快速はSpecial Rapidとするのが一般である。

ただしこれも事業者によって異なり、JR東海の東海道本線や首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスでは区間快速の英語表記がSemi Rapidとなっている。これは、九州旅客鉄道(JR九州)の鹿児島本線で運行されている準快速と同じである。また、JR西日本では新快速をSpecial Rapid Service、区間快速をRegional Rapid Serviceとし、JR東海では新快速をNew Rapidとしている。これは東海道線に特快が存在するためである。

東葉高速鉄道の東葉快速はTOYO RAPID、東京モノレールの「空港快速」・「区間快速」はそれぞれHANEDA EXPRESSRAPIDとなっている。

北越急行の超快速はCho-Rapidとなっている。

日本国外

日本国外の鉄道においては、日本の列車種別を明確に当てはめることは難しいが、日本以外では概ね以下のように考えることができる。

  • 中華人民共和国の鉄道(香港含む)では急行列車に相当する「特快列車」、「快速列車」が運行されている。
    • 2013年12月19日に開業した上海軌道交通16号線では、快速列車に相当する種別として大駅車(簡体中文:大站车)が運転されている。これは中国の地下鉄では初めての快速列車であったが、輸送力不足による混雑の影響により2014年1月29日から運転を取り止めた。その後、車両増備により輸送力増強がなされたことにより、2016年3月21日に運転を再開した。
  • 台湾では区間快車(英語表記:Local Express)が運行されているが、これは日本の快速列車に相当する。この他に運賃制度上は区間快車と同格であるが全席指定の復興号も運行されている。
    • 2017年3月2日に開業した桃園機場捷運では、快速列車に相当する種別として直達車(繁體中文:直達車)が運転されている。
  • 韓国では、ソウル首都圏広域電鉄の一部路線で急行列車(英語表記:Rapid)が運行されており、こちらも日本の快速列車に相当する。
  • ドイツ鉄道 (DB) の「レギオナルエクスプレス」(RE:RegionalExpress)、スイス連邦鉄道 (SBB CFF FFS) の「レギオエクスプレス」(RE:RegioExpress)、オーストリア連邦鉄道 (ÖBB) の「レギオナルエクスプレス」(REX:RegionalExpress)が、特別料金を要さないこと、普通列車よりも停車駅が少ないこと、特急列車よりは遅いが速達性を重視していること、地域圏輸送を主目的とすることなどの点から、日本の鉄道の「快速」に相当する種別と考えることができる。
  • ドイツの「ミュンヘン・ニュルンベルク・エクスプレス」や、フランスアルザス地域圏の「TER200」のように、特別料金不要ながら、最高速度200km/hで運転する列車も存在する。
  • イギリスの場合、そもそもExpress自体が「各駅停車と同じ料金[注 18]で途中駅通過で終点まで早くつく」という快速列車の定義にそのまま当てはまる車種である[20]。ただし、一部駅を通過する列車は多く設定されているものの、停車駅が区別された列車種別は厳密には存在せず、案内放送、時刻表においては停車駅(必要なら愛称)のみが案内される。

参考文献

  • 交友社鉄道ファン
    • No.558 特集:列車種別バラエティ
  • *No.613 特集:快速ウオッチング
  • 交通新聞社『JR時刻表』各号
  • JTBパブリッシング『JTB時刻表』各号
  • 創元社 所澤秀樹『鉄道の基礎知識』ISBN 9784422240671
  • 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』No.561 特集:大都市圏の「快速」電車

脚注

注釈

  1. ただし、鉄道事業者によっては「特急」「急行」などの種別も速度に対する料金を取らない場合があり、それらと「快速」の種別がともに存在している場合は、停車パターンの区別を表している。
  2. JTBパブリッシング発行の時刻表では東海道本線・山陽本線の当該区間に「京都 - 西明石間は快速停車駅のみ掲載(列車種別の表記がないものはこの間快速で運転)」との記載があり、また交通新聞社発行の「JR時刻表」では欄外に「京都 - 西明石間は快速停車駅を掲載しています」との表記がされている。また、JR京都線・神戸線の全列車を掲載している携帯全国時刻表などでは「快速」として掲載している。
  3. 優等列車(特に特急列車)はその性質上、速達性と快適性が追求されるため、基本的に専用の車両が使用される[5]
  4. 785系・789系による「エアポート」の運用は、2016年3月26日のダイヤ改正で廃止。それ以降、旭川方面とは札幌駅で乗り換えの必要が生じている。
  5. 2016年3月26日から運行している『はこだてライナー』は快速列車でも運行されるが、半数以上は普通列車である。
  6. JRダイヤ改正を参照。
  7. 筑豊本線・篠栗線ではキハ200系で運行していた時代には「赤い快速」という列車愛称が付与されていた
  8. 一例として、JR北海道では旧仮乗降場、JR東日本では磐越西線羽越本線北越急行から直通運転する普通列車などが挙げられる。
  9. なお、かつて東京メトロ東西線では通勤快速が運転されるようになる以前は快速の種類を分別していなかったが、内部では列車番号から西船橋駅 - 東陽町駅間無停車の「A快速」・浦安のみ停車の「B快速」・浦安駅 - 東陽町駅間は各駅停車の「C快速」と呼称されていたことがあるが、正式な種別名として用いていなかった。なお、現行ダイヤの快速は「B快速」、通勤快速は「C快速」がそれぞれ相当する。
  10. 該当の普通列車は、2016年3月26日から2018年3月16日まで、通過駅は変わらずに快速列車として運行されていた。
  11. 後述するが、2013年2月22日のダイヤ改定までは通勤快速も設定されていたが、当該列車は区間急行に改称され、日中にも運転されるようになった。
  12. ただし、黒井駅は一部列車が通過する。
  13. 但し、阿久根→八代間は、各駅停車。
  14. ただし、準急は快速が通過していたあざみ野駅に停車する。
  15. 一時期9000系には「快速」の幕(黄色の地に黒文字)があった。臨時の快速は主に7200系9000系が充当されることが多かったが、「京都ロマンス快速」のように8000系特急車が使われることもあった。なお、京阪の快速は急行より停車駅が少なく、当時の特急より停車駅が多く設定されていた。現行ダイヤの特急・快速急行の方が、当時の快速より停車駅が多い。
  16. 同種種別では快速以外においては「区間急行」がある(京阪電気鉄道を除く)。
  17. 英語版Wikipediaによる後述"Eilzug"の解説では、"fast-stopping train"、"semi-fast train"、などと称するのが近いようである。 Limited-stopSkip-stop、も参照。
  18. 現実にはExpressに3等車が併結されず、最低2等以上の料金が必要なケースも多かった(例:初期のフライング・スコッツマン)。

出典

  1. 例えば、JR東日本旅客営業規則旅規第3条(5)、JR東日本
  2. 2.0 2.1 各出版社の時刻表の当該路線のページを参照。
  3. JR西、新快速減便か 赤穂線の自治体「定住に打撃」 - 2015年12月15日 神戸新聞NEXT
    JR西ダイヤ改正 赤穂線新快速減便に不安や落胆 - 2015年12月19日 神戸新聞NEXT
  4. http://www.sfkoutori.or.jp/consumer/alacarte.pdf 不動産広告あらかると (PDF) - 公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会 P.5(交通の利便)
  5. PHP研究所 梅原淳『雑学3分間ビジュアル図解シリーズ 特急列車のすべて』p.78
  6. 2018年3月 ダイヤ改正について(東日本旅客鉄道株式会社 プレスリリース)(2017年12月15日)
  7. 一例として、2012年6月30日(土)ダイヤ改正を実施します - 西武鉄道 2012年5月21日
  8. 4月21日(金) ダイヤ改正を実施!東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線・鬼怒川線など【特急列車以外の一般列車】 (PDF) - 東武鉄道、2017年2月28日
  9. 交通新聞社『京王電鉄の世界』p.77
  10. 10.0 10.1 今尾恵介、原武史(監修) 『日本鉄道旅行歴史地図帳 5号 首都圏私鉄―全線全駅全優等列車』 新潮社、2010年。ISBN 978-4107900395。
  11. 今尾恵介、原武史(監修) 『日本鉄道旅行歴史地図帳 10号 関西私鉄―全線全駅全優等列車』 新潮社、2011年。ISBN 978-4107900449。
  12. 出典:交通新聞社発行小型時刻表2015年12月号488ページと大型時刻表2016年3月号419ページから
  13. 今尾恵介、原武史(監修) 『日本鉄道旅行歴史地図帳 6号 北信越―全線全駅全優等列車』 新潮社、2010年。ISBN 978-4107900401。
  14. 今尾恵介、原武史(監修) 『日本鉄道旅行歴史地図帳7号 東海―全線全駅全優等列車』 新潮社、2010年。ISBN 978-4107900418。
  15. 停車駅ご案内 大阪環状線・JRゆめ咲線・大和路線・阪和線・関西空港線 – 西日本旅客鉄道
  16. 16.0 16.1 2010年12月ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道仙台支社 2010年9月24日(2013年6月19日時点でのインターネットアーカイブ)
  17. 17.0 17.1 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』No.547 p.65
  18. 18.0 18.1 JTBパブリッシング 『JTB時刻表』2013年3月号 仙石線のページ参照。
  19. 今尾恵介、原武史(監修) 『日本鉄道旅行歴史地図帳 5号 首都圏私鉄―全線全駅全優等列車』 新潮社、2010年、47-51。ISBN 978-4107900395。
  20. 高畠潔 著、『イギリスの鉄道の話』株式会社成山堂書店、2004年、P20、ISBN 4425960610

関連項目